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食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説

「食物繊維ってどんな食べ物に多く含まれているんだろう?」

このように食物繊維が含まれる食べ物に関心をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

食物繊維は主食類や豆類、野菜類、きのこ類、海藻類、果物類などの植物性食品に多く含まれています。

食物繊維の整腸作用についてはご存じの方も多いかもしれませんね。

他にも食物繊維には脂質や糖、ナトリウムを体外へ排出する作用があるため、それらが原因となる生活習慣病の予防や改善につながるといわれています。

この記事では食物繊維を含む食品を紹介する他、食物繊維のはたらきや摂取目標量、摂取量を増やすコツをご紹介するので参考にしてくださいね。

1.食物繊維とは

焼き芋を半分に割ったところ

食物繊維は炭水化物の一種です。

炭水化物はエネルギーを産生する栄養素ですが、食物繊維はヒトの酵素で消化されないためエネルギー源になることはほぼありません。

エネルギー源になる炭水化物は糖質といわれ1g当たり4kcalのエネルギーを産生しますが、食物繊維から生じるのは腸内細菌による0~2kcalのエネルギーのみです[1]。

食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、便の材料となったり腸内の善玉菌の餌となったりします。

善玉菌とは
腸内細菌の一種で、乳酸菌やビフィズス菌などの種類があります。体に悪影響を及ぼす悪玉菌の増殖を抑え腸の動きを活発にし、健康維持に役立ちます。

このような理由から、食物繊維は腸内環境を整えて便秘を防ぐといわれています。

また、食物繊維には脂質や糖、ナトリウムを吸着して体外に排出するはたらきがあります。

そのため、これらを摂り過ぎることで生じる肥満や脂質異常症、高血糖、高血圧などの生活習慣病の予防や改善に効果があるとされています。

食物繊維は多くの日本人で不足気味といわれているため、積極的に摂りたい栄養素の一つです。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2.食物繊維を含む食べ物

ハード系のパン

「食物繊維を含む食べ物にはどんなものがあるのかな……」

食物繊維を摂りたくても何を食べたら良いのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

実は、食物繊維は肉や魚などの動物性食品にはほとんど含まれていません。

食物繊維を多く含むのは主食となる穀類の他、野菜類、豆類、きのこ類、海藻類、果物類、ナッツ類といった植物性食品です。

この章では食物繊維が含まれる食品をご紹介します。

メモ
この章では食品表示基準にのっとり、100g当たり3g以上または100kcal当たり1.5g以上食物繊維を含むものを摂取源として紹介します [2]。

[2] 東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック」

2-1.主食類

食物繊維は主食として食べることの多い穀類に含まれています。

食物繊維を含む穀類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な穀類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
オートミール
-
9.4g
おおむぎ/押麦
乾燥
7.9g
ライ麦パン
-
5.6g
全粒粉パン
-
4.5g
そば/干しそば
乾燥
3.7g
発芽玄米
-
3.1g
玄米
-
3.0g
マカロニ・スパゲティ
乾燥
3.0g
食パン
-
2.2g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

食物繊維を多く摂りたい場合、主食に玄米や胚芽米、ライ麦パンなどを選ぶと良いでしょう。

手軽かつ効率的に食物繊維の摂取量を増やすことができますよ。

2-2.豆類

豆類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含む豆類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な豆類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
いり大豆
-
19.4g
きな粉
-
18.1g
いんげんまめ
ゆで
13.6g
ひよこまめ
ゆで
11.6g
おから
生
11.5g
レンズ豆
ゆで
9.4g
青えんどう
ゆで
7.7g
大豆
水煮/缶詰
6.8g
納豆
-
6.7g
大豆
ゆで
6.6g
粒あん
-
5.7g
こしあん
-
3.9g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

納豆やおから、あんなどの豆の加工品からも食物繊維が手軽に摂取できるのはうれしいことですね。

2-3.野菜・いも類

野菜やいも類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含む野菜・いも類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な野菜・いも類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
えだまめ
冷凍
7.3g
モロヘイヤ
生
5.9g
グリンピース
冷凍
5.8g
ごぼう
生
5.7g
ブロッコリー
生
5.1g
オクラ
生
5.0g
切干大根
ゆで
3.7g
西洋かぼちゃ
生
3.5g
豆苗
生
3.3g
水菜
生
3.0g
とうもろこし
生
3.0g
カリフラワー
生
2.9g
さつまいも
生
2.8g
ほうれん草
生
2.8g
たけのこ
生
2.8g
にんじん
生
2.7g
にら
生
2.7g
ねぎ
生
2.5g
さといも
生
2.3g
れんこん
生
2.0g
小松菜
生
1.9g
キャベツ
生
1.8g
アスパラガス
生
1.8g
大根
生
1.4g
白菜
生
1.3g
もやし
生
1.3g
レタス
生
1.1g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

野菜やいも類を積極的に摂ることで、食物繊維の摂取量を増やすことができますね。

2-4.きのこ類

きのこ類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含むきのこ類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主なきのこ類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
しいたけ
生
5.5g
まつたけ
生
4.7g
えのきだけ
生
3.9g
まいたけ
生
3.5g
なめこ
生
3.4g
エリンギ
生
3.4g
マッシュルーム
水煮/缶詰
3.2g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

年中安定して手に入りさまざまな料理に使いやすいきのこは、食物繊維の供給源として頼もしい存在ですね。

2-5.海藻類

海藻類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含む海藻類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な海藻類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
干しひじき
乾燥
51.8g
刻み昆布
-
39.1g
いわのり
干し
36.4g
焼きのり
-
36.0g
乾燥わかめ
干し
29.0g
塩昆布
-
13.1g
乾燥わかめ
水戻し
4.0g
干しひじき
ゆで
3.7g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

海藻は乾燥や塩漬けなどの加工により保存性の高いものが多く、さまざまな料理に手軽に使うことができて便利です。

カロリーが低いこともうれしいポイントですね。

カロリーとは
ヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。

2-6.果物類

果物類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含む果物類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な果物類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
干しがき
-
14.0g
いちじく/乾
-
10.7g
プルーン/乾
-
7.1g
バナナ/乾
-
7.0g
ドライマンゴー
-
6.4g
アボカド
生
5.6g
ラズベリー
生
4.7g
きんかん
生
4.6g
ブルーベリー
生
3.3g
キウイフルーツ(緑)
生
2.6g
パパイア
生
2.2g
りんご(皮付き)
生
1.9g
プルーン
生
1.9g
西洋なし
生
1.9g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ドライフルーツは水分が抜けている分、同じ量の生のものよりも食物繊維含有量が多くなります。

ただし糖質やカロリーも多いため、摂り過ぎには注意しましょう。

2-7.ナッツ類

ナッツ類には食物繊維が含まれています。

食物繊維を含むナッツ類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主なナッツ類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
アーモンド
いり
11.0g
ピスタチオ
いり
9.2g
甘栗
-
8.5g
くるみ
いり
7.5g
ヘーゼルナッツ
フライ
7.4g
落花生
いり
7.1g
カシューナッツ
フライ
6.7g
マカダミアナッツ
いり
6.2g
日本ぐり
生
4.2g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ナッツ類を間食などで摂ると、手軽に食物繊維を摂取できますね。

ただしナッツ類は脂質を多く含み高カロリーであるため、食べ過ぎは肥満の原因になります。

カロリーオーバーにならないように注意しましょう。

2-8.菓子類

菓子類にも食物繊維が含まれるものがあります。

食物繊維を含む菓子類には次のようなものがあります。

【食物繊維を含む主な菓子類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
ポップコーン
-
9.3g
もなか(粒あん)
-
6.1g
アーモンドチョコレート
-
6.1g
きんつば
-
5.5g
甘納豆(あずき)
-
4.8g
くりまんじゅう(粒あん)
-
4.7g
しるこ(粒あん)
-
4.3g
ポテトチップス
-
4.2g
ごま入り南部せんべい
-
4.2g
ミルクチョコレート
-
3.9g
ねりきり
-
3.6g
落花生入り南部せんべい
-
3.5g
あんぱん(粒あん)
-
3.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ただし、菓子類のなかには糖質や脂質が多く含まれた高カロリーのものもあります。

そのため食べ過ぎないように注意が必要です。

一般的に、間食から摂取するエネルギー量は1日当たり200kcal程度が望ましいとされています[3]。

[3] 厚生労働省「 嗜好品を食べたい場合の量の目安」

3.食物繊維の摂取目標量

お皿にのったきのこ類

「食物繊維は1日にどのくらい摂ったら良いのかな?」

食物繊維を摂りたくても、適量がどのくらいなのかをご存じの方は少ないかもしれませんね。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の摂取目標量が定められています。

メモ
目標量は生活習慣病の発症予防のため、日本人が当面の目標とすべき摂取量として設定された量です。
【食物繊維の1日当たりの摂取目標量】
性別 男性 女性
年齢など 目標量 目標量
0~5カ月
-
-
6~11カ月
-
-
1~2歳
-
-
3~5歳
8g以上
8g以上
6~7歳
10g以上
9g以上
8~9歳
11g以上
11g以上
10~11歳
13g以上
13g以上
12~14歳
17g以上
16g以上
15~17歳
19g以上
18g以上
18~29歳
20g以上
18g以上
30~49歳
22g以上
18g以上
50~64歳
22g以上
18g以上
65~74歳
21g以上
18g以上
75歳以上
20g以上
17g以上

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

妊婦、授乳婦の1日当たりの摂取目標量は以下のとおりです。

年齢など 目標量
妊婦
18g以上
授乳婦
18g以上

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただし、健康のためには1日当たり25g以上の食物繊維を摂取した方が良いとされています[4]。

しかし「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の20歳以上の平均摂取量は男性で19.9g、同じく女性で18.0gであり、この理想とはかけ離れています[5]。

そのため、厚生労働省は日本人にとって実現可能と思われる目標量を設定しています。

日本の基準においても現状の平均摂取量では十分とはいえないため、意識的に食物繊維を摂るようにしたいですね。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

[5] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

4.食物繊維の摂取量を増やすコツ

「食物繊維をたくさん摂るにはどうしたら良いのかな……」

このように、食物繊維を多く摂るための方法について知りたい方もいらっしゃるかもしれません。

この章では、食物繊維の摂取量を増やすコツについてご紹介するので参考にしてくださいね。

コツ1 主食を置き換える

海苔をまいた玄米のおむすび

主食を玄米や胚芽米、麦ごはん、全粒粉のパンなどに置き換えると、効率良く食物繊維を摂ることができます。

穀類は食物繊維を豊富に含みますが、精白するとその量が減ってしまいます。

精白された白米や小麦ではなく色のついた穀類を摂ることで、食物繊維の摂取量を自然に増やすことができます

まずは1日1食を玄米などに置き換えることから始めてみるのもおすすめです。

コツ2 食材を加熱する

肉じゃが

食物繊維の摂取量を増やすためには、食材を加熱することも効果的です。

野菜やきのこ類などを煮たり蒸したりするとかさが減りたくさん食べられるため、食物繊維を多く取り入れることができます。

例えば、みそ汁は一度にいろいろな野菜をたくさん摂ることができるのでおすすめの食べ方です。

食物繊維を効率良く摂取するために、生野菜のサラダだけではなく加熱した料理も取り入れてみてくださいね。

コツ3 おやつを工夫する

いろんな種類のドライフルーツ

おやつを工夫することで食物繊維の摂取量を増やすことができます。

普段食べているおやつを食物繊維が多く含まれるものにしてみましょう。

ポップコーンや甘栗、ナッツ、ドライフルーツの他、チョコレートやあんを使った和菓子類などは食物繊維を摂取できるおやつとしておすすめです。

おやつで食物繊維の摂取量を増やすことができるのはうれしいことですね。

ただし、食べ過ぎは肥満の原因になるため適量を守るようにしましょう。

5.食物繊維を含む食べ物についてのまとめ

食物繊維はヒトの酵素では消化されない成分で、ほとんどエネルギー源になりません。

食物繊維には腸内環境を整えたり、生活習慣病を予防したりするといった効果があるとされています。

食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、穀類の他、豆類、野菜類、きのこ類、海藻類、果物類、ナッツ類などの植物性食品に多く含まれています。

厚生労働省は食物繊維の目標量として、男性の場合18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上という数値を設定しています[6]。

また女性の場合、目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[6]。

しかし現状では食物繊維は多くの日本人で不足気味であり、積極的な摂取が勧められています。

食物繊維の摂取量を増やすために、主食を玄米や胚芽米、全粒粉のパンにすると良いでしょう。

また、食材を加熱しかさを減らして量を食べられるようにしたり、食物繊維の多いおやつを取り入れたりすることもおすすめです。

食物繊維の含まれる食べ物や効率の良い摂り方を知り、十分な量を摂取できるように心掛けてくださいね。

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」