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五大栄養素とは?それぞれのはたらきやバランス良く摂取するポイント

「五大栄養素って何だろう?」

「五大栄養素はそれぞれどんなはたらきをしているのかな」

五大栄養素という言葉は知っていても、どんな栄養素が含まれているのかよく知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

五大栄養素は食品に含まれる栄養素の分類で、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの五つをまとめて指す言葉です。

五大栄養素にはそれぞれに異なるはたらきがあり、いずれも健康を維持するために欠かせません

この記事では五大栄養素に分類される栄養素について解説します。

それぞれの主な摂取源や、バランス良く摂取するためのポイントもお伝えするので参考にしてくださいね。

1.五大栄養素とは

「五大栄養素って何なのかな?」

「五大栄養素にはどんなものがあるんだろう」

五大栄養素という単語は知っていても、どのようなものが含まれるのか、どのようなはたらきがあるのかよく知らないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

五大栄養素について解説する前に、まずは栄養素とは何かご説明しましょう。

栄養素とは、食品の成分のうち、ヒトの体が正常に機能するために必要な物質のことです。

五大栄養素は栄養素の分類で、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの五つをまとめて指す言葉です。

これらの栄養素のはたらきは、大きく「エネルギー源になる」「体をつくる」「体の調子を整える」の三つに分けられます。

五大栄養素

この章では、それぞれの分類についてご説明します。

1-1.エネルギー源になる栄養素

エネルギー源になる栄養素には、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類があります

これらの栄養素はまとめて「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます。

メモ
エネルギー産生栄養素は、以前は「三大栄養素」と呼ばれていました。

ヒトの体は生命を維持したり、体を動かしたりすることにエネルギーを消費します。

このエネルギーの供給源となるのがエネルギー産生栄養素です。

なおこのエネルギーの量を表す際には「カロリー」という単位が用いられます

このことから、食品由来のエネルギーの量そのものを指して「カロリー」という場合もあります。

メモ
1cal(カロリー)は非常に小さいため、一般的に使用される最小単位はその1,000倍の1kcal(キロカロリー)です。

それぞれのエネルギー産生栄養素1g当たりから生み出されるエネルギー量(カロリー)は以下のとおりです。

【エネルギー産生栄養素1g当たりのカロリー】
栄養素 1g当たりのカロリー
炭水化物
4kcal
脂質
9kcal
たんぱく質
4kcal

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

食品などから摂取するエネルギーの量は、体重に影響を及ぼします

摂取したエネルギーを消費し切ることができなかった場合体脂肪として体に蓄えられ、体重の増加につながるのです。

反対に摂取した以上のエネルギーを消費していた場合は体重の減少が起こります。

ダイエットでカロリー制限が行われるのはこのためなのですね。

エネルギー産生栄養素については以下の記事で詳しく解説しています。

エネルギー産生栄養素とは?それぞれのはたらきや理想のバランス

1-2.体をつくる栄養素

体をつくる栄養素にはたんぱく質とミネラルがあります

たんぱく質はエネルギー源となる他に、体の組織を構成するはたらきをしています。

筋肉がたんぱく質からできているということはご存じかもしれませんね。

たんぱく質は筋肉だけでなく、臓器、皮膚、髪の毛といった体の幅広い組織に材料として使われており、全ての細胞に存在します

また一部のミネラルも体の組織の構成に関わります。

ミネラルとは、地球上に存在する元素からヒトの体の主な構成要素となる水素、炭素、窒素、酸素の4元素を除いたものの総称で、「無機質」とも呼ばれます。

このうち栄養素として食品から摂取する必要のあるものは「必須ミネラル」といい、現在は16種類あることが分かっています。

必須ミネラルに含まれるものは以下の16種類です。

【16種類の必須ミネラル】

  • ナトリウム(Na)
  • カリウム(K)
  • カルシウム(Ca)
  • マグネシウム(Mg)
  • リン(P)
  • 塩素(Cl)
  • 硫黄(S)
  • 鉄(Fe)
  • 亜鉛(Zn)
  • 銅(Cu)
  • マンガン(Mn)
  • ヨウ素(I)
  • セレン(Se)
  • クロム(Cr)
  • モリブデン(Mo)
  • コバルト(Co)

これらのミネラルはそれぞれ異なるはたらきをするためいずれも健康を維持するために不可欠です。

なかでもカルシウムやマグネシウム、リン、鉄、銅などは体をつくるはたらきをするミネラルだといえるでしょう。

カルシウムは骨や歯の材料となることでよく知られていますよね。

マグネシウムとリンはカルシウムと共に骨や歯を形成するはたらきをしています。

また鉄や銅は血をつくるはたらきをするミネラルです。

体の組織はさまざまな栄養素によって構成されているのですね。

1-3.体の調子を整える栄養素

ミネラルとビタミンは体の調子を整える栄養素に分類されます

体の調子を整えるはたらきを果たしているミネラルの代表例にはナトリウムやカリウムなどがあります

ナトリウムとカリウムはいずれも体液の浸透圧の調節に関わるミネラルです。

ナトリウムは細胞の外側の体液(細胞外液)に含まれ、その浸透圧を調節するはたらきを通じて細胞外液量を維持しています。

他にpHバランス(酸性とアルカリ性のバランス)を調節したり、胆汁や膵液(すいえき)、腸液などさまざまな体液の材料となったりもしています。

カリウムは細胞の内側の体液(細胞内液)に含まれ、浸透圧を調節して一定に保つ他、ナトリウムの排出を促す作用もしています。

またカリウムには神経の興奮や筋肉の収縮、体液のpHバランスの調節に関わるはたらきもあります。

ナトリウムは主に食塩(塩化ナトリウム)の形で摂取されますが、摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼすためカリウムと適度なバランスを取って摂取することが重要です。

体の調子を整えるはたらきをするミネラルはこれだけではなく、例えば体をつくるミネラルとしてご紹介したカルシウムには出血を予防したり、筋肉の興奮を抑えたりするはたらきがあるため、体の調子を整える作用もあるといえます。

それぞれのミネラルのはたらきについては後ほどご紹介します。

またビタミンは、エネルギー産生栄養素やミネラル、水の他に、ヒトの体が機能を正常に保つために微量必要とする有機化合物を指す総称です。

メモ
有機化合物は分子の中に炭素を含み、炭素が原始結合の中心になっている化合物の総称です。有機物ともいいます。ただし有機化合物の定義に含まれても、例外的に無機化合物に分類される物質も存在します。

ビタミンはその性質から脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられ、以下のとおり合わせて13種類が存在します。

【13種類のビタミン】
分類 名称
脂溶性ビタミン
ビタミンA
ビタミンD
ビタミンE
ビタミンK
水溶性ビタミン
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB6
ビタミンB12
葉酸
パントテン酸
ビオチン
ビタミンC
メモ
ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの八つはまとめて「ビタミンB群」と呼ばれます。

脂溶性ビタミンは主に脂肪組織や肝臓に蓄えられる性質があり、それぞれ、体の機能を正常に保つためのはたらきをしています。

また水溶性ビタミンは主に血液などの体液に溶け込んでおり、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の作用を助ける補酵素として機能しています。

代謝とは
栄養素を体内で必要な物質やエネルギーに変える化学反応のことです。代謝には酵素と呼ばれるたんぱく質が触媒として必要とされます。酵素はそれぞれにはたらきが異なり、単体で作用するものと、補酵素と呼ばれる別の物質がなければ作用しないものがあります。

特にビタミンB群は体内のさまざまな酵素をはたらかせるために欠かせない物質です。

それぞれのビタミンのはたらきについては後ほどご紹介します。

ビタミンが1種類でも不足していると体の機能に異常が生じるので、十分に摂取することが重要だといえるでしょう。

また、なかには過剰摂取によっても不調をもたらすビタミンがあるので注意が必要です。

2.五大栄養素それぞれのはたらき

「エネルギー産生栄養素はそれぞれどう違うんだろう?」

「ミネラルやビタミンはそれぞれどんなはたらきをするの?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

五大栄養素の同じはたらきをするグループに入れられている栄養素でも、体内での作用はそれぞれ異なります。

例えば同じエネルギー源になる栄養素だからといって、炭水化物(糖質)の代わりに脂質で補うようなことはできないのです。

またミネラルやビタミンとしてまとめられている栄養素もそれぞれ異なるはたらきをします。

ここでは、五大栄養素に含まれる30種類超の栄養素全てのはたらきを簡単にご説明しましょう。

2-1.炭水化物のはたらき

炭水化物は1g当たり4kcalのエネルギーを生み出すエネルギー産生栄養素の一種です[1]。

炭素と水素の化合物であるためにこのように呼ばれます。

炭水化物はエネルギー源となる「糖質」と、ヒトの消化酵素では消化できない「食物繊維」に分けられます

炭水化物のエネルギーはほとんどが糖質に由来するものです。

メモ
糖質のエネルギー量は1g当たり約4kcalで、炭水化物全体から摂取されるエネルギーとほとんど同じです[2]。食物繊維は腸内細菌によって1g当たり0〜2kcalのエネルギーを生み出しますが、その値は一定ではありません[2]。

炭水化物はエネルギー源となる栄養素のなかでも主要なエネルギー供給源であるといえるでしょう。

その主な役割は、脳や神経など、特別な状況を除いてブドウ糖(グルコース)しかエネルギー源として利用することのできない器官にエネルギーを供給することです。

メモ
ブドウ糖は糖質の分類の一つ、単糖類の一種です。糖質は糖がいくつ結び付いているかによって分類され、単糖類に含まれるものはその最小単位です。

糖質が不足するとエネルギー不足による集中力の減退や疲労感が見られます。

またブドウ糖が不足した場合には脳や神経への供給不足により、意識障害が起こる場合もあります。

一方で摂り過ぎてエネルギーとして消費し切れなかった場合には脂肪に変えられて体に蓄えられ、肥満や生活習慣病の原因となってしまうので注意が必要です。

また炭水化物の一種である食物繊維には糖質とは異なるはたらきがあります。

食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで到達するため、便の材料となったり腸に生息する善玉菌の繁殖を助けたりして便通を整えるはたらきをするのです。

また脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出するため、これらの摂り過ぎによって起こる肥満や生活習慣病を予防・改善する効果も期待されています。

糖質だけでなく、食物繊維もしっかりと摂っておくべきだといえますね。

糖質について、食物繊維についてはそれぞれ以下の記事で詳しく解説しています。

糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-2.脂質のはたらき

脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを生み出す効率の良いエネルギー源です[3]。

他に細胞膜を構成したり、ホルモンや胆汁酸などの材料となったりするはたらきがあります。

また脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割も果たしています。

メモ
胆汁酸は胆汁の主成分で、脂肪を乳化させて消化しやすくする作用があります。乳化とは水に溶けたり混ざったりしにくい成分の表面を変質させ、親和性を高めるはたらきのことです。

実は一口に脂質といっても、そのはたらきは構造によって異なります。

脂質はエネルギーの供給源としては重要ですが脂質全体としては必須栄養素ではなく、食事から必ず摂取しなくてはならないのは一部の脂質だけなのです。

脂肪の構成要素である「脂肪酸」は、その構造の違いによって「不飽和脂肪酸」と「飽和脂肪酸」に分類されます。

脂肪酸の分類

不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、多価不飽和脂肪酸には「n-6系脂肪酸」と「n-3系脂肪酸」が含まれます。

n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸は体内では合成できず、不足すると不調が現れるため食事から摂取しなくてはならない必須脂肪酸です。

一方、飽和脂肪酸は体内で合成が可能な上、肥満や高LDLコレステロール血症(血液中の悪玉コレステロールが増え過ぎた状態)の危険因子であるため、摂取量の制限が勧められています。

健康を維持するためには脂質の種類にも注意が必要なのですね。

また、コレステロールも脂質の一種です。

コレステロールは体内で合成されるため必須脂肪酸ではありませんが、細胞膜や胆汁酸を構成する、性ホルモンなど一部のホルモンの材料になるといったはたらきをしています

増え過ぎると健康を損ねるイメージがあるかもしれませんが、体内では重要な物質なのですね。

なお、脂質は種類を問わず摂り過ぎると体脂肪として体に蓄えられ肥満や生活習慣病を招きます

摂り過ぎには十分注意してくださいね。

脂質については以下の記事で詳しく解説しています。

脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-3.たんぱく質のはたらき

たんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーを生み出します[4]。

またたんぱく質は全ての細胞の主要な成分として存在し、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの体の組織の材料となります

ヒトの体から水分を抜いた重さ(生体乾燥重量)の約50%はたんぱく質が占めているのです[5]。

なお、体内のたんぱく質は半分近くが筋肉を構成しているといわれています。

このため通常体を動かす際にエネルギー源として使われるのは主に糖質や脂質です。

しかし、体内の糖質や脂質が不足している場合には、筋肉が分解され、その材料であるたんぱく質がエネルギー源として消費されます

他にたんぱく質には酵素やホルモン、抗体など体の機能を調節する物質の成分としてのはたらきもあります。

このためたんぱく質が不足すると体力や免疫機能の低下などが起こります

たんぱく質はさまざまな重要なはたらきをしているのですね。

なお、たんぱく質は20種類の「アミノ酸」と呼ばれる物質で構成されています[5]。

アミノ酸は有機化合物で、体内でつくることができないため食事から摂取する必要のある9種類の必須アミノ酸と、体内で合成できる11種類の非必須アミノ酸に分けられます[5]。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

[5] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「アミノ酸

2-4.ミネラルのはたらき

16種類の必須ミネラルはそれぞれに異なるはたらきをしています。

【必須ミネラルの主なはたらき】
名称 主なはたらき
ナトリウム 細胞外液の浸透圧やpHバランスを調節する、胆汁・膵液・腸液などの材料となる
カリウム 細胞内液の浸透圧やpHバランスを調節する、神経の興奮や筋肉の収縮に関わる
カルシウム 骨や歯を構成する、出血を予防する、筋肉の興奮を抑える
マグネシウム 骨や歯を構成する、酵素を活性化する、筋肉の収縮や神経情報の伝達に関わる、体温・血圧を調節する
リン 骨や歯を構成する、細胞膜や核酸の材料となる、体内の浸透圧やpHバランスを調節する
塩素 浸透圧やpHバランスを調節する、胃液の塩酸の材料となる
硫黄 髪の毛や爪を構成するたんぱく質の材料となる
赤血球のヘモグロビンとして体内で酸素を運ぶ
亜鉛 多くの酵素の材料となり遺伝子の発現やたんぱく質合成などに関わる
酵素の材料となりエネルギー生成や鉄の代謝などに関わる
マンガン 全身の組織に分布し骨の形成や脂質代謝などに関わる
ヨウ素 甲状腺ホルモン(新陳代謝を促進したり成長や発達を促進したりするはたらきがある)の材料となる
セレン 酵素やたんぱく質の材料となる、抗酸化反応(増え過ぎると動脈硬化や老化などの原因となる活性酸素のはたらきを抑える機能)に関わる
クロム 糖質やコレステロールなどの代謝に関わる
モリブデン 酸化還元反応を触媒する酵素の材料となる
コバルト 補酵素やビタミンB12の材料となる

表からも分かるとおり、必須ミネラルには他の栄養素や物質と関わり合ってはたらくものが多くあります。

どれか一つでも欠けると健康を損ねてしまう恐れがあるのですね。

また、ミネラルのなかには過剰摂取によっても不調を引き起こすものがあるので適量を摂取することが重要です。

なお厚生労働省は16種類の必須ミネラルのうち、塩素、硫黄、コバルトを除く13種類に対し食事摂取基準(栄養素やエネルギーの摂取量の基準)を定めています。

また食事摂取基準が定められたミネラルは、摂取すべき量から「多量ミネラル」と「微量ミネラル」に分けられます。

ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンの五つは多量ミネラルです。

鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンの八つが微量ミネラルに当たります。

ミネラルについては以下の記事で詳しくご説明しています。

ミネラルとは?体に必要な理由と豊富に含まれる食べ物を種類別に紹介

2-5.ビタミンのはたらき

13種類のビタミンそれぞれのはたらきは以下のとおりです。

【ビタミンの主なはたらき】
名称 はたらき
ビタミンA 目の正常な機能を維持する、皮膚や粘膜の健康を保つ
ビタミンD カルシウムやリンなどの代謝に関わる、骨の形成を助ける
ビタミンE 多価不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ、活性酸素のはたらきを抑える
ビタミンK 出血時の血液凝固に関わる、骨の形成に関わる
ビタミンB1 糖質や一部のアミノ酸の代謝に補酵素として関わる
ビタミンB2 エネルギーの代謝に補酵素として関わる、皮膚や粘膜を保護する、成長を促進する
ナイアシン 酸化還元反応に補酵素として関わる、エネルギー産生栄養素の代謝に関わる
ビタミンB6 エネルギー産生栄養素の代謝に補酵素として関わる、神経伝達物質の一種の代謝に補酵素として関わる、ホルモンを調節する
ビタミンB12 アミノ酸や脂質の代謝に補酵素として関わる、赤血球の細胞骨格(外側の組織)の材料となる
葉酸 アミノ酸の代謝やたんぱく質の合成に関わる、DNAやRNAの合成に関わる、ビタミンB12と共に赤血球の細胞骨格の材料となる、
パントテン酸 補酵素の構成成分としてはたらく、TCAサイクル(エネルギー物質を生み出すはたらき)や脂質の代謝に関わる
ビオチン 一部のアミノ酸や脂肪酸の合成に関わる、エネルギー代謝に関わる、糖新生(体内でブドウ糖を合成するはたらき)に関わる
ビタミンC コラーゲンの合成に関わる、活性酸素のはたらきを抑える、鉄の吸収を高める

それぞれのビタミンが異なるはたらきをしていることが分かりますね。

バランス良く摂取することを心掛けましょう。

ビタミンについては以下の記事で詳しくご説明しています。

ビタミンとは?13種類のビタミンのはたらきと食事摂取基準を紹介

3.五大栄養素の主な摂取源

「それぞれの栄養素はどんな食べ物から摂取できるんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、五大栄養素の主な摂取源を簡単にご紹介します。

3-1.炭水化物の主な摂取源

炭水化物のうち、糖質の主な摂取源はご飯やパン、麺類などの主食類、いも類などです。

また、砂糖やお菓子、果物などの甘いものにも多く含まれています。

炭水化物の主な摂取源

なお、炭水化物のなかでも食物繊維は野菜類やきのこ類、海藻類、豆類などに含まれます。

また主食類や果実類にも含まれています。

食物繊維の主な摂取源

食物繊維は動物性食品からはほとんど摂取できないため、植物性食品を積極的に摂取することが重要です。

炭水化物の摂取源となる食べ物は以下の記事でご紹介しています。

炭水化物を多く含んでいる食べ物は?摂取基準や健康的な食べ方も紹介

3-2.脂質の主な摂取源

脂質は調理用の油の他、肉類や魚類などに含まれます

また卵類やバター・生クリームなどの乳製品、ナッツ類なども脂質の摂取源になり得ます。

脂質の主な摂取源

「必須脂肪酸はどんな食品に含まれているの?」

と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

n-6系脂肪酸は大豆油やコーン油、サフラワー油(べに花油)、ぶどう油(グレープシードオイル)、ひまわり油などの植物性の油に多く含まれます。

またまぐろやいわし、かつおなどの青魚からも摂取できます。

一方、n-3系脂肪酸の主な摂取源はまぐろやさば、さんま、さけなどに代表される魚類です。

必須脂肪酸の主な摂取源

普段肉類を多く食べているという方は魚を食べることを意識すると良いでしょう。

なお肉類の脂身や鶏肉の皮、ラード、乳脂肪などには飽和脂肪酸が多く含まれているので摂り過ぎには注意してくださいね。

3-3.たんぱく質の主な摂取源

たんぱく質は主に肉や魚介類、卵などの動物性食品の他、大豆製品などに多く含まれています

たんぱく質の主な摂取源

植物性食品よりも動物性食品に多く含まれている傾向があるので、肉や魚などを食べる機会が少ないという方は意識して食べる機会を増やすか、大豆製品などで補うようにしましょう。

3-4.ミネラルの主な摂取源

ミネラルはそれぞれどのような食品から摂取できるのか気になりますよね。

まずは多量ミネラルの摂取源からご紹介しましょう。

多量ミネラルの摂取源

ナトリウムは主に食塩の形で摂取されます。

このため食塩やしょうゆ、みそ、麺つゆなどの調味料の他、ハムやソーセージ、かまぼこなどの加工食品、漬物などに多く含まれます。

カリウムは主にいも類、野菜類、果物類などに含まれます

水溶性で煮たりゆでたりすると溶け出してしまうため、生食できるものからの摂取が効率的です。

メモ
日本人はナトリウムの摂取量が多く、ナトリウムの過剰摂取によって起こる高血圧を予防する観点からもナトリウムを体外に排出するカリウムを積極的に摂取することが勧められます。

カルシウムは牛乳などの乳製品の他、小魚や海藻類、大豆製品などに含まれています

マグネシウムは幅広い食品に含まれていますが、特に海藻類、豆類、魚介類などに含まれる傾向にあります。

リンはさまざまな食品に存在しますが食品添加物として使用されているため、インスタント食品や加工食品には特に多く含まれるといわれています。

リンを多く摂り過ぎてしまうとカルシウムの吸収が阻害されてしまうため注意が必要です。

また肉類もカルシウムに対してリンの割合が高い傾向にあります。

続いて微量ミネラルの摂取源をご紹介します。

微量ミネラルの摂取源

鉄はレバーなどの肉類、二枚貝や赤身の魚などの魚介類といった動物性食品の他、葉物野菜などの植物性食品からも摂取できます

なお、食品に含まれる鉄は動物性食品に多く含まれたんぱく質と結合している「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」に分けられます。

非ヘム鉄よりもヘム鉄の吸収率の方が高いため、動物性食品から摂取した方が効率的だといえるでしょう。

亜鉛は動物性食品ではかきや肉類、植物性食品では穀類やナッツ類、豆類などに含まれています

銅はレバーなどの肉類や魚介類、大豆製品、ナッツ類などから摂取できます。

マンガンは貝などの魚介類、レバーなどの肉類、玄米やそばなどの穀類、大豆製品などに含まれます。

ヨウ素の主な摂取源は海藻類や貝類などです。

セレンは主に魚や小麦、大豆製品などに含まれています。

クロムは幅広い食品に含まれ、特に梅干しや昆布、チョコレートに多く含まれる他、魚介類、肉類などから摂取できます。

モリブデンはレバーや乳製品、豆類、穀類などに含まれます。

その他のミネラルの摂取源は以下のとおりです。

その他のミネラルの摂取源

硫黄はたんぱく質を含む食品に広く存在します。

また塩素はナトリウム同様、食塩やみそ、しょうゆなどの塩分の多いものに多く含まれます。

コバルトは葉物野菜や肉類、内臓肉などに含まれるといわれています。

特にレバーや大豆製品、海藻類などは幅広いミネラルを摂取できるといえるでしょう。

3-5.ビタミンの主な摂取源

13種類のビタミンはどのような食品から摂取できるのでしょうか。

まずは脂溶性ビタミンの摂取源となる食品の例をご紹介しましょう。

脂溶性ビタミンの主な摂取源

ビタミンAは動物性食品では特にレバーや卵などに多く含まれています。

また植物性食品、なかでも緑黄色野菜や果物には、体内でビタミンAとしてはたらく物質に変換される「プロビタミンA」が含まれます

ビタミンDは植物性食品ではきのこ類、動物性食品では脂質の多い魚類、乳製品などから摂取できます。

ビタミンEはナッツ類や植物性の油、魚類などに含まれます。

一口に脂溶性ビタミンといっても摂取源はそれぞれに異なることが分かりますね。

続いて水溶性ビタミンの摂取源をご紹介します。

水溶性ビタミンの主な摂取源

ビタミンB1は豚肉、玄米などの精製されていない穀類、豆類などに多く含まれます

ビタミンB2はレバーや卵、緑黄色野菜、豆類などから摂取できます。

ナイアシンはさまざまな食品に広く分布していますが、特に魚介類や肉類、海藻類、ナッツ類などには多く含まれている傾向にあります。

ビタミンB6も幅広い食品に含まれるビタミンです。

特にナッツ類や穀類、肉類などに多く含まれている傾向にあります。

ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれておらず、レバーや肉類、貝類、魚類などが主な摂取源となります。

葉酸はほうれん草から発見されたビタミンですが、緑黄色野菜や豆類といった植物性食品だけでなく、レバーなどの動物性食品にも多く含まれている傾向にあります。

パントテン酸は「至るところに存在する酸」を意味し、その名のとおりさまざまな食品に含まれます。

なかでもレバーや卵黄、豆類などには多く含まれていますよ。

ビオチンもさまざまな食品に広く存在するビタミンです。

特にレバーや豆類、卵黄などには多く含まれています。

ビタミン摂取のためにもさまざまな食品をバランス良く摂ることが重要だと考えられますね。

4.五大栄養素をバランス良く摂取するポイント

「普段の食生活で五大栄養素をバランス良く摂取するにはどうしたら良いんだろう?」

このように不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

五大栄養素と一口にいってもさまざまなものがあるため、どうやったらバランス良く必要な栄養素を摂取できるのかとお悩みの方もいらっしゃることでしょう。

自分の食生活が偏っているのではないかと不安になってしまいますよね。

五大栄養素をバランス良く摂取するには、食事バランスガイドを参考に、主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物のそろった食生活を意識すると良いでしょう。

食事バランスガイドは、厚生労働省と農林水産省が作成した、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をまとめたものです。

何をどれだけ食べれば偏りのない食事になるのか、料理の組み合わせとして紹介されているので食事を選ぶ際の参考になります。

食事バランスガイドは、料理を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物、菓子・嗜好(しこう)飲料のグループに分けています

料理グループと栄養素との関係

主食とはご飯やパン、麺類などのことで、主に炭水化物の供給源になります。

副菜は野菜やきのこ、いも、海藻などがメインとなった料理のことです。

副菜からは主にビタミンやミネラル、食物繊維を摂取できます。

主菜は肉や魚、卵、大豆などがメインの食材として使われている料理で、主にはたんぱく質の供給源になります。

牛乳や乳製品はカルシウムの他、たんぱく質や脂質の摂取源です。

また果物からは、主にビタミンCやカリウムを摂取できます。

菓子・嗜好飲料は栄養素の摂取源として役立てるというより、適度に摂取して楽しむものとして捉えると良いでしょう。

食事バランスガイド

農林水産省「食事バランスガイドについて」より引用

食事バランスガイドでは「つ(SV)」という単位が用いられ、1つ(SV)に当たる量は料理のグループによって異なります

また各グループの食品をどれだけ食べるべきかは、1日当たりの適切な摂取カロリー(エネルギー摂取量)によって変動します。

ここでは、摂取カロリーが2,000〜2,400kcalの場合の適量をお伝えしましょう[6]。

なお、摂取すべきカロリー(エネルギー量)は年齢や性別、身体活動量、体重などによって異なります。

メモ
12〜69歳の身体活動レベル(体を動かす量)が「低い」に相当する(1日中座っていることが多い)男性、12〜69歳の身体活動レベルが「普通」以上に当たる女性の摂取カロリーが2,000〜2,400kcalに当たります[6]。

1日の摂取カロリーについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

主食では主材料に含まれる炭水化物約40gが1つ(SV)に相当し、ご飯小盛り1杯、おにぎり1個、食パン1枚、ロールパン2個などが1つ(SV)分です[6]。

ご飯中盛り1杯は1.5つ(SV)、うどん1杯やもりそば1杯、スパゲッティ1人前は2つ(SV)に当たります[6]。

食事バランスガイドでは1日に5〜7つ(SV)分の主食を摂ることが勧められています[6]。

また副菜では主材料の重さ約70gが1つ(SV)に相当し、1人前の野菜サラダや酢の物、具の多いみそ汁、小鉢のほうれん草のおひたし、ひじきの煮物、煮豆などが1つ(SV)分に当たります[6]。

野菜の煮物や野菜炒め、いもの煮っころがしなどは2つ(SV)分に該当します[6]。

1日に食べるべき副菜の量は5〜6つ(SV)です[6]。

主菜の1つ(SV)分は、主原料に由来するたんぱく質約6gです[6]。

冷奴や納豆、目玉焼きが1つ(SV)分、焼き魚や魚の天ぷら、まぐろといかの刺身などが2つ(SV)分に相当します[6]。

1日に3〜5つ(SV)分の主菜を摂ることが勧められています[6]。

牛乳・乳製品の1つ(SV)は、主原料のカルシウム含有量約100mg相当です[6]。

牛乳コップ半分、チーズ1かけ、スライスチーズ1枚、ヨーグルト1パックなどが1つ(SV)分に当たります[6]。

牛乳瓶1本分は2つ(SV)分に相当します[6]。

1日に2つ(SV)分の牛乳または乳製品を摂りましょう[6]。

果物1つ(SV)分とは、主材料の重量約100gのことです[6]。

みかん1個、りんご半分、かき1個、なし半分、ぶどう半房、桃1個などが1つ(SV)分に当たります[6]。

1日当たりの果物の適量は2つ(SV)です[6]。

このように料理のグループ分けと、何をどれだけ食べたら良いのかを把握しておくことで、バランスの取れた食生活を送ることができるでしょう。

栄養バランスの取れた食事については以下の記事でも解説しています。

栄養バランスの取れた食事とは?主食・主菜・副菜のポイントを紹介

[6] 農林水産省「「食事バランスガイド」の適量と料理区分

5.五大栄養素についてのまとめ

五大栄養素は栄養素の分類で、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンの五つをまとめて指す言葉です。

なお、体に必要なミネラルは16種類、ビタミンは13種類あります。

五大栄養素のはたらきは、大きく「エネルギー源になる」「体をつくる」「体の調子を整える」の三つに分けられます

エネルギー源になる栄養素には、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類があります。

体をつくる栄養素にはたんぱく質とミネラルがあります。

ミネラルのなかでも特にカルシウムやマグネシウム、リン、鉄、銅などは体をつくるはたらきをします。

また体の調子を整える栄養素にはミネラルとビタミンがあります。

体の調子を整えるはたらきを果たしているミネラルの代表例にはナトリウムやカリウムなどがあります。

ビタミンはその性質から脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。

脂溶性ビタミンは主に脂肪組織や肝臓に蓄えられる性質があり、それぞれ、体の機能を正常に保つためのはたらきをしています。

また水溶性ビタミンは主に血液などの体液に溶け込んでおり、体内のさまざまな代謝に必要な酵素の作用を助ける補酵素として機能しています。

五大栄養素はいずれも体の健康を保つために欠かせない栄養素です。

食事バランスガイドなどを参考に、バランスの取れた食生活を意識して五大栄養素を過不足なく摂取するよう心掛けましょう