めかぶに含まれる栄養素とは?ねばねば食感と低カロリーの理由も解説
「めかぶにはどんな栄養素が含まれているんだろう?」
このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
めかぶは低カロリーで多くが水分ですが、食物繊維やビタミンK、葉酸、マグネシウムの摂取源になり得ます。
この記事ではめかぶに含まれる栄養素のはたらきや1日に摂取すべき量の他、ねばねば食感と低カロリーの理由も解説します。
まためかぶのおすすめの食べ方もご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
1.めかぶとは?ねばねば食感と低カロリーの理由
めかぶは実は海藻の名前ではないことをご存じでしょうか。
実はめかぶはわかめの一部で、根元にできるひだ状の組織、「胞子葉(ほうしよう)」と呼ばれる部位です。
一般に販売されているめかぶはこの胞子葉を刻んで湯通ししたものです。
多くは養殖のわかめが使用されており、天然のものは東北の三陸海岸産のものが一般的です。
胞子葉のなかでは「遊走子(ゆうそうし)」と呼ばれるわかめの種がつくられています。
めかぶ特有のねばねばとした食感はこの遊走子に含まれる「メカブフコイダン」という成分に由来します。
メカブフコイダンは食物繊維の一種です。
フコイダンンは海藻に特有の食物繊維で、なかでもめかぶに含まれるメカブフコイダンは特徴的な構造をしており、コレステロールを排出するなど健康にも有用な効果があると考えられています。
また、めかぶは100g当たり14kcalと非常に低カロリーな食品の一つです[1]。
体重は摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)のバランスによって増減するため、痩せるためには摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくすることが欠かせません。
なお、エネルギー源となる栄養素には炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質があります。
めかぶは100gのうち94.2gが水分で、これらのエネルギー源となる栄養素(エネルギー産生栄養素)をほとんど含んでいないため、カロリーが低いのです[1]。
低カロリーのめかぶは、ダイエットに適した食品だといえますね。
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2.めかぶに含まれる栄養素のはたらき
「めかぶにはどんな栄養素が含まれているのかな?」
というのが気になるところですよね。
100g当たりの食品表示基準にのっとって、めかぶからは食物繊維、ビタミンK、葉酸、マグネシウムが摂取できるといえます[2][3]。
また食品表示基準の存在しない栄養素ですが、ヨウ素は成人の食事摂取基準と照らして非常に豊富に含まれているといえます[3][4]。
100g当たりの含有量は以下のとおりです。
| 栄養素 | 含有量 |
|---|---|
| 食物繊維 | |
| ビタミンK | |
| 葉酸 | |
| マグネシウム | |
| ヨウ素 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
この章では、めかぶから摂取できる栄養素のはたらきと、成人の食事摂取基準をご紹介しましょう。
未成年の方、妊婦・授乳婦の方は以下をご確認ください。
[2] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-1.食物繊維
めかぶには100g当たり3.4gの食物繊維が含まれています[5]。
食物繊維は炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素では消化できない食品成分のことです。
炭水化物はエネルギー源となる糖質と、ほとんどエネルギー源にならない食物繊維に分けられます。
食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、便の材料となったり善玉菌の餌となって増殖を促したりするはたらきをします。
このため食物繊維には便通を整え便秘を防ぐ効果があるといわれています。
また食物繊維は糖や脂肪、ナトリウムなどを吸着して体外に排出するため、これらが原因となって起こる肥満や生活習慣病などを予防・改善する効果も期待されています。
健康に非常に有用な成分なのですね。
健康への利益を考えると、成人は1日当たり25g以上の食物繊維を摂取すべきであると考えられています[6]。
しかし、残念ながら日本人の摂取量はこの目標に遠く及びません。
このため厚生労働省は実現可能な目標として、以下のような目標量を設定しています。
成人男性の目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[6]。
また成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[6]。
食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、野菜類やきのこ類、海藻類、豆類、穀類などに含まれています。
めかぶだけでなく他の植物性食品も取り入れ、食物繊維を積極的に摂取するよう心掛けましょう。
食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-2.ビタミンK
めかぶには100g当たり40μgのビタミンKが含まれています[7]。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンKは出血した際、血を止めるはたらきに関わります。
また骨をつくるはたらきにも欠かせない栄養素です。
成人のビタミンK目安量は男女共に150μgです[8]。
食品中に天然に含まれるビタミンKには緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれるビタミンK1と、腸内細菌や納豆菌などによって合成されるビタミンK2に分けられます。
納豆は特にビタミンKを多く含む食品です。
ビタミンKの摂取にはこれらの食品を取り入れるようにしてみてくださいね。
ビタミンKについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介
[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-3.葉酸
めかぶには100g当たり36μgの葉酸が含まれています[9]。
葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種でもあります。
葉酸は体内ではDNAやRNAの合成、アミノ酸(たんぱく質の構成要素)の代謝、たんぱく質の合成などに関わり、細胞の増殖と深く関係しています。
また、同じビタミンB群のビタミンB12と共に赤血球の細胞骨格を維持するはたらきもあります。
このため葉酸が欠乏すると新しく血液をつくることができなくなってしまいます。
葉酸は胎児の成長にも非常に重要なはたらきをする栄養素です。
受胎前後から妊娠初期までに母体が葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが小さくなることが分かっています。
神経管閉鎖障害は神経管(脳や脊髄の元)がうまく形成されないことで、運動や排せつに障害が起こったり、脳が十分に形成されず死に至ったりする先天性の異常です。
成人の葉酸推奨量は男女共に240μgですが、妊婦や授乳婦の方には多くの付加量が設定されているので注意が必要です[10]。
葉酸はほうれん草から発見されたビタミンですが、植物性食品だけでなくレバーなどの動物性食品にも多く含まれていますよ。
葉酸についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介
[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-4.マグネシウム
めかぶには100g当たり61mgのマグネシウムが含まれています[11]。
マグネシウムは必須ミネラルの一種です。
マグネシウムは体内で起こるほとんど全ての代謝や生合成反応に関わる重要な栄養素です。
またカルシウムと共に骨の健康を維持するはたらきもあります。
体のさまざまな機能に欠かせない栄養素なのですね。
成人男性のマグネシウム推奨量は、19〜29歳で340mg、50〜64歳で370mg、65〜74歳で350mg、75歳以上で330mgです[12]。
また成人女性のマグネシウム推奨量は18〜29歳で280mg、30〜64歳で290mg、65〜74歳で280mg、75歳以上で270mgです[12]。
マグネシウムは豆類やナッツ類、野菜類などの植物性食品からも、魚介類や肉類などの動物性食品からも摂取が可能です。
[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-5.ヨウ素
めかぶには100g当たり390μgのヨウ素が含まれています[13]。
ヨウ素は「ヨード」と呼ばれることもある必須ミネラルの一種です。
体内では多くが甲状腺という喉仏の下にある臓器に存在し、甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」の成分としてはたらいています。
甲状腺ホルモンは体の代謝や成長などに関わるホルモンです。
より具体的に説明すると脈拍や体温、自律神経のはたらきを調節したり、エネルギーの消費を一定に保ったりする作用を有しています。
また甲状腺ホルモンは子どもでは成長や発達、大人では脳のはたらきの維持にも関わっています。
ヨウ素は非常に重要なホルモンの材料となるのですね。
成人のヨウ素推奨量は男女共に140μgです[14]。
めかぶは35gに成人が1日に摂取すべき量のヨウ素を含んでいます [13]。
ヨウ素は海藻類や魚介類などの海産物に多く含まれており、一般的な日本人の摂取量は必要量を大きく上回るといわれています。
なお、日本人は伝統的にヨウ素を多く摂取しているため過剰摂取による影響を受けにくいといわれていますが、長期的な過剰摂取は甲状腺の機能低下による疲労感や倦怠(けんたい)感、皮膚の乾燥、頭髪の脱毛、食欲低下などのさまざまな問題を引き起こす恐れがあります。
めかぶの過剰摂取はヨウ素の摂り過ぎにつながりかねないので注意してくださいね。
[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3.めかぶのおすすめの食べ方
「めかぶのおいしい食べ方が知りたい」
「めかぶに足りない栄養素は何で補えば良いのかな?」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、めかぶのおすすめの食べ方をご紹介しましょう。
3-1.納豆やオクラと合わせる
めかぶのねばねばした食感は同じくねばねばした食感が特徴の納豆やオクラ、とろろなどと相性が良いといわれています。
特に納豆はさまざまな栄養素を豊富に含んでいるためおすすめです。
納豆にはたんぱく質やナイアシン、パントテン酸、ビオチン、鉄、銅などのめかぶからは摂取できない栄養素が豊富に含まれます。
食物繊維、ビタミンK、葉酸、マグネシウムといっためかぶに含まれている栄養素も豊富なので、これらを摂取したい場合にも適しています。
納豆ともずくを合わせれば栄養たっぷりのおかずになるといえますね。
またオクラには食物繊維やビタミンK、葉酸、マグネシウムが含まれており、これらはめかぶと共通ですが、さらにビタミンEも含まれます。
このように他の食材と組み合わせることで、さらに栄養バランスの取れた食事を摂ることができるでしょう。
納豆に含まれる栄養素について知りたい方、オクラに含まれる栄養素について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
納豆は栄養たっぷり!豊富に含まれる栄養素とそのはたらきを解説
オクラは栄養たっぷり?含まれる栄養素やそのはたらきを徹底解説
3-2.しらすと合わせる
めかぶはしらすと合わせて食べるのもおすすめです。
めかぶに含まれるビタミンKやマグネシウムは骨をつくるはたらきや骨の健康に関わる栄養素です。
しかし、めかぶからは骨の材料となるカルシウムを十分に摂取することはできません。
一方でしらすにはカルシウムが豊富に含まれているので、めかぶと一緒に食べることで骨の健康に重要な栄養素をしっかり摂取することができます。
またしらすにはカルシウムの他、たんぱく質やビタミンA、ビタミンD、ナイアシン、ビタミンB12、マグネシウム、亜鉛といった栄養素も豊富に含まれていますよ。
なお、ビタミンDも骨の健康に重要な栄養素の一つです。
3-3.汁物や麺類に入れる
めかぶをスープなどの汁物に加えると、適度なとろみ感を加えることができます。
市販されている冷たい状態のめかぶに飽きた方などにはおすすめの食べ方ですよ。
また、うどんやそばなどの麺類にも合うといわれています。
4.めかぶに含まれる栄養素についてのまとめ
めかぶはわかめの根元の胞子葉と呼ばれる部位で、一般的には刻んで湯通しされた状態のものが流通しています。
めかぶには100g当たりの食品表示基準にのっとって、食物繊維やビタミンK、葉酸、マグネシウムが含まれているといえます[15][16]。
また食品表示基準は存在しませんが、ヨウ素は成人の1日に摂取すべき量をめかぶ35gで摂ることができます。
これらの栄養素はいずれも健康に欠かせないものです。
なお、めかぶのねばねばの正体は食物繊維の一種、メカブフコイダンです。
メカブフコイダンにはコレステロールを体外に排出するといった、健康に有用な効果が期待されています。
めかぶは低カロリーでダイエットに適した食材といえますが、多くの栄養素の摂取源になるわけではないので、他の食品と組み合わせて食べることが勧められます。
納豆やしらすなどの食材はめかぶと相性が良く、めかぶからは摂取できない栄養素も補ってくれるのでおすすめですよ。
また汁物や麺類に加えると適度なとろみを楽しむことができます。
他の食品とのバランスも考えつつ、ご自分に合った食べ方でめかぶを食べてくださいね。
[15] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック」
[16] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」