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筋トレの効果とは?トレーニングの頻度・回数・タイミングも解説

「筋トレにはどんな効果があるんだろう?」

「ダイエットのためには筋トレが必要なのかな?」

筋トレに興味はあるものの、詳しい効果についてはあまり知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋トレには体を引き締めるだけではなく、メンタルバランスを整える、疾病を予防するなどさまざまな効果があるといわれています。

習慣化することで、心身ともに快適な毎日を送るための助けになるかもしれません。

この記事では筋トレの効果や正しいやり方、効果をさらに高めるための工夫など、始める際に押さえておきたい知識やポイントについてご紹介します。

日々の筋トレの効果を高めるために、ぜひ参考にしてくださいね。

1.筋トレの効果

スクワットする女性

「筋トレをすると筋肉が増えるんだよね?」

「筋トレをするとカロリーが消費できるのかな?」

筋トレの効果について、このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋トレには筋力アップの他、さまざまな効果があります。

まずは筋トレの効果について詳しくご説明しましょう。

効果1 筋力の向上

筋トレを行うと筋力が向上することは皆さんご存じでしょう。

筋力とは文字どおり筋肉の発揮できる力のことで、1回で持ち上げられる最大重量によって測られます。

筋肉は、パワーは強いものの持久力が低く疲労しやすい「速筋」と持久力が高い半面パワーは弱い「遅筋」に分けられ、速筋の割合が多く、筋肉の断面積が大きいほど筋力が強くなります

筋トレを行うと、筋肉を構成している「筋線維」の一部が一時的に傷つけられますが、修復の過程で元よりも少し太くなる「超回復」という事象が起きます。

これを繰り返すことにより筋肉が太くなり、断面積が大きくなるのです。

メモ
瞬発的な力を表す筋力に対し、特定の筋肉が繰り返しの負荷を何回続けられるのかという能力を「筋持久力」といい、筋持久力は最大筋力の4割程度の負荷で有酸素運動を行うことにより鍛えられます[1]。

健康的かつ自立的に生活していくために筋力は欠かせません。

筋力を高めれば階段の上り下りや荷物の持ち運びなど、日常生活での動作がより楽になると考えられます。

筋力不足は若いうちはあまり問題になりませんが、年を取ると深刻なQOL(Quality of life:生活の質)の低下につながります。

メモ
加齢に伴って筋肉が萎縮した状態のことを「サルコペニア」といいます。

体を支えたりものを持ち上げたりといった日常的な動作を不自由なく行い続けるために、ある程度の筋力をつけておきましょう

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」

効果2 消費カロリー増大

「筋トレはダイエットにも効果があるのかな?」

ダイエットのために筋トレをしようかと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋トレでカロリーを消費することはできますが、残念ながら体脂肪の燃焼に効果的とはいえません。

しかし筋トレには基礎代謝をアップし、消費カロリーを増大させる効果があるといわれています。

基礎代謝量とは
心身ともに安静な状態にあっても呼吸や体温調節、内臓を動かすことなどに消費される、生命維持に必要な最低限のカロリーのことです。1日に消費するカロリーの約60%を占めます[2]。

基礎代謝量は筋肉量の影響を受け、筋肉が増えるとそれに伴って基礎代謝量も増加します。

筋トレによって筋肉がつくと基礎代謝がアップし、結果として日々の消費カロリーが増えると考えられるのですね。

メモ
体脂肪を燃焼させるには有酸素運動が効果的だといわれています。有酸素運動とは筋肉への負荷が比較的小さく、体内の脂質や糖質をエネルギーとして、同時に酸素を消費する運動のことです。

[2] 厚生労働省e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」

効果3 姿勢改善

「猫背がコンプレックス……」

このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

姿勢が悪くなる原因の一つに、体を支える筋肉が減っていることが考えられます

特に運動不足の方やデスクワークに従事している方は筋力が低下しがちです。

筋トレで腹筋や背筋などの体を支える筋肉を鍛えれば、姿勢を改善したり、悪化を予防したりできると考えられますよ。

効果4 ストレス軽減

個人差はあるものの、筋トレによってストレスが軽減される可能性があります

筋トレを行うとドーパミンやセロトニン、エンドルフィンといった神経伝達物質が脳内で分泌されます

ドーパミンは、意欲や快楽、幸福のもととなる神経伝達物質です。

目標に向かって行動したり新しいことにチャレンジしたりすると分泌されるといわれています。

またセロトニンは精神の安定や安心感をもたらし、不足すると慢性的なストレスや疲労、うつ症状などを引き起こします。

エンドルフィンには「体内で分泌されるモルヒネ」の意味があり、気分が高揚したり幸福感が得られたりといった作用があります。

こうした物質が分泌されることにより、筋トレ後は気分が高揚したり、つらい気持ちが和らいだりするかもしれないのですね。

効果5 血糖値の改善

筋トレは血糖値の改善や2型糖尿病の予防・改善にも効果があることが分かっています。

2型糖尿病とは
遺伝的要因に過食や運動不足などの生活習慣が重なって発症する、最も多いタイプの糖尿病の一種です。インスリンというホルモンの分泌が不十分になり、インスリンの血糖値を下げる作用が低下します。

食後血糖値が上昇すると、膵臓(すいぞう)からインスリンが分泌されます。

インスリンは血糖をエネルギーとして細胞に使わせることで血糖値を下げるはたらきを持つ唯一のホルモンです。

また筋肉はヒトの体において最も多くのブドウ糖を取り込み、エネルギーの貯蔵庫としてのはたらきを果たしています

しかし運動不足や加齢などによって筋肉量が低下すると、その分筋肉で消費されるブドウ糖の量が減り、血糖値が上がりやすくなってしまいます。

筋トレを行って筋肉を維持しておくことで、血糖値の改善や2型糖尿病の予防・改善につながると考えられるのですね。

2.筋トレを正しく効果的に行うポイント

筋トレを行うのであれば、しっかり効果が出る方法が知りたいですよね。

ここでは筋トレの頻度、回数など、押さえておきたい筋トレのポイントについて説明します。

安全で効果的に筋トレを行うためにも、ぜひ参考にしてください。

ポイント1 筋トレの頻度

「筋トレは毎日やらないと駄目なのかな……」

と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は同じ部位の筋トレを毎日続けて行うことは避けた方が良いといわれています。

特定の筋肉に強い負荷をかける筋トレでは、筋線維が太くなる超回復のための時間が必要となります。

そのため同一の筋肉に対する筋トレは間を空けて行いましょう。

目安として、2~3日に一度、週に2~3回のペースで行うと良いといわれています[3]。

けがをしたり筋肉を傷めたりしないためにも、無理をせずやり過ぎないことが大切です。

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」

ポイント2 筋トレの回数

「筋トレに関心はあるけどすぐに疲れてしまいそう……」

このようにお悩みの方も多いかもしれません。

一般的な筋トレは同一の動きを8~12回繰り返し、これを2~4セット行うのが良いとされています[4]。

まずはご自身の体力レベルに合わせて無理のないところから始めましょう。

ただし筋トレの効果を実感するためには、少しきついと感じる程度の運動が必要です。

一つの動きができるようになったら、少しずつ回数やセット数を増やしていくようにすると良いでしょう。

またせっかく筋トレを始めても、中断すると時間の経過とともに効果は失われてしまいます。

まずは続けることを目標に取り組んでみましょう。

[4] 厚生労働省 「成人を対象にした運動プログラム」

ポイント3 筋トレを行うタイミング

「筋トレはいつやるのが良いんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

結論からお伝えすると、筋トレにベストなのは食後数時間経ったタイミングであるといえるでしょう。

おなかがいっぱいのときに運動はしたくない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、空腹時に筋トレを行うと、エネルギー不足で筋肉が分解されてしまう可能性があります。

せっかく筋トレを行うなら効率的に進めたいものですよね。

食後であればエネルギーが十分に補給されており、筋肉が分解される心配は少ないといえます。

ただし食事を摂った直後は食べたものを消化しようと胃や腸に血流が集中するため、そのタイミングでの運動は消化不良を引き起こしかねません。

消化活動の落ち着いた食後数時間後が筋トレにおすすめのタイミングですよ。

また食後間を空けて筋トレする時間を確保するのが難しいという方は、トレーニング前に軽食やプロテインなどで栄養補給すると良いでしょう。

3.より筋トレの効果を高めるために

筋トレを続けることで引き締まった体を作ることはできますが、有酸素運動や食事を意識して行うことで筋トレ効果をさらに高めることができるかもしれません。

筋トレの効果をさらに高めるために、トレーニング以外にも気を付けるべきポイントがいくつかあります

ここでは、二つのポイントについて詳しく解説します。

3-1.有酸素運動も併せて行う

ランニングする男女

ダイエットや脂肪燃焼の効果を期待して筋トレを行う場合には、有酸素運動も行うことがおすすめです。

主な有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、エアロビクスダンス、水泳などがあります。

基礎代謝を上げる効果のある筋トレに対し、有酸素運動には直接的な脂肪燃焼効果があります

そのためダイエットを目指している方には特に重要な運動だといえるのですね。

また有酸素運動にはコレステロール値や血圧を改善するという効果もあります

健やかな日々のためにも、筋トレと併せて有酸素運動に取り組みましょう。

3-2.たんぱく質を十分に摂る

たんぱく質を意識したサラダ

筋トレを行うときには、意識的にたんぱく質を摂取するようにしましょう。

筋肉はたんぱく質で構成されており、筋トレによって筋肉が一時的に傷つけられると、たんぱく質の必要量は普段よりも大きくなります。

十分にたんぱく質を摂取できていないと、せっかく筋トレをしていても筋肉を育てる材料が足りなくなってしまうのですね。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によれば、たんぱく質摂取推奨量は成人男性では18~64歳で65g、65歳以上で60g、成人女性では50gですが[5]、筋肉をつけたい場合は体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂ると良いといわれています[6]。

例えば体重60kgの方が筋トレを本格的に行っている場合、1日に120gものたんぱく質を摂るべきだということになります。

たんぱく質を多く含むことで知られる鶏のささみでも含有量は100g当たり23.9gのため[7]、120gを摂取するためには毎日約500gを食べなくてはならず現実的ではありません。

また、たんぱく質が豊富な肉や魚、乳製品といった食品には脂質の含有量が多いものもあり、カロリーを摂り過ぎる恐れもあります。

このため、通常の食事に加えてプロテインを適宜活用すると良いでしょう。

加えて、健康的な体をつくるにはたんぱく質だけでなく、体に必要な栄養素をバランス良く摂ることも欠かせません

特定の栄養素や食品ばかりを摂取するのではなく、バランスの良い食事を摂ることを心掛けましょう。

筋トレ中の食事については以下の記事で解説しています。

筋トレの効果を高める食事とは?おすすめのタイミングや必要な栄養素

たんぱく質を多く含む食品については以下の記事で解説しています。

たんぱく質を豊富に含む食べ物は?良質なたんぱく質の摂取源を紹介

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

[6] 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識」

[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

3-3.ジムに通う

より効率良く筋肉を鍛えるためには、ジムに通うのもおすすめです。

ジムには全身の筋肉を鍛えるさまざまなトレーニングマシンが用意されています。

器具を用いずに自宅で行うトレーニングに比べ、マシンを利用してのトレーニングではより大きな負荷をかけられるため、効率良く筋肉を鍛えることができるでしょう。

ランニングマシンやプールなどの有酸素運動を行える設備もある点や、専門的な知識を有するトレーナーのアドバイスを受けられる点も魅力です。

またジムに通うことでモチベーションを維持することもできるでしょう。

トレーニングは継続することが重要です。

4.筋トレの効果についてのまとめ

筋トレには筋力の向上や消費カロリー増大の他、姿勢改善やストレス軽減、血糖値の改善といった効果があります

筋トレは特別な器具を使わないものであれば自宅でもでき、負荷を調整することで性別や年齢を問わずに手軽に始められる運動です。

ただし中断すると効果が失われるため継続することが重要です。

筋肉の回復や成長には時間がかかるため、同じ部位のトレーニングは毎日行うのではなく、週2~3回のペースで無理なく続けましょう。

さらに、有酸素運動を取り入れたり食事に気を付けたりすることでより効果を高められるものと考えられます。

日々の生活に筋トレを取り入れ、心身ともに健康を目指しましょう。

この記事の監修者

iketani Dr. 池谷コメント  筋トレによってメタボ体型から若々しく力強い体型へと変化する過程で、体調のみならず、心にも大きな変化が生まれてくるはずです。
 事実、かつてメタボ体型だった私も、筋トレによって健康を取り戻し、気持ちも明るく前向きになった経験があります。
 効率的な筋トレの実践で、無理せず理想の体型と心身の健康を手に入れましょう!