もずくの栄養成分は?ほとんどは水分?代表的な栄養素について解説
「もずくにはどんな栄養素が含まれているんだろう?」
「もずくのカロリーはどれくらいなのかな?」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もずくは非常に低カロリーな食品です。
そのほとんどは水分ですが、残りの部分は食物繊維や各種のミネラルなどによって構成されています。
この記事ではもずくの代表的な栄養成分について解説します。
また、もずくの種類についても解説するので、もずくを食べる際の参考にしてくださいね。
1.もずくとは
「もずくって海藻の名前なのかな」
「もずくはどんな海藻なんだろう?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
もずくはモズク科の海藻です。
似たものに、「沖縄もずく」と呼ばれるナガマツモ科の海藻が存在します。
沖縄もずくは鹿児島から南西諸島にかけて分布しており、養殖もされています。
沖縄もずくはもずくに比べて太く、シャキシャキコリコリとした食感が特徴です。
実は日本で食べられているもずくは多くが沖縄もずくだといわれています。
もずくや沖縄もずくは長期保存できるよう、一般的には塩漬け(塩蔵)にされたものが販売されています。
塩蔵状態のもずくは生の状態と異なり常温保存が可能ですが、食べる前に塩抜きが必要です。
2.もずくの栄養成分
「もずくにはどんな栄養素が含まれているんだろう?」
というのが気になるところですよね。
この章では、もずくの栄養成分について詳しくご紹介しましょう。
2-1.もずくのほとんどは水分
実は、もずくのほとんどは水分です。
その水分量は90%を超えており、もずくで100g当たり97.7g、沖縄もずくで100g当たり96.7gです[1]。
このため栄養成分は残りの数パーセントにしか含まれていません。
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2-2.もずくの栄養成分とカロリー
では、もずくから水分を除いた残りにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
もずくと沖縄もずくの100g当たりの栄養成分は以下のとおりです。
| 栄養成分 | もずく | 沖縄もずく |
|---|---|---|
| カロリー(エネルギー量) | ||
| たんぱく質 | ||
| 脂質 | ||
| 糖質 | ||
| 食物繊維 | ||
| ビタミンA | ||
| ビタミンD | ||
| ビタミンE | ||
| ビタミンK | ||
| ビタミンB1 | ||
| ビタミンB2 | ||
| ナイアシン | ||
| ビタミンB6 | ||
| ビタミンB12 | ||
| 葉酸 | ||
| パントテン酸 | ||
| ビオチン | ||
| ビタミンC | ||
| ナトリウム | ||
| カリウム | ||
| カルシウム | ||
| マグネシウム | ||
| リン | ||
| 鉄 | ||
| 亜鉛 | ||
| 銅 | ||
| マンガン | ||
| ヨウ素 | ||
| セレン | ||
| クロム | ||
| モリブデン | ||
| 食塩相当量 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
栄養成分表を見ると、食物繊維や各種のミネラルなどがわずかに含まれていることが分かりますね。
また、100g当たり、もずくは4kcal、沖縄もずくは7kcalと非常に低カロリーです。
これはエネルギー源となる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質といった栄養素の含有量が少ないためです。
カロリーの低いもずくはダイエットに適した食品だといえるかもしれませんね。
3.もずくの代表的な栄養成分のはたらき
「もずくの栄養成分にはどんなはたらきがあるんだろう?」
このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また1日に必要な量に対し、もずくにはどれくらいの栄養素が含まれているのか気になる、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
この章では、もずくの代表的な栄養成分のはたらきと、成人の食事摂取基準(1日当たりの栄養素の摂取量の基準)の一部をご紹介します。
摂取の際の参考にしてくださいね。
本記事では未成年や妊婦・授乳婦の食事摂取基準は割愛しているため、対象の方は資料を参照することが勧められます。
未成年の方、妊婦・授乳婦の方はそれぞれ以下をご確認ください。
3-1.食物繊維
食物繊維は炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素では消化できない食品成分です。
食物繊維には消化・吸収されないため大腸に到達し、便の材料となったり善玉菌の繁殖を助けたりして便秘を予防し、腸内環境を整えるはたらきがあります。
また食物繊維には、糖や脂質、ナトリウムを吸着して体外に排出する作用があり、これらが原因となって引き起こされる肥満や各種の生活習慣病を予防・改善する効果があると考えられています。
なお、食物繊維は水溶性と不溶性に分けられ、もずくに含まれる食物繊維の多くは水溶性の「フコイダン」だといわれています。
フコイダンは昆布やわかめ、もずくといった一部の海藻に特有のぬめり成分で、めかぶのねばねばもフコイダンに由来しています。
フコイダンは健康に有用な物質だといわれており、コレステロールの低下作用などが期待されています。
では、食物繊維は1日にどれくらい摂取すべきなのか、目標量(生活習慣病の重症化予防を目的とした基準)をご紹介しましょう。
成人男性の食物繊維目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[2]。
また成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[2]。
ただし、健康への利益を考えた場合、成人の理想的な食物繊維摂取量は1日当たり25g以上だといわれています[2]。
前掲の目標量は日本人の食物繊維摂取量が理想に遠く及ばないため、実現可能性を考慮して設定されたものです。
少しでも食物繊維を多く摂るよう心掛けましょう。
100g当たりの食物繊維含有量はもずくで1.4g、沖縄もずくで2.0gです[3]。
他の食品からも積極的に摂取すべきだということが分かりますね。
食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、植物性食品に含まれています。
野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類といった植物性食品を摂取するよう心掛けましょう。
食物繊維についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-2.ビタミンK
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、出血した際に血を止めるはたらきに関わります。
また骨をつくるはたらきにも欠かせない栄養素です。
成人のビタミンK目安量(不足のリスクがほとんどない量の基準)は男女共に150μgです[4]。
100g当たりのビタミンK含有量はもずくで14μg、沖縄もずくで18μgです[5]。
1日に摂取すべき量をもずくだけで満たすのは困難ですが、もずくを食べることで摂取量をわずかに増やすことができるかもしれませんね。
なお、食品中に天然に含まれるビタミンKは、緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれるビタミンK1と、腸内細菌や納豆菌などによって合成されるビタミンK2に分けられます。
納豆には特にビタミンKが多く含まれているので、ビタミンKを十分に摂りたい場合はもずくと納豆を合わせて食べるのがおすすめですよ。
ビタミンKについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[5] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-3.ナトリウム
ナトリウムは必須ミネラルの一種です。
体内では多くが細胞外液(細胞の外の体液)に存在し、細胞外液の浸透圧を調節し、その量を維持するはたらきをしています。
ナトリウムは国内では不足による不調よりも摂り過ぎによる不調が懸念される栄養素の一つです。
摂り過ぎるとむくみや口の渇きといった一時的な変化を引き起こす他、高血圧や胃がん、食道がんなどのリスクを高めることが分かっています。
ナトリウムは主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されています。
このため食品中のナトリウムの含有量や目標量の表示には、「食塩相当量」が用いられます。
食塩相当量は、食品中のナトリウムが全て食塩として含まれていた場合の食塩の量をナトリウムの量から計算した値です。
ただし、食塩中にはうまみ成分のグルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなど、食塩以外の形でもナトリウムが存在するため、食塩相当量は実際の食塩含有量と一致するわけではありません。
ナトリウムの推定平均必要量(半数の人にとって必要量を満たせる量)は、成人の場合、600mgで、食塩相当量では1.5gに当たります[6]。
また目標量は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満です。
ただし、世界保健機関(WHO)は成人に対し、1日当たりのナトリウム摂取量(食塩相当量)を5g未満にすることを強く推奨しています[6]。
前掲の目標量は日本人の食塩摂取量が多いため、実現可能性を考慮して設定されたものであることに注意が必要です。
もずくのナトリウム含有量は90mg、食塩相当量は0.2gです[7]。
また沖縄もずくのナトリウム含有量は240mg、食塩相当量は0.6gです[7]。
一般的に食べられている沖縄もずくの方が、塩分が多いことが分かりますね。
特に塩蔵品を自分で塩抜きする際には、十分に塩気を抜くように注意しましょう。
ナトリウムについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ナトリウムとは?体内でのはたらきや摂取目標量、摂取の注意点を解説
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-4.鉄
鉄は必須ミネラルの一種で、体内では主に赤血球の中のヘモグロビンとして存在します。
酸素の運搬や細胞の呼吸において重要なはたらきを担う栄養素です。
不足すると酸素を体の各組織に運ぶ機能が低下して「鉄欠乏性貧血」に陥り、疲労感や頭痛、目まい、動悸(どうき)、息切れといった症状が見られます。
成人男性の鉄推奨量(ほとんどの人にとって十分だと考えられる量)は、18〜29歳で7.0mg、30〜49歳で7.5mg、50〜74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mgです[8]。
女性の推奨量は月経の有無によって異なります。
月経がある成人女性の推奨量は18〜29歳で10.0mg、30〜64歳で10.5mgです[8]。
月経がない女性の推奨量は18〜74歳で6.0mg、75歳以上で5.5mgです[8]。
100g当たりの鉄含有量はもずくで0.7mg、沖縄もずくで0.2mgです[9]。
もずくの方が多くの鉄を含むのですね。
なお、食品中の鉄は動物性食品に多く含まれるヘム鉄と、植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄に分けられます。
吸収率はヘム鉄の方が高いといわれているため、鉄を積極的に摂取したい場合は鉄を多く含む動物性食品を選ぶと良いでしょう。
鉄についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
鉄分とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介
[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[9] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
3-5.ヨウ素
ヨウ素は必須ミネラルの一種で、「ヨード」とも呼ばれます。
体内ではほとんどが甲状腺という喉仏の下にある臓器に存在し、甲状腺ホルモンというホルモンの材料として重要なはたらきをしています。
甲状腺ホルモンは体の代謝や成長などに関わるホルモンです。
脈拍や体温、自律神経のはたらきなどを調節したり、エネルギーの消費を維持したりする作用を有しています。
成人のヨウ素推奨量は男女共に140μgです[10]。
ヨウ素は海藻類や魚類などの海産物に多く含まれ、一般的な日本人の摂取量は必要量を大きく上回っているといわれています。
沖縄もずくのヨウ素含有量は100g当たり140μgで、成人の推奨量と同等です[11]。
もずくのヨウ素含有量は未測定のため不明ですが、こちらも海藻なので多くのヨウ素が含まれると考えられます。
伝統的な食習慣のため、日本人はヨウ素の過剰摂取による不調を来しにくいといわれています。
ただし、長期的に過剰に摂取し続けると甲状腺の機能が低下し、記憶力の低下や倦怠(けんたい)感、皮膚の乾燥、頭髪の脱毛、食欲の低下などの症状が現れる恐れがあるので注意が必要です。
毎日多量のもずくを食べ続ける、といった極端な食生活は送らないようにしてくださいね。
ヨウ素についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ヨウ素とは?はたらきや過不足による影響、多く含まれる食品を紹介
[10] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[11] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
4.もずくの栄養成分についてのまとめ
もずくはモズク科の海藻です。
また沖縄もずくと呼ばれる似た海藻が存在し、こちらはナガマツモ科に分類されます。
沖縄もずくはもずくに比べて太く、シャキシャキコリコリした食感が特徴的です。
国内で食べられるもずくは多くが沖縄もずくだといわれています。
もずく・沖縄もずくのいずれもほとんどが水分で、低カロリーの食材です。
残りの数パーセントはさまざまな栄養素で構成されていますが、その多くは摂取源になるといえるほど含まれているわけではありません。
もずくを構成する栄養素のうち、代表的なものには食物繊維、ビタミンK、ナトリウム、鉄、ヨウ素があります。
もずく独特のねばねばは水溶性食物繊維の一種、フコイダンに由来します。
また、他の栄養素が1日に摂るべき量と比較してごくわずかであるのに対し、ヨウ素は非常に多く含まれているといえます。
沖縄もずく100g当たりに含まれるヨウ素の量は成人の1日の推奨量と同等です[12][13]。
栄養バランスを意識しながら、もずくをおいしく食べてくださいね。
[12] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[13] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」