1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

2024年08月28日

2025年09月18日

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「1日の摂取カロリーはどれくらいが適切なんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

適切な摂取カロリーは性別や年代、どれくらい体を動かしているかによって異なります

また減量のために摂取カロリーを抑えたい場合には適切な目標設定を行い、摂取カロリーを決めることが重要です。

この記事では1日に摂取すべきカロリーについて解説します。

またカロリーの摂取源となる栄養素やその理想のバランス、消費カロリーの計算方法についても解説します。

この記事を参考に、1日の摂取カロリーを適切に調節してくださいね。

1.カロリー(エネルギー)とは

黒いTシャツを着た男性

「カロリーってそもそも何なんだろう?」

普段見聞きする機会の多い「カロリー」という言葉ですが、その定義をあまりよく分かっていないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

カロリーはヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりすることに消費するエネルギーの量を表す単位です。

メモ
1cal(カロリー)は非常に小さいため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)を最小単位として用います。

この摂取されるエネルギーの量を「エネルギー摂取量」といい、一般的には「摂取カロリー」と呼ばれています。

主なエネルギー源となる栄養素には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類があり、これらはエネルギー産生栄養素と呼ばれます

また消費されるエネルギーの量を「エネルギー消費量」または「消費カロリー」といいます。

消費カロリーは「基礎代謝量」「食事誘発性熱産生(DIT)」「身体活動量」の3種類に分けられます

基礎代謝とは安静な状態で呼吸や心拍、体温維持など生命維持のために消費される必要最小限のカロリー(エネルギー量)のことです。

食事誘発性熱産生(DIT)は食後に消化の過程で消費されるカロリーです。

身体活動量はその名のとおり体を動かすことによって消費されるカロリーです。

意図的に行うスポーツなどの「運動」と、日常生活における動作「生活活動」に分けられます。

総消費カロリー(総エネルギー消費量)に対し、基礎代謝量が約60%、食事誘発性熱産生(DIT)が約10%、身体活動量が約30%を占めるといわれています[1]。

なお、体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって増減します

摂取カロリーが消費カロリーを上回っていた場合体重は増加し、反対に消費カロリーが摂取カロリーを上回っていた場合体重は減少します。

体重が一定であれば、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが釣り合っているということです。

体重を健康的に保つには摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意識することが重要なのですね。

[1] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「身体活動とエネルギー代謝

【関連情報】 「カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説」についての記事はこちら

「成人女性の適切な摂取カロリーは?カロリー制限する際の注意点も解説」についての記事はこちら

2.適切な摂取カロリー(推定エネルギー必要量)

ミックスベジタブルを添えたチキンの料理

「1日にどれくらいカロリーを摂取すれば良いのかな?」

「ダイエットしたいんだけど、どこまで摂取カロリーを減らせば良いんだろう……」

1日に摂取すべきカロリーはどれくらいなのか、気になりますよね。

1日の推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)は性別や体重、年齢、身体活動量によって異なります

また現在の体重を維持するのか、目標とする体重があるのかによっても、摂取すべきカロリーは変わります。

このためこの章では、標準的な体格の場合と、現在の自分の体格に合わせる場合、目標体重を目指す場合の3種類の推定必要カロリーをご紹介します。

推定必要カロリーの算定には共通して3段階の「身体活動レベル」が用いられるため、まずは以下の表でご自身の身体活動レベルを確認しましょう

【身体活動レベル】
身体活動レベル 日常生活の内容
低い 生活の大部分を座って過ごし、あまり体を動かす機会がない場合
普通 座って過ごすことが多いが、立ったり歩いたりする機会のある仕事に就いている、通勤や通学で歩く、家事や軽いスポーツを行うといった機会がある場合
高い 立ったり歩いたりすることの多い仕事に就いている場合、または余暇にスポーツなどの活発な運動習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただし身体活動レベルが「低い」に該当する場合は、健康の保持・増進の観点から身体活動量を増やすことが勧められています。

また、たとえ性別や年齢、身長、体重、身体活動レベルが同じ状態であっても、必要カロリーには個人差が存在します

このため推定必要カロリーを摂取していても想定外の体重変動が生じる可能性があり、摂取カロリーは実際の体重変化に基づいて調節すべきだといわれている点に注意が必要です。

2-1.標準的な体格の場合の摂取カロリー

厚生労働省によると、日本人として平均的な体重(参照体重)における推定必要カロリーは以下のとおりです。

【推定必要カロリー(kcal/日)】
推定エネルギー必要量
性別男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
0〜5カ月
-
550
-
-
500
-
6〜8カ月
-
650
-
-
600
-
9〜11カ月
-
700
-
-
650
-
1〜2歳
-
950
-
-
900
-
3〜5歳
-
1,300
-
-
1,250
-
6〜7歳
1,350
1,550
1,750
1,250
1,450
1,650
8〜9歳
1,600
1,850
2,100
1,500
1,700
1,900
10〜11歳
1,950
2,250
2,500
1,850
2,100
2,350
12〜14歳
2,300
2,600
2,900
2,150
2,400
2,700
15〜17歳
2,500
2,850
3,150
2,050
2,300
2,550
18〜29歳
2,250
2,600
3,000
1,700
1,950
2,250
30〜49歳
2,350
2,750
3,150
1,750
2,050
2,350
50~64歳
2,250
2,650
3,000
1,700
1,950
2,250
65~74歳
2,100
2,350
2,650
1,650
1,850
2,050
75歳以上
1,850
2,250
-
1,450
1,750
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中・授乳中の人に対しては、年代別の推定必要カロリーに加えて摂取すべき付加量が設定されています。

【妊婦・授乳婦の付加量(kcal/日)】
時期 付加量
妊娠 初期
+50
中期
+250
後期
+450
授乳婦
+350

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただし、妊娠中・授乳中の方は個々の体重増加量や胎児の発育状況に応じて摂取カロリーを調節する必要があるため、かかりつけ医の指示に従うようにしてください。

なお、前掲の推定必要カロリーは、以下の参照体重をもとに算出されています。

【参照体重(kg)】
年齢 男性 女性
0〜5カ月
6.3
5.9
6〜8カ月
8.4
7.8
9〜11カ月
9.1
8.4
1~2歳
11.5
11.0
3~5歳
16.5
16.1
6~7歳
22.2
21.9
8~9歳
28.0
27.4
10~11歳
35.6
36.3
12~14歳
49.0
47.5
15~17歳
59.7
51.9
18〜29歳
63.0
51.0
30〜49歳
70.0
53.3
50〜64歳
69.1
54.0
65〜74歳
64.4
52.6
75歳以上
61.0
49.3

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

推定必要カロリーは体重によって異なるため、前掲の推定必要カロリーを摂取していると、参照体重より軽い人では体重増加が起こり、参照体重より重い人では体重減少が起こると考えられます。

ご自身の体格に合った推定必要カロリーを知りたい方は次の項をご確認ください。

2-2.自分の体格に合った摂取カロリー

「自分の体格に合った摂取カロリーが知りたいな」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

消費カロリーは体格の影響を受けるため、現在の体重を維持するための摂取カロリーは人によって異なります。

ご自身の体格に合った摂取カロリーを求めるには、現在の体重に、以下の表で該当する性別・年齢・身体活動レベルの体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせましょう

【体重1kg当たりの推定必要カロリー(kcal/日)】
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
1〜2歳
-
82.4
-
-
80.6
-
3〜5歳
-
79.5
-
-
75.7
-
6〜7歳
59.8
68.7
77.5
56.6
64.9
73.3
8〜9歳
57.1
65.3
73.4
53.6
61.3
68.9
10〜11歳
54.2
61.7
69.2
50.5
57.4
64.4
12〜14歳
46.5
52.7
58.9
44.4
50.3
56.2
15〜17歳
41.9
47.3
52.7
39.2
44.3
49.3
18〜29歳
35.6
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.8
39.4
45.0
32.9
38.3
43.8
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
32.4
36.7
41.0
31.1
35.2
39.3
75歳以上
30.1
36.6
-
29.0
35.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

例えば身体活動レベルが「普通」に当たる20代女性で体重が50kgの場合、1日の推定必要カロリーは38.7×50で1,935kcalです。

これを1日の摂取カロリーの目安とすると良いでしょう。

【関連情報】 「成人男性の適切な摂取カロリーとは?計算方法を分かりやすく解説」についての記事はこちら

2-3.目標体重を目指すための摂取カロリー

「最近おなか周りが気になるから痩せたい……」

「健康に良い体重ってどれくらいなんだろう?」

このようにお考えのいる方もいらっしゃるでしょう。

理論上、目標体重のときの推定必要カロリーを摂取すれば、体重は目標体重に近づきます。

目標体重の設定に当たってはBMIを参考にしましょう

BMIとは
肥満度を表すために用いられる国際的な体格指数です。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出されます[2]。国内ではBMIが18.5未満で「低体重(痩せ)」、18.5以上25.0未満で「普通体重」、25.0以上で「肥満」に分類されます[2]。

厚生労働省は、成人が目標とすべきBMIの範囲を年代別に定めています。

【年代別の目標とするBMIの範囲】
年齢 目標とするBMI
18〜49歳
18.5〜24.9
50〜64歳
20.0〜24.9
65歳以上
21.5〜24.9

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

肥満が健康上のリスクを高めることはよく知られていますが、一方で低体重にも健康を損ねるリスクがあります。

減量を行う方も適正なBMIの範囲から外れない体重を維持するようにしましょう

なおBMIから目標体重を求める場合は[身長(m)の2乗]×[目標とするBMI]で求められます。

例えば160cmの方がBMI20.0を目指す場合、目標体重は1.6×1.6×20.0で51.2kgです。

目標体重が決まったら、体重1kg当たりの推定必要カロリーと掛け合わせましょう

【体重1kg当たりの推定必要カロリー(kcal/日)】
性別 男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
18〜29歳
35.6
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.8
39.4
45.0
32.9
38.3
43.8
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
32.4
36.7
41.0
31.1
35.2
39.3
75歳以上
30.1
36.6
-
29.0
35.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

例えば身体活動レベルが「普通」、目標体重が60.0kgの30代男性では、推定必要カロリーは39.4×60.0で2,364kcalとなります。

このようにして求めた推定必要カロリーを摂取カロリーの目安としましょう。

注意!
未成年者の場合、多少BMIが高い数値であっても身長などが順調に成長していれば減量の必要はありません。特に若い女性では無理なダイエットによる低栄養や摂食障害が問題となっています。成長期に適した食生活や運動習慣を心掛けましょう。

[2] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「肥満と健康

3.カロリー(エネルギー源)になる栄養素

「エネルギー源になる栄養素にはそれぞれどんなはたらきがあるんだろう?」

エネルギー源となる炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類の栄養素にはそれぞれ異なるはたらきがあります。

この章では、エネルギー産生栄養素それぞれのはたらきや性質について詳しくご説明しましょう。

メモ
アルコールからもエネルギーは生み出されますが、アルコールは体に必要な栄養素ではありません。

3-1.炭水化物(糖質)

海苔をまいたおむすび2個

炭水化物は炭素と水素の化合物です。

炭水化物の最も重要なはたらきは体にエネルギーを供給することです。

炭水化物は糖質と食物繊維に分けられますが、炭水化物から生み出されるエネルギーのほとんどは糖質に由来します。

糖質は1g当たり約4kcalのエネルギーを産生し[3]、脳や神経、筋肉をはじめとしたさまざまな組織にエネルギーを供給します。

特に糖質のなかでも脳や神経などのエネルギー源となる「ブドウ糖」は重要です。

糖質が不足すると、エネルギー不足により集中力の低下や疲労感が現れます

またブドウ糖が必要な脳や神経で不足すると意識障害が起こるケースもあります。

一方で摂り過ぎた場合には体内で脂肪に変えられ蓄えられてしまうため、肥満や生活習慣病を引き起こす恐れがあります。

糖質の主な摂取源としてはご飯やパン、麺類などの主食類、いも類、果物類の他、砂糖や甘味料、これらを使った菓子類などがあります。

食物繊維は炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化できないものです。

腸内細菌によって1g当たり0〜2kcalのわずかなエネルギーを生み出しますが、その値は一定ではありません[3]。

その半面、食物繊維は消化・吸収されずに大腸まで達することで健康に有用なさまざまな効果をもたらします。

よく知られた作用として、食物繊維は便の材料となったり善玉菌を増やしたりして腸内環境を整え、便秘を予防します

また糖質や脂質、ナトリウム(食塩の主成分の一つ)などを吸着して体外に排出するはたらきや、糖質の吸収を緩やかにするはたらき、血中コレステロールを下げるはたらきがあるといわれています。

このため、これらが原因となって起こる肥満や生活習慣病を予防・改善する効果があるといわれています。

食物繊維は植物性食品に含まれ、野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、穀類、果実類などが摂取源となります。

一口に炭水化物といってもはたらきの異なる二つの重要な栄養素が含まれているのですね。

炭水化物については以下の記事で詳しく解説しています。

炭水化物を多く含んでいる食べ物は?摂取基準や健康的な食べ方も紹介

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-2.たんぱく質

鶏料理

たんぱく質は筋肉や臓器、肌や髪など、体の組織の材料となる重要なはたらきをしており、他のエネルギー産生栄養素の摂取量が十分でない場合にはエネルギー源として消費されます

主にエネルギー源となるのは炭水化物(糖質)と脂質であり、これらが不足していると体を構成しているたんぱく質が分解され、エネルギー源となるのです。

エネルギー産生栄養素としてのたんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーを産生します [4]。

また、たんぱく質はホルモンや酵素など体のさまざまな機能を調整する物質の成分にもなります。

酵素とは
消化や吸収、代謝など、生命を維持するためのさまざまな化学反応に欠かせないたんぱく質のことです。酵素のみではたらくものと、はたらくために補酵素を必要とするものがあります。

たんぱく質は肉類や魚介類、卵、乳製品などの動物性食品に多く含まれている他、豆類などの植物性食品からも摂取できます。

たんぱく質の摂取量が不足すると体力や免疫機能の低下、成長障害などが起こる場合があります

このため、たんぱく質をしっかりと摂取するよう心掛けましょう。

たんぱく質については以下の記事で詳しく解説しています。

たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-3.脂質

レモンを添えたフライドチキンと皮付きフライドポテト

脂質はエネルギー源になる他、ホルモンや神経伝達物質といった生理活性物質や細胞膜の成分となります

メモ
生理活性物質は体の中で起こる現象に関わり、ごくわずかな量で影響を及ぼす物質です。

脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを産生します [5]。

脂質は糖質と同様、摂り過ぎると体脂肪増加や肥満、生活習慣病の原因となります。

特に脂質は糖質やたんぱく質よりもカロリーが高いため、摂取し過ぎに注意しましょう

脂質については以下の記事で詳しく解説しています。

脂質は1日にどれくらい摂取して良い?摂取目標量や過不足による影響

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

4.1日のカロリー摂取の理想のバランス

和食にて白米を食べているところ

「カロリーはどの栄養素から摂取しても良いのかな?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

エネルギー産生栄養素は単にエネルギー源になるだけでなくそれぞれに異なるはたらきもするため、バランス良く摂取することが重要です。

厚生労働省はエネルギー産生栄養素の目標量を各栄養素から摂取するカロリーが1日の総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)に対して占める割合で定めています。

これを「エネルギー産生栄養素バランス」といい、「%エネルギー」という単位が用いられます。

各年代のエネルギー産生栄養素バランスは男女共通で以下のとおりです。

【エネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)】
年齢 炭水化物 たんぱく質 脂質
1〜49歳
50〜65
13〜20
20〜30
50〜64歳
50〜65
14〜20
20〜30
65歳以上
50〜65
15〜20
20〜30

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中・授乳中の人のエネルギー産生栄養バランスは以下のとおりです。

【妊婦・授乳婦のエネルギー産生栄養素バランス(%エネルギー)】
          
時期 炭水化物 たんぱく質脂質
妊娠 初期・中期
50〜65
13〜20
20〜30
後期
50〜65
15〜20
20〜30
授乳期
50〜65
15〜20
20〜30

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただし、エネルギー産生栄養素バランスは必要なカロリーを摂取していることが前提です。

適切に摂取カロリーを調節した上で、エネルギー産生栄養素のバランスも意識するようにしましょう。

5.1日の消費カロリーの計算方法

「消費カロリーはどうすれば計算できるのかな?」

「毎日の生活や運動でどれくらいカロリーを消費できているのか知りたい……」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

基礎代謝や身体活動による消費カロリーには推定式があります。

この章では、基礎代謝量と身体活動量の計算方法をお伝えしましょう。

ただし、消費カロリーは個人差が大きく、正確に測定することも難しいといわれているため、これらの推定式で導き出された消費カロリーにも誤差が生じると考えられます

一つの大まかな目安として参考にしてみると良いでしょう。

5-1.基礎代謝量の計算方法

床に横たわっている女性

厚生労働省は体重1kg当たりの「基礎代謝量基準値」を発表しています。

【体重1kg当たりの基礎代謝量基準値(kcal/日)】
性別 男性 女性
1〜2歳
61.0
59.7
3〜5歳
54.8
52.2
6〜7歳
44.3
41.9
8〜9歳
40.8
38.3
10〜11歳
37.4
34.8
12〜14歳
31.0
29.6
15〜17歳
27.0
25.3
18〜29歳
23.7
22.1
30〜49歳
22.5
21.9
50〜64歳
21.8
20.7
65〜74歳
21.6
20.7
75歳以上
21.5
20.7

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

参照体重から大きく体重が離れていない方は、この基礎代謝量基準値とご自身の体重を掛け合わせることで基礎代謝量を推定できるでしょう。

例えば体重50kg、30歳の女性の場合、推定される基礎代謝は1,095kcalです。

また体重1kg当たりの基礎代謝量基準値に参照体重を掛け合わせると、参照体重における基礎代謝量基準値になります。

メモ
これらの基礎代謝量基準値は1日当たりの推定必要カロリーの算出に用いられています。

年代別の参照体重と、参照体重における基礎代謝量基準値は以下のとおりです。

【参照体重における基礎代謝量基準値】
性別 男性 女性
年齢 参照体重(kg) 参照体重における基礎代謝量基準値(kcal/日) 参照体重(kg) 参照体重における基礎代謝量基準値(kcal/日)
1〜2歳
11.5
700
11.0
660
1〜2歳
11.5
700
11.0
660
6〜7歳
22.2
980
21.9
920
8〜9歳
28.0
1,140
27.4
1,050
10〜11歳
35.6
1,330
36.3
1,260
12〜14歳
49.0
1,520
47.5
1,410
15〜17歳
59.7
1,610
51.9
1,310
18〜29歳
63.0
1,490
51.0
1,130
30〜49歳
70.0
1,570
53.3
1,170
50〜64歳
69.1
1,510
54.0
1,120
65〜74歳
64.4
1,390
52.6
1,090
75歳以上
61.0
1,310
49.3
1,020

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ただし参照体重とご自身の体重に大きな差がある場合、体重1kg当たりの基礎代謝量基準値から計算しても誤差が大きくなる恐れがあります

より高い精度で基礎代謝量を求めたい場合、以下の推定式を使用してみましょう。

【基礎代謝量推定式】
男性 (0.0481×体重+0.0234×身長−0.0138×年齢−0.4235)×1,000/4.186
女性 (0.0481×体重+0.0234×身長−0.0138×年齢−0.9708)×1,000/4.186

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

メモ
体重の単位はkg、身長の単位はcmです。

この式は国立健康・栄養研究所の発表した推定式で、対象年齢は20〜74歳です[6]。

また18〜79歳において妥当性が確認されています[6]。

例えば身長160cmで体重50kg、30歳の女性の場合、上記の式を用いると基礎代謝は1,138kcalであると推定されます(小数第1位で四捨五入)。

先の体重1kg当たりの基礎代謝量基準値から推定した基礎代謝とは43kcalの誤差があることが分かりますね。

基礎代謝を高める方法については以下の記事で詳しく解説しています。

基礎代謝を上げるには?運動や食事など日常生活のポイントを解説

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

5-2.身体活動量の計算方法

ジョギングしている初老の男性

身体活動による消費カロリーは身体活動の強度と継続時間、ご自身の体重から求められます

身体活動の強度を表すには「メッツ」という単位が用いられます。

メッツとは
身体活動の強さが安静時の何倍に相当するかを表す単位です。座って安静にしている状態を1メッツとします[7]。

主な運動のメッツは以下のとおりです。

【主な運動のメッツ】
運動名 メッツ
ストレッチ(ゆったり)
2.3
ヨガ
2.3
歩行(4.0km/時、平らで硬い地面)
3.0
歩行(4.5〜5.5km/時、平らで硬い地面)
3.8
エアロビクスダンス(ほどほどの労力)
4.8
ソフトボールまたは野球
5.0
バドミントン
5.5
バスケットボール
6.0
自転車をこぐ
7.0
サッカー
7.0
ジョギング
7.5
ランニング(7.0〜7.8km/時)
7.8
水泳(平泳ぎ、全般)
10.3

国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」をもとに執筆者作成

また主な生活活動のメッツは以下のとおりです。

【主な生活活動のメッツ】
生活活動名 メッツ
座ってテレビを見る
1.0
子ども(幼児)の世話
2.5
掃除機をかける
3.0
調理や食事の準備
3.5
掃き掃除(ほどほどの労力)
3.8
芝生や庭の水やり
4.0
部屋の片付け
4.8
シャベルでの雪かき
6.0

国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」をもとに執筆者作成

消費カロリーの計算には以下の式を用います。

【身体活動による消費カロリーの計算式】

  • メッツ×時間(h)×体重(kg)

厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」をもとに執筆者作成

体重60kgの方が30分間自転車をこいだ場合の消費カロリーを算出してみましょう。

自転車をこぐ動きのメッツは7.0、30分間は0.5時間に当たります。

このため消費カロリーは7.0×0.5×60で210kcalということになります。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所が「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」という資料で多くの運動や生活活動のメッツを紹介しているので参考にしてくださいね。

改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版

[7] 厚生労働省「身体活動・運動の単位

6.1日の適切な摂取カロリーについてのまとめ

カロリーはヒトが食事などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりすることに消費するエネルギーの単位です。

体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって増減します。

1日の適切な摂取カロリーは性別や年代、どれくらい体を動かしているかによって異なります

また減量のために摂取カロリーを抑えたい場合には目標体重を適切に設定し、それに基づいて摂取カロリーを決めることが重要です。

健康のために、適切なBMIを維持できるカロリーを摂取しましょう

なおエネルギー源になる栄養素には炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3種類があります。

これらはそれぞれ異なるはたらきを有するため、バランス良く摂取することが勧められます。

この記事を参考に、1日の適切な摂取カロリーを把握し、エネルギー産生栄養素バランスを意識してみてくださいね。

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