1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

2024年08月28日

2024年11月20日

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「カロリーは1日にどれくらい摂れば良いのかな?」

「痩せるにはどれくらい摂取カロリーを減らせば良いんだろう……」

1日にどれくらいのカロリーを摂るのが健康的なのか、気になりますよね。

今の体重を維持したい場合とダイエットを目指す場合では、摂るべきカロリーも変わってきます。

またどの栄養素からどれくらいカロリーを摂れば良いのかも重要です。

この記事では1日に摂取すべきカロリーや消費するカロリーの計算方法に加え、カロリーになる栄養素の種類や摂取すべきバランスなども解説します。

健康的なカロリー摂取のための参考にしてくださいね。

1.カロリー(エネルギー)とは

黒いTシャツを着た男性

「カロリーってそもそも何のことだろう?」

何気なくカロリーという言葉を使っていても、何を表しているかはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

カロリーはヒトが食事などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの単位です。

メモ
1cal(カロリー)は非常に小さいため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)を最小単位として用います。

エネルギー源になる栄養素には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類があり、これらはまとめてエネルギー産生栄養素と呼ばれています。

これらから産生されるエネルギーの量を「エネルギー摂取量」といい、一般的には「摂取カロリー」と呼ばれています。

一方でヒトが消費するエネルギーの量を「エネルギー消費量」といい、一般的には「消費カロリー」と呼ばれています。

なお、消費カロリーは基礎代謝、食事誘発性熱産生(DIT)、身体活動の3種類に分けられます。

基礎代謝とは安静な状態で呼吸や心拍、体温維持など生命維持のために消費される必要最小限のエネルギーのことです。

また食事誘発性熱産生とは、食後に栄養素を分解する過程で生じるエネルギー消費のことです。

身体活動とは文字どおり体を動かすことを意味し、日常生活の動作と意図的な運動に大きく分けられます。

一般的には、総エネルギー消費量に対し、基礎代謝が約60%、食事誘発性熱産生が約10%、身体活動が約30%を占めているといわれています[1]。

摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)が同程度であれば体重は変わりませんが、このバランスがどちらかに偏ると体重が増減します

摂取カロリーが消費カロリーよりも多い場合は体重が増加して肥満につながります。

また消費カロリーが摂取カロリーよりも多い場合は体重が減少して痩せにつながります。

次の章では1日にどれくらいカロリーを摂取すれば良いのかについて解説します。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

【関連情報】 「カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説」についての記事はこちら

2.1日の推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)

ミックスベジタブルを添えたチキンの料理

「1日にどれくらいカロリーを摂取すれば良いのかな?」

「ダイエットしたいんだけど、どこまで摂取カロリーを落とせば良いんだろう……」

ご自身が1日にどれくらいカロリーを摂取すれば良いのか、よく分からないという方もいらっしゃいますよね。

1日の推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)は体格や日々どれくらい体を動かしているかなどによって変わります

また現在の体重を維持したいのか、目標とする体重があるのかによっても変化します

このため、ご自身の1日の推定必要カロリーを知るには、まず身体活動レベルを把握することが重要です。

身体活動の強さは以下のとおり3段階の「身体活動レベル」で表されます

【身体レベル別にみた活動内容】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い(Ⅰ) 生活の大部分を座って過ごし、日常的にあまり動かない場合
普通(Ⅱ) 座って過ごすことが多いが仕事でも立ったり歩いたりすることがある場合、通勤や買い物、家事や軽いスポーツをする場合
高い(Ⅲ) 歩いたり立ったりすることが多い仕事に就いている場合、スポーツなどで活発に体を動かす習慣のある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ご自身の身体活動レベルがどれに当たるのかチェックしてみましょう。

なお厚生労働省は、肥満やそれに伴う生活習慣病の発症・重症化予防の観点から身体活動レベルⅠは望ましい状態ではないとし、身体活動量を増加させる必要があるとしています

この章では身体活動レベルを元に、1日の推定必要カロリーの計算方法を詳しく解説していきます。

2-1.標準的な体格の場合

厚生労働省によると、標準的な体格の方の推定エネルギー必要量は以下のとおりです。

【推定エネルギー必要量(kcal/日)】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
1~2歳
-
950
-
-
900
-
3~5歳
-
1,300
-
-
1,250
-
6~7歳
1,350
1,550
1,750
1,250
1,450
1,650
8~9歳
1,600
1,850
2,100
1,500
1,700
1,900
10~11歳
1,950
2,250
2,500
1,850
2,100
2,350
12~14歳
2,300
2,600
2,900
2,150
2,400
2,700
15~17歳
2,500
2,800
3,150
2,050
2,300
2,550
18~29歳
2,300
2,650
3,050
1,700
2,000
2,300
30~49歳
2,300
2,700
3,050
1,750
2,050
2,350
50~64歳
2,200
2,600
2,950
1,650
1,950
2,250
65~74歳
2,050
2,400
2,750
1,550
1,850
2,100
75歳以上
1,800
2,100
-
1,400
1,650
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

この際の標準的な体格は、以下の日本人の平均的な体重をもとにしています。

【日本人の平均的な体重(参照体重)(kg)】
年齢 男性 女性
1~2歳
11.5
11.0
3~5歳
16.5
16.1
6~7歳
22.2
21.9
8~9歳
28.0
27.4
10~11歳
35.6
36.3
12~14歳
49.0
47.5
15~17歳
59.7
51.9
18~29歳
64.5
50.3
30~49歳
68.1
53.0
50~64歳
68.0
53.8
65~74歳
65.0
52.1
75歳以上
59.6
48.8

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

このため、標準的な体格よりも大柄な方、小柄な方では、前掲のカロリーを摂取していると体重が落ちたり、反対に増えたりしてしまう恐れがあります。

ご自身の体格に合った摂取カロリーを知りたいという方は、次の項をご覧ください。

2-2.自分の体格に合ったカロリーを求める場合

「自分の体格に合った摂取カロリーはどれくらいだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ご自身の体格に合った摂取カロリーを知りたい方は、体重1kg当たりの推定必要カロリーを用いて計算してみましょう。

現在の体重に、以下の表から該当する性別・年齢・身体活動レベルが当てはまる体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせて求めます。

【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
18〜29歳
35.5
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.7
39.3
44.9
32.9
38.4
43.9
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
31.3
36.7
42.1
30.0
35.2
40.4
75歳以上
30.1
35.5
-
29.0
34.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

算出された値が、現在の体重を維持するのに必要な1日の摂取カロリーです。

例えば身体活動レベルが普通(Ⅱ)に当たる20代女性で体重が50kgの場合、1日の推定必要カロリーは38.7(kcal)×50(kg)=1,935kcalとなります。

これを1日の摂取カロリーの目安とすると良いでしょう。

2-3.目標体重を目指す場合

「最近おなか周りが気になるから痩せたい……」

「健康に良い体重ってどれくらいなんだろう?」

このように考えている方もいらっしゃるでしょう。

理論上、ご自身の目標とする体重のときに消費するカロリーを摂取すれば、体重は目標体重に近づきます。

まずは目標体重を設定しましょう。

メモ
ただし、痩せることによって体格が変わればそれに伴って消費カロリーは減るため、運動によって消費カロリーを増やさなければ体重の減少はいずれ止まります。

目標体重の設定に当たっては、BMIを参考にしてみましょう。

BMIとは
肥満度を表すために用いられる国際的な体格指数です。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出されます[2]。国内ではBMIが 18.5未満で「低体重(痩せ)」、18.5以上25未満で「普通体重」、25以上で「肥満」に分類されます[2]。

なおBMIが22のときの体重は「標準体重」と呼ばれ、統計上肥満と関連が深い糖尿病や高血圧、脂質異常症などの病気に最もかかりにくいことが分かっています[3]。

標準体重は[身長(m)の2乗]×22で求められます[3]。

目標とすべき体重が分からないという方は、ひとまず標準体重を目指してみると良いでしょう。

目標体重が決まったら、体重1kg当たりの推定必要カロリーと掛け合わせましょう。

【体重1kg当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ) 低い(Ⅰ) 普通(Ⅱ) 高い(Ⅲ)
18〜29歳
35.5
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.7
39.3
44.9
32.9
38.4
43.9
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
31.3
36.7
42.1
30.0
35.2
40.4
75歳以上
30.1
35.5
-
29.0
34.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

例えば目標体重が50kgで、身体活動レベルが普通(Ⅱ)に当たる30代女性の場合、摂取カロリーの目安は38.4(kcal)×50(kg)=1,920kcalとなります。

特に肥満の方は健康を損ねるリスクもあるため、標準体重を目安に減量に取り組みましょう。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康

3.カロリー(エネルギー)になる栄養素

「カロリーを摂取できる栄養素には何があるんだろう?」

1日のカロリー摂取量を考えるに当たり、どの栄養素にカロリーがあるのが気になりますよね。

カロリー源となる栄養素は炭水化物(糖質)とたんぱく質、脂質です。

この章ではそれぞれの栄養素の性質について解説します。

3-1.炭水化物(糖質)

海苔をまいたおむすび2個

炭水化物はエネルギー産生栄養素の一種で、炭素と水素の化合物です。

炭水化物は消化・吸収されてカロリー源になる糖質とほとんどカロリー源にならない食物繊維に大きく分けられます。

糖質は1g当たり約4kcalのエネルギーを産生します[4]。

糖質を多く含む食品はごはんやパン、麺類などの穀類、さつまいもやじゃがいもなどのいも類、バナナやぶどうなどの果物類、あめやせんべいなどの菓子類、砂糖や砂糖を材料に用いる飲食物などです。

糖質は重要なカロリー源ですが、摂取し過ぎると脂肪として蓄えられて肥満の原因となります。

また糖尿病などの生活習慣病を招く恐れもあるため注意が必要です。

一方、食物繊維はヒトの消化酵素で消化できないためほとんどカロリーにはなりません

また炭水化物全体に占める食物繊維の割合もわずかであるため、炭水化物から摂取できるカロリーはほぼ糖質に由来するといえるでしょう。

食物繊維はおなかの調子を整えて便秘を予防する効果が有名ですが、消化管内の糖質や脂質、ナトリウムを吸着して排出するはたらきもあります。

さらに糖質の吸収を緩やかにすることで血糖値の急上昇を抑制する効果も認められています。

このため肥満や高血糖、高血圧といった生活習慣病を予防・改善する効果が期待できるのです。

食物繊維が豊富な食品には、かぼちゃやごぼう、たけのこ、ブロッコリー、モロヘイヤ、切り干し大根、いんげん豆、さつまいも、おから、納豆、しいたけ、ひじきなどがあります。

カロリー源となる糖質と、カロリーにはならなくとも健康状態の改善に多くのはたらきを持つ食物繊維は、いずれも重要な栄養素だといえるでしょう。

炭水化物については以下の記事で詳しく解説しています。

炭水化物を多く含んでいる食べ物は?摂取基準や健康的な食べ方も紹介

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

3-2.たんぱく質

鶏料理

たんぱく質はエネルギー産生栄養素としてのはたらきの他、筋肉や臓器、肌や髪など体の組織の材料となる役割で知られています

また、ホルモンや酵素など体のさまざまな機能を調整する物質の成分にもなります。

酵素とは
消化や吸収、代謝など、生命を維持するためのさまざまな化学反応に欠かせないたんぱく質のことです。酵素のみではたらくものと、はたらくために補酵素を必要とするものがあります。

たんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[5]。

たんぱく質は肉類や魚介類、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれている他、豆類などの植物性食品からも摂取できます。

たんぱく質の摂取量が不足すると体力や免疫機能の低下、成長障害などが起こる場合があります

このため、たんぱく質をしっかりと摂取するよう心掛けましょう。

たんぱく質については以下の記事で詳しく解説しています。

たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

3-3.脂質

レモンを添えたフライドチキンと皮付きフライドポテト

脂質はエネルギー産生栄養素としてカロリー源になる他、ホルモンや神経伝達物質といった生理活性物質や細胞膜の成分となります

メモ
生理活性物質は体の中で起こる現象に関わり、ごくわずかな量で影響を及ぼす物質です。

脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを産生します[6]。

脂質は糖質と同じように、摂り過ぎると体脂肪を増やして肥満の原因となります。

特に脂質は糖質やたんぱく質よりもカロリーが高いため、摂取し過ぎに注意しましょう

脂質については以下の記事で詳しく解説しています。

脂質は1日にどれくらい摂取して良い?摂取目標量や過不足による影響

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

4.1日のカロリー摂取の理想のバランス

和食にて白米を食べているところ

「カロリーはどの栄養素から摂取しても良いのかな?」

カロリーを摂取するに当たり、どの栄養素からどれだけ摂れば良いのか悩ましいという方もいらっしゃるかもしれませんね。

健康のためには炭水化物、たんぱく質、脂質をバランス良く摂取しましょう

厚生労働省は、1日の摂取カロリーに対し、各栄養素から摂取するカロリーを以下の表の範囲にするという目標量を設定しています。

【エネルギー産生栄養素バランス(%)】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
目標量 たんぱく質 脂質 炭水化物(糖質) たんぱく質 脂質 炭水化物(糖質)
1~2歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
3~5歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
6~7歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
8~9歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
10~11歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
12~14歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
15~17歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
18~29歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
30~49歳
13~20
20~30
50~65
13~20
20~30
50~65
50~64歳
14~20
20~30
50~65
14~20
20~30
50~65
65~74歳
15~20
20~30
50~65
15~20
20~30
50~65
75歳以上
15~20
20~30
50~65
15~20
20~30
50~65

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ただしこのバランスは必要なカロリーを摂取することが前提のため、注意が必要です。

エネルギー産生栄養素の摂取バランスと、過不足ないカロリー摂取を両立させることが重要なのですね。

5.1日の消費カロリーの計算方法

「消費カロリーはどうすれば計算できるのかな?」

「毎日の生活や運動でどれくらいカロリーを消費できているのか知りたい……」

このように考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし個人の消費カロリーを正確に測ることは極めて難しいといわれています。

また消費カロリーは個人によって差が大きいことも知られています。

この章では消費カロリーのうち基礎代謝と身体活動の計算方法をご紹介します。

一つの大まかな目安として参考にしてみると良いでしょう。

5-1.基礎代謝の計算方法

床に横たわっている女性

厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、基礎代謝量の求め方を紹介しています

標準的な体格の方の基礎代謝量は以下の表のとおりです。

【参照体重における基礎代謝量】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
年齢 基礎代謝基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重 (kg) 基礎代謝量
(kcal/日)
基礎代謝基準値
(kcal/kg体重/日)
参照体重 (kg) 基礎代謝量
(kcal/日)
1〜2歳
61.0
11.5
700
59.7
11.0
660
3〜5歳
54.8
16.5
900
52.2
16.1
840
6〜7歳
44.3
22.2
980
41.9
21.9
920
8〜9歳
40.8
28.0
1,140
38.3
27.4
1,050
10〜11歳
37.4
35.6
1,330
34.8
36.3
1,260
12〜14歳
31.0
49.0
1,520
29.6
47.5
1,410
15〜17歳
27.0
59.7
1,610
25.3
51.9
1,310
18〜29歳
23.7
64.5
1,530
22.1
50.3
1,110
30〜49歳
22.5
68.1
1,530
21.9
53.0
1,160
50〜64歳
21.8
68.0
1,480
20.7
53.8
1,110
65〜74歳
21.6
65.0
1,400
20.7
52.1
1,080
75歳以上
21.5
59.6
1,280
20.7
48.8
1,010

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

体重が参照体重に近い方は、そのまま該当する年代の基礎代謝量を参考にしても良いでしょう。

また該当する年代の基礎代謝基準値にご自身の体重を掛け合わせることでも、おおまかな基礎代謝量を求めることができます。

ただしご自身の体重が参照体重よりも大幅に重かったり軽かったりする方や、BMIが痩せや肥満に該当する方は誤差が大きくなるため注意が必要です。

より詳細に基礎代謝量を知りたいという方は、以下の式から求めることができます

【基礎代謝量の推定式】

  • 男性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.4235)×1,000÷4.186
  • 女性:(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢-0.9708)×1,000÷4.186

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

基礎代謝の推定式はいくつかありますが、この式は国立健康・栄養研究所によるもので、18~79歳の方において妥当性が確認されています[7]。

BMIが30未満の肥満の方も問題なく測定可能です[7]。

身長160cm、体重65kgの65歳女性を例に考えてみましょう。

この方のBMIは25(小数第1位で四捨五入)のため、上記の式から基礎代謝量を求められます。

上記の式に当てはめると(0.0481×65+0.0234×160-0.0138×65-0.9708)×1,000÷4.186となり、基礎代謝量は1,195kcal(小数第1位で四捨五入)です。

基礎代謝を高める方法については以下の記事で詳しく解説しています。

基礎代謝を上げるには?運動や食事など日常生活のポイントを解説

[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

5-2.身体活動の計算方法

ジョギングしている初老の男性

身体活動による消費カロリーは、身体活動の強度と継続時間、ご自身の体重から求められます

身体活動にはそれぞれ「メッツ」という強度が設定されており、身体活動量にはこれに継続時間(時)を掛け合わせた「メッツ・時」が用いられます。

まずは計測したい運動や生活活動のメッツを調べます。

主な運動のメッツ数は以下の表のとおりです。

【主な運動のメッツ】
運動名 メッツ
ストレッチ
2.3
ヨガ(ハタヨガ)
2.5
やや速歩(94m/分)
4.3
バドミントン
5.5
かなり速歩(107m/分)
5.0
野球
5.0
バスケットボール
6.0
エアロビクスダンス
7.3
ジョギング
7.0
サッカー
7.0
サイクリング(20km/時)
8.0
水泳(クロール、45m/分)
8.3
ランニング(134m/分)
8.3
ランニング(161m/分)
9.8
水泳(クロール、約70m/分)
8.3

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

また主な生活活動のメッツ数は以下の表のとおりです。

【主な生活活動のメッツ】
生活活動名 メッツ
テレビを見る
1.3
子どもの世話(幼児)
2.5
掃除(掃除機)
3.3
調理
3.3
散歩
3.5
草むしり
3.5
掃除(掃き掃除)
3.8
ガーデニング
3.8
部屋の片づけ
4.8
雪かき(人力)
6.0
農作業
7.8

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

メッツが分かったら、継続時間を掛けて身体活動量のメッツ・時を計算します。

この身体活動量とご自身の体重を以下の式に当てはめると、身体活動による消費カロリーを計算できます。

【身体活動による消費カロリーの計算式】

  • 消費カロリー(kcal)=身体活動量(メッツ・時)*体重(kg)

体重70kgの方が30分ジョギングをした場合を例に考えてみましょう。

ジョギングのメッツは7.0のため、7.0×0.5で3.5メッツ・時となります。

この数値と体重を式に当てはめると3.5×70となり、消費カロリーは245kcal(小数第1位で四捨五入)です。

国立研究開発法人 国立健康・栄養研究所が「身体活動のメッツ(METs)表」という資料を公開し、多くの運動や生活活動のメッツを紹介しているので参考にしてください。

身体活動のメッツ(METs)表

6.1日の適切な摂取カロリーについてのまとめ

カロリーとはヒトが食事などで摂取し、生命維持や活動の際に消費するエネルギーの単位です。

エネルギー源(カロリー)になる栄養素には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質があります

炭水化物はエネルギー源となる糖質と、ほとんどエネルギー源にならない食物繊維に分けられます。

たんぱく質はエネルギー源であり、また筋肉や骨、酵素やホルモンなどの材料としても極めて重要です。

脂質は効率の良いエネルギー源となる他、細胞膜やホルモン、神経伝達物質の成分としてもはたらきます。

健康のためには炭水化物、たんぱく質、脂質を偏らずにバランス良く摂取することが重要です。

ヒトが1日活動する際に必要なカロリーは年齢や身体活動の強さによって変わります

体重を維持したい場合は、現在の体重での推定必要カロリーを摂ると良いでしょう。

体重を減らしたり増やしたりしたい場合は、目標体重における推定必要カロリーを摂ることを目指しましょう。

また消費カロリーは基礎代謝と食事誘発性熱産生、身体活動に分類されます

基礎代謝による消費カロリーは基礎代謝基準値と体重から求めることができます。

身体活動による消費カロリーは身体活動ごとの強度であるメッツと継続時間、体重から計算が可能です。

ただし個人の消費カロリーを正確に計るのはむずかしく、個人差もあるためおおよその値であることに注意が必要です。

この記事を読んでご自身の1日に必要なカロリーを把握し、健康管理に役立ててくださいね。

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