マインドフルネスのやり方を紹介!主な実践方法3選

マインドフルネスのやり方を紹介!主な実践方法3選

2023年09月28日

2024年04月05日

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「マインドフルネスってどんなもの?」

「マインドフルネスはどうやれば良いの?」

マインドフルネスという言葉を聞いたことはありますか?

マインドフルネスは、「今この瞬間」を感じ取ることで、さまざまな効果を得られる技法のことです。

忙しい日々のなかでも、自分と向き合う時間を確保して落ち着いた時間が過ごせたら良いですよね。

本記事では、マインドフルネスの基本とやり方について解説します。

1.マインドフルネスとは

マインドフルネス

そもそも、マインドフルネスとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、マインドフルネスの概要をご紹介します。

1-1.マインドフルネスの概要

マインドフルネスは、仏教をはじめとする東洋の文化から始まったもので、日本ではいわゆる瞑想として伝えられてきました。

後に瞑想が欧米に伝わり、さまざまな過程を経てマインドフルネスに変わっていき、日本に改めて伝わってきたとされています。

マインドフルネスはさまざまな場面で活用されていますが、統一された定義はありません。

日本マインドフルネス学会では、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と定義されています。

また、「観る」ことは「見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の働きをも観る、という意味である」とも定義しています。

1-2.マインドフルネスで期待できる効果

マインドフルネスを取り入れることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。

ここからは、マインドフルネスによって期待できる効果を三つピックアップしてご紹介します。

1-2-1.ストレス・不安・抑うつ

2019年に実施された研究では、合計1,373例の大学生・専門学校生を対象とした23件の研究を解析し、ヨガやマインドフルネス、瞑想の実践技法が、ストレス・不安・抑うつの症状に対して何らかの効果があることが示されました[1]。

ただし、研究におけるバイアス(偏り)のリスクが高く、研究の質も低かったとされています。

しかし、2018年に行われた別の研究では、不安や抑うつ症状に対して何のアプローチもしなかった場合と比較すれば有用性があることも示されています。

[1] 厚生労働省 eJIM「瞑想」

1-2-2.高血圧

2020年に行われた1,100例以上の参加者を含む14件の研究では、マインドフルネスの実践は血圧の有意な低下に関連があると示されています。

ただし、マインドフルネスや瞑想と血圧の関係性を調べた質の高い研究は、ほとんど存在しない現状にあります。

そのため、参考程度として捉えておくことが得策です。

1-2-3.がん患者のメンタルケア

マインドフルネス実践技法に関する29件の研究の2019年の解析では、がん患者に対してマインドフルネスの実践技法を行い、心理的苦痛や倦怠感、睡眠障害などさまざまな症状を軽減できたと報告されています[2]。

ただし、この研究の参加者のほとんどが乳がんの女性だったため、ほかの種類のがん患者などでは違う結果になる可能性もあるとされています。

[2] 厚生労働省 eJIM「瞑想」

2.マインドフルネスのやり方

深呼吸

では、実際にマインドフルネスを実践するには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか。

ここでは、マインドフルネスのやり方を紹介します。

2-1.瞑想

瞑想とは、今起こっていること・感じていることに対し、評価や判断を入れずに気づきを向けることを指します。

意識を集中させて物事をあるがままに観察し、そのまま受け入れる姿勢で取り組むことが大切です。

基本的な瞑想のやり方は以下のとおりです。

  1. 椅子か床に座った状態で目を閉じ、呼吸に意識を集中させる。
  2. 途中で何か考えや雑念が浮かんできたら、その考えを否定せずに気づき、また呼吸に意識を戻す
  3. これを毎日15分から25分程度繰り返す

また、マインドフルネス瞑想として以下の二つの瞑想法も知られています。

2-1-1.サマタ瞑想

サマタ瞑想とは、一つの対象に定め、その対象に対して集中を高めていく手法です。

呼吸に対して意識を高める瞑想もサマタ瞑想に含まれます。

ほかにも、特定の言葉やフレーズ(マントラ)を唱える方法や、仏像・神像などを対象とする場合もあります。

あらかじめ対象を定めておくことで集中しやすくなり、雑念がとりのぞかれ、心が安定して強く感じられるようになるとされています。

2-1-2.ビパッサナー瞑想

ビパッサナー瞑想は、集中する対象をあえて定めず、そのとき心に浮かぶ事象をありのままに観察する手法です。

意識を向ける対象はさまざまで、今自分がいる空間全体を感じ取るイメージとされています。

また、ビパッサナー瞑想には静的瞑想と動的瞑想があります。

静的瞑想は、静かに座った状態で意識を集中させることです。

対する動的瞑想は、歩いているときや食事をしているときなど、日常動作のなかで精神を集中させ、実況中継のように観察することを指します。

まずはサマタ瞑想で意識を集中することを鍛え、ビパッサナー瞑想に移行していくのが一般的な仏教の瞑想法だとされています。

2-2.呼吸法

瞑想の種類にかかわらず、瞑想を実践する上で欠かせないのが呼吸法です。

ストレスを感じているときや緊張状態のとき、私たちの呼吸は普段より速くなります。

呼吸が速いと、酸素の供給過多となり、多くの二酸化炭素を吐き出します。

血中の二酸化炭素が凝集し流れるため、軽い頭痛や汗、緊張、パニックなどが起こる恐れがあります。

一方で、リラックスしているときは呼吸がゆっくり深くなります。

呼吸を穏やかにすることで体の緊張を緩めることができ、気分の改善も期待できるのです。

呼吸法は以下のように行います。

  1. 力を抜いて椅子に座り、両足の裏を床に付け、軽く息を吸い込む。
  2. 6秒程度かけてゆっくりと息を吐き出し、体の力を抜く。
  3. 3秒間息を止める。

この呼吸法を、体の力を抜くことを意識しながら10分程度繰り返します。

この呼吸法が習慣になれば、心身ともにリラックスした状態がキープしやすくなるとされています。

2-3.ヨガ

ある研究で、マインドフルネスの要素を含んだヨガを被験者に指導し、ヨガの介入前後を比較してマインドフルネスの影響が出るかを調査しています。

この研究では、MW(マインドワンダリング)という状態に着目していることが特徴です。

MWは自分以外の何かに意識が向いている状態のことで、その回数がヨガの介入前後で変化するかどうかを調べています。

このヨガプログラムは、現代のヨガでも使われるウジャイ呼吸(鼻を使って行う胸式呼吸)と、アーサナと呼ばれるヨガのポーズ、呼吸法と動的瞑想であるビパッサナー瞑想を組み合わせたプログラムで介入を試みています。

その結果、ヨガプログラムが介入した後は介入する前と比べて、自分以外に意識が向く回数が有意に減少したと報告されています。

この研究ではヨガの介入によって緊張状態も緩和されていることも分かっており、マインドフルネスがネガティブな感情を低下させることも期待できます。

3.マインドフルネスのポイント

瞑想

ここでは、マインドフルネスを行う際のポイントを三つ解説します。

3-1.毎日実践する

マインドフルネスを実践する場所や時間に特に決まりはありません。

ただし、毎日継続して実践することでより効果を得やすいとされています。焦らずに、おおらかな気持ちで取り組むことが大切です。

おすすめは、起床時や寝る前といった一人になりやすい時間帯です。

最初は1分程度からでも構いません。慣れてきて習慣化してきたら、徐々に時間を伸ばしてみてください。

3-2.「マインドフルネス実践における基本的な態度」を参考にする

マインドフルネス・ストレス低減法を開発したジョン・カバット・ジン氏が、自身の著書「マインドフルネスのはじめ方」内で「マインドフルネス実践における基本的な態度」についてまとめています。

・自分で評価を下さない

物事をそのまま受け取ることを心掛け、評価や判断を自分で加えないようにします。

・忍耐強くある

「もっと集中しよう」「もっとうまくやろう」と急がず、今ある瞬間に意識を向けることに集中します。

結果を求めず、忍耐をもって自分と向き合ってみてください。

・初心を忘れない

瞑想を何度か繰り返していくうちに、人は少しずつ慣れていってしまいます。

瞑想について知らないことがたくさんあることを常に念頭に置き、初心を忘れずに瞑想を積み重ねることが大切です。

・自分を信じる

自分がすでに知っていることだけでなく、知らないということを知っている、自分の体や心のあり方そのものを信頼することも重要です。

自分に何かが足りないから瞑想をするわけではないことを覚えておきましょう。

・むやみに努力しない

何かを良くしようと努力をするのではなく、ただ今ある瞬間を感じ取ることが大切です。

行くべき場所も、得るべき成果もなく、ただそのままを感じてみてください。

・受け入れる

「受け入れる」ことは、どんな理不尽なことが起こったとしても無条件で我慢することではありません。

起こった物事を判断せずに受け入れ、どうやって関われば良いのかに気づくことが大切です。

・とらわれない

起こったことへの執着を手放します。

単に放置するのではなく、起こった物事を客観的に捉え、目的をもって明確に理解を深めていきます。

3-3.日常生活に取り入れる

マインドフルネス瞑想では、食べる瞑想や歩く瞑想などがあり、さまざまなシーンで瞑想を実践することが可能です。

・食べる瞑想

無意識に口に運ばずに、食べ物の形や色をじっくり観察してみます。

香りも感じながら味わえば、いつもの食事が食べる瞑想に変わります。

・歩く瞑想

道を歩いている感覚に注意を向ければ歩く瞑想になります。

目的地や時間などはいったん横に置き、足の感覚や重心が移動する感覚に精神を集中させてみてください。

・呼吸の瞑想

何気なく行っている呼吸も丁寧に感じ取ってみてください。

なかでも腹式呼吸は精神の安定にもつながるとされています。

ただし、瞑想をうまくやろうとして、呼吸を意識してコントロールする必要はありません。

思うように息をするのではなく、いつもどおりの呼吸のリズムをそのまま感じ取るようにしてみましょう。

4.マインドフルネスのやり方についてのまとめ

マインドフルネスは、今ある瞬間に意識を向け、評価や判断を加えずありのままを受け入れる技法のことです。

静かに座って行うほか、道を歩いているときや食事をしているときにもできます。

忙しい日々のなかでも、まずは5分でも自分を見つめ直す時間を作ってみてください。

この記事の監修者

岡田 夕子
岡田 夕子
精神保健指定医/日本精神神経学会専門医・指導医

【経歴】
2005年滋賀医科大学卒業後、小児科や産業医として勤務した後に精神科へと転身。身体的、精神的症状を訴える患者を受け持つ。思春期特有の心の病気に取り組む「思春期外来」も担当しているほか、精神科系の記事執筆や監修なども行っている。

【監修書籍情報】
「誰も教えてくれない性病対策ハンドブック」(三和出版)

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