こんにゃくに含まれている栄養素は?低カロリーの理由や注意点も解説
「こんにゃくにはどんな栄養素が含まれているんだろう?」
このようにお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事ではこんにゃくの栄養素とカロリーをご紹介します。
また、記事の後半ではこんにゃくが低カロリーである理由や食べる際の注意点も解説しますよ。
ぜひ最後までお読みくださいね。
1.こんにゃくに含まれる栄養素とカロリー
こんにゃくは低カロリーで、さまざまな栄養素を含む食品です。
そもそも、こんにゃくがどのような食品かを知らない方も多いかもしれませんね。
いわゆる「こんにゃく(板こんにゃく)」には、代表的なものとして精粉こんにゃくと生いもこんにゃくがあります。
精粉こんにゃくは、こんにゃくいもを切り干し加工して粉末状にした「精粉」を原料としたもので、一般的に白いこんにゃくがこれに当たります。
一方、生いもこんにゃくは、生のこんにゃくいもをそのまま原料にしているため、いもの皮を含み黒っぽい色になります。
ただし、近年では黒っぽいこんにゃくでも精粉を使い、ひじきなどの海藻粉末で色をつけたものも存在します。
100g当たりのカロリーは、精粉こんにゃくで5kcal、生いもこんにゃくで8kcalと、どちらも非常に低カロリーです[1]。
精粉こんにゃくと生いもこんにゃくには食物繊維、ビタミンB6、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅が豊富に含まれています。
さらに生いもこんにゃくには葉酸も多く含まれています。
ただし、これらの栄養素は「100kcal当たりの食品表示基準」に基づいて「豊富に含まれている」と表現されるものであることを考慮しなければなりません[2]。
100kcal当たりの重量に換算すると、精粉こんにゃくは2,000g、生いもこんにゃくは1,250gになります[1]。
それぞれのこんにゃく100g当たりの各栄養素の含有量は以下のとおりです。
| 栄養素 | 精粉こんにゃく | 生いもこんにゃく |
|---|---|---|
| 食物繊維 | ||
| ビタミンB6 | ||
| カリウム | ||
| カルシウム | ||
| マグネシウム | ||
| 鉄 | ||
| 亜鉛 | ||
| 銅 | ||
| 葉酸 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[2] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
2.こんにゃくに含まれる栄養素のはたらき
「こんにゃくに含まれる栄養素にはどんなはたらきがあるんだろう?」
このように気になっている方もいらっしゃることでしょう。
この章では、こんにゃくから摂取できる栄養素のはたらきと、各栄養素における成人の食事摂取基準をご紹介します。
未成年や妊婦・授乳婦についての基準について一部を除きここでは割愛しているため、未成年の方はこちら、妊婦・授乳婦の方はこちらを参考にしてくださいね。
なお、妊婦や授乳婦の場合、栄養素には付加量が設定されていることが多く、対象者は年代別の食事摂取基準にその付加量を加えた量を摂取する必要があります。
2-1.食物繊維
こんにゃく100gに含まれる食物繊維の量は、精粉こんにゃくで2.2g、生いもこんにゃくで3.0gです[3]。
食物繊維は炭水化物の一種であり、ヒトの消化酵素では消化されない食品成分です。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられ、消化されずに大腸まで達して便の材料になったり、善玉菌の増殖を助けたりします。
このため食物繊維には便秘の予防などの整腸効果があるとされています。
また、脂質や糖質、ナトリウムなどを吸着して体外に排出するはたらきがあるため、肥満や脂質異常症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病の予防・改善に効果があるといわれています。
食物繊維は腸内細菌によって発酵・分解されることでわずかなエネルギーを生み出しますが、その値は一定ではなく、1g当たり0〜2kcalとされています[4]。
厚生労働省が定める食物繊維の目標量は、男性の場合18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[4]。
女性の場合は、18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上とされています[4]。
ただし、理想的な食物繊維の摂取量は1日25g以上だといわれており、現在の目標量は日本人の実態を考慮して実現可能性を踏まえて設定されたものです[4]。
食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、野菜類、豆類、きのこ類、海藻類、穀類、果実類などの植物性食品に多く含まれています。
これらの食品を積極的に摂取するようにしてみてくださいね。
食物繊維については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-2.ビタミンB6
精粉こんにゃくと生いもこんにゃくには、いずれも100g当たり0.02mgのビタミンB6が含まれています[5]。
ビタミンB6は水溶性ビタミンであり、ビタミンB群の一種です。
体内では、たんぱく質、脂質、炭水化物というエネルギー源となる栄養素の代謝に関わっています。
特にたんぱく質の摂取量が増えるとビタミンB6の必要量も増えることが分かっており、たんぱく質の代謝において重要な役割を果たします。
成人におけるビタミンB6の推奨量は、男性では18〜64歳で1.5mg、65歳以上で1.4mgです[6]。
一方、女性の場合は18歳以上では1.2mgとされています[6]。
ビタミンB6は、穀類や野菜類などの植物性食品だけでなく、肉や魚といった動物性食品にも含まれています。
ビタミンB6については以下の記事で詳しく解説しています。
ビタミンB6のはたらきは?食事摂取基準や摂取源となる食品も紹介
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-3.カリウム
こんにゃく100gに含まれるカリウムの量は、精粉こんにゃくで33mg、生いもこんにゃくで44mgです[7]。
カリウムは栄養素として必要な必須ミネラルの一種であり、体内では主に細胞内液の浸透圧を調節するはたらきをしています。
またカリウムはナトリウムの排出を促し、血圧を下げる作用があることで知られています。
成人におけるカリウムの目標量は、男性で1日3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています[8]。
ただし、WHOは1日当たり3,510mgのカリウム摂取を推奨しており、上記の目標量は日本人のカリウム摂取量が少ないことを考慮し、実現可能性を踏まえて設定されたものです[8]。
カリウムは野菜類や果実類、いも類、豆類、海藻類などに多く含まれているため、これらの食品を積極的に取り入れることが勧められます。
カリウムについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。
カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介
[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-4.カルシウム
こんにゃく100gに含まれるカルシウムの量は、精粉こんにゃくで43mg、生いもこんにゃくで68mgです[9]。
カルシウムは必須ミネラルの一種であり、体内ではほとんどが骨や歯に存在しています。
また、一部は血液や筋肉、神経に分布し、血液の凝固を促して出血を予防する他、心筋の収縮を助けたり、筋肉の興奮を抑えたりするはたらきもあります。
成人のカルシウム推奨量は、男性の場合18〜29歳で800mg、30歳以上で750mgです[10]。
女性の場合は18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgです[10]。
カルシウムは乳製品の他、魚介類、豆類、葉物野菜などに多く含まれています。
これらの食品を日常的に取り入れて、効率良くカルシウムを摂取しましょう。
カルシウムについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。
カルシウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を解説
[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-5.マグネシウム
こんにゃく100gに含まれるマグネシウムの量は、精粉こんにゃくで2mg、生いもこんにゃくで5mgです[11]。
マグネシウムは必須ミネラルの一種で、体内で行われるほとんどすべての代謝や生合成反応に関与しています。
また、カルシウムとともに骨の健康を維持する役割も果たしています。
成人のマグネシウム推奨量は、男性の場合、18〜29歳で340mg、30〜49歳で380mg、50〜64歳で370mg、65〜74歳で350mg、75歳以上で330mgです[12]。
女性の場合、18〜29歳で280mg、30〜64歳で290mg、65〜74歳で280mg、75歳以上で270mgです[12]。
マグネシウムは豆類やナッツ類、野菜類などの植物性食品の他、魚介類や肉類などの動物性食品からも摂取することができます。
マグネシウムについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。
マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説
[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-6.鉄
こんにゃく100gに含まれる鉄の量は、精粉こんにゃくで0.4mg、生いもこんにゃくで0.6mgです[13]。
鉄は必須ミネラルの一種で、赤血球の中にあるヘモグロビンとして、体内の酸素の運搬や細胞の呼吸において重要な役割を果たしています。
鉄が不足すると、酸素を体の各組織に運ぶ能力が低下し、疲労感や目まい、動悸(どうき)、息切れなどの症状が現れます。
この状態は「鉄欠乏性貧血」と呼ばれます。
特に月経のある女性においては鉄が不足しやすいため、鉄の推奨量が高めに設定されています。
成人男性の鉄の推奨量は、18〜29歳で7.0mg、30〜49歳で7.5mg、50〜74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[14]。
これに対して、成人女性の鉄の推奨量は月経のある18〜29歳で10.0mg、30〜64歳で10.5mg、月経のない18〜74歳で6.0mg、75歳以上で5.5mgです[14]。
食品中の鉄は、動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄に分けられ、ヘム鉄の方が吸収率が高いことが分かっています。
鉄については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
鉄分とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介
[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-7.亜鉛
こんにゃく100gに含まれる亜鉛の量は、精粉こんにゃくで0.1mg、生いもこんにゃくで0.2mgです[15]。
亜鉛は必須ミネラルの一種で、遺伝子の発現やたんぱく質の合成など、細胞の成長と分化に関わるはたらきにおいて中心的な役割を果たしています。
亜鉛が不足すると、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などの症状が現れることがあります。
亜鉛の推奨量は、18〜29歳の男性で9.0mg、30〜64歳の男性で9.5mg、65歳以上の男性で9.0mgです[16]。
一方、女性の推奨量は、18〜29歳で7.5mg、30〜64歳で8.0mg、65〜74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[16]。
亜鉛はすべての細胞に存在するため、肉や魚介類、ナッツ類、穀類などさまざまな食品に含まれています。
亜鉛については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
亜鉛のはたらきと1日の適切な摂取量とは?亜鉛を多く含む食品も紹介
[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[16] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-8.銅
こんにゃく100gに含まれる銅の量は、精粉こんにゃくで0.02mg、生いもこんにゃくで0.04mgです[17]。
銅は必須ミネラルの一種で、体内では骨や筋肉、血液中に存在しています。
たんぱく質と結合し、体内で行われるさまざまな反応に関与しています。
また、鉄とともに血液をつくる作用にも関わっています。
成人男性の銅の推奨量は、18〜29歳で0.8mg、30〜64歳で0.9mg、74歳以上で0.8mgです[18]。
成人女性の銅の推奨量は0.7mgです[18]。
銅は大豆製品やナッツ類、肉類、魚介類などに含まれています。
[17] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[18] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-9.葉酸
生いもこんにゃくには100g当たり2μgの葉酸が含まれています[19]。
また、精粉こんにゃくにも100g当たり1μgの葉酸が含まれていますが、「豊富に含まれる」と表現できる量ではありません[19]。
葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種でもあります。
体内ではDNAやRNAの合成、アミノ酸の代謝、たんぱく質の合成などに関わり、細胞の増殖と深く関係しています。
また、ビタミンB12とともに赤血球の細胞骨格を維持するはたらきもあります。
胎児の神経管が形成される受胎前後から妊娠初期までに、母体が葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを小さくすることが分かっています。
成人の葉酸の推奨量は240μgです[20]。
また、中期・後期の妊娠中の女性には240μg、授乳婦は100μgの付加量が設定されています[20]。
なお、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げるためにサプリメントなどから葉酸を1日当たり400μg摂取することが勧められています[20]。
葉酸はほうれん草から発見されましたが、植物性食品だけでなく、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。
葉酸については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介
[19] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[20] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3.こんにゃくが低カロリーな理由
こんにゃくが低カロリーである理由は、こんにゃく100gに含まれる水分が、精粉こんにゃくで97.3g、生いもこんにゃくで96.2gと、エネルギー産生栄養素をほとんど含まないためです[21]。
エネルギー産生栄養素は、ヒトが生命を維持したり体を動かしたりするために必要なエネルギーの元となる栄養素で、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類があります。
このエネルギー量を表す単位がカロリーです。
体重はエネルギー摂取量(摂取カロリー)とエネルギー消費量(消費カロリー)のバランスで増減します。
つまり、食事からの摂取カロリーを減らしたり、運動で消費カロリーを増やしたりすることが減量につながるということです。
こんにゃくをうまく取り入れれば摂取カロリーを減らすことができますが、エネルギー産生栄養素は体に必要な栄養素であるため、バランスを考えて活用してくださいね。
エネルギー産生栄養素については以下の記事で詳しく解説しています。
エネルギー産生栄養素とは?それぞれのはたらきや理想のバランス
[21] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
4.こんにゃくに関する注意点
「こんにゃくを食べる際に注意することはあるのかな?」
このように気になっている方もなかにはいらっしゃるかもしれませんね。
この章では二つの注意点について解説します。
注意点1 食べ過ぎない
こんにゃくを多量に食べることは勧められません。
こんにゃくいもには、グルコマンナンという水溶性食物繊維が含まれています。
グルコマンナンは水を吸収すると膨らみ、満腹感をもたらしたり、コレステロールや血糖値を下げたりするといったはたらきをします。
しかし、こんにゃくを作る過程で加熱されることによって、グルコマンナンは不溶性食物繊維に変化します。
不溶性食物繊維は過剰に摂取すると体内からうまく排せつされないため、おなかの痛みや下痢、ひどい場合には腸閉塞(へいそく)を引き起こす恐れがあるといわれています。
このためこんにゃくは適度に食べることが勧められるのです。
注意点2 栄養素の摂取源としては期待できない
こんにゃくは栄養素の摂取源としては期待できません。
こんにゃくはそのほとんどが水分で、低カロリーです。
このため、この記事で紹介した栄養素をこんにゃくから十分に摂取しようとすると、多量のこんにゃくを食べなければなりません。
ダイエット目的で他の食品をこんにゃくに置き換えようと考えている場合、こんにゃくだけでは必要な栄養を摂取できないため、栄養素不足による体調不良に注意が必要です。
バランスの取れた食事を心掛け、さまざまな食品を摂取するようにしましょう。
5.こんにゃくに含まれる栄養素についてのまとめ
精粉こんにゃくと生いもこんにゃくは、どちらも食物繊維、ビタミンB6、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅を豊富に含んでいます。
さらに、生いもこんにゃくには葉酸も多く含まれています。
ただし、これらは「100kcal当たりの食品表示基準」に基づいて「豊富に含まれている」と表現できる栄養素であり、こんにゃくが栄養素の十分な摂取源になるとは限りません[22]。
こんにゃくは水分が多く、エネルギー産生栄養素をほとんど含まないため低カロリーです。
エネルギー産生栄養素のバランスを意識しながら、適度に取り入れることでダイエット中の食品として活用することができるでしょう。
また、こんにゃくに含まれる不溶性食物繊維は、摂り過ぎると腹痛や下痢、腸閉塞を引き起こすことがあるため注意が必要です。
この記事を参考にこんにゃくを上手に取り入れてみてくださいね。
[22] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」