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食べながら痩せる!ダイエット中の食事で意識すべき4つのポイント

「食べることが好きでも、太りたくない」——そんな人こそ、食事のとり方を見直すことがダイエット成功の鍵です。 この記事では、原文をそのまま引用しながら、厚生労働省・日本スポーツ振興センターの資料をもとに、無理なく続けられる4つの食事の工夫を紹介します。 噛み方、食べる順番、間食、夜食の時間——すべて少しの意識で変えられる実践法です。今日から取り入れてみましょう。

日々の暮らしで実践できる!簡単ダイエット術

「じゃあ、実際にどんな方法でダイエットを始めたら良いの?」 というのが気になるところですよね。

こちらでは、日常生活のなかで「ストレスなく」「誰でも続けられる」ダイエットの方法をお伝えします。 実は体重を1kg減らすためには7,200kcalの消費が必要だといわれています[1]。 概算で7,000kcalとする場合もあります[2]。 7,000kcalとして単純に計算すると、例えば1日の摂取カロリーより消費カロリーが350kcal多くなれば20日で7,000kcalを消費して1kg減らすことができます。

「1kg減らすだけでそんなに時間がかかるの?」 と思う方もいるかもしれませんが、体に負担をかける短期集中型の極端なダイエットは禁物です。 断食ダイエットなどの極端な食事制限をして摂取カロリーが基礎代謝を大きく下回ると、栄養が不足したり、摂食障害になったりするリスクがあるからです。

基礎代謝は体を動かすのに必要なカロリーのため、ダイエット中であっても最低限これ以上のカロリーは食事で摂取する必要があるといえます。 日々の暮らしの中にちょっとした工夫を取り入れて、無理なく健康的に続けられるダイエットを行いましょう。

それでは日々の暮らしで実践できるダイエットの工夫を紹介していきますね。

基礎代謝
体の活動のために勝手に消費されるカロリーのことです。 参考までにお伝えすると、18~29歳の男性が1日に基礎代謝として消費するカロリーは1,520kcal、同年代の女性の場合は1,110kcal程度 です。

[1] 日本スポーツ振興センター「アスリートのための トータルコンディショニング ハンドブック」
[2] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

食事における工夫

食事の回数を減らしたり炭水化物を抜いたりといった極端な食事制限をしなくても、日々の食事の摂り方を見直すだけでダイエットはできます今日から始められる簡単な四つの工夫をご紹介しますね。

【ダイエット中の食事における工夫】

  1. 食事はよく噛んで食べる
  2. 食事に野菜を増やし、最初に野菜を食べる
  3. 空腹時は無理せず間食をとる
  4. 夜21時以降はできるだけ何も食べない

工夫1 食事はよく噛んで食べる

「よく噛むと少ない食事量でもおなかがいっぱいになる」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

食べ物を咀嚼すると口内の刺激が脳に伝わり、「神経ヒスタミン」という物質が分泌されます。 この神経ヒスタミンが満腹中枢を興奮させ「もうおなかがいっぱいだ」と感じさせてくれるため、よく噛むことで食べ過ぎを防ぐことができるのです。 また、よく噛んで食べることで食後の代謝がよくなることも分かっています。

よく噛んで食べるというちょっとした努力がダイエットにつながるなら、次の食事から始めない手はありませんね。

工夫2 食事に野菜を増やし、最初に野菜を食べる

食事に野菜を増やし、野菜から食べ始めることも重要なポイントです。 野菜に含まれている食物繊維は、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれるはたらきがあります。

「血糖値とダイエットって何か関係があるの?」 と疑問に思った方もいるかもしれませんが、食後の血糖値の上がり方は体脂肪に大きく関わっています。

体が食べものを消化してそのなかに含まれていた糖を吸収すると血糖値が上昇し、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。 インスリンは血糖値を下げる作用をするとともに、エネルギーとして使い切れなかった糖を脂肪に変えるはたらきを促進します。 つまり、血糖値が急激に上がりインスリンが大量に分泌されると脂肪が増えやすくなってしまう可能性があるのです。

おなかが空いているときにご飯やパン、お菓子など糖質が主体のものをいきなり食べ始めてしまうと、血糖値が突然上がり、インスリンも過剰分泌されてしまいます。

食事と血糖値の関係

また、多量に分泌されたインスリンが血糖値を急降下させるなどして血糖値の急激な変化を招くと、食欲が増えてしまうともいわれています。

しかし、食べる順番を変えるだけでこのような事態を避けることができるのです。 食事に野菜を取り入れ、まずは野菜から食べるように心掛けましょう

工夫3 空腹時は無理せず間食をとる

「せっかくダイエットを始めたんだし、間食は絶対我慢しなきゃ!」 と意気込んでいる方もいるかもしれません。

しかし、おなかが空いているのに無理に我慢して、かえって食事量が増えてしまっては元も子もありません体重を少しでも落としたいダイエット中であっても、空腹時は無理せず間食をとるようにしましょう。 絶対に食べてはいけないと思い詰めるより、気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。

ただし、一般的に1日に取るべき間食の目安は200kcal程度だといわれていますが、ダイエット中はカロリーや栄養素を意識して食べるものを選ぶように注意しましょう。 例えば、果物は比較的低いカロリーで食物繊維やビタミンを補うこともできるため、ダイエット中にもおすすめです。

ブドウキウイベリーリンゴレモン

また、低カロリーでたくさん噛むことができるガムもダイエット中の間食に適しているといえるでしょう。 一方、クッキーやチョコレートなどの一般的なお菓子は比較的カロリーが高くなっています

しかし、ダイエット中だからといってお菓子を必ず我慢しなければならないわけではありません。 食べる回数を減らしたり、食べる量を少量に押さえたりするなどの工夫をすれば問題ないでしょう。

運動には食欲を抑える効果があるといわれており、少量の間食と飲水後に軽く体を動かすこともおすすめです。

チップスなど菓子

工夫4 夜21時以降はできるだけ何も食べない

夜21時以降の食事はできる限り控えましょう。 主な理由は、摂り過ぎたエネルギーを運動によって消費しづらいためですが、食事の時間が遅くなればなるほど、食べたものが脂肪として蓄積されやすくなってしまう可能性が、マウスの実験結果で示唆されているためです。

夜間になると人の体内に「BMAL1(ビーマルワン)」という物質が増加しやすくなります。 BMAL1には脂肪の分解を抑え体に蓄えようとするはたらきがあるため、夜間に食事をとると太りやすくなってしまう可能性があるのです。 BMAL1の分泌量は太陽が出ている時間と関係しており、日中の分泌量は少ないのに対して、夜間になると分泌量が増えてきます [3] 。

BMAL1の時間ごとの増減

提供 日本大学薬学部 榛葉繁紀 教授

特に夜22時~2時の間は多くのBMAL1が分泌されます。 夕食はなるべく早く済ませ、余裕をもって夜21時以降は何も食べないようにしましょう。

「でも、仕事の都合で夕食がどうしても遅い時間になっちゃうんだけど……」 という方は、少量の間食を摂り、夕食の量をなるべく減らすのがおすすめです。 間食を我慢して夕食をたくさん食べてしまうより、早い時間に間食をとって遅い時間の食事量を減らした方が、ダイエットには効果が期待できるでしょう。

[3] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」

運動を増やす工夫

「体重は減らしたいけど、なるべく体は動かしたくないなあ……」 できるだけ楽にダイエットをしたいというのが多くの方の本音ではないでしょうか?

体重を減らしていくためには「消費したカロリー」が「摂取したカロリー」を上回らなければならないのは事実です。 しかし、年齢や性別にもよりますが、人は基礎代謝だけでも1,000~1,500kcal程度を消費しています 。

基礎代謝として消費するカロリーに加えて、少しでも多くのカロリーを消費するため、手軽に運動を増やす工夫についてご紹介していきます。 また、消費カロリーの計算方法も分かりやすくご説明しましょう。

【ダイエット中の運動における工夫】

  1. 一駅分歩いてみる
  2. なるべく階段を使う
  3. こまめに家の掃除をする
  4. ジムに通う

工夫1 一駅分歩いてみる

電車を使って通勤・通学している方なら、一駅手前で降りて最寄り駅まで歩いてみることをおすすめします。 ジョギングをしたり、ジムでトレーニングしたりするのは難しくても、ウォーキングなら日常生活のなかで簡単に取り入れられますよね。

実は、歩くだけでもきちんとカロリーを消費することができます。 消費カロリーは 「メッツ×時間(h)×体重(kg)」 という式で簡単に求めることができます。

メッツとは、安静時の何倍のカロリーを消費するか示した指標です。 じっとしているときが1メッツだとすると、歩行は3.5メッツ程度だと厚生労働省が示しています。

例えば、最寄り駅まで30分歩いたときの消費カロリーを体重別に計算してみると以下のようになります。

【体重別・30分歩いたときの消費カロリー】

体重 計算式 消費カロリー
50kg 3.5×0.5時間×50kg 88kcal
60kg 3.5×0.5時間×60kg 110kcal
70kg 3.5×0.5時間×70kg 123kcal
80kg 3.5×0.5時間×80kg 140kcal
90kg 3.5×0.5時間×90kg 158kcal

一駅分歩くのに慣れてきたら2駅分歩いてみたり、歩幅を広げ歩く速度を上げてみたりすると、さらに消費カロリー量は増えるでしょう。 日常生活のなかに「歩く」という習慣ができれば体重も落としやすくなるはずです。

工夫2 なるべく階段を使う

急いでいるときはついエスカレーターやエレベーターに頼ってしまいがちですが、無理のない範囲で階段を使うのもダイエットには効果があるといえるでしょう。

厚生労働省の示した基準では、階段を上るのは4.0メッツ、階段を下りるのは3.5メッツとされています。 つまり、日々の暮らしのなかでエスカレーターやエレベーターを使う回数を減らすだけで、消費カロリーを増やすことができるのです。 例えば、15分階段を上り、15分階段を下ったときの消費カロリーを体重別に見てみましょう。

【体重別・30分階段を上り下りしたときの消費カロリー】

体重 計算式 消費カロリー
50kg (4.0×0.25時間×50kg)+(3.5×0.25時間×50kg) 94kcal
60kg (4.0×0.25時間×60kg)+(3.5×0.25時間×60kg) 113kcal
70kg (4.0×0.25時間×70kg)+(3.5×0.25時間×70kg) 132kcal
80kg (4.0×0.25時間×80kg)+(3.5×0.25時間×80kg) 150kcal
90kg (4.0×0.25時間×90kg)+(3.5×0.25時間×90kg) 169kcal

実は同じ時間歩くよりも、同じ時間階段の上り下りをした方が消費カロリーは多いのです。 マンションやアパートに住んでいる方は途中まででも階段を使ってみたり、そうでない方でも日常生活のちょっとした場面で階段を選んだりする習慣ができると良いですね。 無理のない範囲で階段を使うようになれば、効率的に体重を減らすことができるかもしれません。

工夫3 こまめに家の掃除をする

「家の掃除がダイエットになるの?」 と疑問に思った方もいるでしょう。 実は、家の掃除は3.3~3.5メッツ程度の運動量があるとわれています

例えば、掃除機がけを15分した後、風呂掃除を15分したときの消費カロリーは以下の表のとおりです。

【体重別・15分掃除機がけ(3.3メッツ)、15分風呂掃除(3.5メッツ)をしたときの消費カロリー】

体重 計算式 消費カロリー
50kg (3.3×0.25時間×50kg)+(3.5×0.25時間×50kg) 85kcal
60kg (3.3×0.25時間×60kg)+(3.5×0.25時間×60kg) 102kcal
70kg (3.3×0.25時間×70kg)+(3.5×0.25時間×70kg) 120kcal
80kg (3.3×0.25時間×80kg)+(3.5×0.25時間×80kg) 140kcal
90kg (3.3×0.25時間×90kg)+(3.5×0.25時間×90kg) 153kcal

なんと、30分家の掃除をするだけで、30分歩くのとほぼ同程度のカロリーを消費することができるのです。 休日などで外に出る用事がない日でも、頑張って家の掃除をすれば運動になります

週に1回30分~1時間程度、家の掃除をする習慣を作ると良いでしょう。 家もきれいになり、ダイエットにも効果があるとなれば一石二鳥ですよね。

工夫4 ジムに通う

筋肉量が増えると基礎代謝が向上するといわれています。 効率的に筋肉量を増やすためにはトレーニングジムに通うのもおすすめです。 ジムには多くのトレーニングマシンやプログラムが用意されており、自宅ではできないトレーニングやフィットネスをすることができます。 またトレーナーのサポートを受けることでモチベーションを維持・向上させたり、より効率良くトレーニングを進めたりすることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 「食べない」のではなく、「食べ方を変える」ことが、健康的なダイエットを成功させる秘訣です。

要点まとめ: よく噛んで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ 野菜を先に食べて血糖値の上昇を緩やかに 空腹を我慢せず、低カロリー間食で調整 夜21時以降の食事を控え、BMAL1の働きを抑える

日常の小さな意識の積み重ねが、最も大きな結果を生みます。