タウリンの効果とは?摂取源となる食品や摂取の際のポイントも紹介

2024年02月01日

2024年11月11日

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「タウリンってよく聞くけど、どんなものなの?」

「タウリンにはどんな効果があるのかな?」

タウリンは栄養ドリンクの主成分として広く知られていますが、そのはたらきまではご存じない方も多いのではないでしょうか。

タウリンはたんぱく質を分解する過程でできる成分で、血中のコレステロールや中性脂肪を減らす、血圧を正常に保つといった効果が期待できます

過剰摂取の心配はほとんどありませんが、不足すると糖や脂質の代謝異常、心臓や肝臓の機能低下が起こるとされています。

タウリンを多く含む食品としてはいかやたこ、貝類、甲殻類などが挙げられます。

この記事ではタウリンに期待できる効果や過不足による体への悪影響、摂取する際のポイントなどをご紹介します。

1.タウリンとは

タウリンとはたんぱく質が分解される過程でできる成分です。

一般的には栄養ドリンクの主成分としてよく使われています。

タウリンはほぼ全身の細胞に分布しており、特に心臓、肝臓、腎臓、脳、筋肉、網膜などに多く存在します。

体内でもつくることができますが、必要量には達しないため、食品からの摂取が必須です。

【関連情報】 「アミノ酸とは?期待できる効果や食品、摂取する上でのポイントも解説」についての記事はこちら

2.タウリンに期待できる効果

タウリンは栄養ドリンクの主成分になるほどなので、効果を知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

この章ではタウリンに期待できる効果を六つご紹介します。

効果1 血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす

肥満のおなか

タウリンには血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす作用があります

コレステロールはヒトの体内に存在する脂質の一つで、細胞膜や各種ホルモン、脂肪の吸収を促進する胆汁酸をつくるために必要な物質です。

中性脂肪はヒトにとって重要なエネルギー源であり、体脂肪の大部分を占めています。

コレステロールと中性脂肪はヒトの体になくてはならないものですが、増え過ぎると「脂質異常症」と呼ばれる状態に陥り、「動脈硬化」が進行します

動脈硬化とは
動脈がしなやかさを失い、硬くなった状態のことを指します。動脈硬化が進むと血管が詰まりやすくなるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

そのため、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らすタウリンには、動脈硬化を予防するはたらきが期待できます

効果2 心臓や肝臓の機能を高める

聴診器

心臓や肝臓の機能を高めることも、タウリンに期待される効果の一つです。

タウリンには心臓の機能を維持し、機能低下を抑制するはたらきがあります。

具体的には心臓から送り出される血液の量を増やし、心筋の収縮力を高めることで「うっ血性心不全」を防ぐといわれています。

うっ血性心不全とは
心臓に起こる機能障害の一つです。心臓が全身に十分な量の血液を送り出すことができなくなると、うっ血が生じ、息苦しさ、むくみ、疲れやすさなどの症状が出ます。急激な体重・脈拍の増加、尿の減少などが起こることもあります。

また肝臓で胆汁酸の分泌、肝細胞の再生を促すことにより、肝臓の機能を高めます。

肝臓の機能が安定していると栄養素の吸収、分解、利用の流れがスムーズに行われるため、疲労の回復につながります

タウリンの効果として疲労回復がうたわれることが多いのはこのためなのですね。

効果3 高血圧を予防する

血圧計

タウリンの摂取は高血圧の予防にもつながります

これはタウリンに「交感神経」のはたらきを抑える作用があるためです。

交感神経とは
自律神経の一つで、ストレスの多い状況や緊急事態に反応してはたらきます。自律神経は本人の意思と関係なく体の機能を調整する神経系です。体を休めているときには副交感神経がはたらきます。

交感神経が優位になると血管が収縮するため血圧が高くなります。

一時的に血圧が高くなる分には問題ありませんが、交感神経が優位な状態(緊張状態)が長く続くと高血圧になるリスクが高まります

高血圧は動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクを高めるため、タウリンの摂取はこれらの病気の予防にもつながるのです。

効果4 インスリンの分泌を促す

検査結果表

タウリンには「インスリン」の分泌を促す作用もあるといわれています。

インスリンとは
膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種です。糖の代謝に関わっており、血糖値を一定に保つはたらきがあります。代謝とはさまざまな栄養素が合成、分解されていく過程のことをいいます。

インスリンは血糖値を下げるはたらきを持つ唯一のホルモンです。

そのためタウリンの摂取は、慢性的な血糖値の上昇を特徴とする糖尿病を予防することにつながります。

効果5 網膜を守る

目

タウリンには網膜を守るはたらきがあるとされています。

網膜とは
目の奥にある光を感じる器官です。網膜の中央には色を感じ、中心視力(視界の中心を見ること)を担う「錐体細胞」が密集しており、その周りには弱い光を感じ周辺視力(視界の端を見ること)や夜間の視力を担う「桿体細胞」が位置しています。桿体細胞には色を感じる機能はありません。

タウリンは網膜の光を感じる部分に存在し、網膜の神経のはたらきを抑えることで網膜を守っているといわれています。

またタウリンには角膜の修復を助けるはたらきもあるとされています。

角膜とは
目の中央にある透明な円形の組織で、目に入ってくる光を通し、網膜上に焦点を合わせるはたらきをしています。日本人では黒く見えるために「黒目」と呼ばれています。

このようなはたらきがあることから、目薬にはタウリンが配合されているものが多くあります

効果6 乳児の発育を助ける

乳児

タウリンは乳児の発育にも関わっており、特に脳の成長にとって重要な成分です。

胎児や新生児、乳児は体内で十分な量のタウリンを合成できないため、母乳にはタウリンが多く含まれており、粉ミルクにはタウリンが添加されています。

3.タウリンの過不足による体への悪影響

「タウリンが足りないとどうなるんだろう?」

「タウリンを摂り過ぎるのも良くないのかな?」

タウリンが足りなかったり、摂り過ぎたりした場合の体への悪影響を気にしている方も多いのではないでしょうか。

タウリンが不足すると血液中のコレステロールや中性脂肪の増加、糖や脂質などの代謝異常、心臓や肝臓の機能低下などが起こるという報告があります。

一方、過剰なタウリンは腎臓から尿中に速やかに排泄されるため、過剰摂取の心配はほとんどありません。

4.タウリンの摂取源となる食品

牡蠣

タウリンは野菜や果物などの植物由来の食品を除き、ほとんどの食品に含まれていますが、特に魚介類や貝類、いかやたこなどの軟体動物に多く含まれます

またまぐろやぶりなどの「血合い」の部分、貝類のなかではかきに多く含まれていることが分かっています。

血合いとは
魚の背と腹の間にある赤色線維筋と呼ばれる部分のことです。鮮度が高いうちは赤黒い色をしていて、鮮度が落ちると黒ずむので、魚の新鮮さを見分ける際の基準にもなります。

5.タウリンを摂取する際のポイント

鍋

タウリンには水に溶ける性質があり、調理の際にゆでたり煮たりすると、食材からタウリンが流れ出てしまいます。

そのためタウリンを効率的に摂取するには刺身にして生で食べるか、スープごといただける鍋物や汁物にするのがおすすめです。

鍋は最後に雑炊にすれば、タウリンを余すことなく摂取できるでしょう。

食材を揚げたり、焼いたりしたときには、ゆでたり、煮たりしたときほどタウリンが失われないことが分かっています。

そのため生食や汁物ほどではないものの、揚げたり、焼いたりした食材からもタウリンは摂取できます。

6.タウリンの効果についてのまとめ

タウリンはたんぱく質が分解される過程でできる成分で、栄養ドリンクの有効成分として広く用いられています。

体内でもつくることができますが必要量には達しないため、食品からの摂取が必須です。

タウリンには血液中のコレステロールと中性脂肪を減らす、心臓や肝臓の機能を高める、高血圧や糖尿病の予防につながる、目の機能低下を防ぐ、乳児の発育を助けるといった効果があります

タウリンが不足すると心臓や肝臓の機能が低下したり、糖や脂質の代謝異常が起こったりするので注意が必要です。

一方、余分なタウリンは速やかに体外に排出されるため、過剰摂取の心配はほとんどありません。

タウリンの摂取源となる食品としては魚介類や貝類、いかやたこなどの軟体生物が挙げられます。

タウリンは水に溶ける性質があり、ゆでたり煮たりすると食材から流れ出てしまうので、刺身にして生で食べるか、鍋物や汁物にしてスープごといただくのがおすすめですよ。

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