干し柿に含まれる栄養素は?カロリーや適切な摂取量についても解説
「干し柿はおいしいけど、栄養素は含まれているのかな?」
「干し柿をたくさん食べても問題ないのか知りたい……」
濃厚な甘みを楽しめる干し柿はおやつにぴったりですが、含まれる栄養素やカロリーが気になる方もいらっしゃいますよね。
干し柿には食物繊維が豊富に含まれる他、ビタミンAやパントテン酸、カリウムも含まれます。
ただし干し柿は乾燥させたドライフルーツの一種であることから、重量当たりのカロリーは高めです。
この記事では干し柿に含まれる栄養素のはたらきについて詳しく解説します。
甘柿との栄養素やカロリーの比較や、干し柿の適切な摂取量についても解説するので、食べる際の参考にしてくださいね。
1.干し柿とは
干し柿は渋柿を乾燥させることで渋みを抜いたドライフルーツの一種です。
柿は東アジア原産で、日本では1,000年以上にわたって栽培されてきました[1]。
国内の柿はそのまま食べられる甘柿と、渋みの強い渋柿に分けられます。
干し柿は多くの場合、渋柿を原料としてつくられます。
実は渋柿の方が日本での栽培の歴史が古いため、甘柿よりも干し柿の方が先に食べられていたと考えられています。
渋柿の渋みは「タンニン」という成分によるものです。
渋柿のタンニンは水に溶けやすい性質があり、切られたり噛まれたりするとタンニンを含む細胞が砕け、タンニンと唾液が混じることで渋さを感じます。
しかし糖度自体は甘柿よりも渋柿の方が高いため、手を加えてタンニンを不溶性に変えることで渋柿の甘みが感じられるようになるのです。
渋柿の渋みを抜くにはいくつかの方法があり、渋柿を干して干し柿にするのはその方法の一つです。
伝統的な干し柿の作り方は天日干しで、軒先に吊して日光に長期間当て、ゆっくりと水分を抜く方法です。
また室内に吊して火力で温度調節をしながら乾燥させる方法や、遠赤外線を用いて乾燥させる方法もあります。
なお、渋みを抜くには他にも炭酸ガスやアルコールを使う方法があります。
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
2.干し柿のカロリーと含有栄養素を甘柿と比較
「干し柿と甘柿はどっちが健康に良いのかな?」
違ったおいしさが楽しめる干し柿と甘柿は、含まれているカロリーや栄養素にも違いがあります。
この章では、干し柿と甘柿のカロリーと含まれる栄養素を比較して解説します。
どちらを食べるか迷ったときの参考にしてくださいね。
2-1.干し柿と甘柿のカロリー
干し柿のカロリー(エネルギー量)は100g当たり274kcalです[2]。
一方で、甘柿のカロリーは100g当たり63kcalです[2]。
干し柿と甘柿は同じ重量で比較するとカロリーが4倍以上違うことになります。
これは、干し柿は水分が抜けていて、糖質の割合が多くなっているためです。
干し柿はおいしいからといって食べ過ぎると、太ってしまう恐れがあるといえるでしょう。
[2] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[3] JAふくしま未来 公式サイト「【カロリー比較付】あんぽ柿は何個まで?太らず美味しく楽しむための目安をご紹介!」
2-2.干し柿と甘柿の含有栄養素
100g当たりの食品表示基準にのっとり、干し柿は食物繊維、ビタミンA、パントテン酸、カリウムの摂取源となるといえます。
特に食物繊維は、豊富といえる量が含まれています。
干し柿と甘柿の各栄養素の含有量は以下のとおりです。
| 栄養素 | 干し柿 | 甘柿 |
|---|---|---|
| 食物繊維 | ||
| ビタミンA | ||
| パントテン酸 | ||
| カリウム | ||
| ビタミンC |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
干し柿に多くの栄養素が含まれるのは、水分が抜けることで栄養素が凝縮されているためだと考えられます。
ただし甘柿には100g当たり70mgと豊富に含まれるビタミンCは干し柿には2mgしか含まれません [3]。
これは柿を乾燥させる過程でビタミンCが徐々に失われてしまうためです。
[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
3.干し柿に含まれる栄養素のはたらき
「干し柿にはどんな栄養素が含まれているのかな?」
せっかく干し柿を食べるなら、含まれている栄養素をしっかり知りたいという方もいらっしゃいますよね。
この章では干し柿に含まれる栄養素と、それぞれのはたらきについて解説します。
3-1.食物繊維
干し柿には食物繊維が豊富に含まれ、100g当たりの含有量は14.0gです[5]。
食物繊維は炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素で分解できない食品成分の総称です。
食物繊維は消化されずに大腸まで達し、便の材料となったり腸内の善玉菌の餌となって増殖を助けたりします。
こうした特徴から、食物繊維には便秘を予防し便通を整えるといった整腸効果があるとされています。
また糖質や脂質、ナトリウムを吸着して排出するはたらきもあるため、糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病や肥満を予防・改善する効果が期待できるといわれます。
食物繊維は腸内細菌の発酵分解によってわずかにエネルギーを生み出しますが、その値は一定ではなく1g当たり0〜2kcalとされています[6]。
食物繊維の理想的な摂取量は1日当たり25g以上とされています[6]。
しかし現代の日本人の摂取量はこれよりもかなり少ないため、実現可能性を考慮した目標量が設定されています [6]。
食物繊維の1日当たりの摂取目標量は、男性では18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[6]。
また女性では18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[6]。
食物繊維は野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に多く含まれる一方、肉類や魚介類などの動物性食品にはほとんど含まれません。
食物繊維の摂取量を増やすには、日々の主食を玄米ごはんや麦ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えることが効果的です。
また食物繊維が特に豊富な食品はかぼちゃやごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、切り干し大根、いんげん豆、さつまいも、おから、納豆、しいたけ、ひじきなどで、1食分の量にそれぞれ2〜3gが含まれます[7]。
食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版) 」
[7] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「食物繊維の必要性と健康」
3-2.ビタミンA
干し柿にはビタミンAが100g当たり120μg含まれます [8]。
ビタミンAは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一種です。
活性酸素のはたらきを抑える抗酸化作用を持つことから「抗酸化ビタミン」とも呼ばれます。
ビタミンAには目の機能を正常に保って暗いところでの視力の維持を助けたり、皮膚や粘膜の健康を維持したりするはたらきがあります。
また成長や細胞の分化にも関与します。
ビタミンAの摂取推奨量は男性では18〜29歳で850μg、30〜64歳で900μg、65〜74歳で850μg、75歳以上で800μgです[9]。
また女性では18〜29歳で650μg、30〜74歳で700μg、75歳以上で650μgです[9]。
ビタミンAは内臓肉や鶏卵などの動物性食品に多く含まれます。
またプロビタミンAのなかでも特にビタミンAへの変換効率の高いβ-カロテンは、春菊やにんじん、ほうれんそうといった緑黄色野菜をはじめとする植物性食品に多く含まれます。
ビタミンAについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンAとは?はたらきや適切な摂取量、摂取源となる食品を紹介
[8] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3-3.パントテン酸
干し柿にはパントテン酸が100g当たり0.85mg含まれます [10]。
パントテン酸は水に溶ける性質を持つ水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種です。
脂肪酸の合成やエネルギー産生など、さまざまな代謝に関与します。
また皮膚や粘膜の健康維持を助けるはたらきがあるといわれています。
パントテン酸の摂取目安量は成人男性で6mg、成人女性で5mgです[11]。
パントテン酸という名称は「至る所に存在する酸」というギリシャ語に由来し、さまざまな食品に含まれているため、通常の食事をしていれば不足することはほぼありません。
パントテン酸についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
パントテン酸とは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食品を紹介
[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3-4.カリウム
干し柿にはカリウムが100g当たり670mg含まれます [12]。
カリウムはヒトの体に欠かすことのできない「必須ミネラル」の一種で、体内ではほとんどが細胞内に存在します。
カリウムは体内では主に細胞内液の浸透圧を調節する他、神経の興奮や筋肉の収縮に関わったり、体内の酸性とアルカリ性のバランスを保ったりしています。
またカリウムにはナトリウムの排出を促し、血圧を下げるはたらきがあります。
ナトリウムは細胞外液の浸透圧を調節する重要なミネラルですが、摂り過ぎるとむくみや高血圧、胃がん、食道がんなどの原因になるといわれています。
日本人は塩分を過剰に摂取する傾向があるため、カリウムを十分摂取する必要があるといえるでしょう。
カリウムの1日当たり摂取目標量は、成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上です[14]。
ただしWHOは1日当たり3,510mgのカリウム摂取を推奨しており、前掲の目標量は日本人のカリウム摂取量が少ないことから実現可能性を考慮して設定されたものです[14]。
カリウムは野菜類や果実類、いも類、豆類、海藻類、肉類、魚介類など幅広い食品に多く含まれます。
カリウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介
[12] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[13] 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
4.干し柿の適切な摂取量は?
「干し柿って食べ過ぎたら良くないのかな?」
「干し柿は1日にどれくらいまで食べても良いんだろう……」
干し柿がおいしくて、ついつい食べ過ぎてしまうという方もいらっしゃるかもしれませんね。
干し柿は100g当たりに71.3gの炭水化物を含んでおり、このうち14.0gは食物繊維です[15]。
つまり、干し柿の全重量の半分以上が糖質ということになります。
実際に干し柿のカロリーは100g当たり274kcalで、同じ重さのあんぱんよりもカロリーが高いのです[15]。
糖質は重要なエネルギー源となる栄養素ですが、摂り過ぎると体脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となる恐れがあります。
このため、干し柿は一度にあまり食べ過ぎないよう注意が必要です。
なお、農林水産省はおやつから摂取するカロリーを1日200kcal以内に抑えることを推奨しています[16]。
干し柿200kcalは約73gであるため、これが干し柿の1日当たりの適量だといえるでしょう。
一般的に干し柿は1個当たり30〜50g程度だといわれているので[17]、小さいものでは2個、大きいものでは1個がちょうどいいといえるかもしれませんね。
[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[16] 農林水産省「おやつの意味を知りましょう」
[17] JAふくしま未来 公式サイト「【カロリー比較付】あんぽ柿は何個まで?太らず美味しく楽しむための目安をご紹介!」
5.干し柿に含まれる栄養素についてのまとめ
干し柿は、渋柿を乾燥させて苦みのもとであるタンニンを不溶性にし、甘みを感じられるようにしたドライフルーツです。
干し柿には食物繊維が豊富に含まれる他、ビタミンAとパントテン酸、カリウムが含まれます。
ただし生の状態である甘柿に豊富に含まれるビタミンCは、渋柿を乾燥させる過程で多くが失われてしまっています。
また干し柿は水分が抜けている分、糖質が多く含まれます。
このため100g当たり274kcalと高カロリーで[18]、食べ過ぎると肥満の原因となる恐れがあります。
おやつから摂取するカロリーは1日200kcal以内が適切だといわれているため、干し柿は1日73g以下に抑えるようにしましょう[19][20]。
なお、干し柿は1個当たり30〜50g程度だといわれています[19]。
食べ過ぎに注意しつつ、干し柿を食生活に取り入れてくださいね。
[18] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[19] 農林水産省「おやつの意味を知りましょう」
[20] JAふくしま未来 公式サイト「【カロリー比較付】あんぽ柿は何個まで?太らず美味しく楽しむための目安をご紹介!」