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大葉(青じそ)に豊富な栄養素は?赤じそとの違いや保存方法も解説

「大葉にはどんな栄養素が含まれているんだろう?」

「大葉と赤じそはどう違うのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大葉は青じそとも呼ばれるシソ科の植物です。

同じしその仲間に赤じそがあります。

大葉には食物繊維やビタミンAをはじめとしたさまざまな栄養素が豊富に含まれています

この記事では、大葉に豊富に含まれる栄養素のはたらきを解説します。

また大葉の選び方と保存方法もお伝えするので、参考にしてくださいね。

1.大葉(青じそ)とは?赤じそとの違い

大葉(青じそ)

「大葉と青じそは何が違うの?」

「大葉は赤じその仲間なのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大葉は「青じそ」とも呼ばれるシソ科シソ属の一年草です。

メモ
同じシソ科の植物には他にえごまやミント、バジル、オレガノ、セージ、タイム、ローズマリー、ラベンダーなどさまざまなハーブ類があります。一説には、しそはえごまの変種が広まったものだといわれています。

「しそ」と呼ばれるものには大葉の他に、紅紫色の赤じそ、葉の表が緑色で裏が紅紫色の片面じそなどがあります。

しそは漢字で「紫蘇」と書き、本来は赤じそのことを指します。

赤じその赤色のもとは、水溶性アントシアニン系の色素、「シソニン」と「ベラニン」という物質です。

赤じそは梅干しを漬けるのに使われており、梅干しの酸と反応して鮮やかな赤い色になります。

大葉は赤じその変種だといわれています。

しその原産地はミャンマーから中国にかけてですが、日本にはかなり古くに伝わってきたと考えられています。

葉(葉じそ)の他に、発芽して間もない「芽じそ」、やや開花した花の「穂じそ」、実の「実じそ」が利用されています。

しそは古くから幅広く利用されてきた植物なのですね。

なお、しその独特の香りは「ペリルアルデヒド」という成分に由来しています。

ペリルアルデヒドには強い殺菌作用と防腐作用があるといわれています。

刺身に添えられているのは単に風味が良いだけでなく、生の魚を食べる上で合理的でもあるのですね。

またペリルアルデヒドには胃酸の分泌を促し、食欲を増進させる作用があるともいわれており、このため中国ではしそは漢方薬としても使用されています。

現在ではハウス栽培されているため通年流通していますが、しその元々の旬は夏から秋にかけてなので、夏バテによる食欲低下防止にも向いた食材だといえるでしょう。

2.大葉に豊富に含まれる栄養素とそのはたらき

大葉

「大葉からはどんな栄養素が摂取できるんだろう?」

というのが気になるところですよね。

大葉のカロリーは100g当たり32kcalです[1]。

100g当たりの食品表示基準にのっとって[2]、大葉には食物繊維、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、カルシウムの六つの栄養素が豊富に含まれているといえます。

各栄養素の含有量は以下のとおりです。

【大葉に豊富に含まれる栄養素の100g当たりの含有量】
栄養素 含有量
食物繊維
7.3g
ビタミンA
880μg
ビタミンE
3.9mg
ビタミンK
690μg
葉酸
110μg
カルシウム
230mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ただし、大葉1枚はごく軽いため、これらの栄養素が大葉から十分に摂取できるわけではないという点には注意が必要です。

この章では、大葉に含まれる栄養素のはたらきに加え、成人の食事摂取基準(1日当たりの栄養素の摂取量の基準)の一部をご紹介します。

本記事では未成年や妊婦・授乳婦の食事摂取基準は割愛しているため、対象の方は資料を参照することが勧められます。

未成年の方はこちら、妊婦・授乳婦の方はこちらをご確認ください。

未成年の方

妊婦・授乳婦の方

[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[2] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック

2-1.食物繊維

食物繊維はヒトの消化酵素では消化できない食品成分のことで、炭水化物の一種に分類されます。 

メモ
炭水化物はエネルギー源となる糖質と食物繊維に分けられます。

食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、便の材料となったり、善玉菌の繁殖を助けたりして便通を整えます

また食物繊維には脂質や糖、ナトリウム(食塩の主成分の一つ)を吸着して体外に排出する作用があります。

この作用により、食物繊維にはこれらの栄養素の摂り過ぎによる肥満や各種の生活習慣病を予防・改善する効果があると考えられています。

厚生労働省は成人男性の食物繊維目標量を18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上に設定しています[3]。

成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[3]。

しかし、健康への利益を考えると成人の理想的な食物繊維摂取量は1日当たり25g以上だといわれています[3]。

前掲の目標量は日本人の食物繊維摂取量が理想に遠く及ばないため、実現可能性を考慮して設定されたものです。

少しでも多くの食物繊維を摂るよう心掛けることが重要なのですね。

大葉の食物繊維含有量は100g当たり7.3gです[4]。

大葉を薬味として添えることで、わずかながら食物繊維摂取量を増やすことができるでしょう。

食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に含まれるので、これらの食品を積極的に摂取するようにしましょう。                

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」  

[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

2-2.ビタミンA

ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種です。

メモ
ビタミンはその性質から脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。脂溶性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの四つがあります。

ビタミンAは皮膚や粘膜、目の機能を正常に保つはたらきをする他、成長や分化といったはたらきにも関与します。

食品にはビタミンAに分類される物質「レチノール」の他、体内でビタミンAとしてはたらく物質に変換される「プロビタミンA」と呼ばれる物質が含まれている場合もあります。

このため食品に含まれるビタミンAの量や食事摂取基準は、ビタミンAの含有量にプロビタミンAから変換されるビタミンAの量を足した「レチノール活性当量」で表されます。

大葉のレチノール活性当量は100g当たり880μgです[5]。

なお、プロビタミンAである「β-カロテン」などのカロテン類を、原則として100g当たり600μg以上含む野菜のことを「緑黄色野菜」といいます[6]。

単に色が鮮やかな野菜を指すわけではないのですね。

大葉は100gにβ-カロテンを11,000μg含む緑黄色野菜の一種です[5]。

メモ
トマトやピーマンなどは可食部100g当たりのカロテン含有量が600μgを下回りますが、食べる回数や量が多いために緑黄色野菜に分類されています[5]。緑黄色野菜について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

β-カロテンには、活性酸素のはたらきを抑える「抗酸化作用」があります

活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素が化学反応を起こすことで生じる、他の物質を酸化させる力が強い酸素のことです。免疫機能としてはたらきますが、増え過ぎると健康な細胞をも傷つけ、老化やがん、動脈硬化などの原因となります。

このためβ-カロテンから変換されるビタミンAは「抗酸化ビタミン」とも呼ばれています。

健康や美容のためにしっかり摂取しておきたい物質だといえますね。

成人男性のビタミンA推奨量は18〜29歳で850μg、30〜64歳で900μg、65〜74歳で850μg、75歳以上で800μgです[7]。

また成人女性の推奨量は18〜29歳で650μg、30〜74歳で700μg、75歳以上で650μgです[7]。

100g当たりの大葉に含まれるビタミンAはおおむね成人の1日に摂るべき量と同じくらいだといえますね。

ビタミンA(レチノール)は内臓肉や卵などの動物性食品に多く含まれており、プロビタミンAのなかでもビタミンAへの変換率の高いβ-カロテンは緑黄色野菜や果物などの植物性食品に多く含まれています。

ビタミンAについては以下の記事でより詳しく解説しています。

ビタミンAにはどんな効果がある?目標摂取量とおすすめの食品を紹介

[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「緑黄色野菜

[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-3.ビタミンE

大葉のビタミンE含有量は3.9mgです[8]。

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。

体内では細胞膜や脂質に存在しており、それ自体が酸化されることで体内の脂質の酸化を防ぐはたらきをしています

このようなはたらきをするビタミンEは抗酸化ビタミンの一種です。

ビタミンEに分類される物質にはいくつかの種類がありますが、最も強い作用を持つのは「α-トコフェロール」です。

また体内に存在するビタミンEのほとんどがα-トコフェロールであるため、食品中のビタミンE含有量や食事摂取基準はα-トコフェロールの量で表されます。

成人男性のビタミンE目安量は18〜64歳で6.5mg、65〜74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[9]。

成人女性のビタミンE目安量は18〜29歳で5.0mg、30〜64歳で6.0mg、65〜74歳で7.0mg、75歳以上で6.0mgです[9]。

ビタミンEはアーモンドやアボカドなどの植物性食品や植物性油脂、魚介類などに含まれています。

ビタミンEについては以下の記事でより詳しく解説しています。

ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介

[8] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-4.ビタミンK

大葉のビタミンK含有量は100g当たり690μgです[10]。

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、出血を止める際に血を止めるはたらきに関わります

また骨をつくるはたらきにも欠かせない栄養素です。

成人のビタミンK目安量は男女共に150μgです[11]。

大葉は、成人が1日に摂るべきビタミンKを22g程度で満たすほど多くのビタミンKを含んでいるのですね。

なお、食品中に天然に含まれているビタミンKは、緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれるビタミンK1と、腸内細菌や納豆菌などによって合成されるビタミンK2に分けられます。

ビタミンKについては以下の記事でより詳しく解説しています。

ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介

[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-5.葉酸

大葉の葉酸含有量は100g当たり110μgです[12]。

葉酸は水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一種です。

メモ
水溶性ビタミンにはビタミンB群とビタミンCがあります。ビタミンB群に該当するビタミンはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの八つです。

葉酸は体内ではDNAやRNAの合成、たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝、たんぱく質の合成などに関わります

細胞の増殖と深い関係のある葉酸は、胎児の成長においても重要な役割を果たすビタミンです。

胎児の神経管(脳や脊髄のもと)が形成される受胎前後から妊娠初期にかけて、母体が葉酸を摂取することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減できることが分かっています。

神経管閉鎖障害は脳や脊髄がうまく形成されないことで起こる先天性の異常で、運動や排せつの障害、脳の形成不全(無脳症)による死などを引き起こします。

このため妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性はサプリメントなどから葉酸を多く摂取することが勧められています。

また葉酸にはビタミンB12と共に赤血球の外側の構造を維持するはたらきもしています。

新たに血をつくるために不可欠な栄養素でもあるのです。

成人の葉酸推奨量は240μgです[13]。

ただし、妊婦や授乳婦の方には付加量が多く設定されているので注意してくださいね。

葉酸はほうれん草から発見されたビタミンですが、野菜の他に、レバーなどの動物性食品にも多く含まれています。

葉酸については以下の記事でより詳しく解説しています。

葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介

[12] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[13] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-6.カルシウム

大葉のカルシウム含有量は100g当たり230mgです[14]。

カルシウムは必須ミネラルの一種です。

必須ミネラルとは
ヒトの体を構成する主要な元素である酸素、炭素、水素、窒素の四つ以外の元素「ミネラル」のうち、栄養素として摂取する必要があることが分かっているもののことです。現在は16種類存在します。

体内のカルシウムはほとんどが骨や歯を構成しています。

また残りのわずかなカルシウムは血液や筋肉、神経などに存在し、出血を予防する、心筋の収縮を強める、筋肉の興奮を抑えるといったはたらきをしています。

成人のカルシウム推奨量は18〜29歳の男性で800mg、30歳以上の男性で750mg、18〜74歳の女性で650mg、75歳以上の女性で600mgです[15]。

カルシウムといえば乳製品や小魚に含まれるというイメージが強いかもしれませんが、豆類や野菜類などの植物性食品からも摂取できますよ。

カルシウムについては以下の記事でより詳しく解説しています。

カルシウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を解説

[14] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[15] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3.大葉の選び方と保存方法

大葉

「大葉はどうやって選んだら良いんだろう?」

「大葉がしなしなにならないようにするにはどうすれば良いのかな」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、大葉の選び方と保存方法をお伝えします。

3-1.大葉の選び方

大葉は鮮度が良いものを選ぶことが重要です。

葉が濃く鮮やかな緑色をしているもの、茎の切り口が変色していないもの、葉先までぴんとハリがあるものを選びましょう。

また葉が小ぶりで全体的に軟らかく、葉脈が真っすぐ通っているものがおすすめです。

葉の表面が黒ずんでいるものや葉先が丸まっているものは鮮度が落ちてしまっていると考えられるので避けると良いでしょう。

3-2.大葉の保存方法

冷蔵庫に入れていた大葉がしなしなになってしまった、という経験をしたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

大葉は乾燥しやすい野菜です。

みずみずしさを保つためには、ペーパータオルに包み、そのまま水で湿らせて密閉容器などに入れて冷蔵すると良いでしょう。

冷蔵庫の冷気が直接当たると凍ってしまうこともあるので、野菜室での保存が勧められます。

また調理前に茎の部分を少し切り落とし、冷水に全体を浸すとみずみずしさを取り戻すことができますよ。

4.大葉に含まれる栄養素についてのまとめ

大葉は青じそとも呼ばれます。

しそは本来赤じそを指す言葉で、大葉は赤じそが変異したものです。

100g当たりの食品表示基準にのっとり、大葉には食物繊維、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、カルシウムが豊富に含まれているといえます[16][17]。

特にビタミンKは22g程度で成人の1日の目安量が満たせるほど多く含まれています[17][18]。

また、大葉の香りはペリルアルデヒドという成分によるものです。

ペリルアルデヒドには殺菌や防腐の作用の他、食欲増進の効果があるといわれています。

この記事を参考に、ぜひ大葉を料理のアクセントに活用してみてくださいね。

なお、大葉は新鮮なものを選び、乾燥を防いで保存することが重要ですよ。

[16] 東京都保険医療局「栄養成分表示ハンドブック

[17] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[18] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)