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ビタミンKを含む食べ物は? 1日の摂取目安量や平均摂取量も紹介

「ビタミンKはどんな食べ物に含まれているんだろう?」

ビタミンKが健康を支える重要な栄養素だと知っていても、どんな食べ物に含まれているか知らない方もいらっしゃるでしょう。

ビタミンKは野菜や大豆製品、海藻、肉や魚介類など、さまざまな食品に含まれています。

この記事ではビタミンKを含む食品とそれぞれの含有量を種類ごとに詳しくご紹介します。

またビタミンKのはたらきや過不足による影響、摂取の1日当たりの目安量や摂取時の注意点なども解説します。

ビタミンKを摂取する際の参考にしてくださいね。

1.ビタミンKを含む食べ物

パック納豆の納豆を箸で持ち上げているところ

「ビタミンKってなんだろう?」

ビタミンKを含む食べ物を知る前に、まずはビタミンKがどのような栄養素であるかを理解しておきましょう。

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種です。

ビタミンとは
人体の機能を正常に保つために食事から摂取する必要がある有機化合物の総称で、全部で13種類存在します[1]。水に溶けにくい脂溶性ビタミンと水に溶けやすい水溶性ビタミンに分けられます。

ビタミンKには、天然に存在するものと人工的に合成されるものがあります。

天然のビタミンKはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)に分けられます。

ビタミンK1は緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれます。

ビタミンK2はさらに11種類に分かれており、代表的なものに動物性食品に広く分布するメナキノン-4と、納豆菌によってつくられるメナキノン-7があります[2]。

なお、ビタミンK2はヒトの体内でも腸内細菌によって合成されます。

通常はこれらのうちフィロキノン、メナキノン-4、およびメナキノン-7がビタミンKと呼ばれます。

また人工的に合成されるビタミンKには、ビタミンK3(メナジオン)とビタミンK4(メナジオール)があります。

ビタミンK3はヒトに対して毒性があるため使用が禁止されていますが、鳥類や哺乳類の体内ではメナキノン-4に変換されるため、ペットフードや飼料の添加物として用いられています。

ビタミンKは骨の健康を助けたり、血液凝固を促したりする効果があります。

ビタミンKのはたらきについては二章で詳しく解説します。

ビタミンKについてさらに知りたい方、脂溶性ビタミンについて知りたい方はそれぞれ以下の記事をご覧ください。

ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介

脂溶性ビタミンとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源の食品を紹介

ここからはビタミンKが多く含まれる食べ物を種類別にご紹介します。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「ビタミン」

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

1-1.野菜類

ビタミンKはさまざまな野菜に豊富に含まれています。

ビタミンKの摂取源となるのは以下のような野菜類です。

【ビタミンKの摂取源となる野菜類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
モロヘイヤ
生
640μg
トウミョウ
生
280μg
ほうれん草
生
270μg
しゅんぎく
生
250μg
サンチュ
生
220μg
小松菜
生
210μg
ルッコラ
生
210μg
ブロッコリー
生
210μg
かいわれだいこん
生
200μg
リーフレタス
生
160μg
サニーレタス
生
160μg
水菜
生
120μg
チンゲンサイ
生
84μg
キャベツ
生
79μg
だいずもやし
生
71μg
オクラ
生
66μg
さやいんげん
生
60μg
レタス(水耕栽培)
生
58μg
ししとう
生
51μg
さやえんどう
生
47μg
アスパラガス
生
43μg
西洋かぼちゃ
生
37μg
ズッキーニ
生
35μg
きゅうり
生
34μg
スナップえんどう
生
33μg
えだまめ
生
30μg
レタス(土耕栽培)
生
29μg
グリンピース
冷凍
27μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンKは多くの野菜に含まれているので、いろいろな献立を楽しみながら摂取できそうですね。

1-2.豆類・大豆製品

ビタミンKは以下のような豆類・大豆製品からも摂取できます。

【ビタミンKの摂取源となる豆類・大豆製品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
ひき割り納豆
-
930μg
納豆
-
870μg
油揚げ
生
67μg
がんもどき
-
43μg
大豆(黄大豆)
いり
38μg
大豆(黒大豆)
いり
32μg
きな粉(黄大豆全粒)
-
27μg
厚揚げ
-
26μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

手軽に取り入れられるものも多いので、これらからビタミンKを摂取しましょう。

1-3.海藻類

ビタミンKは以下のような海藻類にも含まれています。

【ビタミンKの摂取源となる海藻類と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
カットわかめ
乾燥
1600μg
味付けのり
-
650μg
干しひじき
乾燥
580μg
焼きのり
-
390μg
こんぶつくだ煮
-
310μg
わかめ(原藻)
生
140μg
乾燥わかめ
水戻し
110μg
塩昆布
-
74μg
めかぶわかめ
生
40μg
干しひじき
ゆで
40μg
うみぶどう
生
35μg
くきわかめ
-
33μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

海藻類は他の食品群よりもビタミンKを比較的多く含みますが、乾物は実際には多く食べられないため注意が必要です。

1-4.肉類・魚介類

ビタミンKの摂取源となる肉類・魚介類には、次のようなものがあります。

【ビタミンKの摂取源となる肉類・魚介類可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
鶏皮(もも)
生
120μg
鶏皮(むね)
生
110μg
鶏ハツ
生
51μg
手羽先(皮付き)
生
45μg
ツナ油漬け缶詰 (きはだまぐろ)
-
44μg
手羽(皮付き)
生
42μg
手羽元(皮付き)
生
39μg
鶏もも(皮付き)
生
29μg
すなぎも
生
28μg
生うに
生
27μg
鶏ひき肉
生
26μg
鶏むね(皮付き)
生
23μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンKを摂りたい場合は鶏肉を選ぶようにすると良いでしょう。

2.ビタミンKのはたらきと過不足による影響

腰に手をあてている人

「ビタミンKにはどんなはたらきがあるんだろう?」

「ビタミンKが足りなかったり、多過ぎたりすると体に悪いのかな?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

ビタミンKは、血液の凝固や骨の形成などに関わる栄養素です。

ビタミンKのはたらき

また通常の食生活を送っている分には、過不足はほとんど起こりません。

この章では、ビタミンKのはたらきと、ビタミンKの不足や過剰摂取がもたらす体への影響について解説します。

2-1.ビタミンKのはたらき

ビタミンKには血液凝固因子を活性化し血液の凝固を促進するはたらきがあります。

血液凝固因子とは
けがなどで出血が起こった際に血を止めるためにはたらくたんぱく質です。

出血すると血管が収縮して傷口を小さくし、血液中の血小板が集まって傷口をふさぐ一次止血(血小板血栓)が起こります。

しかしこれだけではもろく不安定なため、次に血液凝固因子によって形成された「フィブリン」が血小板のふさいだ傷口を覆って固める二次止血(フィブリン血栓)が起こります。

ビタミンKはこの二次止血が正常に起こるために欠かせない栄養素です。

またビタミンKは骨の健康を維持するために欠かせない栄養素です。

骨は、骨芽細胞が骨をつくるはたらき(骨形成)と、破骨細胞が骨を壊すはたらき(骨吸収)を繰り返しながら、常に新しくつくり直されています。

ビタミンKは骨形成を促進するとともに、骨吸収を抑制することで健康な骨を維持してくれるのです。

こうしたはたらきから、ビタミンKは骨粗しょう症の治療薬として使用されています。

骨粗しょう症とは
何らかの原因で骨破壊が骨形成を上回り、骨がもろくなり骨折しやすくなった状態のことです。

さらに、ビタミンKには動脈の石灰化を抑制するはたらきもあります。

動脈とは
心臓から血液を送り出す血管のことです。

動脈の石灰化は動脈硬化を起こした血管にカルシウムが沈着して硬くなることで、心筋梗塞などのリスクが高まります。

このように、ビタミンKには健康維持に関わるさまざまなはたらきがあるのですね。

2-2.ビタミンKの不足と過剰摂取による影響

通常の食生活を送っている限り、ビタミンKが不足することはほとんどありません。

ただし以下の場合にはビタミンKの不足により、不調が生じる恐れがあります。

【ビタミンKの不足が起こる場合】

  • 長期間抗生物質を投与されることで腸内細菌によるビタミンKの供給が減っている
  • 慢性の胆道閉塞症を患っている
  • 脂質の吸収がうまくできない
  • 肝臓病がある

ビタミンKが不足すると血液が凝固しにくくなります。

また鼻血や胃腸からの出血、月経過多、血尿などの症状が現れることもあります。

ビタミンKが慢性的に不足した場合は骨が弱くなり、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。

なお、新生児は腸内細菌が未発達であることや母乳にビタミンKがあまり含まれていないことなどから、ビタミンK不足による出血が起こる場合があります。

これを予防するため、出生直後の新生児にはビタミンKが投与されます。

ビタミンK1およびビタミンK2は、過剰に摂取しても毒性がないことが確認されています。

しかし、人工的に作られるビタミンK3は人に対して毒性があるため、現在は使用が中止されています。

3.ビタミンKの目安量と平均摂取量

秤

「ビタミンKはどのくらい摂れば良いのかな?」

通常の食事から十分に摂取できるビタミンKですが、適切な数値を知りたいという方もいらっしゃることでしょう。

この章では、ビタミンKの目安量と平均的な摂取状況をご紹介します。

3-1.ビタミンKの目安量

ビタミンKには、すべての年齢層に対して摂取目安量が設定されています。

目安量とは
一定の栄養状態を維持するために十分だと考えられる量のことです。この量以上を摂取していれば、ビタミンK不足が体調に異常を来す恐れはほとんどありません。

ビタミンKの目安量は以下のとおりです。

【ビタミンKの目安量(μg/日)】
年齢 男性 女性
0〜5カ月
4
4
6〜11カ月
7
7
1〜2歳
50
60
3〜5歳
60
70
6〜7歳
80
90
8〜9歳
90
110
10〜11歳
110
140
12〜14歳
140
170
15〜17歳
160
150
18~29歳
150
150
30~49歳
150
150
50~64歳
150
150
65~74歳
150
150
75歳以上
150
150

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

続いて、ビタミンKの摂取量について見ていきましょう。

目安量と比較することで、どのくらい摂取できているかを大まかに把握することができるでしょう。

3-2.ビタミンKの平均摂取量

ビタミンKの平均摂取量は厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」から確認することができます。

【ビタミンKの平均摂取量(μg/日)】
年齢 男性 女性
1~6歳
132
128
7~14歳
196
204
15~19歳
237
215
20~29歳
198
207
30~39歳
228
220
40~49歳
234
219
50~59歳
245
239
60~69歳
274
270
70~79歳
302
268
80歳以上
255
227

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

この結果から、ほとんどの年齢層でビタミンKの平均摂取量が目安量を大幅に上回っていること分かりますね。

4.ビタミンKの摂取に関する注意点

説明をする男性医師

ビタミンKを用いた薬剤は「ワルファリン」とは併用できません。

ワルファリンは血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐ薬で、心筋梗塞や脳塞栓症、肺塞栓症といった病気の治療や予防に用いられます。

血液を凝固させるビタミンKを含む薬剤を服用することで、ワルファリンの効果が抑制されてしまうのです。

また納豆、クロレラ、青汁といったビタミンKを豊富に含む食品もワルファリンの効果を弱めるため、摂取を制限する必要があります。

ワルファリン服用者は、制限すべき食品について必ず医師の指示を守りましょう。

5.ビタミンKを含む食べ物についてのまとめ

ビタミンKは野菜や大豆製品、海藻類、肉類などに豊富に含まれています。

特に多く含む食品としては、モロヘイヤやほうれん草、納豆、カットわかめ、鶏肉などが挙げられます。

ビタミンKには血液を固めるための凝固因子を活性化し、出血を止めやすくするはたらきがあります。

また骨を健康に保つはたらきがあるため、骨粗しょう症の治療薬としても用いられます。

加えて動脈の石灰化を防ぎ、心筋梗塞などの重大な疾患のリスクを抑制します。

ビタミンKは通常の食生活では不足しませんが、不足すると血液凝固が遅れたり骨粗しょう症のリスクが高まったりします。

一方、過剰摂取しても害が生じないことが確認されています。

日本人のビタミンK平均摂取量は目安量を上回っており、ほとんどの人は日常的な食事から十分な量を摂取できています。

ビタミンKを用いた薬剤は血液凝固を抑制する薬であるワルファリンとは併用はできません。

またワルファリンの服用中は納豆などのビタミンKを多く含む食品の摂取も制限されるため、医師の指示を仰いでください。

ビタミンKは通常の食生活で不足することはほとんどありませんが、適量を摂取することを心掛けてくださいね。