「コーヒーにはどれくらいカフェインが含まれているんだろう?」
「コーヒーを飲み過ぎると体に悪い影響があるのかな……」
と気になっている方は多いのではないでしょうか。
確かにコーヒーには他の飲料に比べて多くのカフェインが含まれています。
カフェインは適量なら健康への効果も期待できますが、過剰に摂ると健康に悪影響がおよぶことがあるのです。
そこでこの記事では、コーヒーに含まれるカフェインの量や、カフェインを摂り過ぎると健康にどんな悪影響があるのか、また適量のカフェインによる健康への効果などを詳しく解説します。
健康的にコーヒーを楽しめるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.コーヒーに含まれるカフェインの量は?
「コーヒーにはどのくらいカフェインが入っているのかな?」
と疑問に感じている方もいらっしゃるでしょう。
コーヒーに含まれるカフェインの量は以下の通りです。
【コーヒー100ml当たりのカフェイン含有量】
種類 | カフェイン含有量 | 抽出方法 |
---|---|---|
コーヒー(粉末) | 60mg | コーヒー(粉末)10gに対し熱湯150ml |
インスタントコーヒー | 57mg | インスタントコーヒー2gに対し熱湯140ml |
内閣府 食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」をもとに執筆者作成
粉末から抽出したコーヒーを200ml飲んだ場合、120mgのカフェインを摂取することになりますね。
表にあるようにカフェインの量はコーヒーの種類や抽出方法によっても異なるため、コーヒーを飲む際には意識してみるといいでしょう。
商品によって異なりますが、市販の缶コーヒーには1缶当たり90~160mgのカフェインが入っている*1といわれています。
また、普段よく飲まれているお茶などにもカフェインが含まれているものがあります。
【コーヒー以外の飲料の100ml当たりのカフェイン含有量】
種類 | カフェイン含有量 | 備考 |
---|---|---|
紅茶 | 30mg | 茶5gを熱湯360mlで1.5~4分 |
煎茶 | 20mg | 茶10gを90℃の湯430mlで1分 |
ウーロン茶 | 20mg | 茶15gを90℃の湯650mlで0.5分 |
エナジードリンクまたは 眠気覚まし飲料 |
32〜300mg (製品一本当たり36〜150mg) |
製品により内容量やカフェイン濃度が異なる |
内閣府 食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」をもとに執筆者作成
これらの飲み物と比較してみると、コーヒーのカフェイン含有量は多いことが分かりますよね。
*1 内閣府 食品安全委員会 メールマガジン【読み物版】「コーヒーを科学する その1」
*2 日本カフェインレスコーヒー協会「表示に関する法律」
*3 内閣府 食品安全委員会「食品中のカフェイン」
【関連情報】 「カフェインとは?効果や過剰摂取による悪影響、摂取の目安量を解説」についての記事はこちら
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2.カフェインの摂り過ぎは健康にどんな悪影響がある?
「コーヒーを摂り過ぎると体に悪いんだよね?」
と心配している方も多いでしょう。
コーヒーに含まれているカフェインを摂り過ぎると、体にさまざまな悪い影響がおよぶことがあります。
ここではカフェインの摂り過ぎによって起こる可能性のある健康への悪影響について紹介しましょう。
2-1.目まいや不眠の原因になる
眠気覚ましの効果が期待できるカフェインですが、摂り過ぎると眠れなくなってしまったり目まいを生じたりする場合があります。
カフェインには脳を刺激する「覚醒作用」があります。
摂取し過ぎると全身に指令を出す働きのある中枢神経が刺激され、不眠や目まいなどの原因になることがあるのです。
普段から眠りが浅い方や不眠を生じることが心配という方は余計に眠れなくなってしまうことも考えられるため、カフェインの摂り過ぎには特に注意しましょう。
2-2.下痢や吐き気を起こすことがある
カフェインの過剰摂取は下痢や吐き気の原因となることがあります。
これは、カフェインによる中枢神経を刺激する作用によるものです。
さらにカフェインは胃酸の分泌を促す作用もあるため、過剰に摂取すると胃が痛くなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
胃の調子が悪いときなどは特にコーヒーの飲み過ぎは控えるようにしたいですね。
2-3.妊娠中は赤ちゃんの健康を損ねるリスクがある
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、赤ちゃんが将来的に健康を損ねるリスクや、低体重で生まれてくる恐れがあるといわれています。
妊娠中はカフェインを摂取して体内で分解し排せつするのに通常より時間がかかります。
そのため、カフェインが体内で長時間残ることになってしまうのです。
また、カフェインは胎盤を通しておなかの赤ちゃんの体内にも届きます。
赤ちゃんはカフェインを分解したり排せつしたりする機能が未熟なため、体内に高濃度のカフェインをためてしまうのですね。
妊娠中はカフェインの摂り過ぎに気を付けましょう。
【関連情報】 「カフェインが健康に及ぼす悪影響」についてもっと知りたい方はこちら
3.カフェインの適切な摂取量とは?
「じゃあ、どのくらいならコーヒーを飲んでもいいの?」
と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
カフェインが健康に与える影響には個人差が大きいため、日本では具体的なカフェインの摂取基準は設けられていません。
しかし海外では、健康に悪影響なくカフェインを摂取できるよう目安を示されていることもあります。
ここではヨーロッパの欧州食品安全機構(EFSA)のカフェイン摂取基準を紹介しましょう。
EFSAでは、健康な成人ではカフェインの1日摂取量を400mg(体重1kg当たり5.7mg)以下、一度の摂取量を200mg以下にするべき *4だとしています。
また妊娠中や授乳中の方の場合、習慣的に摂取するカフェインの摂取量が1日200mg以下であれば赤ちゃんに安全性の懸念は生じない*4としています。
子どもに対しては、習慣的なカフェインの摂取上限量は1日に体重1kg当たり3mgまでにするべき*4だと示しています。
「コーヒーに換算するとどれくらいなんだろう?」
というのが気になるポイントですよね。
EFSAの示している基準をもとに1日当たりのコーヒー摂取量の目安を算出すると以下の通りになります。
コーヒー(粉末) | インスタントコーヒー(顆粒) | |
---|---|---|
健康な成人 | 1日670ml(1度に330ml)まで | 1日700ml(1度に350ml)まで |
妊娠・授乳婦 | 1日330ml以下 | 1日350ml以下 |
子ども | 体重20kgの場合で100mlまで | 体重20kgの場合で105mlまで |
コーヒーを飲む際の参考にしてみてくださいね。
*4 European Food Safety Authority(EFSA)「 Scientific Opinion on the safety of caffeine 」
4.適量のカフェインによる有用な効果は?
「結局、カフェインはあまり摂らない方がいいということなのかな?」
と感じた方もいらっしゃるでしょう。
しかし適量の範囲内でカフェインを摂取すれば有用な効果が期待できます。
例えば、コーヒーを飲んで眠気が覚めたり、集中力が高まったりするのはカフェインのはたらきによるものです。
その他にもカフェインにはいくつかの有用な効果が期待できるとされています。
ここから詳しく説明していきましょう。
4-1.眠気が覚めてすっきりする
「コーヒーを飲むと眠気が覚める」
ということを実感されている方も多いのではないでしょうか。
コーヒーを飲んで眠気が覚めるのは、カフェインが眠気をもたらす「アデノシン」という物質をブロックするはたらきによるものです。
眠気は、アデノシンが脳内に存在する「アデノシン受容体」に結合することで生じます。
カフェインはアデノシンとよく似た作りをしているため、アデノシンの代わりにアデノシン受容体に結合し、神経を興奮させて眠気を抑えてくれるのです。
4-2.消化を促進する
カフェインには、胃酸の分泌を促進し、消化を良くするはたらきもあるといわれています。
ただし、空腹時にブラックコーヒーなどを飲み過ぎると、胃酸が過剰に分泌されて胃が痛くなったり気持ちが悪くなったりする場合があります。
空腹時にはブラックコーヒーではなく牛乳を多めに入れてカフェオレなどにして飲むといいかもしれませんね。
4-3.倦怠感の軽減・鎮痛
カフェインは医薬品としても利用されています。
医薬品に配合されているカフェインは、倦怠感を軽くしたり、頭痛などの痛みを抑えたりする効果があるとされています。
そのため風邪薬や頭痛薬などに使われているのです。
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5.コーヒーに含まれるカフェインについて まとめ
コーヒーには、日常的に摂取する他の飲料よりも多くのカフェインが含まれています。
カフェインには有用な効果も期待できる一方、過剰に摂取すると健康に悪影響がおよぶ可能性があるため、摂り過ぎには十分に気を付ける必要があるのですね。
日本では明確なカフェインの摂取基準などはありませんが、健康な方でも摂り過ぎには注意が必要です。
特に妊娠中は赤ちゃんにもカフェインの影響がおよぶため摂り過ぎは避けた方が良いでしょう。
今回紹介したカフェインの摂取量を参考に、ご自分の体調に合わせてコーヒーを飲む量を調整しましょう。
適量の範囲内であればカフェインは有用な効果を与えてくれることもあります。
健康的にコーヒーを楽しんでくださいね。