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しいたけに含まれる栄養素とその作用とは?選び方や保存方法も紹介

「しいたけは体に良さそうだけど、どんな栄養素が含まれているのかな?」

おなじみの食材のしいたけですが、どのような栄養素が含まれているか詳しくはご存じないかもしれませんね。

しいたけには、体を構成するのに欠かせないたんぱく質や整腸効果のある食物繊維をはじめ、各種ビタミンやミネラルが多く含まれています。

この記事ではしいたけに豊富に含まれる栄養素とそのはたらき、またしいたけに特有の成分についても分かりやすく解説します。

選び方や保存方法についてもご紹介しますので、参考にしてくださいね。

1.しいたけの基礎知識

木に生えたしいたけ

しいたけは、タンニンを含むコナラやミズナラ、クヌギ、シイなどの枯れ木に生えるきのこです。

ご存じのとおり、かさは茶褐色から黒褐色、柄の上部と肉の部分は白色をしています。

しいたけには「生しいたけ」とそれを乾燥させた「乾しいたけ」があります。

かつては原木に直接菌を植え付ける「原木栽培」が主流でしたが、気象条件などの影響を受けることから減少傾向にあります。

現在は「菌床栽培」が主流で、のこぎりなどで木材を加工するときに生じるおがくずなどを利用して育てられています。

生しいたけは菌床栽培の普及により一年を通して出回りますが、本来の旬は3~5月と9~11月といわれています[1]。

「生しいたけ」は全ての農産物で唯一栽培方法別の表示が義務付けられており、菌床栽培か原木栽培のいずれかが明記されています。

また国産の乾しいたけは、主に原木栽培された生しいたけを乾燥させて作られています。

しいたけのカロリーが気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。

カロリーは、100g当たり菌床栽培のものが25kcal、原木栽培のものが34kcalです[2]。

数字だけだと高いのか低いのか、よく分かりませんね。

他のきのこのカロリーもみてみましょう。

【主なきのこの可食部100g当たりのカロリー】

食品名 加工状態など カロリー
きくらげ 生 14kcal
マッシュルーム 生 15kcal
なめこ 生 21kcal
まいたけ 生 22kcal
ぶなしめじ 生 26kcal
エリンギ 生 31kcal
えのきだけ 生 34kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

原木しいたけは他のきのこに比べてカロリーが高めです。

ただしきのこ自体が低カロリーといわれる食品であることや、一度に食べる量から摂取するカロリーを考慮しても、しいたけのカロリーは高いとはいえません。

ダイエット中も安心して食べられる食材ですね。

[1] 独立行政法人農畜産業振興機構「今月の野菜 しいたけ」

[2] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

2.しいたけに豊富に含まれる栄養素

生のしいたけ

しいたけに含まれる栄養素について興味がある方もいらっしゃるでしょう。

しいたけには、ヒトの体の組織の材料になるたんぱく質や、優れた整腸作用を持つ食物繊維、各種ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素が含まれています。

ミネラルとは
ヒトの体を構成する元素のうち、主要なものである酸素・炭素・水素・窒素の四つを除いたものの総称で、「無機質」とも呼ばれます。ヒトにとって不可欠な「必須ミネラル」は16種類存在し、代表的なものとしてカルシウム、カリウム、マグネシウム、リンなどが挙げられます[3]。

この記事では、一般的に多く流通している菌床しいたけに多く含まれる栄養素とそのはたらきをご紹介します。

メモ
この章でご紹介する栄養素は食品表示基準にのっとり100kcal当たりの含有量が「豊富である」と表現できるものです[4]。ただし、しいたけはカロリーが低く、100kcalは400gに相当するため、しいたけのみからこれらの栄養素を十分に摂取することは難しいと考えられます[5]。100g当たりの含有量の基準にのっとった場合、ナイアシンは「豊富」に含まれる栄養素です[4]。同じく、食物繊維、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチンは豊富とはいえないものの、しいたけに「含まれている」栄養素です[4]。

成人男女向けに1日当たりの摂取量の目安(食事摂取基準)についても解説します。

【しいたけに豊富に含まれる栄養素(100g当たり)】

栄養素 含有量
たんぱく質 3.1g
食物繊維 4.9g
ビタミンD 0.3μg
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.21mg
ナイアシン当量 4.0mg
ビタミンB6 0.21mg
葉酸 49μg
パントテン酸 1.21mg
ビオチン 7.6μg
カリウム 290mg
マグネシウム 14mg
鉄 0.4mg
亜鉛 0.9mg
銅 0.10mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

[3] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」

[4] 東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック」

[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

2-1.たんぱく質

しいたけにはたんぱく質が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのたんぱく質含有量は3.1gです[6]。

たんぱく質は「エネルギー産生栄養素」の一つです。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトの体に不可欠な栄養素のなかで、エネルギー(カロリー)をつくり出す「たんぱく質・脂質・炭水化物」のことをいいます。

たんぱく質にはさまざまな種類があり、いずれも20種類のアミノ酸の結合により構成されています[7]。

筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの材料となる他、ホルモンなどの構成成分として欠かすことのできない栄養素です。

たんぱく質が欠乏すると成長障害の他、体力や免疫機能の低下が起こることがあるため注意が必要です。

たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量は、男性は18~64歳で65g、65歳以上で60gです[8]。

女性は18歳以上で50gです[8]。

メモ
「日本人の食事摂取基準」において、推奨量は摂取不足の予防を目的として対象年齢のほとんどの人が充足している量を意味しています。

[6] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[7] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「良質なたんぱく質」

[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

2-2.食物繊維

しいたけには食物繊維が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりの食物繊維含有量は4.9gです[9]。

食物繊維は消化酵素の影響を受けないため、胃や小腸などで消化・吸収されずに大腸まで達します。

便の体積を増やす他、ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌の餌を増やす役割を果たします。

さらに、血糖値の上昇の抑制や血中コレステロール濃度の低下など重要なはたらきを持つことも認められています。

現代の食生活では、かつてと比較して穀類やいも類・豆類の摂取量が減少したため、日本人の食物繊維の摂取量は不足気味です。

食物繊維は健康へ大きく貢献する栄養素であるため、厚生労働省は食物繊維の摂取目標量を定めています。

メモ
目標量は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において生活習慣病の予防のために日本人が当面目標とすべき摂取量として設定されたものです。

食物繊維の1日当たりの摂取目標量は男性の場合18~29歳で20g以上、30~64歳で22g以上、65~74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[10]。

女性の場合18~74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[10]。

[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-3.ビタミンD

しいたけにはビタミンDが豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのビタミンD含有量は0.3μgです[11]。

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種です。

脂溶性ビタミンとは
水に溶けない性質を持つビタミンのことで、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがこれに属します。脂肪細胞や肝臓などに蓄えられますが、摂り過ぎても排せつされないため過剰症による副作用が現れることがあります。

ビタミンDには、肝臓でのカルシウムとリンの吸収を促すはたらきがあります。

カルシウムとリンは骨に取り込まれ、骨の形成や強化に役立つのです。

ビタミンDが不足すると、腸管でのカルシウムの吸収や腎臓でのカルシウムの再吸収が滞り、低カルシウム血症が起こります。

低カルシウム血症は、骨粗しょう症や骨折のリスクを高めます。

さらに欠乏状態になると、小児の場合はくる病、成人では骨軟化症といった石灰化障害を起こす場合があります。

一方ビタミンDの過剰摂取は、腎臓や筋肉へのカルシウムの沈着や軟組織の石灰化の原因になるといわれます。

その他、嘔吐(おうと)や食欲不振、体重減少などの症状が現れることがあります。

ビタミンDの1日当たりの摂取目安量は、男女共に18歳以上で9.0μgです[12]。

メモ
「日本人の食事摂取基準」において、目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分な量を意味しています。

[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-4.ビタミンB1

しいたけにはビタミンB1が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのビタミンB1含有量は0.13mgです[13]。

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種です。

水溶性ビタミンとは
水に溶けやすい性質を持つビタミンのことで、体内では血液などの体液中に存在しています。ビタミンB群(B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンCがこれに属します。

ビタミンB1は、主に糖質やアミノ酸が体内で代謝される際にはたらきます。

メモ
体内へ取り込んだ食べ物や薬を分解したり、そこから別のものを産生したりするはたらきを代謝といいます。

ビタミンB1の不足は、食事からの供給不足が続いた場合の他、糖質の多い食事や過度の飲酒をした場合などで需要が高まったときに起こりやすくなります。

糖質の代謝に関わるビタミンB1が不足すると、糖質を主なエネルギーとして利用する神経や脳が影響を受けます。

代表的な欠乏症は脚気(かっけ)で、主な症状として全身の倦怠(けんたい)感や四肢の知覚障害、腱(けん)反射の喪失などが挙げられます。

ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は、男性の場合18~29歳で1.1mg、30~49歳で1.2mg、50~64歳で1.1mg、65歳以上で1.0mgです[14]。

女性の場合18~29歳で0.8mg、30~49歳で0.9mg、50~74歳で0.8mg、75歳以上で0.7mgです[14]。

[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-5.ビタミンB2

しいたけにはビタミンB2が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのビタミンB2含有量は0.21mgです[15]。

ビタミンB2は、主にエネルギー代謝に関わっています。

また、成長促進や皮膚・粘膜の保護などの役割も担っており、不足すると成長障害や皮膚炎、口内炎などを起こす場合があります。

ただしビタミンB2が単独で不足することは少なく、多くは他のビタミンが不足したときに同時に起こります。

ビタミンB2の1日の摂取推奨量は男性では18~29歳で1.6mg、30~49歳で1.7mg、50~64歳で1.6mg、65歳以上で1.4mgです[16]。

女性では18~64歳で1.2mg、65歳以上で1.1mgです[16]。

[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[16] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-6.ナイアシン

しいたけにはナイアシンが豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのナイアシン含有量はナイアシン当量(NE)で4.0mgです[17]。

メモ
ナイアシンは食事から摂取する以外に、体内でトリプトファン(必須アミノ酸の一種)から合成することも可能です。そのため食事摂取基準においては、ナイアシンにトリプトファンから合成される分のナイアシンを合わせたナイアシン当量(NE)が用いられています。

ナイアシンは皮膚や粘膜の健康を維持するはたらきを担っています。

また、ステロイドホルモンや脂肪の一種である脂肪酸の合成の他、DNAの修復や合成、細胞の分化に関わる成分です。

ステロイドホルモンとは
女性ホルモンや男性ホルモンなどの性ホルモンや、副腎の外側部分の副腎皮質で産生される糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドなどの総称です。体のさまざまな機能を維持するために重要なはたらきをします。

ナイアシンの1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~29歳で15mgNE、30~49歳で16mgNE、50~64歳で15mgNE、65~74歳で14mgNE、75歳以上で13mgNEです[18]。

女性では18~29歳で11mgNE、30~49歳で12mgNE、50~74歳で11mgNE、75歳以上で10mgNEです[18]。

[17] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[18] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-7.ビタミンB6

しいたけにはビタミンB6が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのビタミンB6含有量は0.21mgです[19]。

ビタミンB6は、たんぱく質・脂質・炭水化物や神経伝達物質の代謝に関わります。

食事からの摂取不足や薬の副作用が原因でビタミンB6が不足すると、湿疹、口角炎、皮膚炎、貧血、聴覚過敏、免疫機能の低下などの症状が現れる場合があります。

ただし、ビタミンB6の不足は単独ではなく、多くは他のビタミンの不足と共に起こります。

ビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~64歳で1.5mg、65歳以上で1.4mgです[20]。

女性では18歳以上で1.2mgです[20]。

[19] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[20] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-8.葉酸

しいたけには葉酸が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりの葉酸含有量は49μgです[21]。

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、細胞増殖のために必要とされるDNAの合成に関わっています。

不足すると、細胞分裂が抑制されることにより造血機能に異常を来し、貧血や神経障害を起こすことがあります。

また、妊娠初期の胎児の細胞増殖が活発な時期に葉酸が不足すると、胎児の神経管が正常に成長することができず、神経管閉鎖障害と呼ばれる先天異常の発症率が高まることが明らかになっています。

メモ
神経管閉鎖障害の予防には妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月まで葉酸を十分摂取する必要があるため、*厚生労働省はこの時期に通常の食事からの240μgに加え、栄養補助食品から1日当たり400μgの葉酸を摂取することを推奨しています* [22]。

葉酸の1日当たりの摂取推奨量は、男女共に18歳以上で240μgです[22]。

[21] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[22] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-9.パントテン酸

しいたけにはパントテン酸が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのパントテン酸含有量は1.21mgです[23]。

パントテン酸は脂質の代謝やエネルギーの産生に関与するビタミンです。

「至る所に存在する酸」という意味が名前の由来で、その名のとおりさまざまな食品に含まれています。

そのため、通常の食事をしている場合にはほぼ不足の心配はありません。

パントテン酸の1日当たりの摂取目安量は男性では18歳以上で6mg、女性では18歳以上で5mgです[24]。

[23] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[24] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-10.ビオチン

しいたけにはビオチンが豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのビオチン含有量は7.6μgです[25]。

ビオチンは、肝臓でブドウ糖をつくる「糖新生」の他、アミノ酸や脂肪酸の合成、エネルギー代謝などに関わっています。

メモ
肝臓での糖の産生は「分解」または「糖新生」という過程で行われます。このうち糖新生はブドウ糖以外の乳酸やアミノ酸からブドウ糖をつくり出す過程のことです。

また、ビオチンが産生する抗炎症物質にはアレルギーの症状を緩和する作用があることが認められています。

さまざまな食品に含まれているため、通常の食事をしていて不足することはほぼありません。

ビオチンの1日当たりの摂取目安量は18歳以上の男女共に50μgです[26]。

[25] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[26] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-11.カリウム

しいたけにはカリウムが豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのカリウム含有量は290mgです[27]。

カリウムはミネラルの一種で、体内では多くが細胞内に存在しますが、血液やリンパなどの細胞外液や骨にも少量が含まれています。

カリウムにはナトリウムを体外へ排出するはたらきがあり、過剰に摂取した塩分を調節するのに役立ちます。

ナトリウムとは
ミネラルの一つで、食事からは主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されます。摂り過ぎはむくみや口の乾きの原因となる他、高血圧や胃がん、食道がんを引き起こす可能性が高くなるといわれています。

また、細胞内液の浸透圧を一定に保ったり、筋肉の収縮や体液の酸性・アルカリ性のバランスを調整したりするはたらきがあります。

浸透圧とは
濃度の異なる溶液が、半透膜(水など小さな分子のみを通す膜)を間にして存在する場合に生じる圧力のことです。水は濃度の低い溶液から高い溶液に移動し浸透圧を生じます。

カリウムの不足による主な症状は、脱力感や食欲不振、精神障害、不整脈などです。

カリウムの1日当たりの摂取目標量は、18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[28]。

[27] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[28] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-12.マグネシウム

しいたけにはマグネシウムが豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりのマグネシウム含有量は14mgです[29]。

マグネシウムは、体内でエネルギー産生や多くの代謝に関わるミネラルです。

また、カルシウムと共に骨の健康維持にも深く関わっています。

マグネシウム不足は、利尿薬の長期利用や生活習慣病、アルコール中毒などで起こることがありますが、健康なヒトで通常の食事をしている場合、不足はほとんど見られません。

ただしマグネシウムはカルシウムと共にはたらくため、カルシウムの摂取量に対してマグネシウムの摂取量が相対的に不足すると、さまざまな疾患を誘発することが懸念されます。

マグネシウムはカルシウムの半分量を摂取するのが理想です。

マグネシウムの1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~29歳で340mg、30~49歳で380mg、50~64歳で370mg、65~74歳で350mg、75歳以上で330mgです[30]。

*女性では18~29歳で280mg、30~64歳で290mg、65~74歳で280mg、75歳以上で270mgです[30]。

[29] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[30] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-13.鉄

しいたけには鉄が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりの鉄含有量は0.4mgです[31]。

鉄は、赤血球の色素であるヘモグロビンや酵素を構成する成分です。

体内の鉄のうち、酸素運搬機能を持つ「機能鉄」は大部分がヘモグロビンとして赤血球中に存在しています。

一方、鉄の貯蔵や輸送に使用される「貯蔵鉄」はフェリチンやヘモシデリンとして肝臓や脾臓(ひぞう)、骨髄に含まれる他、輸送中の血清鉄として存在します。

鉄不足は急激な成長期にある乳幼児や、月経のある女性、鉄の要求量が増大する妊婦や授乳婦で特に多く見られます。

代表的な欠乏症である鉄欠乏性貧血になると、頭痛や目まい、動悸(どうき)、息切れ、嚥下(えんげ)障害などが起こることがあります。

このような症状は鉄欠乏が重度にならないと現れないため、普段から不足しないよう注意しましょう。

鉄の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~29歳で7.0mg、30~49歳で7.5mg、50~74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[32]。

女性では月経がある場合18~29歳で10.0mg、30~64歳で10.5mg、月経がない場合18~74歳で6.0mg、75歳以上で5.5mgです[32]。  

[31] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[32] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-14.亜鉛

しいたけには亜鉛が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりの亜鉛含有量は0.9mgです[33]。

亜鉛は、体内では筋肉、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに広く分布するミネラルで、全ての細胞に存在します。

主な役割は遺伝子の発現やたんぱく質の合成などで、特に細胞の成長・分化に大きく関与しています。

亜鉛が不足すると、味覚障害や皮膚炎、食欲不振などが見られることがあります。

亜鉛の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~29歳で9.0mg、30~64歳で9.5mg、65歳以上で9.0mgです[34]。

女性では18~29歳で7.5mg、30~64歳で8.0mg、65~74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[34]。

[33] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[34] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2-15.銅

しいたけには銅が豊富に含まれています。

しいたけ100g当たりの銅含有量は0.10mgです[35]。

銅は主に筋肉や骨、肝臓、血液に存在し、鉄と共に造血作用に関与しています。

また、体内の銅の多くはたんぱく質と結合し、酸素の運搬や鉄の代謝・輸送、活性酸素の除去、神経伝達物質の代謝などに関わっています。

活性酸素とは
呼吸で取り込んだ酸素が体内で活性化されたものです。微量であれば細胞伝達物質や免疫機能の一部としてはたらきますが、増え過ぎると老化や免疫機能の低下、がんなどの原因となります。

通常の食事をしていて健康な場合には、不足の心配はほぼないとされています。

銅の1日当たりの摂取推奨量は、男性では18~29歳で0.8mg、30~64歳で0.9mg、65歳以上で0.8mgです[36]。

女性は18歳以上で0.7mgです[36]。

[35] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

[36] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

3.しいたけに含まれる成分

乾しいたけ

しいたけには、ビタミンDに変化する「エルゴステロール」やうまみのもとである「グアニル酸」という成分が含まれます。

メモ
エルゴステロールやグアニル酸に関しては食品表示基準が設定されていませんが、しいたけに特徴的な成分であるためご紹介しています。

それでは、それぞれのはたらきについてみていきましょう。

3-1.エルゴステロール

しいたけにはエルゴステロールが含まれています。

エルゴステロールは紫外線に当たるとビタミンDに変化する成分です。

ビタミンDにはカルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、骨粗しょう症を予防する効果があるとされています。

特に、天日干しの乾しいたけでは、ビタミンDの含有量が多くなります。

晴れた日に、生のしいたけのかさを下に向けて30分程度日光に当てることで、簡単にビタミンDを増やすことができますよ[37]。

[37] JAグループ「秋・冬の旬野菜生シイタケ」

3-2.グアニル酸

しいたけにはグアニル酸が含まれています。

グアニル酸はうまみのもとになる成分で、乾しいたけにするとさらに含有量が多くなります。

昆布に含まれる「グルタミン酸」やかつお節に含まれる「イノシン酸」と共に「三大うまみ成分」といわれています。

グアニル酸は加熱により増えるため、しいたけを焼いたり炒めたりすることでさらにおいしく食べることができますよ。

4.しいたけをおいしく食べるためのポイント

しいたけを網で焼いているところ

「おいしいしいたけの見分け方ってあるのかな?」

せっかくしいたけを食べるなら、おいしく食べたいですよね。

ここではしいたけをおいしく食べるためのポイントについてご紹介します。

4-1.全体的にハリがあり肉厚のものを選ぶ

おいしいしいたけを選ぶために、外見に注目しましょう。

かさが肉厚で開き過ぎず、満遍なく薄茶色でハリのあるものが良品とされています。

裏のひだが白く、しっかりとしたハリ感があること、軸が太いことも良いしいたけの条件です。

パックに入っている場合は、水滴が付いていないものを選んでくださいね。

4-2.適切な方法で冷蔵・冷凍保存する

しいたけは湿気があると傷みやすいため、よく乾かしてから保存するのが基本です。

そのため、保存の際はキッチンペーパーで包み、ひだを上にした状態で冷蔵庫に入れて保存してください。

2~3日で食べ切る場合は常温での保存も可能ですが、すぐに食べないときは冷凍保存がおすすめです[38]。

かさと軸を切り離して、あらかじめ使いやすい大きさに切ってから冷凍しましょう。

そのまま調理に使えるため、便利な上にうまみを逃さず活かせます。

冷凍するとうまみ成分が出やすくなり、おいしさが増すともいわれますので試してみてくださいね。

しいたけの保存方法

[38] JAグループ「秋・冬の旬野菜生シイタケ」

5.しいたけに含まれる栄養素についてのまとめ

しいたけは、タンニンを含むコナラやミズナラ、クヌギ、シイなどの枯れ木に生えるきのこです。

「生しいたけ」には栽培方法別の表示が義務付けられており、「菌床栽培」か「原木栽培」のいずれかが明記されています。

カロリーは100g当たり菌床栽培のものが25kcal、原木栽培のものが34kcalで、ダイエット中にもおすすめの食材です[39]。

菌床しいたけには、たんぱく質や食物繊維をはじめ、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅が多く含まれています。

また、ビタミンDに変化するエルゴステロールやうまみのもとになるグアニル酸という成分が含まれています。

しいたけは、かさが開き過ぎずハリがあり軸が太いものが良品とされています。

パックに入っている場合は、水滴の付いていないものを選ぶと良いですよ。

保存は湿気を防ぐため、キッチンペーパーに包んでから冷蔵庫に入れましょう。

また、使いやすい大きさに切って冷凍で保存するのもおすすめです。

そのまま調理に使えるので便利ですし、冷凍することでうまみが出やすくなります。

[39] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」