筋肉痛を早く和らげるには?原因と予防・症状緩和のポイントを解説

筋肉痛を早く和らげるには?原因と予防・症状緩和のポイントを解説

2022年08月29日

2024年01月05日

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「筋肉痛を予防したり痛みを和らげたりするためには何をしたらいいんだろう……」

つらい筋肉痛を経験するたびに、このように思っている方も多いのではないでしょうか。

筋肉痛は、運動により生じる筋肉の痛みです。

激しい運動をしたり普段使わない筋肉を使ったりすることで、筋肉が傷つけられ炎症を起こし、痛みを生じます。

このつらい筋肉痛を予防するためには、日頃から運動習慣をつけておくことなどがポイントとなってきます。

この記事では、筋肉痛の原因と予防、痛みが出てしまった場合の症状緩和のポイントについて分かりやすく解説していきます。

1.そもそも筋肉痛とは何か

公園をジョギングする女性の後ろ姿

筋肉痛とは、運動に伴って起こる筋肉の痛みのことです。

ヒトの筋肉は大きく3つに分類することができますが、筋肉痛が起こるのは主に骨に沿って付いている「骨格筋」と呼ばれる筋肉です。

メモ
一般に「筋肉」というときは骨格筋を指しています。骨格筋は私たちの体の活動を支える筋肉で、自分の意思で動かすことができるため「随意筋」とも呼ばれます。筋肉には他にも心臓を動かしている「心筋」、内臓や血管を形成している「内臓筋」がありますが、これらは自らの意思では動かすことができないため、「不随意筋」とも呼ばれます。

筋肉は「筋線維」と呼ばれる細長い細胞で構成されていますが、激しい運動などをするとこの筋線維が傷つけられ炎症が起こります。

炎症については炎症反応と呼ばれることもあります。

この炎症で起こる痛みが筋肉痛です。

筋肉痛は普段しない運動をしたり、いつもより高い強度の運動をしたりすることによって症状が現れます

2.筋肉痛が起こる原因

ふくらはぎのマッサージをする女性

運動をしたあと数時間から数日後に遅れて現れる筋肉痛を「遅発性筋肉痛」といいます

私たちが通常「筋肉痛」と呼んでいるのは、この遅発性筋肉痛のことです。

筋肉痛のメカニズムについてはまだはっきりと解明されていませんが、かつては激しい運動によって筋肉に蓄積する疲労物質「乳酸」が原因だといわれていました。

しかし、現在では乳酸は疲労そのものの原因ではないと考えられていることなどから、乳酸の蓄積が筋肉痛の原因ではないといわれています。

今では、筋肉痛は傷ついた筋線維が炎症を起こした際に生み出される物質により筋肉が刺激されて起こる痛みであると考えられています。

メモ
筋肉痛には、遅発性筋肉痛のほか運動の最中や直後に起こる筋肉痛「即発性筋肉痛」があります。これは、筋肉が酸素欠乏の状態になることによって起こるものであるといわれています。

3.筋肉痛を予防するポイント

「筋肉痛にならないために、前もって何かできることはあるのかな?」

筋肉痛でつらい思いをする前に、あらかじめできることはやっておきたいですよね。

ここでは、筋肉痛を予防するために心掛けておきたいことについてお伝えしていきます。

ポイント1 日頃から体を動かす習慣をつけておく

室内で運動をする2人の女性

普段あまり動かないのに急に運動を始めたときなどに起こりやすいのが筋肉痛です。

筋肉痛は傷ついた筋線維が炎症を起こすことで起こる症状であると考えられていますが、運動習慣のない方では筋肉中の血行不良も原因の一つであるとされています。

普段よく動かす筋肉は毛細血管が発達し血流も十分ありますが、あまり使わない筋肉では毛細血管十分に張り巡らされておらず、血流が滞ってしまいます。

そこで毛細血管を発達させ血流を良くしておくためには、体全体の筋肉を動かす「有酸素運動」がおすすめです。

有酸素運動とは
筋肉を動かすエネルギー源として体脂肪と酸素が使われる、比較的負荷の軽い運動のことです。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが有酸素運動に該当します。

日頃から有酸素運動で血流を促しておくことは、筋肉に必要な酸素や栄養素の供給がスムーズに行われることからも筋肉痛の予防につながるといえそうですね。

また、筋線維を太く発達させることも筋肉痛の予防につながります

そのためには筋力トレーニングをはじめとした「レジスタンス運動」を取り入れると良いでしょう。

レジスタンス運動とは
筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動のことをいいます。スクワットや腕立て伏せ、ダンベルを使った運動などがレジスタンス運動に該当します。

ただし、有酸素運動でもレジスタンス運動でも軽い負荷の運動から始め、徐々に慣らしていくようにしましょう。

ポイント2 運動前後に準備運動・クールダウンを行う

筋肉痛の予防のためには、運動前にストレッチや体操などの準備運動が効果的です。

準備運動によって筋肉の柔軟性が高まると、血流が良くなり筋肉痛の予防はもちろんけがの予防にもつながります。

また、急に運動を止めてしまうと血流が悪くなってしまうため、運動後にもストレッチやウォーキングなどでクールダウンを行いましょう

ポイント3 バランスの良い食事と適度な休養をとる

寝ている女性

筋線維を傷つきにくくすることも、筋肉痛を予防するための対策であるといえるでしょう。

傷つきにくい太い筋線維を作るためには、栄養バランスの良い食事が重要です。

中でもエネルギー源や筋肉を作る材料となるたんぱく質、たんぱく質の構成成分であるアミノ酸の代謝を助けるビタミンB6などは意識して摂取すると良いでしょう。

また、適度な休養で筋肉の疲労を回復させることも筋線維の発達につながるため、筋肉痛の予防になります。

4.筋肉痛の症状を緩和させるポイント

筋肉痛にならないようにといろいろ対策を取ってはいても、完全に筋肉痛を防ぐことは難しいですよね。

日常生活に支障がなければ良いのですが、あまりにつらい症状は一日も早く解消したいものです。

ここでは、つらい筋肉痛の症状を緩和させるポイントについてご紹介していきます。

ポイント1 熱を持っている場合は冷やす

筋肉痛は筋肉が炎症を起こしている状態のため、痛みがひどいときは冷やすことで症状が緩和されることがあります。

痛む部分が熱を持っている場合はしっかりと「アイシング」を行いましょう

アイシングとは
筋肉痛など痛みのある部位を氷や氷水で冷やす方法です。筋肉の深い部分まで冷やすことができます。

熱が引いたら冷やすのはやめ、血行を促すために温めるようにすると良いですよ。

ポイント2 ぬるめのお湯に浸かる

お風呂場の画像

痛む部分が熱を持っている場合を除いては温めるのが有効です。

ぬるめのお湯に浸かって体全体を温めると筋肉組織の血行が促進され、筋肉痛を和らげることができます

お湯に浸かりながら軽くマッサージなどするとより効果的でしょう。

ポイント3 ストレッチや軽い運動を行う

芝生の上でストレッチをする女性の後ろ姿

筋肉痛のときは、入浴後の体が温まった状態でストレッチなどを行うこともおすすめです。

体が温まっているときは筋肉の柔軟性が高まり伸ばしやすくなるため、痛くない程度にストレッチや軽い運動を行うと血行が良くなります

適度に動かし血流をスムーズにすることで筋肉痛を和らげることができます。

ポイント4 十分な睡眠をとる

慣れない運動をしたり激しい運動をしたりして筋肉痛になってしまったときは、体も疲れていますよね。

また、精神的なストレスがあると筋肉の緊張を高めやすく、痛みを取り除きにくい状況を招いてしまいます

ストレスを解消したりため込まないようにしたりするためにも睡眠は十分とるようにしましょう。

ポイント5 たんぱく質やビタミンB群をしっかりと摂る

洋食の画像

筋肉を作る材料となるたんぱく質やアミノ酸の代謝を助けるビタミンB6を十分に摂取することで、傷ついた筋線維の修復をサポートし筋肉痛の回復を早めることが期待できます。

また、ビタミンB群は糖質や脂質などのエネルギー代謝に欠かせないビタミンです。

エネルギーを効率よく作り出すためにはたらくビタミンB群は、疲労回復を促すことで筋肉のケアに役立っていると考えられるため、不足しないようにしておきたい栄養素です。

メモ
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類の栄養素はまとめて「ビタミンB群」と呼ばれています。さまざまな栄養素の代謝に関わるビタミンB群は、互いに助け合ってはたらくためバランスよく摂取する必要があります。

たんぱく質は肉、魚、卵、大豆・大豆製品などに、ビタミンB群は肉類や魚類、野菜類などさまざまな食品に含まれています。

【ビタミンB群を豊富に含む食品】

  • ビタミンB1……豚肉、うなぎ、玄米など

  • ビタミンB2……レバー、うなぎ、卵、納豆、アーモンドなど

  • ビタミンB6……豚肉、鶏肉、まぐろ、かつお、バナナなど

  • ビタミンB12……レバー、しじみ、あさり、かきなど

  • ナイアシン……鶏肉、レバー、かつお、まぐろ、たらこなど

  • パントテン酸……鶏肉、レバー、納豆、子持ちがれい、たらこなど

  • ビオチン……レバー、あさり、たらこ、納豆、落花生、アーモンドなど

  • 葉酸……レバー、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガスなど

5.筋肉痛があるときの筋トレのポイント

「筋トレで筋肉痛になってしまったけど、頑張って続けた方がいいのかな?」

このような場合、痛くても続けるべきかそれとも休むべきか悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。

ここでは筋トレで筋肉痛になってしまった場合の対処法やトレーニングの仕方などについてご紹介します。

ポイント1 筋肉痛のある部位は休ませる

一般的に筋肉痛のあるときは筋トレを避けた方が良いといわれています。

特定部位の筋肉に負荷をかける運動、いわゆるレジスタンス運動を行うと筋肉痛の原因となる筋線維わずかな損傷が起こります。

筋トレにより筋肉を太くするためには、筋線維の損傷を修復するための回復期間、つまり筋トレをして筋肉痛を起こしてしまった筋肉を休ませておく期間が2~3日ほど必要である といわれています[1]。

筋肉痛の有無が筋線維の修復完了時期と必ずしも一致するとはいえませんが、一つの目安として筋肉痛がある間はその部位は休ませた方が良いということになるのですね。

メモ
筋トレによって傷ついた筋線維が一定の回復期間を経ることで太く・強くなることを「超回復」と呼びます。超回復を繰り返すことで太く強い筋肉が作られるといわれています。

[1] 厚生労働省e-ヘルスネット「筋力・筋持久力

ポイント2 痛みのない部位の筋トレを行う

ダンベルの画像

筋トレの効果を出すためには、筋肉痛になってしまった部位のトレーニングは数日間休んだ方が良いことが分かりました。

このことを踏まえ、毎日行うよりも2~3日に1回、週2~3日程度の筋トレが良いといわれています[2]。

しかし、筋トレを全くしない日をつくってしまうとトレーニングの効率が悪くなってしまうと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

そのような方は一度に全身の筋肉を鍛えるのではなく、計画的を立てて部位別に鍛えるのがおすすめです。

筋トレ後2~3日ほどの休息期間が必要であることを考慮して、鍛えたい部位を分割して筋トレを行うと良いでしょう。

痛みのある部位と連動しない筋肉を使ったり動作を工夫したりすることで、筋肉痛の部位を休ませながらトレーニングを続けることができます。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「レジスタンス運動

ポイント3 ストレッチなど軽めの運動を続ける

芝生の上でストレッチをする男女

休日は日々の疲れを取るために、一日中寝転んで過ごしていたい思う方も多くいらっしゃるでしょう。

しかし、このような過ごし方をするよりもストレッチなどの軽い運動をすることで体の調子を整え、疲労回復を促すことができるという考え方があります。

それが「アクティブレスト(積極的休養)」です。

筋トレを行う方の間では、このアクティブレストの考え方に基づき筋肉痛のある期間でも軽めの運動を実践する方も増えてきているようです。

実際、筋肉痛時にストレッチなどで筋肉の温度を高め、血流を促すことは筋肉痛の緩和にも役立ちます。

また、回復期間中であるとはいえストレッチなど軽めの運動で筋肉の柔軟性を高めておくことは、次の筋トレに向けたウォーミングアップにつながるといえるのではないでしょうか。

6.筋肉痛についてのまとめ

筋肉痛は慣れない運動や激しい運動により傷ついた筋肉が回復する過程で生じる痛みです。

筋肉痛のつらい症状を和らげるには筋肉を温めて血流を促すことや休養、バランスの良い食事を摂ることなどがポイントとなります。

日頃から体を動かす習慣をつけるなど予防策をとることも重要です。

また筋トレで筋肉痛になってしまった場合、痛みのある部位は回復のため休ませる必要があるとされているため、ローテーションを組んで部位別に鍛えるなどの工夫をしてみるのも良いでしょう。

筋肉痛への不安を取り除くためにも、この記事を参考にして予防法や対処法を身に付けてみてくださいね。

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