ビタミンKを含む食べ物は? 1日の摂取目安量や平均摂取量も紹介
「ビタミンKはどんな食べ物に含まれているんだろう?」
ビタミンKが健康を支える重要な栄養素だと知っていても、どんな食べ物に含まれているか知らない方もいらっしゃるでしょう。
ビタミンKは野菜や大豆製品、海藻、肉や魚介類など、さまざまな食品に含まれています。
この記事ではビタミンKを含む食品とそれぞれの含有量を種類ごとに詳しくご紹介します。
またビタミンKのはたらきや過不足による影響、摂取の1日当たりの目安量や摂取時の注意点なども解説します。
ビタミンKを摂取する際の参考にしてくださいね。
1.ビタミンKを含む食べ物
「ビタミンKってなんだろう?」
ビタミンKを含む食べ物を知る前に、まずはビタミンKがどのような栄養素であるかを理解しておきましょう。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンKには、天然に存在するものと人工的に合成されるものがあります。
天然のビタミンKはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)に分けられます。
ビタミンK1は緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれます。
ビタミンK2はさらに11種類に分かれており、代表的なものに動物性食品に広く分布するメナキノン-4と、納豆菌によってつくられるメナキノン-7があります[2]。
なお、ビタミンK2はヒトの体内でも腸内細菌によって合成されます。
通常はこれらのうちフィロキノン、メナキノン-4、およびメナキノン-7がビタミンKと呼ばれます。
また人工的に合成されるビタミンKには、ビタミンK3(メナジオン)とビタミンK4(メナジオール)があります。
ビタミンK3はヒトに対して毒性があるため使用が禁止されていますが、鳥類や哺乳類の体内ではメナキノン-4に変換されるため、ペットフードや飼料の添加物として用いられています。
ビタミンKは骨の健康を助けたり、血液凝固を促したりする効果があります。
ビタミンKのはたらきについては二章で詳しく解説します。
ビタミンKについてさらに知りたい方、脂溶性ビタミンについて知りたい方はそれぞれ以下の記事をご覧ください。
ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介
脂溶性ビタミンとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源の食品を紹介
ここからはビタミンKが多く含まれる食べ物を種類別にご紹介します。
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン」
[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
1-1.野菜類
ビタミンKはさまざまな野菜に豊富に含まれています。
ビタミンKの摂取源となるのは以下のような野菜類です。
| 食品名 | 加工状態など | 含有量 |
|---|---|---|
| モロヘイヤ | ||
| トウミョウ | ||
| ほうれん草 | ||
| しゅんぎく | ||
| サンチュ | ||
| 小松菜 | ||
| ルッコラ | ||
| ブロッコリー | ||
| かいわれだいこん | ||
| リーフレタス | ||
| サニーレタス | ||
| 水菜 | ||
| チンゲンサイ | ||
| キャベツ | ||
| だいずもやし | ||
| オクラ | ||
| さやいんげん | ||
| レタス(水耕栽培) | ||
| ししとう | ||
| さやえんどう | ||
| アスパラガス | ||
| 西洋かぼちゃ | ||
| ズッキーニ | ||
| きゅうり | ||
| スナップえんどう | ||
| えだまめ | ||
| レタス(土耕栽培) | ||
| グリンピース |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
ビタミンKは多くの野菜に含まれているので、いろいろな献立を楽しみながら摂取できそうですね。
1-2.豆類・大豆製品
ビタミンKは以下のような豆類・大豆製品からも摂取できます。
| 食品名 | 加工状態など | 含有量 |
|---|---|---|
| ひき割り納豆 | ||
| 納豆 | ||
| 油揚げ | ||
| がんもどき | ||
| 大豆(黄大豆) | ||
| 大豆(黒大豆) | ||
| きな粉(黄大豆全粒) | ||
| 厚揚げ |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
手軽に取り入れられるものも多いので、これらからビタミンKを摂取しましょう。
1-3.海藻類
ビタミンKは以下のような海藻類にも含まれています。
| 食品名 | 加工状態など | 含有量 |
|---|---|---|
| カットわかめ | ||
| 味付けのり | ||
| 干しひじき | ||
| 焼きのり | ||
| こんぶつくだ煮 | ||
| わかめ(原藻) | ||
| 乾燥わかめ | ||
| 塩昆布 | ||
| めかぶわかめ | ||
| 干しひじき | ||
| うみぶどう | ||
| くきわかめ |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
海藻類は他の食品群よりもビタミンKを比較的多く含みますが、乾物は実際には多く食べられないため注意が必要です。
1-4.肉類・魚介類
ビタミンKの摂取源となる肉類・魚介類には、次のようなものがあります。
| 食品名 | 加工状態など | 含有量 |
|---|---|---|
| 鶏皮(もも) | ||
| 鶏皮(むね) | ||
| 鶏ハツ | ||
| 手羽先(皮付き) | ||
| ツナ油漬け缶詰 (きはだまぐろ) | ||
| 手羽(皮付き) | ||
| 手羽元(皮付き) | ||
| 鶏もも(皮付き) | ||
| すなぎも | ||
| 生うに | ||
| 鶏ひき肉 | ||
| 鶏むね(皮付き) |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
ビタミンKを摂りたい場合は鶏肉を選ぶようにすると良いでしょう。
2.ビタミンKのはたらきと過不足による影響
「ビタミンKにはどんなはたらきがあるんだろう?」
「ビタミンKが足りなかったり、多過ぎたりすると体に悪いのかな?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
ビタミンKは、血液の凝固や骨の形成などに関わる栄養素です。
また通常の食生活を送っている分には、過不足はほとんど起こりません。
この章では、ビタミンKのはたらきと、ビタミンKの不足や過剰摂取がもたらす体への影響について解説します。
2-1.ビタミンKのはたらき
ビタミンKには血液凝固因子を活性化し血液の凝固を促進するはたらきがあります。
出血すると血管が収縮して傷口を小さくし、血液中の血小板が集まって傷口をふさぐ一次止血(血小板血栓)が起こります。
しかしこれだけではもろく不安定なため、次に血液凝固因子によって形成された「フィブリン」が血小板のふさいだ傷口を覆って固める二次止血(フィブリン血栓)が起こります。
ビタミンKはこの二次止血が正常に起こるために欠かせない栄養素です。
またビタミンKは骨の健康を維持するために欠かせない栄養素です。
骨は、骨芽細胞が骨をつくるはたらき(骨形成)と、破骨細胞が骨を壊すはたらき(骨吸収)を繰り返しながら、常に新しくつくり直されています。
ビタミンKは骨形成を促進するとともに、骨吸収を抑制することで健康な骨を維持してくれるのです。
こうしたはたらきから、ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬として使用されています。
さらに、ビタミンKには動脈の石灰化を抑制するはたらきもあります。
動脈の石灰化は動脈硬化を起こした血管にカルシウムが沈着して硬くなることで、心筋梗塞などのリスクが高まります。
このように、ビタミンKには健康維持に関わるさまざまなはたらきがあるのですね。
2-2.ビタミンKの不足と過剰摂取による影響
通常の食生活を送っている限り、ビタミンKが不足することはほとんどありません。
ただし以下の場合にはビタミンKの不足により、不調が生じる恐れがあります。
【ビタミンKの不足が起こる場合】
- 長期間抗生物質を投与されることで腸内細菌によるビタミンKの供給が減っている
- 慢性の胆道閉塞症を患っている
- 脂質の吸収がうまくできない
- 肝臓病がある
ビタミンKが不足すると血液が凝固しにくくなります。
また鼻血や胃腸からの出血、月経過多、血尿などの症状が現れることもあります。
ビタミンKが慢性的に不足した場合は骨が弱くなり、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。
なお、新生児は腸内細菌が未発達であることや母乳にビタミンKがあまり含まれていないことなどから、ビタミンK不足による出血が起こる場合があります。
これを予防するため、出生直後の新生児にはビタミンKが投与されます。
ビタミンK1およびビタミンK2は、過剰に摂取しても毒性がないことが確認されています。
しかし、人工的に作られるビタミンK3は人に対して毒性があるため、現在は使用が中止されています。
3.ビタミンKの目安量と平均摂取量
「ビタミンKはどのくらい摂れば良いのかな?」
通常の食事から十分に摂取できるビタミンKですが、適切な数値を知りたいという方もいらっしゃることでしょう。
この章では、ビタミンKの目安量と平均的な摂取状況をご紹介します。
3-1.ビタミンKの目安量
ビタミンKには、すべての年齢層に対して摂取目安量が設定されています。
ビタミンKの目安量は以下のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 0〜5カ月 | ||
| 6〜11カ月 | ||
| 1〜2歳 | ||
| 3〜5歳 | ||
| 6〜7歳 | ||
| 8〜9歳 | ||
| 10〜11歳 | ||
| 12〜14歳 | ||
| 15〜17歳 | ||
| 18~29歳 | ||
| 30~49歳 | ||
| 50~64歳 | ||
| 65~74歳 | ||
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
続いて、ビタミンKの摂取量について見ていきましょう。
目安量と比較することで、どのくらい摂取できているかを大まかに把握することができるでしょう。
3-2.ビタミンKの平均摂取量
ビタミンKの平均摂取量は厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」から確認することができます。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 1~6歳 | ||
| 7~14歳 | ||
| 15~19歳 | ||
| 20~29歳 | ||
| 30~39歳 | ||
| 40~49歳 | ||
| 50~59歳 | ||
| 60~69歳 | ||
| 70~79歳 | ||
| 80歳以上 |
厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成
この結果から、ほとんどの年齢層でビタミンKの平均摂取量が目安量を大幅に上回っていること分かりますね。
4.ビタミンKの摂取に関する注意点
ビタミンKを用いた薬剤は「ワルファリン」とは併用できません。
ワルファリンは血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐ薬で、心筋梗塞や脳塞栓症、肺塞栓症といった病気の治療や予防に用いられます。
血液を凝固させるビタミンKを含む薬剤を服用することで、ワルファリンの効果が抑制されてしまうのです。
また納豆、クロレラ、青汁といったビタミンKを豊富に含む食品もワルファリンの効果を弱めるため、摂取を制限する必要があります。
ワルファリン服用者は、制限すべき食品について必ず医師の指示を守りましょう。
5.ビタミンKを含む食べ物についてのまとめ
ビタミンKは野菜や大豆製品、海藻類、肉類などに豊富に含まれています。
特に多く含む食品としては、モロヘイヤやほうれん草、納豆、カットわかめ、鶏肉などが挙げられます。
ビタミンKには血液を固めるための凝固因子を活性化し、出血を止めやすくするはたらきがあります。
また骨を健康に保つはたらきがあるため、骨粗しょう症の治療薬としても用いられます。
加えて動脈の石灰化を防ぎ、心筋梗塞などの重大な疾患のリスクを抑制します。
ビタミンKは通常の食生活では不足しませんが、不足すると血液凝固が遅れたり骨粗しょう症のリスクが高まったりします。
一方、過剰摂取しても害が生じないことが確認されています。
日本人のビタミンK平均摂取量は目安量を上回っており、ほとんどの人は日常的な食事から十分な量を摂取できています。
ビタミンKを用いた薬剤は血液凝固を抑制する薬であるワルファリンとは併用はできません。
またワルファリンの服用中は納豆などのビタミンKを多く含む食品の摂取も制限されるため、医師の指示を仰いでください。
ビタミンKは通常の食生活で不足することはほとんどありませんが、適量を摂取することを心掛けてくださいね。