「広背筋をダンベルで鍛える方法を知りたい……」
「広背筋を鍛えるダンベルトレーニングにはどんなメニューがあるんだろう?」
ダンベルで広背筋を鍛えようと思っても、具体的なやり方が分からずこのような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
広背筋は肩関節の動きに関わる筋肉で、腕を引いたり内側にひねったりといった動作で使われます。
ダンベルを使うことで、さまざまなメニューで効率良く広背筋を鍛えることができるでしょう。
この記事では広背筋を鍛えるおすすめのダンベルトレーニングや、トレーニングの際の注意点について紹介します。
広背筋をより効率良く鍛えるためにダンベルを使ったトレーニング方法を知りたいという方はぜひ最後までお読みください。
1.広背筋とは
「広背筋ってどこにある筋肉なんだろう?」
「広背筋がどんなはたらきを持つ筋肉なのか知りたい」
広背筋を鍛える前にどんな筋肉なのか知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
広背筋は腕から背中の中央、脇の下部、骨盤にかけてついている大きな筋肉です。
背中には他にも「僧帽筋」や「脊柱起立筋」がありますが、広背筋は背中の筋肉のなかで一番大きい筋肉です。
主に肩関節の動きに関わっており、腕を引いたり内側にひねったりといった動作に使われます。
また広背筋には物理的に部位が分かれてないものの上部と下部があり、腕を上から引き寄せる動作には上部が、腕を前から引き寄せる動作には下部が作用します。
広背筋は脇の下から腰に向かって扇状に広がって見えることから、鍛えると逆三角形の体を手に入れることができ、男女ともにメリハリのあるシルエットを目指せるでしょう。
2.広背筋をダンベルで鍛えるメリット
「広背筋を鍛える際にダンベルを使うとどんなメリットがあるのかな?」
ダンベルを使ったことがない人のなかにはこのような疑問を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
自重やトレーニングマシンを使った筋トレではなく、ダンベルを使うことで得られるメリットについて紹介していきます。
メリット1 重さを調整できる
ダンベルを使ったトレーニングはダンベルの重さを調整できることがメリットの一つとして挙げられます。
自分の体重を負荷として行う「自重トレーニング」は体重以上の負荷をかけられないため、高い負荷をかけることはできません。
しかし、ダンベルを使うと重量を変えて負荷を高めることができるため、トレーニングの効率を上げられることができます。
ダンベルには重さを変えられない「固定式ダンベル」とプレートを付け替えることで重さを変えられる「可変式ダンベル」があります。
固定式の特徴はウエイトを付け替える手間がなくすぐにトレーニングを始められる点です。
しかし、重さを変える場合には別の重さのダンベルを用意する必要がある点がデメリットといえます。
可変式ダンベルはプレートを自由に付け替えて付加を調整できるだけでなく、高重量の商品も多いため本格的なトレーニングを行いたい方におすすめです。
付け替えの手間がデメリットとして挙げられますが、最近では付け替えが容易にできる「アジャスタブルダンベル」といった種類のダンベルも販売されています。
ダンベルを使ったトレーニングが初めての場合は、軽い重さから始めて徐々に重量を上げていくのがおすすめです。
このようにダンベルは重さを調整して、自分に合った負荷でトレーニングができるのがメリットといえます。
メリット2 メニューの幅が広がる
ダンベルを使ったトレーニングはマシンやバーベルを使うトレーニングと比べて、メニューの幅が広い点もメリットといえるでしょう。
ダンベルは可動域が制限されないため、筋肉を大きく動かすことができ背中を意識して鍛えやすいのです。
また可動範囲が広いことで普段使うことのない筋肉を鍛えることもできるのも魅力といえます。
一方で高重量になるとダンベルは扱いにくくなり、それによってフォームが崩れればけがをする恐れもあるため、高重量でのトレーニングはより注意して行うようにしましょう。
3.広背筋を鍛えるおすすめのダンベルトレーニング
「広背筋を鍛えるダンベルトレーニングにはどんなメニューがあるんだろう?」
ダンベルを使ったトレーニングメニューについて詳しく知りたい方は多いのではないでしょうか。
ここからは広背筋を鍛えるダンベルトレーニングのやり方やポイントを紹介していきます。
3-1.ワン・ハンド・ローイング
ワン・ハンド・ローイングは広背筋を鍛えるダンベルトレーニングのなかで最も基本的なメニューです。
ワン・ハンド・ローイングは、広背筋はもちろん、脇の下にある「大円筋」をはじめとした背中全体の筋肉、肩回りの筋肉などを鍛えられます。
トレーニングの際はベンチが必要になりますが、ない場合は椅子を使って行うこともできます。
それではワン・ハンド・ローイングのやり方を見ていきましょう。
まず足を肩幅に広げ、同じ側の片手と膝をベンチに乗せてください。
上体を前に倒した状態で腰から首までを真っすぐに保ち、反対側の手でダンベルを軽く握り腕を伸ばします。
視線は下ろさずにやや前方に向けるようにしてください。
次にダンベルを体の脇に来るように真っすぐ持ち上げましょう。
ダンベルを持ち上げた手を元の位置までゆっくりと戻してください。
反対側も同じようにトレーニングを行いましょう。
広背筋をしっかり鍛えるには腕の力だけでなく、肩甲骨を動かし背中の筋肉を使うことを意識しましょう。
3-2.ダンベル・ベント・オーバー・ロー
ダンベル・ベント・オーバー・ローは広背筋をはじめ、背筋全体の筋肉を鍛えられるトレーニングです。
ダンベル・ベント・オーバー・ローのやり方は以下のとおりです。
まずは両手にダンベルを持ち、足を肩幅に開いてください。
お尻を突き出すようにして前傾姿勢をとり、軽く胸を張って背中を反らせましょう。
膝はつま先より前に出ないように注意し、目線はやや上に向けてください。
肩甲骨を意識しつつ、ダンベルをおへその位置まで引き上げたら、元の位置に戻しましょう。
以上の動作を繰り返してください。
ポイントはダンベルを引き上げる際に肩甲骨を寄せることです。
3-3.ストレート・アーム・プル・オーバー
ストレート・アーム・プル・オーバーはやり方次第で広背筋だけでなく大胸筋にも効果のあるトレーニングです。
それではストレート・アーム・プル・オーバーのやり方を見ていきましょう。
まずはベンチに仰向けになり、両肘を伸ばした状態で腕と体が一直線になるようにダンベルを構えましょう。
このとき腕の可動域を大きく使って背中が伸びていると感じるところまで腕を下ろしてください。
次に肘を伸ばしたまま肩甲骨を寄せながらダンベルを元の位置まで上げます。
以上の動作を繰り返し行いましょう。
ダンベルの扱いが難しいメニューなので、軽めの重量から行い動作や負荷に慣れていきましょう。
3-4.ダンベル・デッド・リフト
ダンベル・デッド・リフトは広背筋や脊柱起立筋などの背中の筋肉に加え、お尻にある「大臀筋」、太ももの裏にある「ハムストリングス」も同時に鍛えることができます。
デッド・リフトとは主にバーベルを使って行われる代表的なウエイトトレーニングのことです。
バーベルの代わりにダンベルを使うことで軽い重量でも筋トレができるようになり、筋トレに慣れていない人でも取り組みやすくなっています。
それではトレーニングのやり方を説明していきます。
まずは足を肩幅に開き両手にダンベルを持ちます。
背筋を伸ばした状態で膝を軽く曲げて、ダンベルをゆっくり下ろしながらお尻を突き出すようにして前傾姿勢をとりましょう。
胸を張って肩甲骨を寄せるようにして腕を引き上げて元の姿勢に戻ってください。
以上の動作を繰り返し行いましょう。
膝関節や腰に負担をかけないために、背中を丸めず常に真っすぐに保つこと、膝を曲げる際は膝がつま先より前に出ないようにすることに注意してください。
3-5.ダンベル・リバース・フライ
ダンベル・リバース・フライは広背筋と僧帽筋を鍛えられるトレーニングです。
ダンベル・リバース・フライのやり方は以下のとおりです。
まずは両手にダンベルを持ち、床と平行になるように前傾姿勢をとってください。
肘を伸ばし胸の前でダンベルを構えましょう。
肩甲骨を寄せつつ腕を外側へ開き、腕を開き切ったらゆっくりと元の位置にダンベルを戻していきます。
肘を固定して動作することでピンポイントに広背筋を鍛えることができます。
3-6.グッド・モーニング
グッド・モーニングは広背筋や脊柱起立筋などの背筋とハムストリングス、大臀筋を同時に鍛えられるトレーニングです。
少し変わったこの名前はトレーニング中の姿勢があいさつをしているように見えることが由来しています。
それではグッド・モーニングがどんなトレーニングなのか見ていきましょう。
まずは足を肩幅に開いてダンベルを両手で持ち首の後ろで保持し、顔を正面に向けてください。
背中をまっすぐにしたまま、お尻を突き出すようにして上半身を前方に倒します。
上半身を床と平行になるまで倒したら、そのままゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
動作に慣れていないうちはまずはダンベルなしで練習すると良いですよ。
3-7.加重プル・アップ
加重プル・アップは広背筋に有効とされる自重トレーニングであるプル・アップを、ダンベルを使って負荷を高めたトレーニングです。
プル・アップとは順手で行う懸垂のことです。
丈夫なリュックサックにダンベルを入れ、それを背負った状態でトレーニングすることで加重することができます。
加重プル・アップのやり方は以下のとおりです。
まずはダンベルを入れたリュックサックを背負ってください。
鉄棒を肩幅よりすこし広めの手幅で、順手で握りましょう。
顔を上に向け、肘を背中側に引くようにして胸を突き出すようにして鉄棒を引いてください。
肘を引くときに息を吐き、体を下ろす際に息を吸うようにしましょう。
足を振って反動を付けてしまうと負荷が弱まってしまうため注意してください。
4.広背筋をダンベルで鍛える際の注意点
「広背筋のダンベルトレーニングを行う際に注意すべきことってあるのかな?」
トレーニングの際に注意すべきポイントにはどのようなものがあるのか気になりますよね。
ポイントを押さえることでより効果的なトレーニングが行えるようになるでしょう。
注意点1 腕と肩の筋肉をできるだけ使わない
広背筋をより効果的に鍛えるには腕と肩の筋肉をできるだけ使わないようにしましょう。
広背筋のトレーニングの際に肩や腕が同時に作用してしまうと、広背筋に十分な負荷がかからず効果が得られません。
これは肩や腕には広背筋と同様の作用を持つ筋肉があること、広背筋だけを動かすのは困難であることが理由といえます。
広背筋を鍛えるには「肘を後ろに引く」「肩甲骨を寄せる」ことをイメージしながら動作を行ってみてください。
注意点2 正しいフォームで行う
ダンベルを使って広背筋を鍛える際は正しいフォームで行うことも重要です。
誤ったフォームで筋トレを行うと腰や膝に負担がかかり、腰痛やけがを引き起こす恐れがあります。
ダンベルを使って広背筋を鍛える際は「腰を反らせ過ぎない」「腰を丸めない」「ダンベルを体から遠ざけ過ぎない」ことを意識しましょう。
トレーニング中は肩甲骨を引き寄せ、軽く胸を張るようにしてくださいね。
また床に置いてあるダンベルを持ち上げる際にも腰を痛める危険性があります。
ダンベルは膝を伸ばしたまま腰を曲げて持ち上げるのではなく、膝を曲げ腰を落として持ち上げるようにしましょう。
注意点3 自分に合った重量のダンベルを選ぶ
広背筋を効果的に鍛えるには自分に合った重量のダンベルを選びましょう。
ダンベルは重過ぎればフォームが崩れる原因になり、反対に軽過ぎれば十分な負荷がかけられなくなってしまいます。
そのため適切な重量のダンベルを選ぶことが重要です。
筋トレはなんとか1回挙げられる程度の最大重量の60~80%の重さで8~12回繰り返すのが良いとされています[1]。
例えば、5kgのダンベルで1回しか挙げられない場合には、最大挙上重量は5kgということになるため、3~4kgのダンベルでトレーニングを行うのが良いということが分かりますね。
一度重量を設定したらその重量で6~8週間程度運動を続けてみましょう[2]。
トレーニングを続けることで筋力が高まれば最初の重量では負荷が不十分になるでしょう。
またその間で負荷が軽過ぎたり重過ぎたりする場合には重量を見直す必要があります。
トレーニングを効果的に行うためにも定期的にダンベルの重量を再設定するようにしましょう。
[1] 厚生労働省「成人を対象にした運動プログラム」
[2] 岐阜県教育委員会「体力を高めるためのトレーニング」
注意点4 いろいろなトレーニングを行う
広背筋全体をバランス良く鍛えるにはいろいろなトレーニングを組み合わせて行うようにしましょう。
広背筋は腕を後ろへ引く動作や肩を水平方向へ引く動作などさまざまな動作に作用しています。
そのため広背筋をバランス良く鍛えるには腕を前後に動かしたり、上下に動かしたりするトレーニングを組み合わせる必要があります。
トレーニングを行う際は偏りが出ないようにトレーニングメニューを選んでくださいね。
注意点5 床が傷つかないようにする
ダンベルを使う際は床に傷がつかないようにすることも重要です。
ダンベルは重量があるため、トレーニングの際に落としたり引きずったりしてしまうと床に傷がついてしまう可能性があります。
床に傷がつくのを防止するためにも、トレーニングの際はジム用のマットや布、クッションなどをあらかじめ敷いておくようにしましょう。
また使用しないときは床に置いておくとつまずいてしまう恐れもあるため、ダンベル用のスタンドに置いておくのもおすすめです。
5.広背筋を鍛えるダンベルトレーニングについてのまとめ
広背筋は主に肩関節の動きに関わる筋肉で、腕を引いたり内側にひねったりする動作に使われます。
広背筋を鍛える際にダンベルを使うことで負荷を高められるため、より効果的なトレーニングが行えます。
ダンベルは可動範囲が広くメニューの幅が広がる点もメリットといえます。
メニューを選ぶ際は、腕を後ろへ引く動作や肩を水平方向へ引く動作が含まれるトレーニングを組み合わせて偏りがないようにしましょう。
また広背筋を効果的に鍛えるためにはできるだけ腕や肩の筋肉を使わず、広背筋を意識してトレーニングを行ってください。
トレーニングによるけがを防ぐためにも、適切な重量を選ぶこと、正しいフォームで行うことを心掛けましょう。