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ダイエット中にたんぱく質を摂るべき理由とは?ダイエットの基礎知識

1.ダイエットの基礎知識

「ダイエット中はカロリー制限が大事なんだよね?」

漠然とこのようなイメージでダイエットを進めている方もいらっしゃるかもしれません。

実際、カロリー制限はダイエットにおいて非常に重要であるといえます。

カロリーは、ヒトが食べ物などから摂取し、生命維持や身体活動(体を動かすこと)に消費するエネルギーの量を表す単位です。

食事から摂取したエネルギーを消費し切れなかった場合、余ったエネルギーは体脂肪として体に蓄えられます。

一方で、食事から摂取したエネルギーよりも多くのエネルギーを消費した場合には、体脂肪が分解されエネルギーとして消費されます。

このように体重は摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)のバランスによって増減するのです。

このため、減量するには摂取カロリーを減らすこと、消費カロリーを増やすことが重要になります。

また摂取カロリーを減らしたとしても、消費カロリーがそれを下回っていれば減量は進まないと考えられるでしょう。

メモ
体脂肪を1kg減らすには、摂取カロリーを消費カロリーよりも合計約7,000kcal少なくする必要があるといわれています[1]。

「じゃあ、1日の摂取カロリーをどれくらいにしたら痩せられるんだろう?」

このように気になった方もいらっしゃいますよね。

消費カロリーは年齢や性別、年齢、体重、身体活動量(どれくらい体を動かしているか)などの影響を受けるため、1日の摂取カロリーを一概に定めることはできません。

効率良くダイエットを進めるには、ご自身の状況に合った摂取カロリーを設定することが重要です。

目標体重のときに必要とされるカロリーを摂取していれば、体重は目標体重に近づくと考えられます。

まずはご自身の身体活動レベルを把握しましょう。

【身体活動レベル】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い 生活の大部分を座って過ごし、あまり動かない場合
普通 座って過ごすことが多いが仕事でも立ったり歩いたりすることがある場合、通勤や買い物、家事や軽いスポーツをする場合
高い 歩いたり立ったりすることが多い仕事に就いている場合、スポーツなどで活発に体を動かす習慣のある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

身体活動レベルが分かったら、以下の表で該当する体重1kg当たりの推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)と目標体重を掛け合わせます。

【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量(kcal/日)】
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
18〜29歳
35.6
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.8
39.4
45.0
32.9
38.3
43.8
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
32.4
36.7
41.0
31.1
35.2
39.3
75歳以上
30.1
36.6
-
29.0
35.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

このようにして求めた目標体重における推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)を摂取カロリーの目安にすると良いでしょう。

ただし、目標体重を極端に低く設定し低体重を目指すことは健康を損ねる恐れがあるため勧められません。

目標体重を設定する際はBMIを参照しましょう。

BMIとは
肥満度を表すために国際的に用いられている指標です。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます[2]。肥満の判定基準は国によって異なりますが、日本では18.5未満で「低体重」、18.5以上25.0未満で「普通体重」、25.0以上で「肥満」に分類されます[2]。

厚生労働省は成人に対し、目標とするBMIの範囲を定めているので、目標体重はこれに収まるよう設定すると良いでしょう。

目標とするBMIの範囲は18〜49歳で18.5〜24.9、50〜64歳で20.0〜24.9、65〜74歳で21.5〜24.9、75歳以上で21.5〜24.9です[3]。

[1] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

[2] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「肥満と健康」

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2.ダイエット中にたんぱく質を摂るべき理由

たんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーを生み出す栄養素です[4]。

メモ
エネルギー源となる栄養素を「エネルギー産生栄養素」といいます。たんぱく質の他に炭水化物(糖質)と脂質があります。炭水化物(糖質)は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを生み出します[4]。

たんぱく質がエネルギー源になるということは、摂取カロリーを減らすために摂取量を減らした方が良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、たんぱく質は筋肉の材料となるため、ダイエット中もしっかり摂っておくことが勧められます。

実は、体重が減るとそれに伴って消費カロリーは減少します。

特に筋肉が減ると、脂肪が減った場合に比べて消費カロリーは落ち込んでしまいます。

これは基礎代謝が体重や筋肉量の影響を受けて増減するためです。

基礎代謝とは
呼吸や心拍、体温の維持など生命を保つために消費される最低限のカロリー(エネルギー量)のことです。総消費カロリー(総エネルギー消費量)の約60%を占めます[5]。

基礎代謝で消費されるカロリーは体の器官によって異なり、筋肉は比較的多くのカロリーを消費する組織の一つです。

ダイエットを効率良く進めるには筋肉量を維持・増加させることが重要だといえるのですね。

筋肉にはトレーニングや食事の改善によって増やすことができるという特徴があります。

筋肉量が増えれば基礎代謝だけでなく、運動時の消費カロリーも増加します。

しかし、たとえ筋トレをしていても、たんぱく質が不足していると体内で新しくたんぱく質をつくれず、反対に筋肉が分解されるといわれています。

そうなると筋肉量が減って基礎代謝も低下するため、かえって痩せにくく太りやすい体になってしまいます。

ダイエット中であってもたんぱく質をしっかりと摂取し、筋肉の分解を防ぐことが重要なのですね。

メモ
たんぱく質は筋肉だけでなく、臓器や皮膚、髪の毛など体のさまざまな組織の材料となります。たんぱく質の不足は肌質や髪質、健康にも悪影響を及ぼす恐れがあるため、その観点からも十分な摂取が勧められます。

なお、1日に摂取するたんぱく質の量は、厚生労働省が設定する食事摂取基準(1日に摂取すべき栄養素の量に関する基準)を参考にしましょう。

たんぱく質の目標量は総摂取カロリーに対し、たんぱく質から摂取すべきカロリーが占める割合(単位:%エネルギー)で設定されています。

成人のたんぱく質目標量は男女共に18〜49歳で13〜20%エネルギー、50〜64歳で14〜20%エネルギー、65歳以上で15〜20%エネルギーです[4]。

たんぱく質は1g当たり4kcalなので、重量に換算したい場合は、たんぱく質から摂取すべきカロリーを4で割ると求められます。

例えば1日の摂取カロリーが2,200kcalで、このうち20%に当たる440kcalをたんぱく質から摂取する場合、重量にすると110gです。

メモ
ただし、目標量は総摂取カロリーが適切な範囲であることが前提となっています。1日の総摂取カロリーを適度に調節した上で、バランスを意識しましょう。なお炭水化物の目標量は50〜65%エネルギー、脂質の目標量は20〜30%エネルギーです[4]。

また、たんぱく質には推奨量も設定されています。

成人男性の推奨量(1日当たり)は18〜64歳で65g、65歳以上で60gです[5]。

一方、成人女性の推奨量は50gです[5]。

食事摂取基準を参考に、1日のたんぱく質摂取量を意識してみてくださいね。

メモ
目標量は、生活習慣病の発症予防を目的として設定された食事摂取基準です。一方、推奨量はほとんどの人にとって十分だと考えられる量のことです。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」