胸筋の筋トレメニュー全15選!効率良く鍛えるためのポイントも解説
「胸筋を鍛えるにはどうしたら良いのかな?」
と考える方も多いかもしれません。
胸筋のトレーニングには、自宅でできる簡単なものからベンチやマシンを使う本格的なものまで、さまざまな方法があります。
この記事では胸筋の構造やはたらきを理解した上で、効果的なトレーニング方法について知ることができます。
後半では、胸筋を効率的に鍛えるためのポイントもご紹介します。
ぜひ最後までお読みくださいね。
1.胸筋の構造とはたらき
「胸筋ってどんな筋肉なんだろう?」
胸筋の具体的な部位やはたらきを知らないという方も多いかもしれません。
胸筋は胸部にある筋肉群で、大胸筋とその奥に位置する小胸筋に分けることができます。
大胸筋は上半身のなかでも特に大きな筋肉で、鍛えることで分厚い胸板やたくましい体を作ることができるほか、バストアップにもつながります。
また、他の部位に比べて筋トレによる成果が出やすいともいわれています。
この章では大胸筋と小胸筋のそれぞれの構造やはたらき、特徴について解説します。
1-1.大胸筋
大胸筋は胸部の表層を全体的に覆っている筋肉で、肩関節をひねったり、曲げたり、回したりする動きに関わります。
大胸筋は上部、中部、下部の三つの部位に分けられます。
大胸筋上部は鎖骨の内側から上腕骨にかけての部分で、腕を上げたり、斜め上方向に押し上げたりする際にはたらきます。
大胸筋上部を鍛えると、鎖骨の下にボリュームが出ます。
大胸筋中部は胸骨から上腕骨にかけての部分で、腕を内側に閉じるときにはたらきます。
大胸筋中部を鍛えると、体の横幅を広げることができます。
大胸筋下部は胸骨の下端から肋骨にかけての部分で、腕を斜め下に押し下げるときにはたらきます。
鍛えるとメリハリのある体型が作れるとされています。
1-2.小胸筋
小胸筋は大胸筋の内側に存在する筋肉です。
小胸筋の両端は、肋骨の上部あたりから肩甲骨の「烏口突起」についています。
小胸筋は肩甲骨が背骨から離れて、肩が前に出るような動きや、肩甲骨を下げる動きに関わります。
また、小胸筋は肋骨を引き上げるはたらきもしており、呼吸の際に空気を体内に取り込む動きをサポートします。
2.自宅で行える胸筋の筋トレ10選
「手軽に大胸筋を鍛えたいけど何をしたら良いのかな?」
このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
この章では、自分の体重やダンベルを用いて自宅で行える胸筋の筋トレをご紹介します。
トレーニングは成人の場合、8〜12回を1セットとして、2〜4セット行うと良いとされています[1]。
これを目安として無理のない範囲で行ってくださいね。
[1] 厚生労働省「成人を対象にした運動プログラム」
2-1.プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップ(腕立て伏せ)は、大胸筋を中心に肩の三角筋や二の腕の上腕三頭筋を鍛えることができるトレーニングです。
まず両手を床につき、爪先を立てて体重を支えます。
このとき両足は肩幅よりも狭い位置につきましょう。
ポイントは首からかかとが一直線になるように構えることです。
この体勢で視線は少し先の床に向けながら、胸を床に近づけるイメージでゆっくりと肘を曲げます。
胸が床につくぎりぎりの位置で少し静止し、元の姿勢に戻りましょう。
この動きを繰り返します。
2-2.ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップは、通常のプッシュアップよりも手の間隔を広げて行うことで大胸筋をより強化できるトレーニングです。
まず両手を床につき、爪先で体を支えます。
このとき手の間隔は肩幅の1.5〜2倍程度に広げます。
胸を床に近づけて体を下ろし、胸が床につく直前で1秒間静止します。
元の体勢に戻りましょう。
この動きを繰り返します。
腰が下がらないよう、体を一直線に保つことがポイントです。
また、肘が外向きになり過ぎると肩に負担がかかるため注意してくださいね。
通常のプッシュアップよりも難易度が高いため、初めての方は回数を減らすなどして取り組みましょう。
2-3.ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップは、両手の幅を狭めて行うプッシュアップで、大胸筋上部を鍛えられます。
まず両手を肩幅より狭く床につき、両手とつま先で体重を支えます。
手は胸の下で三角形を作るようなイメージで置き、脚を肩幅程度に広げましょう。
このとき体を一直線に保つことが重要です。
構えたら少し前方の床を見ながら、ゆっくりと肘を曲げて胸を床につくぎりぎりで止め、元の体勢に戻ります。
この動きを繰り返します。
負荷が大きいと感じる場合は、膝を床につけて行っても構いません。
2-4.デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは、椅子などに足を乗せて行うプッシュアップで、大胸筋上部を鍛えられます。
爪先を椅子やベッドに乗せ肩の下に手をつき、腕が床に対して垂直になるように構えます。
少し先の床を見ながら、ゆっくりと肘を曲げて胸を床に近づけていきましょう。
床ぎりぎりの位置で数秒間静止し、元の体勢に戻ります。
この動きを繰り返します。
お尻が下がらないように腹筋に力を入れることがポイントです。
2-5.インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは、両手を椅子などに乗せて行うプッシュアップで、大胸筋下部を鍛えられます。
まず前かがみになり、両手を椅子やベッドにつきます。
手の間隔は肩幅程度にし、爪先で体を支えて、背中が曲がらないよう真っすぐに保ちます。
次に肩甲骨を寄せるイメージで両肘を曲げ、胸が椅子につく手前まで体を下げます。
元の体勢に戻りましょう。
この動きを繰り返してください。
2-6.パイクプッシュアップ
パイクプッシュアップは、大胸筋上部と三角筋を鍛えるプッシュアップです。
まず肩幅より広く両手を床につき、爪先で体重を支えます。
このとき、両手と足を近づけて体を深く曲げ、お尻を高く上げる姿勢をとることがポイントです。
この体勢から肘を曲げ、頭を床に近づけるように体を斜め前に下げます。
肘が直角になる程度まで体を下げたら、床を押すようにして元の体勢に戻ります。
この動きを繰り返します。
肘を曲げ過ぎると肩に負担がかかるため、曲げ過ぎないよう注意が必要です。
また背中を反らさないこともポイントですよ。
2-7.ヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップは大胸筋に加え、上腕三頭筋や僧帽筋など腕や肩の筋肉も鍛えられるプッシュアップです。
まず手と爪先を床につきます。
このとき通常のプッシュアップよりも両手と足を近づけ、お尻が高く上がる体勢をとります。
また両手は肩幅より広く開きます。
息を吸いながら腕を曲げ、肘が体の側面に沿うように胸と顔を床に近づけ、さらに体を前に出して上体を反らします。
このとき腕を伸ばし、胸を前に突き出すようなポーズをとります。
最後に腰を上げて元の体勢に戻ります。
この動きを繰り返します。
負荷が高いトレーニングなので、フォームが崩れないように行ってくださいね。
2-8.ダンベルフロアプレス
ダンベルフロアプレスは、ダンベルを使って床で行うベンチプレスのトレーニングで、大胸筋全体と上腕三頭筋、三角筋を鍛えることができます。
まず床にあおむけに寝転がり、両手にダンベルを持って脇を締め、肘の真上にダンベルと手首がくるように構えます。
このとき肩甲骨を寄せて胸を張るよう意識しましょう。
またフォームを安定させるために膝は立てておくと良いですよ。
ここから腕が伸びきるまでゆっくりとダンベルを持ち上げて、肘が床につく寸前までゆっくりと下げます。
この動きを繰り返します。
常に肩甲骨を寄せ、足を動かさないようにすることがポイントです。
2-9.ダンベルアダクション
ダンベルアダクションは立った状態で片手にダンベルを持ち、大胸筋下部を鍛えるトレーニングです。
まず片手にダンベルを一つ持って手のひらを体側に向けた状態で立ちます。
上体を前に傾け、ダンベルを持った腕をまっすぐ床に向けて下ろします。
このとき膝を軽く曲げ、背中を真っすぐ保つことを意識します。
次に息を吐きながら、肘を伸ばしたままダンベルを持った手を反対側へ動かします。
限界まで動かしたら、息を吸いながら元の体勢に戻ります。
ダンベルは腕の力で動かすのではなく、胸筋を収縮させて動かしてください。
この動きを繰り返し、反対側も同様に行います。
2-10.アッパーレイズ
アッパーレイズは、ダンベルを用いて大胸筋上部と三角筋を鍛えるトレーニングです。
まず椅子に座り、背筋を伸ばします。
両手にダンベルを握り、肘を直角に曲げましょう。
このとき脇を締めておくことがポイントです。
この体勢から肘を曲げたまま、上腕が床と平行になるまで腕を上げ、ゆっくりと元の体勢に戻ります。
この動きを繰り返しましょう。
肘の角度が変わると大胸筋の上部に効かなくなるため、肘の角度をしっかりとキープすることが重要です。
3.ベンチやマシンを使って行う胸筋の筋トレ5選
「本格的に胸筋を鍛えたいけど、どうしたら良いんだろう?」
と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
自宅での筋トレは自重以上の負荷をかけるのが難しく、特定の部位を効率良く鍛えにくいというデメリットがあります。
最初は自宅トレーニングで効果を感じられても、やがて物足りなさを覚える可能性もあります。
大胸筋の上部・中部・下部をバランス良く鍛えるには、ジムに通い、トレーナーの指導のもとで器具やマシンを使って狙った筋肉に負荷をかける方が効率的です。
この章では、ベンチやマシンを使った胸筋トレーニングを五つご紹介します。
3-1.ベンチプレス
ベンチプレスは、トレーニングベンチを使用して行う代表的な大胸筋トレーニングです。
ベンチプレスでは、ベンチの角度を30〜45度程度に設定します。
まず上半身をベンチにあおむけに寝かせ、両足を腰幅に開いて床にしっかりとつけます。
次に両手を肩幅よりも広く広げてバーベルを握り、ラックから外してみぞおちの上にゆっくりと移動させます。
バーが胸に触れたら肘を伸ばし、真っすぐ上に持ち上げます。
これを繰り返します。
ポイントは肩甲骨を寄せて肩を下げ、肘を曲げるときに手首が真下にくるようにすることです。
また、同様のトレーニングとしてダンベルを用いるダンベルベンチプレスもあります。
3-2.ダンベルフライ
ダンベルフライは、トレーニングベンチとダンベルを使って大胸筋を鍛えるトレーニングです。
まずトレーニングベンチをフラットにしてあおむけになり、両手でダンベルを持って上に持ち上げます。
このとき手のひらが向かい合うように構え、肩甲骨を寄せて肩を後ろに引いておきます。
次に肘を曲げながら腕を大きく開き、ダンベルが胸の高さになるまでゆっくりと下ろします。
続いてダンベルを上げ、腕が平行になる直前まで戻します。
この動きを繰り返します。
3-3.ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは、フラットベンチとダンベルを使って背中から脇の下にかけてある広背筋を鍛えるトレーニングです。
まず両足を床にしっかりとつけた状態で、フラットにしたトレーニングベンチにあおむけに横たわります。
両手で一つのダンベルを持ち、頭の上に構えます。
この体勢から、息を吸いながらゆっくりとダンベルを頭の後ろに下ろしていきます。
肘は軽く曲げたままで、肩の関節を動かすことがポイントです。
腕が伸び切ったら、息を吐きながらダンベルを元の位置に持ち上げます。
この動きを繰り返します。
3-4.チェストプレス
チェストプレスは、大胸筋と腕周りを鍛えられるトレーニングマシンを使ったトレーニングです。
基本的なチェストプレスでは、まず膝が直角になり、足裏がしっかり床につく高さに椅子を調節します。
次にグリップの左右の同じ位置を握り、胸を張って背筋を伸ばします。
ゆっくりとバーを押し出し、限界まで押したらその位置で数秒間静止します。
元の位置に戻し、この動きを繰り返します。
3-5.ディップス
ディップスは、平行棒や懸垂棒を使用して行うトレーニングで、大胸筋、小胸筋、肩甲骨の内側から脇の下にある前鋸筋を鍛えられます。
まず肩幅かそれより少し広めにセットしたバーをしっかり握り、肘を曲げて上体を少し前傾させながら体を沈めます。
次に、体を揺らさないように注意しながら、肘が伸び切るまでゆっくりと体を上げます。
この肘の曲げ伸ばしを繰り返します。
ディップスは自重トレーニングの一種ですが、体重を支えるため大きな負荷をかけられます。
4.胸筋を効率的に鍛えるためのポイント
「筋トレをするときに気をつけることはあるのかな?」
と思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。
筋トレを行うときには、負荷や呼吸、食事などにおいていくつか注意すべきポイントがあります。
ポイントを押さえることで、筋トレの効果をより強く実感できるようになるでしょう。
この章では筋トレを行うときに気をつけたいポイントを五つご紹介します。
ポイント1 適度な負荷を設定する
筋トレを行う上で気をつけたい大きなポイントは、負荷を適度に設定することです。
筋トレは負荷をかけることで筋肉にその負荷に適応させ、筋力を鍛えます。
この仕組みをもう少し詳しく解説しましょう。
筋トレを行うと筋肉を構成する筋線維の一部が傷つきます。
そして傷ついた筋繊維が回復する際、元より少し太くなります。
この回復の過程を「超回復」といいます。
しかし負荷が小さ過ぎると筋線維が傷つかず、筋肉を大きくすることはできません。
このため筋トレでは少しずつ負荷を高め、筋肉に適切な負荷をかけ続けることが重要です。
負荷はトレーニングの回数やウェイトの重さで調整できます。
なおウェイトトレーニングの適切な負荷は、最大挙上重量(1回で持ち上げられる最大の重さ)の60〜80%程度とされています[2]。
これより低い強度では効果が小さく、高い強度ではけがのリスクが高まるため注意が必要です。
[7] 厚生労働省「成人を対象にした運動プログラム」
ポイント2 正しい呼吸を意識する
筋トレを行うときには正しい呼吸を意識しましょう。
正しい呼吸は空気をしっかり取り込み、筋肉に十分な酸素を供給します。
筋トレには「胸式呼吸」が適しているといわれています。
筋トレで胸式呼吸をする際は、筋肉を縮ませるときに息を吐き、伸ばすときに息を吸うようにしましょう。
鼻から空気を吸うと酸素を多く取り込めて肺の負担を軽くでき、すぼめた口から息を吐くと気管支が広がって一気に吐き出せます。
正しい呼吸はエネルギー消費量(消費カロリー)の増加やフォームを正しく保つことにもつながりますよ。
筋トレの効果を最大限に活かすには、正しい呼吸が重要なのですね。
ポイント3 たんぱく質を十分に摂る
筋トレで筋肉を鍛えるには、たんぱく質を十分に摂取しましょう。
たんぱく質は、肉や魚、卵などの動物性食品のほか、豆類などにも含まれています。
筋肉をつけるためには、筋肉の分解を筋たんぱく質合成が上回る必要があります。
厚生労働省では、成人のたんぱく質推奨量を男性の18~64歳で65g、65歳以上で60g、女性の18歳以上で50gと設定しています[3]。
なお一般的に筋トレを行っている場合や運動量が多い場合は、通常よりも多くのたんぱく質を摂取すべきだと考えられています。
たんぱく質は、肉や魚、卵などの動物性食品のほか、豆類などにも含まれています。
ただし、アメリカスポーツ医学会のガイドラインはハードなトレーニングを行うアスリートでも体重1kg当たり2gを摂取の上限の目安とすべきだとしているため、摂り過ぎにも注意しておきましょう[4]。
また筋肉を育て、健康的な生活を送るためには他の栄養素もバランス良く摂ることも不可欠です。
たんぱく質については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[4] 公益社団法人 日本フィットネス協会「たんぱく質を摂りすぎていませんか? 」
ポイント4 毎日続けて胸筋の筋トレをしない
胸筋のトレーニングを毎日続けることは勧められません。
超回復には2~3日かかるといわれているため、この期間は一度負荷をかけた筋肉のトレーニングを休むことが推奨されます[5]。
毎日筋トレをしたい場合は、他の部位のトレーニングを行うと良いでしょう。
[5] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「筋力・筋持久力 」
ポイント5 前後にストレッチを行う
筋トレ前後にはストレッチを行うことが推奨されます。
ストレッチとは意図的に筋肉や関節を伸ばす運動のことです。
ストレッチは「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」に分けられます。
動的ストレッチは、筋トレ前の柔軟やウォーミングアップに適しており、ある方向に関節を動かしながら筋肉を縮めたり伸ばしたりします。
体の可動域を広げられるため、けがの予防やパフォーマンス向上につながります。
一方、静的ストレッチは筋トレ後のクーリングダウンに適しており、一定方向に筋肉を伸ばしてしばらく静止します。
筋トレ後のストレッチは筋肉の張りをほぐすことにより、疲労回復を促進すると考えられます。
5.胸筋の筋トレについてのまとめ
胸筋は胸部にある筋肉のことで、大胸筋と小胸筋に分けられます。
胸筋を鍛えると分厚い胸板やたくましい体を作ることができるほか、バストのリフトアップにもつながるといわれています。
自宅でできる胸筋の筋トレメニューにはプッシュアップとその派生トレーニングが多くあります。
また、ダンベルがあればトレーニングのバリエーションが増やすことができます。
胸筋をさらに鍛え上げたい場合は、ジムで本格的なマシンや器具を使用すると良いでしょう。
胸筋を効率的にトレーニングするには、負荷を適切に設定すること、意識的に胸式呼吸を行うこと、筋肉の材料となるたんぱく質を十分に摂取することが重要です。
また毎日続けて胸筋をトレーニングしないこと、トレーニングの前後にストレッチを行うこともポイントです。
この記事を参考に胸筋の筋トレに取り組んでくださいね。