カフェインとは?効果や過剰摂取による悪影響、摂取の目安量を解説

2024年10月08日

2024年11月11日

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「カフェインってどんな成分なんだろう?」

カフェインで眠気を解消できると知っていても、どんな物質なのか詳しくは知らないという方もいらっしゃるでしょう。

カフェインはコーヒーやお茶などに含まれる成分の一種です。

適量であれば体に良い作用がありますが、過剰に摂ると心身に悪影響を及ぼすことがあります。

この記事ではカフェインの基礎知識や過剰摂取した場合の健康への悪影響、カフェインを含む飲食物、摂取の目安量、摂取する際の注意点をご紹介します。

普段からコーヒーなどをよく飲まれる方はぜひ参考にしてくださいね。

1.カフェインとは

コーヒー豆

カフェインはコーヒー豆、茶葉、カカオ豆などに含まれる成分の一つです。

コーヒーや緑茶、紅茶、ココア、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれます。

カフェインは植物中に存在する「アルカロイド」という天然の物質の一種で、苦みを有するのが特徴です。

アルカロイドとは
窒素を含む化合物のうち、アミノ酸や核酸などに分類される生体分子を除いたものの総称です。微量で人や動物の体の機能に影響を及ぼすものが多く、医薬品や嗜好(しこう)品として利用されます。カフェインやニコチン、モルヒネなどが該当します。

カフェインは神経を鎮静させる作用を持つ物質「アデノシン」と構造が似ています。

アデノシンは「受容体」に結合することで作用が発揮されますが、体内に取り込まれたカフェインはこの受容体に結びついてしまうのです。

受容体とは
内分泌系、神経系、免疫系からの情報伝達物質を認識して結合し、細胞内の核へ情報を伝える役目を果たす細胞表面の分子のことです。

その結果、アデノシンが受容体に結合できなくなって作用が妨げられ、神経が興奮状態になります。

こうした作用から、カフェインは鎮痛薬や風邪薬、眠気防止薬をはじめとした医薬品にも用いられています。

2.カフェインの効果と過剰摂取による悪影響

コーヒーブレイク中の女性社員たち

「カフェインには眠気覚まし以外の効果はあるのかな……」

「カフェインは摂り過ぎたら体に悪いのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるでしょう。

この章ではカフェインの効果や過剰摂取による悪影響について解説します。

2-1.カフェインの効果

ホットコーヒーを手に持ってパソコン操作をする人

カフェインには眠気を解消する作用があることをご存じの方もいらっしゃるでしょう。

この作用はカフェインが神経を鎮静させる作用を持つアデノシンの受容体と結びつくことで起こります。

アデノシンが受容体に結合すると、覚醒作用を持つ「ヒスタミン」の放出が抑制されるため、神経が鎮静化して眠気が生じます

しかしカフェインがアデノシンの受容体に結合すると、この作用が阻害されて神経が興奮するため、眠気が解消されるのです。

さらにカフェインは「ドーパミン」などの神経伝達物質の分泌を促進します。

ドーパミンとは
喜びや快楽、意欲をもたらすはたらきがあり、過剰になると過食や依存症などを招くことがあります。

これにより「交感神経」が優位な状態となるため眠気を感じにくくなるのです。

交感神経とは
体内の神経のうち意思に関係なく体の機能を調節する「自律神経」の一種です。自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、それぞれに相反するはたらきをします。交感神経は緊張しているときや興奮しているときに優位になり、血圧を上昇させたり心拍数を上げたりします。

覚醒が促されることにより、集中力や注意力も高くなります

またカフェインには痛みに対する感受性を下げたり、血管を収縮させたりするはたらきがあります

頭痛の一種である片頭痛は、脳の血管が拡張することなどによって起こると考えられています。

このためカフェインは頭痛薬に配合されている場合もあります。

この他カフェインには尿の排泄や胃酸の分泌を促すはたらきがあります

むくみの予防や、消化を助けるといった効果が期待できるでしょう。

ただし、空腹時コーヒーなどを飲むと胃酸によって胃が荒れることがあるため注意が必要です。

さらにカフェインには、「有酸素運動」での脂肪燃焼の効果を高める作用があります

有酸素運動とは
筋肉への負荷が比較的小さい運動のことで、ウォーキングやジョギング、水泳などが該当します。筋肉を動かすエネルギー源として酸素と共に脂質や糖質が消費されるためこのように呼ばれています。

加えてカフェインには「基礎代謝」を向上させる効果があります

基礎代謝とは
安静にしているときに呼吸や心拍、体温の維持など生命を保つために消費される必要最低限のエネルギーのことで、1日に消費されるカロリーの約60%を占めます[1]。

こういったカフェインの性質を利用することで、ダイエットのサポートになるといえるでしょう。

カフェインの持つダイエット効果や気をつけるポイントは、以下の記事で解説しています。

コーヒーはダイエットに効果的?健康的に痩せるためのコツを紹介!

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

2-2.カフェインの過剰摂取による悪影響

ノートパソコンの前で疲れた様子のメガネの男性

カフェインは過剰に摂取するとさまざまな身体症状や精神症状をもたらすことがあります。

エナジードリンクを1日に何本も飲んでいたり、水の代わりにコーヒーを飲んだりすると過剰摂取になる恐れがあるため注意が必要です。

カフェインの過剰摂取で中枢神経が過度に刺激されると、目まいや心拍数の増加、不安、震え、不眠などの症状が現れる場合があります。

またカフェインの利尿作用によって頻尿、消化器官への刺激によって下痢や吐き気、嘔吐(おうと)などが起こることもあります。

数日間にわたってカフェインの過剰摂取を続けた場合は、疲労感を強く感じることがあります。

さらに、カフェインを一気に過剰摂取すると脳や心臓に悪影響を及ぼします

重症になるとひどく興奮したり、幻覚や妄想が生じたり、痙攣(けいれん)発作が起こったりします。

心拍数が過度に上昇して血圧が下がるとショック状態になり、命の危険もあります。

カフェインを多く含む清涼飲料水の過剰摂取による死亡事例も確認されているため、むやみに摂取することは避けてください。

なお、妊婦や乳幼児はカフェインの代謝に時間がかかり、長時間体内にとどまってしまいます

このため不安を感じやすくなったり、連日の摂取を突然やめた際に頭痛などの悪影響が出たりする可能性があります。

さらに妊婦でカフェインが過剰になると、胎児の発育が阻害される可能性も指摘されています。

子どもや妊婦、授乳中の人、カフェインに敏感な人は、カフェイン摂取量を控えてください。

3.カフェインの摂取量の目安

コーヒー豆を計っているところ

カフェインの摂取量について、日本では明確な基準などが示されていないものの、国や機関によって異なる目安が設けられています。

なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量については、個人差が大きいことなどから日本でも海外でも設定されていません。

欧州食品安全機関(EFSA)における摂取量の目安は、1日当たり400mg以下です[2]。

コーヒーでは、237ml入りのマグカップ約3杯分の量です[2]。

ただし、急性毒性による悪影響の心配がない量は、一度の摂取で体重1kg当たり3mg以下とされています[2]。

また妊婦や授乳中の人の場合、1回当たりのカフェイン摂取量が200mg以下であれば問題ないとされています[2]。

子どもに関してはデータが不十分であるものの、1日の摂取量が体重1kg当たり3mg程度であれば、問題ないと考えられています[2]。

ただしカフェインは感受性の個人差が大きいため、子どもや妊婦、授乳中の人、カフェインに敏感な人は、より厳しく摂取を控えましょう

カフェインが含まれる医薬品を内服する際には、添付文書をよく読み記載の用法・用量を守って服用してください。

[2] 内閣府 食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン

4.カフェインを含む飲み物や食べ物と含有量

ガラスの急須にはいった水出し日本茶

カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどの飲料に含まれています。

また、微量ではあるもののチョコレートやココアなどのカカオを使用した食品にも含まれています。

カフェインを含む飲食物は以下のとおりです。

【カフェインを含む食品と含有量】
食品名 含有量
コーヒー
60mg/100ml
紅茶
30mg/100ml
緑茶、烏龍茶
20mg/100ml
エナジードリンク、眠気覚まし用飲料
32〜100mg/100ml

食品安全委員会「ファクトシート」をもとに執筆者作成

なお、製品などによってカフェインの含有量は異なるため、あくまで目安としてご参照ください。

エナジードリンク1本当たりにはコーヒー2~3杯分に相当するカフェインを含むものもあるため注意しましょう[3]。

[3] 内閣府 食品安全委員会「カフェインってどんなもの?

5.カフェインの摂取に関する注意点

カップにはいったお茶を上から見たところ

カフェインは適量であれば体に良い効果をもたらしますが、過度摂取すると心身に悪影響を及ぼすこともあります。

この章では、カフェインを摂取する際の注意点を解説します。

注意点1 アルコールと同時に摂取しない

乾杯をしている様子

カフェインを含むエナジードリンクなどの飲み物を摂取する際には、アルコールを同時に摂取しないようにしましょう

アルコールは脳のはたらきを低下させ、カフェインは脳のはたらきを高めます。

このためこれらを同時に摂ると、アルコールの作用が分かりにくく、飲み過ぎの一因となります。

さらにカフェインはアルコールに比べて代謝が早いため、同時に摂取すると飲酒による酔いを感じにくくなります。

このため、カフェインとアルコールは同時に摂取しないようにしてください。

注意点2 カフェイン飲料と薬を同時に摂取しない

手のひらに乗せた錠剤

カフェインを含む飲み物と一緒に薬を飲まないようにしましょう。

医薬品のなかにはカフェインが配合されているものがあります。

このため、こうした医薬品とカフェインを含むエナジードリンクなどの清涼飲料水を同時に摂取した場合、カフェインの過剰摂取となり健康被害を引き起こす恐れがあるのです。

カフェイン配合の医薬品と清涼飲料水を同時に飲まないよう注意してください。

6.カフェインについてのまとめ

カフェインはアルカロイドという窒素化合物の一種で、コーヒーや緑茶、紅茶、ココア、チョコレート、エナジードリンクなどに含まれます。

カフェインは、アデノシンという神経を鎮静させる作用のある物質のはたらきを阻害し、神経を興奮させます。

この作用により眠気を解消したり、集中力や注意力を高めたりといった効果が期待できます

またカフェインには痛みへの感受性を下げる、血管を収縮させる、尿の排泄や胃酸の分泌を促すといったはたらきがあります。

さらに脂肪燃焼の効果を高めたり、基礎代謝を向上させたりするため、ダイエットのサポートになります。

しかしカフェインを過剰に摂取すると、目まいや心拍数の増加、不安、震え、不眠、頻尿、下痢、嘔吐などを起こすことがあり、極端な場合は死に至るため注意が必要です。

健康な成人における習慣的なカフェインの摂取量の目安は、1日当たり400mgです[4]。

なお急性毒性による悪影響の心配がない量は一度の摂取で体重1kg当たり3mgとされています[4]。

ただし子どもや妊婦、授乳中の人、カフェインに敏感な人は、より厳しく摂取量を制限してください。

なおカフェインを摂取する際には、飲酒量を増やす恐れがあるためアルコールを同時に摂取しないようにしましょう。

またカフェイン配合の医薬品とカフェイン入りのエナジードリンクなどを同時に飲むと、過剰摂取になる恐れがあるため注意してください。

日頃からコーヒーをよく飲む方は、この記事を参考に適量を守るようにしてくださいね。

[4] 内閣府 食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン

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