糖質制限とは?効果やリスク、健康的な減量のポイントについて解説

2024年12月10日

2024年12月10日

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「糖質制限ってどうやったら良いんだろう?」

と思ってこの記事を読んでいる方も多いでしょう。

糖質は私たちにとって重要な栄養素ですが、摂り過ぎると肥満の原因になります。

糖質制限ダイエットは、糖質の摂取を控えることで体重を減らす方法です。

しかし過度な糖質制限は健康に悪影響を及ぼす可能性があり、リバウンドのリスクも伴います。

この記事では、糖質制限の効果とリスクを具体的に解説し、成功するためのポイントや注意点を詳しくご紹介します。

ぜひ最後までお読みいただき、健康的なダイエットに役立ててくださいね。

1.糖質と体重の関係

体重計に乗っている人の足元

「糖質を摂り過ぎると太るんだよね?」

糖質と体重がどう関係するのかよく分からないという方もいらっしゃるかもしれません。

糖質は、エネルギー源となる栄養素で、炭水化物の一種です。

炭水化物は、人間がエネルギーを得るための重要な栄養素です。

そのなかでもエネルギー源となるのが糖質で、消化酵素では消化できない部分は食物繊維と呼ばれます。

食べ物から摂取された糖質は、消化されて単糖という小さな分子に分解されます。

単糖類のうちブドウ糖は血液に取り込まれ、血糖値を上昇させます。

血糖値が上がると、膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌されます。

インスリンは、細胞にブドウ糖を取り込ませることで血糖値を下げます。

使い切れなかったブドウ糖は脂肪に変わり、体内に蓄えられます。

このため糖質を過剰に摂ると肥満の原因になるのです。

糖質と炭水化物についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

糖質と炭水化物の関係は?摂取目標量や摂取源となる食べ物も紹介

私たちは、食べ物から得たエネルギーを使って生命を維持し、体を動かしています。

エネルギーは、エネルギー産生栄養素である炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質から得られます。

エネルギー産生栄養素については以下の記事で詳しく解説しています。

エネルギー産生栄養素とは?それぞれのはたらきや理想のバランス

また、このエネルギーの量を表す単位がカロリーです。

カロリーとは
ヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。1cal(カロリー)は非常に小さい単位のため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)がカロリーの最小単位として一般的に使われます。

体重は、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって増減します。

このためダイエットでは摂取カロリーの制限や運動による消費カロリーの増大で摂取カロリーが消費カロリーを下回った状態をつくることが重要です。

なお、炭水化物とたんぱく質は、1g当たり4kcalのエネルギーを供給します[1]。

脂質は1g当たり9kcalです[1]。

炭水化物のエネルギーのほとんどは糖質由来であり、糖質1g当たり約4kcalです[2]。

このように糖質は体重の増減に密接に関係しているのですね。

健康維持のためにも、糖質と体重の関係を理解しておきましょう。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2.糖質制限とは

お皿にのった野菜とナイトとフォーク

「糖質制限ってそもそもなんなんだろう?」

と気になる方も多いでしょう。

糖質制限(糖質制限ダイエット)は、糖質の摂取量を減らす食事法で、「低炭水化物ダイエット」や「ロカボ(ローカーボダイエット)」とも呼ばれます

現代の糖質制限の基礎は、20世紀後半にアメリカの医師ロバート・アトキンスが提唱した方法にあります[3]。

この方法では、炭水化物(糖質)の摂取量を1日あたり20g以下に抑えることが推奨され[3]、これは白ご飯に換算すると約58gに相当します[4]。

しかし、主食以外にも糖質は含まれるため、糖質を1日当たり20g以下に抑えるのは非常に困難です。

また、健康リスクも高いといわれています。

この章では、糖質制限の効果とやり方について解説します。

正しい糖質制限の知識を身につけましょう。

[3] Ghanim Salih Mahdi「The Atkin’s diet controversy」(『ANNALS OF SAUDI MEDICINE』2006 May-Jun;26(3))

[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

2-1.糖質制限の効果

糖質制限を行うことで、体に蓄えられた脂肪が分解され、エネルギーとして使われます。

糖質制限が減量に効果があるとされているのはこのためです。

ただし、この効果は短期的なものであり、長期的にはカロリー制限と効果の違いはないと考えられています。

2017年に糖尿病患者を対象とし、糖質制限を行ったグループとカロリー制限を行ったグループに分けて行われた研究では、糖質制限を行ったグループは半年間で体重を大幅に減少させたものの、実験開始から1年後に再度両者を比較すると差はなかったと報告されています[5]。

また、日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン2016」でも、糖質制限は短期間には効果的であるものの、長期的にはカロリー制限との差が見られないことが多いとされています[6]。

このように糖質制限は長期的には効果に限界があるのですね。

[5] Springer Healthcare「One year follow-up after a randomized controlled trial of a 130 g/day low-carbohydrate diet in patients with type 2 diabetes mellitus and poor glycemic control

[6] 日本内科学会「肥満症診療 ガイドライン2016

2-2.糖質制限のやり方

糖質制限においては、糖質の摂取量を控える代わりに、たんぱく質や脂質は摂取します。

おかずをたくさん食べて食事量は減らさずに、主食を抜く、あるいは減らすといった方法が一般的です。

メモ
厳密な糖質制限においては、主食以外の食材や調味料に含まれる糖質まで気にする必要があります。

ただし、日本人は消化機能が低く、たんぱく質や脂質の多い食事を摂っていると胃もたれや消化不良を起こしやすくなるといわれています。

消化を助けるために消化酵素を含むサプリメントを服用することも一つの手です。

また、脂質やカロリーを気にせず摂取するのではなく、食事のバランスを意識することも大切です。

糖質制限を行う際は、たんぱく質や脂質のバランスに注意しながら、健康的な食事を心掛けましょう

3.糖質制限のリスク

暗い部屋でスマホを見ている女性

「糖質制限にリスクはあるのかな?」

と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

糖質制限ダイエットは体重減少に効果があるとされていますが、いくつかのリスクも存在します

これらのリスクを理解することで、健康的なダイエットを実現することができますよ。

この章では、糖質制限によって起こり得る体への悪影響を四つに分けて解説します。

糖質制限のリスク

3-1.エネルギー不足に陥る

糖質が不足するとエネルギーが不足し、集中力の低下や疲労感が現れることがあります。

ブドウ糖は、脳がエネルギー源として使用できる唯一の物質であり、通常はこれ以外の物質では脳のエネルギーを賄うことができません。

ブドウ糖が極端に不足すると、意識障害が生じる恐れもあるため、注意が必要です。

3-2.消化器官に負担をかける

糖質制限を行う際、たんぱく質の積極的な摂取が推奨されます。

しかし日本人は一般的に消化機能が弱いため、高たんぱく質の食事が消化に負担をかけてしまいます

その結果胃もたれや消化不良を引き起こすことがあります

また、消化にはエネルギーが必要です。

糖質制限によってエネルギーが不足すると、消化機能がさらに低下し、たんぱく質だけでなく脂質の消化吸収も難しくなります

これにより、体はますますエネルギー不足に陥る可能性があります。

3-3.リバウンドしやすい

糖質制限は、続けるのが難しくリバウンドする恐れもあります

空腹感は血糖値によって調整されています。

血糖値が低下すると空腹を感じ、体が飢餓状態になります

体が飢餓状態になると、体はエネルギーを節約するモードに切り替わり、栄養を体脂肪として蓄積しやすくなります

結果として代謝が抑えられ、エネルギー消費が低下します。

無理な糖質制限はリバウンドにつながる恐れがあるのですね。

3-4.ケトン体による体調不良を引き起こす

極端な糖質制限を行うと、「ケトン体」という物質により体調不良を引き起こす恐れがあります

ケトン体とは、脂肪細胞が分解されるときにつくられる物質です。

糖質の供給が低下し、体内のエネルギーが不足するとエネルギーを得るために脂肪細胞が分解されケトン体が生成されます。

ケトン体は血管を傷つけたり、「ケトアシドーシス」という異常を引き起こしたりするリスクが指摘されています。

ケトアシドーシスはケトン体により、血液が酸性に傾いた状態です。

強い喉の渇きや吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が現れ、呼吸が深く速くなる傾向にあるといわれています。

極端な糖質制限によるケトアシドーシスでは、低血糖が見られるのも特徴です。

こうした症状を引き起こさないよう、極端な糖質制限は行うべきではないと考えられますね。

4.健康的な減量のポイント

メジャーでウエストを計測している女性

「健康的に痩せるためのポイントを知りたい!」

と考えている方も多いでしょう。

糖質制限で痩せようとすると、健康に思わぬ悪影響を及ぼしかねません。

この章では、健康的に痩せるためのポイントをご紹介します。

ポイント1 カロリー制限を適切に行う

虫めがねでナッツなどの食材を見ているところ

健康的に減量するために、カロリー制限を適切に行いましょう

カロリーとは
カロリーは、ヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。

体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって増減します。

糖質制限をしても高カロリーの脂質を無制限に摂取していると、減量効果は期待できません

そのため、適切なカロリー制限を心掛けましょう。

目標体重を設定する際には、BMI(体格指数)を参考にするのが良いでしょう。

BMIとは
肥満度を示す指標として国際的に使用されているものです。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で計算されます[7]。国内では、BMI18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満とされています[8]。

BMI22は「標準体重」と呼ばれ、肥満と関連する生活習慣病を最も発症しにくいとされるため、肥満の方はこの数値を目指すと良いでしょう。

標準体重は[身長(m)の2乗]×22で求められます[8]。

BMIを参考にしてカロリー制限をし、健康的な体重管理を行いましょう。

1日の摂取カロリーについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI

[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康

ポイント2 エネルギー産生栄養素をバランス良く摂る

野菜多めの炒め物

健康的に痩せるためにはエネルギー産生栄養素をバランス良く摂ることも重要です。

厚生労働省はエネルギー産生栄養素の目標量を、1日の総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)に対する各エネルギー産生栄養素から摂取するカロリーの割合(%エネルギー)で設定しています[9]。

【エネルギー産生栄養素バランス】
年齢 たんぱく質 脂質 炭水化物
18〜49歳
13〜20%
20〜30%
50〜65%
50〜64歳
14〜20%
65歳以上
15〜20%

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

糖質の摂取量を減らしたい場合は、まずはこの範囲で適切にバランスを取りましょう。

[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

ポイント3 食物繊維を十分に摂取する

野菜と果物

健康的に減量するためには食物繊維を十分に摂取することも重要です。

糖質制限のために主食を抜くと食物繊維の摂取量が減少する恐れがあります。

主食となる穀類などの炭水化物には糖質だけでなく食物繊維も含まれるためです。

食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、便の材料や善玉菌の餌となって便通を整えるはたらきがあります

善玉菌とは
善玉菌とは、私たちの体内、特に腸内に生息する細菌のうち、健康に良い影響を与える菌のことを指します。感染を予防したり、有害な物質を体外に排出したりする役割があります。

さらに、食物繊維には糖や脂質を吸着して体外に排出する作用や、血糖値の急激な上昇を抑える作用もあります

これにより、肥満の予防や改善に効果があるとされています。

また、食物繊維は満腹感をもたらし、食べ過ぎを防ぐ助けにもなります。

18歳以上における理想的な食物繊維摂取量は1日当たり24g以上とされていますが、日本人の実際の摂取量はこれに遠く及ばないため、実現可能な目標量が設定されています[10]。

【食物繊維の食事摂取基準(g/日)】
性別
年齢 男性 女性
18~29歳 21g以上 18g以上
30~49歳 21g以上 18g以上
50~64歳 21g以上 18g以上
65~74歳 20g以上 17g以上
75歳以上 20g以上 17g以上

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

食物繊維は植物性食品に含まれるため、野菜類、豆類、きのこ類、海藻類などを積極的に摂取しましょう。

また、主食を玄米ご飯や麦ご飯、全粒粉パン、そばなどに置き換えるのも効果的です。

食物繊維を多く含む食べ物について知りたい方は以下の記事もご覧ください。

食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説

[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

ポイント4 適度に有酸素運動を行う

並んでウォーキングする男女

減量のためには、有酸素運動を行って消費カロリーを増やすことも重要です。

有酸素運動とは
筋肉への負荷が比較的小さい運動で、筋肉を動かすエネルギーとして血糖や脂肪を酸素と共に消費します。このため、体脂肪の減少に大きな効果が期待できます。

糖質やカロリーを制限するだけでは、体重の変化に伴って消費カロリーが減少し、やがて減量が停滞してしまいます

特に体脂肪を減少させるには有酸素運動が効果的だとされています。

有酸素運動には、ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクスダンス、水泳などが含まれます。

自分に合った有酸素運動を見つけて、楽しく減量を続けましょう。

有酸素運動についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

有酸素運動とは?効果や無酸素運動との違い、おすすめの運動を紹介

ポイント5 適度に筋トレを行う

鏡を見ながらスクワットする男性

消費カロリーを増やすためには、筋トレを取り入れることも有効です。

筋トレを行うと筋肉量が増加し、それに伴って基礎代謝量も向上します。

基礎代謝とは、私たちが安静時に消費するカロリーのことで、体の維持に必要なカロリーの大部分を占めています

筋肉は他の組織よりも多くのカロリーを消費するため、筋肉量が増えると基礎代謝が自然に高くなり、日常生活でも多くのカロリーを消費することができます。

基礎代謝を効果的に上げるためには、体の中で大きな筋肉を優先的に鍛えることが勧められます

特に、お尻の筋肉である大臀(だいでん)筋、太ももの前側の筋肉である大腿(だいたい)四頭筋、太ももの裏側の筋肉であるハムストリングは重要です。

これらの筋肉は全身の筋肉において占める割合が大きいとされており、鍛えることで基礎代謝の向上に大きな効果が期待できます

効果的な筋トレを取り入れて、健康的で持続可能な減量を目指しましょう。

ダイエットに効果的な筋トレについての詳しい情報は以下の記事でご覧いただけます。

ダイエットにおすすめの筋トレは?健康かつ効率的に痩せる方法を伝授

5.糖質制限についてのまとめ

糖質制限ダイエットは、糖質の摂取量を減らす食事法で、低炭水化物ダイエットやロカボとも呼ばれます。

現代の糖質制限は、ロバート・アトキンスが提唱した方法が根源とされています。

しかしこれは非常に厳密な制限をする特徴があり、健康上のリスクも指摘されています。

現在では、おかずを多く食べて主食を減らす方法が一般的です。

さらに、糖質制限にはリバウンドのリスクも伴うため、健康的に減量することが勧められます。

健康的に減量するためには、カロリー制限を適切に行うことが重要です。

BMIを参考に目標体重を設定し、バランスの良い栄養摂取を心掛けましょう。

さらに、食物繊維を十分に摂取することもポイントです。

加えて、有酸素運動と筋トレを取り入れて消費カロリーを増やし、基礎代謝を高めることで、効果的に体重管理を行うことができますよ。

この記事を参考に、健康的な減量に取り組んでくださいね。

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