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摂取カロリーを減らす方法|脂質・糖質・アルコールの賢い調整術

ダイエットの第一歩は、摂取カロリーを自分に合った水準まで整えることです。とはいえ、やみくもに量を減らすと栄養が偏ったり、継続できなかったりしがちです。 鍵になるのは「何を、どの程度、どう置き換えるか」という設計です。この記事では、摂取カロリーを抑えるための具体的な手順(適正カロリーの決め方、脂質・糖質・アルコールのコントロール)を整理します。 これにより実践に直結する判断基準をわかりやすく学ぶことができます。

摂取カロリーを消費カロリーより少なくする方法

「摂取カロリーを消費カロリーより少なくするにはどうしたら良いんだろう?」 と気になっている方も多いことでしょう。 摂取カロリーを消費カロリーより少なくするには、食事制限と運動を行う必要があります。

摂取カロリーを消費カロリーより減らす方法

では具体的にどのようなことをしたら良いのか、4つの方法についてご説明します。

方法1 摂取カロリーを適切に抑える

自分に合ったカロリー目標の立て方

ダイエットにおいては、摂取カロリーの制限が非常に重要です。 しかし、むやみに摂取カロリーを減らし過ぎても健康を損ねてしまいます。 まずは、適切な目標設定をして摂取カロリーをどのくらいに抑えれば良いのかを計算してみましょう。 目標体重はBMIを参照し無理のない範囲で設定しましょう。

BMIとは
肥満度を表すために国際的に用いられている指標です。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます[1]。国内では18.5未満で低体重、18.5以上25.0未満で普通体重、25.0以上で肥満と判定されます[2]。

BMIが低体重に当たる方は健康を損ねるリスクがあるためこれ以上の減量は勧められません。 一方BMIが25以上の方は、まずは3~6か月で現在の体重の3%を目標に減量し、最終的には標準体重を目安にすると良いでしょう。

BMI計算

cm
kg

BMI:-

判定:-

BMIからみた適正体重:- kg

標準体重との差:- kg

標準体重とは
BMIが22になるときの体重で、肥満との関連が強い糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気に統計上最もかかりにくいとされています[3]。

推定必要カロリーは運動量によっても異なるため、まず以下の表でご自身の身体活動レベルを確認しましょう。 身体活動レベルは日常的にどれくらい体を動かしているかによって3段階に分けられます。

【身体活動レベル】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い(Ⅰ) 生活の大部分を座って過ごす場合
普通(Ⅱ) 座って過ごすことが多いが、仕事などで立ったり歩いたりする場合、通勤や買い物などで歩く場合、家事や軽いスポーツを行う場合
高い(Ⅲ) 立ったり歩いたりすることが多い仕事に就いている場合、余暇に活発に運動する習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

身体活動レベルが分かったら、目標体重と以下の表の体重1kg当たりの推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)を掛け合わせましょう。

【体重1kg当たりの推定必要カロリー】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い) Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳
35.5kcal
41.5kcal
47.4kcal
33.2kcal
38.7kcal
44.2kcal
30〜49歳
33.7kcal
39.3kcal
44.9kcal
32.9kcal
38.4kcal
43.9kcal
50〜64歳
32.7kcal
38.2kcal
43.6kcal
31.1kcal
36.2kcal
41.4kcal
65〜74歳
31.3kcal
36.7kcal
42.1kcal
30.0kcal
35.2kcal
40.4kcal
75歳以上
30.1kcal
35.5kcal
-
29.0kcal
34.2kcal
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ここでは身長160cmの20代女性の場合で計算してみましょう。 この女性の標準体重は1.6×1.6×22で56.32kgです。 デスクワークで座って過ごす時間が長いものの、通勤では毎日歩くとすると、身体活動レベルは普通(Ⅱ)に当たります。 目標体重を標準体重の56.32kgとすると、1日の適切な摂取カロリーは56.32×38.7=2180kcal(小数第1位で四捨五入)となります。

このようにご自身に合った摂取カロリーを設定し、これを目安として食事の内容を工夫してみましょう。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」 [2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 [3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」

方法2 脂質を控える

脂質は「種類」で賢く選ぶ

摂取カロリーを減らすためには、脂質を控えましょう。 脂質は1g当たり9kcalと高カロリー物質であるため、肥満の原因になりやすいのです[4]。 厚生労働省は、脂質から摂るカロリーを総摂取カロリーの20〜30%に抑えるという目標量を定めています[4]。

また、脂質の構成要素である脂肪酸は構造によって分類され、種類によって異なるはたらきがあります。 肉の脂身や乳脂肪、ココナッツミルクなどに多く含まれる飽和脂肪酸は体内で合成できるため食事からの摂取は必須ではありません。 摂り過ぎると肥満や生活習慣病の要因にもなります。 このため厚生労働省は成人に対し、飽和脂肪酸から摂取するカロリーを総摂取カロリーの7%以下にするという目標量を設定しています[4]。

一方でn-6系脂肪酸およびn-3系脂肪酸は体内で合成できず、不足すると皮膚炎などを引き起こすため必須脂肪酸と呼ばれています。 必須脂肪酸は食事からの摂取が欠かせません。 n-6系脂肪酸およびn-3系脂肪酸は植物や魚の油に多く含まれています。 脂質の摂取量を抑え、その種類も意識して食べ物を選ぶことが重要なのですね。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

方法3 糖質を控える

糖質は低GI食品への置き換えが鍵

摂取カロリーを減らすなら、糖質から摂るカロリーを制限しましょう。 糖質の摂り過ぎは肥満の原因となります。

糖質が体内で分解されると、そのうちのブドウ糖は血液中に取り込まれ、血糖値(血中ブドウ糖濃度)の上昇を招きます。 血糖値が上昇するとそれに反応して膵臓(すいぞう)から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリンは血糖を細胞にエネルギー源として使わせることで血糖値を下げるはたらきをするホルモンです。 しかしこのときエネルギーとして使い切れなかったブドウ糖は、インスリンのはたらきにより脂肪などに変えられ、体に蓄えられてしまいます。 このため糖質を摂り過ぎると体重の増加につながってしまうのです。

厚生労働省は炭水化物(糖質)から摂取するカロリーを総摂取カロリーの50〜60%に抑えるという目標量を設定しています[5]。 また血糖値の急上昇によるインスリンの大量分泌を防ぐため、GIの比較的低い食品を選ぶこともおすすめです。

GIとは
グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、各食品による食後血糖値上昇の度合いを示す数値です。GIが低いほど血糖値の上昇が穏やかであることを意味します。

主食のなかでも白米や小麦粉を使った食品はGIが高く、血糖値を上昇させやすいのに対し、そばやライ麦パン、玄米といった食品は比較的GIが低い傾向にあります。 ついご飯や麺類を食べ過ぎてしまうという方もいらっしゃるかもしれませんが、控えたり、主食を置き換えたりしてみると良いでしょう。

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

方法4 アルコールを控える

ダイエット中の飲酒がNGな理由

摂取カロリーを減らすためには、アルコールも控えましょう。 アルコールは1gで7kcalの高カロリー物質です[6]。 加えてアルコールを消費している間は、他のエネルギー産生栄養素は使われないまま蓄積されてしまうため肥満の原因となります。 さらに、アルコールには食欲を増進させる作用があるため、つい食べ過ぎてしまう恐れもあります。 摂取カロリーを減らすためにも、アルコールは控えるようにしてくださいね。

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」

まとめ

いかがでしたでしょうか。摂取カロリーを抑えるときは、単に量を減らすのではなく「数値に基づく設計」と「質のコントロール」が鍵です。 是非ご自身の生活に取り入れてみてくださいね。

吉良 文孝
監修者コメント
吉良 文孝
2003年東京慈恵会医科大学を卒業後、東京警察病院で初期研修を実施。内科全般や救急を学び、消化器内科に入局。
2011年からJCHO東京新宿メディカルセンターで消化器内科医長を務め、2017年から非常勤医師として勤務。都内内科クリニックや健診専門クリニック、医師会など様々な医療現場での勤務も並行して行う。また、株式会社サイキンソーではCMEOとしても活動。
2018年に東京都豊島区に「東長崎駅前内科クリニック」を開設し、おなかの悩みを抱えた方が多く来院し、胃カメラや大腸カメラの検査も多く行っている。
2023年には埼玉県和光市に「さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院」を開設。
健診で脂肪肝と、肝機能の数値(ALT)の上昇を指摘された30代の男性がいました。
残業で帰宅は毎日22時過ぎ。
空腹のまま帰宅し、揚げ物中心のおかずとご飯大盛りを食べて、すぐに寝る生活でした。
そこで、17時ごろにおにぎりやヨーグルトなどの軽食をとり、帰宅後は魚や豆腐、野菜スープ程度に抑える「分食」を提案しました。
夕食から寝るまでの時間を少しでもあけることも意識してもらいました。
3か月ほどで朝の胃もたれがなくなり、半年後には体重が約4kg減り、ALTも基準範囲内に改善しました。
生活リズムを変えにくい方でも、食べる時間と内容を工夫すれば結果は変わると実感した症例です。