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納豆に含まれる栄養素や成分とは?おすすめの食べ方や注意点も紹介

「納豆はいろいろな栄養素が含まれていると聞くけど本当かな?」

「納豆にはどんな栄養素が含まれていて、どんなはたらきがあるんだろう……」

ご飯のお供として食卓に並ぶ機会の多い納豆ですが、どんな栄養素が含まれているのか詳しく知っている方はあまりいないのではないでしょうか。

納豆にはたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が含まれています。

この記事では納豆に含まれている栄養素や成分、そのはたらきについて具体的に解説します。

納豆のおすすめの食べ方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.納豆に含まれている栄養素・成分とそのはたらき

納豆ごはん

「納豆にはどんな栄養素が含まれているんだろう?」

納豆は健康効果が期待できる食品ということを知ってはいても具体的にどんな栄養素が含まれているのかご存じの方は少ないかもしれませんね。

納豆には、体に良いといわれるさまざまな栄養素や納豆特有の成分が含まれています。

ここでは納豆に含まれている栄養素や成分、その効果について詳しく解説します。

【納豆に含まれる主な栄養素とその含有量(100g当たり)】
栄養素 含有量
たんぱく質
16.5g
食物繊維
6.7g
ビタミンK
870μg
ビタミンB2
0.30mg
ナイアシン
4.6mg
ビタミンB6
0.24mg
葉酸
130μg
パントテン酸
3.63mg
ビオチン
18.2μg
カリウム
690mg
マグネシウム
100mg
鉄
3.3mg
亜鉛
1.9mg
銅
0.60mg
ナットウキナーゼ
-
大豆イソフラボンアグリコン
73.5mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
この記事でご紹介する栄養素は食品表示基準にのっとって100g当たりの含有量が「含まれる」と表現できるものです[1]。

[1] 東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック」

1-1.たんぱく質

納豆には100g当たり16.5gのたんぱく質が含まれています[2]。

たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~64歳で65g、65歳以上で60g、女性では18歳以上で50gです[3]。

推奨量とは
ほとんどの人にとって必要な量を満たしているとされる量のことです。

たんぱく質は炭水化物や脂質と同様にエネルギー産生栄養素の一つで生命の維持のために欠かせない栄養素です。

エネルギー産生栄養素とは
人間に必須の栄養素のなかでもエネルギー源となるたんぱく質、脂質、炭水化物のことを指します。

また、たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚や毛髪などの体を構成する栄養素にもなっています。

さらに、酵素やホルモンとして体を調整する機能などにも関わっており、体の調子を整える重要な材料といえます。

酵素とは
体の中で化学反応が起こるように促すはたらきを持つたんぱく質です。酵素は消化・吸収・代謝など体内で起こる化学反応に関わっており、酵素なしではこれらの化学反応が起こることはありません。たんぱく質分解を行う酵素はたんぱく質しか分解できないようにそれぞれ特定の反応にしか影響を与えることができない特異性があります。

納豆から体にとって多くの重要なはたらきを持つたんぱく質を摂取できるのはうれしいですね。

[2] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025版」

1-2.食物繊維

納豆には100g当たり6.7gの食物繊維が含まれています[4]。

食物繊維というと、便通を整えて便秘を予防するはたらきがあることをご存じの方も多くいらっしゃるでしょう。

他にも食物繊維には脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出するはたらきがあります。

そのため、これらを摂り過ぎることで引き起こされる肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を予防する効果も期待できます。

食物繊維の1日当たりの摂取目標量は、男性では18~29歳で20g以上、30~64歳で22g以上、65~74歳で21g以上、75歳以上で20g以上、女性では18~74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[5]。

目標量とは
生活習慣病の予防のために設定された、現在の日本人が当面目標とすべき摂取量のことです。

食物繊維は現在多くの日本人に不足している成分といわれており、積極的に摂ることが勧められています。

納豆を上手に食事に取り入れて、意識的に食物繊維を摂るようにしたいですね。

[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-3.ビタミンK

納豆には100g当たり870μgのビタミンKが含まれています[6]。

ビタミンKの1日当たりの摂取目安量は男女共に18歳以上で150μgです[7]。

納豆1パック(約45g)で目安量のビタミンKを摂取することができますね。

メモ
摂取目安量は、十分な科学的根拠が得られず推定平均必要量と推奨量が提示できない場合に設定されます。目安量以上を摂取している場合は、その栄養素が不足する心配はほとんどありません。

ビタミンKは出血した際に血液凝固に関わる栄養素です。

また、骨の形成にも必要な栄養素といわれています。

そのためビタミンKが不足すると、なかなか出血が止まらないという症状が出たり、骨折や骨粗しょう症を引き起こしたりします。

骨粗しょう症とは
骨の量が減ることで骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。

ただし、ビタミンKは緑黄色野菜や海藻などさまざまな食品に含まれていたり、腸内細菌によっても合成されたりするので、通常の食事をしている場合は不足する心配はほとんどありません。

ビタミンKが不足しないように、日頃からバランスの良い食生活を心掛けることが大切といえますね。

[6] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-4.ビタミンB2

納豆には100g当たり0.30mgのビタミンB2が含まれています[8]。

ビタミンB2の1日当たりの摂取推奨量は男性では18~29歳で1.6mg、30~49歳で1.7mg、50~64歳で1.6mg、65歳以上で1.4mgです[9]。

女性では18~64歳で1.2mg、65歳以上で1.1mgです[9]。

メモ
ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンのことをまとめてビタミンB群と呼んでいます。

ビタミンB2は、皮膚や髪、爪などの健康を維持する役割を担っています。

粘膜や皮膚の保護をしているため、不足すると皮膚炎や口内炎などを引き起こすことがあるといわれています。

また、脂肪をエネルギーとして利用する際に中心的な役割を担う栄養素です。

納豆を活用してビタミンB2を上手に摂取しましょう。

[8] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-5.ナイアシン

納豆には100g当たり4.6mgのナイアシン(ナイアシン当量)が含まれています[10]。

メモ
ナイアシンは「ニコチンアミド」と「ニコチン酸」という2種類の物質のことをいいますが、体内では「トリプトファン」と呼ばれる物質からもつくられています。ナイアシンにトリプトファンを加えたものがナイアシン当量です。

ナイアシンは、エネルギーをつくり出したり脂質やアミノ酸の代謝をサポートしたり、幅広いはたらきを持つビタミンです。

代謝とは
消化器官から吸収した栄養素やいったん体内に蓄えられていた栄養素を、エネルギーや生命の維持のために必要な物質に変える作用のことです。

日本ではまれですがナイアシンが不足すると皮膚炎や下痢、精神神経障害などを主な症状とする「ペラグラ」という疾患が発症することがあります。

ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で15mgNE、30〜49歳で16mgNE、50〜64歳で15mgNE、65〜74歳で14mgNE、75歳以上で13mgNEです[11]。

女性では18〜29歳で11mgNE、30〜49歳で12mgNE、50〜74歳で11mgNE、75歳以上で10mgNEです[11]。

納豆を上手に食事に摂り入れて不足のないようにしたいですね。

メモ
ナイアシンの食事摂取基準はナイアシン当量(niacin equivalent:NE)を単位として用い、設定されています。

[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-6.ビタミンB6

納豆には100g当たり0.24mgのビタミンB6が含まれています[12]。

ビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜64歳で1.5mg、65歳以上で1.4mgです[13]。

女性では18歳以上で1.2mgです[13]。

ビタミンB6は酵素のはたらきを助ける機能があります。

特にたんぱく質の構成要素であるアミノ酸の代謝を助ける役割を担っています。

そのため、たんぱく質の摂取量が増えると代謝を助ける役割を持つビタミンB6の必要量も増加します。

他には、健康的な皮膚や髪、歯をつくるはたらきにも関わっています。

[12] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[13] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-7.葉酸

納豆には100g当たり130μgの葉酸が含まれています[14]。

葉酸は血をつくるために必要な栄養素で、貧血の予防にも役立つとされています。

葉酸が不足し体内で新たに血液をつくることができなくなると「巨赤芽球貧血」と呼ばれる貧血を起こします。

動悸(どうき)や息切れ、疲労感などが巨赤芽球貧血の主な症状です。

また、葉酸はDNAの合成にも関わっている栄養素です。

妊娠初期は特に胎児の細胞増殖が盛んなため、この時期に葉酸が不足すると、神経管の形成に支障を来し「神経管閉鎖障害」を引き起こすリスクが上がってしまうといわれています。

神経管閉鎖障害とは
脳や脊髄が正常に形成されない先天性奇形の一つです。胎児の神経管は妊娠初期に完成しますが、この神経管の形成が障害されると発症します。

葉酸の1日当たりの摂取推奨量は、男女共に18歳以上で240μgです[15]。

メモ
妊娠計画中・妊娠初期の女性は、神経管閉鎖障害の予防のため、食事から摂取する葉酸に加えサプリメントなどから、1日当たり400μg摂取することが推奨されています[15]。妊娠中期と後期は、1日当たりの摂取推奨量に対してさらに240μg付加して摂取することが推奨されています[15]。

不足のないようにしっかり摂りたい栄養素の一つですね。

[14] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[15] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-8.パントテン酸

納豆には100g当たり3.63mgのパントテン酸が含まれています[16]。

パントテン酸の1日当たりの摂取目安量は、男性では18歳以上で6mg、女性では18歳以上で5mgです[17]。

パントテン酸は体内でエネルギーを生み出したり、脂肪を分解・合成したりする際の中心的な役割を果たしています。

至る所に存在する酸という意味のパントテン酸は、さまざまな食品に含まれているため、通常の食生活を送っている場合は不足する心配はほとんどないといえるでしょう。

[16] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[17] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-9.ビオチン

納豆には100g当たり18.2μgのビオチンが含まれています[18]。

ビオチンの1日当たりの摂取目安量は男女共に18歳以上で50μgです[19]。

ビオチンは、糖質や脂質、アミノ酸の代謝やエネルギーをつくり出す役割を担っています。

他には、皮膚や粘膜の健康をサポートするはたらきがありますよ。

[18] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[19] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-10.カリウム

納豆には100g当たり690mgのカリウムが含まれています[20]。

カリウムの1日当たりの摂取目標量は3,000mg以上、成人女性の摂取目標量は2,600mg以上です[21]。

カリウムは人の体に必要なミネラルの一種です。

また、カリウムにはナトリウムを排せつする作用があります。

ナトリウムの過剰摂取は高血圧の原因の一つであるため、ナトリウムを体の外に出すはたらきのあるカリウムを摂ることで血圧を正常に保つ効果が期待できます。

その他、神経伝達や筋肉の収縮などにも関わっている重要な栄養素です。

[20] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[21] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-11.カルシウム

納豆には100g当たり91mgのカルシウムが含まれています[22]。

体内に含まれているカルシウムのほとんどが骨や歯に含まれています。

血液などにも含まれ、血液凝固の作用や心臓の機能、筋肉の収縮のはたらきなどにも関与し、体内で重要な役割を果たしています。

長期的にカルシウムの摂取量や吸収量が不足することで、骨粗しょう症が引き起こされることがあります。

カルシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で800mg、30歳以上で750mgです[23]。

女性では18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgです[23]。

しかし、「令和元年 国民健康・栄養調査」では20歳以上の男性のカルシウムの平均摂取量は503mg、20歳以上の女性の平均摂取量は494mgと推奨量を下回っています[24]。

不足しがちなカルシウムを納豆から摂取できるのはうれしいですよね。

[22] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[23] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

[24] 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」

1-12.マグネシウム

納豆には100g当たり100mgのマグネシウムが含まれています[25]。

マグネシウムはカルシウムと共に骨の健康を維持する役割を担っています。

マグネシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で340mg、30〜49歳で380mg、50〜64歳で370mg、65〜74歳で350mg、75歳以上で330mgです[26]。

女性では18〜29歳で280mg、30〜64歳で290mg、65〜74歳で280mg、75歳以上で270mgです[26]。

一般的な食生活を送っている場合は不足する心配はほとんどありません。

[25] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[26] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-13.鉄

納豆には100g当たり3.3mgの鉄が含まれています[27]。

鉄分が不足すると貧血になるということをご存じの方は多いでしょう。

ミネラルの一種である鉄は、血液中の酸素の運搬や細胞の呼吸において重要な役割を担っています。

そのため、鉄が不足すると全身に酸素を十分に運ぶことができない「鉄欠乏性貧血」という状態になります。

頭痛や目まい、動悸、息切れなどが鉄欠乏性貧血の主な症状です。

鉄の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で7.0mg、30〜49歳で7.5mg、50〜74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[28]。

女性では月経の有無で数値が異なります。

月経がある女性では18〜29歳で10.0mg、30〜64歳で10.5mgです[28]。

月経がない女性では18〜74歳で6.0mg、75歳以上で5.5mgです[28]。

メモ
妊娠・授乳期は月経がない場合の推奨量に対し、付加量が設定されています。妊娠初期は1日当たり2.5mg、妊娠中期・後期は1日当たり9.5mgを付加することを推奨されています[28]。授乳中は1日当たり2.5mg付加することが推奨されています[28]。

特に月経のある方や妊娠中の方は鉄が不足しやすいため、十分な摂取を心掛けるようにしましょう。

[27] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[28] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-14.亜鉛

納豆には100g当たり1.9mgの亜鉛が含まれています[29]。

亜鉛の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で9.0mg、30〜64歳で9.5mg、65歳以上で9.0mgです[30]。

女性では18〜29歳で7.5mg、30〜64歳で8.0mg、65〜74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[30]。

亜鉛は歯や骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれている栄養素で酵素反応の活性化に関わっています。

他には免疫反応の調整やホルモンの合成・分泌などの体の機能を調整する重要な役割を果たしています。

また、たんぱく質の代謝にも関わっており、体の健康をサポートする役割も果たしています。

その他、亜鉛は味覚を正常に保つために必要で、皮膚や粘膜の健康を維持しています。

日本人は高齢者を中心に亜鉛不足の状態にあるとされています。

実際に複数の疫学調査の論文において、日本人の20〜30%が亜鉛欠乏の状況にあると報告されています[30]。

亜鉛が含まれる食品を、意識して食事に取り入れることで、亜鉛不足にならないようにしましょう。

[29] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[30] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-15.銅

納豆には100g当たり0.60mgの銅が含まれています[31]。

銅の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18〜29歳で0.8mg、30〜64歳で0.9mg、65歳以上で0.8mgです[32]。

女性では18歳以上で0.7mgです[32]。

銅は鉄と共に血をつくるはたらきを担う栄養素で、主に骨や骨格筋、血液に存在する必須ミネラルの一つです。

体内で酵素が正常にはたらくようにサポートしたり、骨の形成を助けたりするはたらきも担っています。

[31] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[32] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」

1-16.ナットウキナーゼ

納豆のねばねば部分にはナットウキナーゼという酵素が含まれています。

納豆は煮大豆を納豆菌で発酵させることでできますが、この発酵する過程でナットウキナーゼがつくられます。

ナットウキナーゼは高血圧を改善する効果があることが示唆されていますが、まだ十分な研究などが多くある状況ではありません。

1-17.大豆イソフラボン

大豆イソフラボンとは大豆、特に大豆胚芽に多く含まれている成分のことで、納豆をはじめ大豆を原料とする食品のほとんどに含まれています。

メモ
大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと構造が似ているため、植物性エストロゲンとも呼ばれています。

大豆に含まれるたんぱく質やミネラルなどとは異なり人の体に必須の栄養素とはされていませんが、骨粗しょう症の予防や「更年期障害」の軽減などに有効性が示されています。

更年期障害とは
閉経の前後に女性ホルモンの変化で起こる心や体の不調が強く、生活に支障が出る状態のことです。主な症状は、火照り・発汗・動悸・頭痛・関節痛・冷え・気分の落ち込み・イライラ・不眠などがあります。

ただし注意点としては、長期間にわたり大豆イソフラボン錠剤を多量に摂取することで「子宮内膜症」の発症を高めることが挙げられます。

子宮内膜症とは
子宮の内側には子宮内膜という組織が存在していますが、子宮内膜またはそれに似た組織が子宮の内側以外の場所で増殖する病気のことです。

そのため大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして1日当たり70~75mgとされています[33]。

メモ
大豆や大豆食品に含まれている大豆イソフラボンは、主に糖が結合されている配糖体として存在していますが、糖が分離したものはアグリコンと呼ばれ、伝統的な大豆発酵食品に含まれています。摂取した大豆イソフラボン配糖体は腸内細菌のはたらきにより大豆イソフラボンアグリコンとなり吸収されます。

納豆1食は約45gですが、納豆に含まれている大豆イソフラボンアグリコンの平均含有量は100g当たり73.5mgです[34]。

納豆1食は約45gですが、大豆イソフラボンを安全に摂取するために、1日に食べる納豆は1パック程度にしておきましょう。

[33] 内閣府食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

[34] 厚生労働省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

2.納豆のおすすめの食べ方

納豆スパゲッティ

「納豆にどんな食材を加えるとよりおいしく食べられるんだろう?」

栄養価の高い納豆ですが、味わいが特徴的なため頻繁に食べていると飽きてしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんなときは他の食品と合わせるなど少し工夫を加えて味わいを変えてみましょう。

納豆に加える食品として、キムチやとろろ、卵などがおすすめです。

納豆におすすめの食べ合わせの例

さまざまな食材を納豆に加えることでさらに多くの栄養を摂ることができますね。

納豆はご飯と一緒に食べるだけではなく納豆汁として食べる方法もあります。

納豆のとろみで冷めにくく、体を温める汁物は特に寒い冬にぴったりですね。

さらに納豆を食パンにのせたりパスタやそばなどの麺類と合わせたりして食べるのもおすすめですよ。

そして簡単に納豆の味わいを変える食べ合わせとして薬味があります。

薬味の定番のねぎの他、しそ、しょうが、みょうが、にらなどが納豆に合うでしょう。

納豆に合う薬味の例

薬味を加えるだけで香りや味の変化を楽しみながら納豆を食べることができるでしょう。

3.納豆を食べる際の注意点

納豆ご飯とおみそ汁

「納豆はどんなことに気を付けて食べたら良いのかな?」

さまざまな栄養素が含まれている納豆ですが、どんなことに気を付けて食べたら良いのか注意点も知っておきたいですよね。

納豆は「ワルファリン」という薬を服用している方は食べないでください。

ワルファリンは、血液を固まりにくくし血栓ができるのを防ぐ作用のある薬です。

ワルファリンは血を固める作用のあるビタミンKのはたらきを抑えていますが、納豆を摂取することでビタミンKの生成を促しワルファリンの効きを悪くしてしまいます。

注意!
ワルファリンを服用中の方は納豆を食べないようにし、さらに詳しい食事内容や内服に関しての注意点については医師や薬剤師の指示に従ってください。

納豆はさまざまな健康効果が期待できる食品ですが体に良いからといってその食品ばかりを食べるのではなく、バランスの良い食事を摂ることを心掛けましょう。

4.納豆に含まれる栄養素についてのまとめ

納豆にはさまざまな栄養素が含まれています。

一般的に植物性食品はたんぱく質含有量が少ない傾向にありますが、納豆には100g当たり16.5gものたんぱく質が含まれています[34]。

また食物繊維も豊富です。

納豆にはビタミンKとビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチンという7種類のビタミンが含まれています。

納豆には出血した際の血液凝固や骨の形成に関わるビタミンKが1パックで成人の目安量を摂取できるほど豊富に含まれています。

またビタミンB2は皮膚や髪、爪などの健康を維持し、ナイアシンはエネルギーを生み出すはたらきや脂質とアミノ酸の代謝に関わります。

ビタミンB6はたんぱく質を構成するアミノ酸の代謝に関わるため、たんぱく質摂取量の多い方は特にしっかりと摂取しておきたいビタミンです。

葉酸は赤血球の形成に関わり、細胞の増殖においても重要なはたらきをします。

パントテン酸は脂質の代謝やエネルギー代謝、ビオチンはエネルギー代謝や糖質・脂質・アミノ酸の代謝に関わっています。

加えて納豆にはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅という6種類のミネラルが含まれています。

カリウムはナトリウムを排せつし、血圧を正常に保つ効果が期待されているミネラルです。

カルシウムが骨をつくるミネラルであることはよく知られていますが、マグネシウムも骨の健康に関わっています。

鉄は体内に酸素を供給するはたらきをしているため、不足すると貧血を引き起こします。

亜鉛は酵素反応の活性化に関わったり、体の機能を調整したりするはたらきをしています。

銅は鉄と共に血をつくるミネラルです。

また納豆のねばねば部分に含まれるナットウキナーゼや女性ホルモンに似た構造を持つ大豆イソフラボンを摂取したいという方もいらっしゃるかもしれませんね。

さまざまな栄養素を摂取でき、多様な薬味との相性も良い納豆ですが、大豆イソフラボンには摂取目安量の上限値が定められているため食べ過ぎには注意が必要です。

また血栓を予防するワルファリンという薬を服用している方は納豆を食べてはいけません。

納豆を食べても良い状況にある方はさまざまな食べ合わせを工夫して納豆を食事に取り入れてみてくださいね。

[34] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」