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ダイエット中にしっかり摂取すべきたんぱく質以外の栄養素

1.炭水化物(糖質)

ダイエット中は制限すべきイメージのある炭水化物(糖質)も、極端な制限は禁物です。

炭水化物は1g当たり4kcalのエネルギーを生み出すエネルギー産生栄養素の一つです[1]。

メモ
炭水化物はエネルギー源となる糖質と、ヒトの消化酵素では消化できない食物繊維に分けられます。炭水化物から生み出されるエネルギーはほとんどが糖質に由来します。

糖質は摂り過ぎると肥満の原因となるため、ダイエットの際は摂取量に注意が必要です。

一方で糖質には脳や神経組織、臓器、筋肉などのエネルギー源となるはたらきがあります。

なかには糖質の一種であるブドウ糖のみをエネルギー源とする組織もあり、炭水化物が不足すると集中力の減退や疲労感、ひどい場合には意識障害などが生じる恐れがあります。

適切に摂取量を制限することが重要なのですね。

厚生労働省はエネルギー産生栄養素の目標量を各栄養素から摂取すべきカロリー(エネルギー量)が総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)に対して占めるべき割合で設定しています(単位:%エネルギー)。

炭水化物の目標量は50〜65%エネルギーです[1]。

この割合を参考に、炭水化物を極端に減らし過ぎないよう適度に節制しましょう。

またこの目標量は摂取カロリー(エネルギー摂取量)が適切であることを前提に設定されています。

ご自分に合った適切なカロリー制限を行ってくださいね。

メモ
1日に摂取すべきカロリー(エネルギー量)についてはこちらの記事をご覧ください。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

2.脂質

脂質は1g当たり9kcalで、他のエネルギー産生栄養素と比較してカロリー(エネルギー量)が高いため肥満の原因として知られています[2]。

ダイエットをするに当たってまずは脂質を制限しようと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし脂質も健康の維持には重要なはたらきをするため、極端な制限は勧められません。

脂質は効率の良いエネルギー源となる他に、一部のビタミンの吸収を助ける、細胞膜を構成する、生理活性物質(ホルモンや神経伝達物質などの微量で体の機能に影響する物質)としてはたらくといった役割を果たします。

厚生労働省が定める脂質全体の目標量は全年代で20〜30%エネルギーです[2]。

例えば1日の摂取カロリーが2,200kcalの場合、このうち20%は440kcalに当たります。

重量に換算すると9で割って約49gということになります(小数第1位で四捨五入)。

なお、目標量は適切なカロリーを摂取していることが前提となっている点に注意してくださいね。

またどのような脂質を摂るかということも重要です。

脂質の一種である「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」は体内で合成できず、不足すると皮膚炎などの異常を来すため、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」です。

n-6系脂肪酸はサフラワー(べにばな)油やひまわり油、コーン油、大豆油などの植物性の油脂やナッツ類に多く含まれます。

また、n-3系脂肪酸はさばやいわし、さんまなどの青魚などに多く含まれます。

成人の必須脂肪酸の目安量は以下のとおりです。

【必須脂肪酸の目安量(g/日)】
種類 n-6系脂肪酸 n-3系脂肪酸
性別 男性 女性 男性 女性
18〜29歳
12
9
2.2
1.7
30〜49歳
11
9
2.2
1.7
50〜64歳
11
9
2.3
1.9
65〜74歳
10
9
2.3
2.0
75歳以上
9
8
2.3
2.0

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

一方で「飽和脂肪酸」は体内でつくることができ、肥満や生活習慣病の要因になり得るため摂取の制限が勧められています。

飽和脂肪酸は牛肉や豚肉、鶏肉の脂身やバターなどの乳脂肪などに多く含まれています。

成人の飽和脂肪酸目標量は7%エネルギー以下です[2]。

例えば1日の摂取カロリーが2,200kcalの場合、この7%は154kcalに当たります。

重量に換算すると約17gです(小数第1位で四捨五入)。

カロリーだけでなくエネルギー産生栄養素全体のバランスや、脂質の種類も意識することが重要なのですね。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

3.食物繊維

ダイエット中は食物繊維を十分に摂取することも勧められます。

食物繊維は炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素では消化できないためエネルギーになりにくく、腸内細菌による発酵分解でエネルギーを得られるものの1g当たり0〜2kcalと低カロリーです[3]。

消化されずに大腸に到達しておなかの調子を整えることで知られています。

食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維に分けられ、水溶性食物繊維には血糖値(血液中のブドウ糖濃度)の上昇を防ぐ作用があるといわれています。

摂取した食品中の糖質が体内で分解・吸収されると血糖値が上昇し、これに反応して膵臓(すいぞう)から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリンには、血糖(血液中のブドウ糖)をエネルギーとして細胞に取り込ませ、使い切れなかったブドウ糖を脂肪などに変えて体に蓄えさせることで血糖値を下げるはたらきがあります。

つまり、血糖値が急上昇すると使い切れなかったブドウ糖が脂肪として蓄えられてしまうのです。

水溶性食物繊維を摂取して血糖値の上昇を防ぐことはダイエットに効果的だと考えられるでしょう。

水溶性食物繊維には水分を吸収して腸内に長くとどまる性質があるため空腹感を抑えてくれるともいわれています。

また、不溶性食物繊維を多く含む食べ物は噛み応えがあり、咀嚼(そしゃく)回数が多くなるので早食いや食べ過ぎの防止に有効だといわれています。

このようにダイエットに有用な食物繊維ですが、日本人は十分に摂取できていない傾向にあります。

厚生労働省は成人の理想的な食物繊維摂取量を1日当たり25g以上としていますが、摂取実態はこれに遠く及びません[3]。

このため実現可能性を考慮した目標量が設定されています。

成人男性の目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜75歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[3]。

また成人女性の目標量は18〜64歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[3]。

食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれておらず、野菜やいも、豆類、きのこ、海藻、穀類、果物といった植物性食品が摂取源になります。

これらの食品を積極的に摂取するよう心掛けましょう。

ただしいもや穀類、果物は糖質も多く含むので、摂り過ぎには注意してくださいね。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

4.ビタミン・ミネラル

ビタミンやミネラルも体の正常な機能を保つために欠かせない栄養素です。

ビタミンは体の機能を維持するために食事から摂取しなければならない微量の有機化合物の総称で、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。

【ビタミンの種類】
分類 名称
脂溶性ビタミン
ビタミンA
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK
水溶性ビタミン
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸
パントテン酸
ビオチン
ビタミンC

ミネラルは酸素・炭素・水素・窒素の四つ以外の元素の総称です。

そのうち、栄養素として食事から摂取する必要があると分かっているものを「必須ミネラル」といいます。

厚生労働省は食事摂取基準(1日の摂取量の基準)を定めた必須ミネラルのうち1日に摂取すべき量が100mg以上のものを「多量ミネラル」、100mg未満のものを「微量ミネラル」としています[4]。

【ミネラルの種類】
分類 名称
多量ミネラル
ナトリウム
カリウム
カルシウム
マグネシウム
リン
微量ミネラル
鉄
亜鉛
銅
マンガン
ヨウ素
セレン
クロム
モリブデン
その他(食事摂取基準の設定なし)
硫黄
塩素
コバルト

体に必要な栄養素がこんなにたくさんあるのかと驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

ダイエットのために食事を減らしたり、偏った食生活を送ったりしていると体に必要なビタミンやミネラルが不足する恐れがあります。

特にビタミンやミネラルの一部には、糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関わるものもあるので、ダイエットを効率的に進める上でもしっかりと摂取しておくことが勧められます。

代謝とは、体内で栄養素を生命の維持に必要なエネルギーや物質に変えるはたらきのことです。

栄養素が不足し代謝が低下すると、エネルギーとして消費されるべきエネルギー産生栄養素が体に脂肪として蓄えられてしまうと考えられています。

エネルギー産生栄養素やエネルギーの代謝に関わるビタミン・ミネラルには以下のようなものがあります。

【エネルギー産生栄養素やエネルギーの代謝に関わる栄養素】
分類 名称
ビタミン
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
葉酸
ビオチン
ビタミンC
ミネラル
カリウム
マグネシウム
リン
クロム

栄養素はそれぞれ関わり合って体内ではたらくので、バランス良く摂取することが重要なのですね。

ビタミンについて、ミネラルについてはそれぞれ以下の記事でさらに詳しく解説しています。

ビタミンとは?13種類のビタミンのはたらきと食事摂取基準を紹介

ミネラルとは?栄養素としてのはたらきや摂取源となる食べ物を紹介