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減塩食を続けるポイントとは?健康への効果や食塩の摂取目標量も紹介

2023年8月7日

ボディコンディション

「減塩食を勧められているけど、どんな効果があるんだろう?」

塩分の摂取量を減らすことでどんな効果が期待できるのか分からないという方もいらっしゃることでしょう。

塩分を過剰に摂取すると「高血圧」や「動脈硬化」などにつながり、心臓や脳の病気を引き起こすリスクがあります。

そのため、塩分の摂取量を減らすことでさまざまな病気を予防する効果が期待できるのです。

しかし、塩分をどのくらい減らせば良いのか、減塩食を継続させるためのコツなども気になるところですよね。

そこでこの記事では、減塩食を実施すべき理由や塩分の摂取目標量、減塩食を続ける上でのポイントを詳しく解説します

健康的な食生活を心掛け、高血圧をはじめとするさまざまな病気を予防しましょう。

1.減塩食を実施すべき理由

血圧計

「減塩食を続けるとどんな効果があるの?」

というのが最も気になるところですよね。

減塩食を実践すると、「高血圧」をはじめとするさまざまな病気の予防につながります

高血圧とは
繰り返し測定する血圧が正常値よりも高い状態です。病院で測定した場合、「上の血圧」と呼ばれる「収縮期血圧」が140mmHg以上、または「下の血圧」と呼ばれる「拡張期血圧」が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます[1]。

これには血圧と塩分の密接な関係が影響しています。

メモ
塩分とは、食品中に含まれる「食塩相当量」のことで、食塩は「塩化ナトリウム(NaCl)」を主成分とする調味料のことを指します。ナトリウムはミネラルの一種で、食塩や食塩を含む調味料から摂取されます。健康に影響を及ぼすのは塩分や食塩ではなく、ナトリウムの量が関係しています。

ナトリウムを過剰に摂取することで、血液中のナトリウムの濃度が上昇します。

すると体内では増え過ぎたナトリウムの濃度と水分量を調整するため、喉の渇きを感じて水分を多く摂るなどし、血液量が増加します。

血液量が増えると、血管にかかる圧である血圧が上昇してしまうのです。

さらに、高血圧が続くと常に血管が張り詰められたような状態が続きます。

すると血管は次第に硬く厚くなり、血流が悪くなったり途絶えたりする「動脈硬化」を招く恐れがあります。

動脈硬化は心臓への血流が途絶え、心筋が壊死(えし)する「心筋梗塞」や脳への血流が途絶える「脳梗塞」などの「循環器疾患」を発症するリスクを高めます

他にも、ナトリウムの過剰摂取は「慢性腎臓病(CKD)」や「胃がん」の発症リスクを高めることも分かっています。

慢性腎臓病(CKD)とは
腎臓の障害や腎機能の低下が3カ月以上続く状態を指します[2]。

すなわち、高血圧や動脈硬化、循環器疾患の他、慢性腎臓病(CKD)、胃がんなどの発症リスクを下げるために減塩食が推奨されているのですね。

[1] 国立研究開発法人国立循環器病研究センター「高血圧」

[2] 一般社団法人日本腎臓学会「4.急性腎障害と慢性腎臓病」

2.ナトリウムの摂取目標量

塩

「じゃあ、ナトリウムってどのくらいまでなら摂って良いの?」

というのも気になるところですよね。

高血圧を予防する観点から、世界保健機構(WHO)では成人の1日当たりのナトリウム摂取量(食塩相当量)を5g未満とするよう強く推奨しています[3]。

しかし、日本では1日のナトリウム摂取量(食塩相当量)を5g未満としている人はごくまれであるということが分かっています[3]。

そこで、厚生労働省では実現可能性を考慮して、高血圧の予防や治療のために1日当たりのナトリウム摂取量(食塩相当量)を6g未満とするよう勧めています[3]。

高血圧をはじめとするさまざまな病気を予防するため、ナトリウムの摂取量を見直してみましょう。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

3.減塩食を続ける上でのポイント

「減塩食が健康に良いのは分かったけど、飽きずに続けられるかな……。」

ナトリウムの摂取量を減らすとなると、味気なさなどから続けられるか心配という方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこでここでは減塩食を続ける上でのポイントを八つ紹介しましょう。

減塩食を続ける上でのポイント

ポイント1 調味料は計量して使う

減塩食を続ける上では、調味料を計量して使うことがポイントです。

しょうゆやソースなどの調味料はナトリウムの含有量が多く、目分量で使用したり食べ物にかけたりしてしまうと過剰摂取につながる恐れがあります。

そのため、調味料は計量して使うようにしたり、かけるのではなくつけるようにしたりすることをお勧めします

計量せずに調味料を使用していた場合には、このような取り組みによってナトリウムの摂取量を減らす効果が期待できるでしょう。

ポイント2 減塩調味料を活用する

減塩調味料を活用することも減塩に有効です

最近では減塩タイプの調味料が多く販売されています。

減塩だからといって摂り過ぎてしまっては逆効果ですが、使い過ぎに気を付ければナトリウムの摂取量を減らすことにつながります

無理のない範囲で減塩調味料を取り入れてみましょう。

ポイント3 香辛料や香味野菜を活用する

減塩食を続ける上では、香辛料や香味野菜を活用することも有効です。

香辛料や香味野菜を料理に用いることで、ナトリウムの摂取量を減らせる他、薄味でも物足りなさを感じず食べやすくなります

ナトリウムの含有量が少ない香辛料にはこしょうや七味、カレー粉、とうがらし、香味野菜にはねぎやにんにく、青じそ、しょうが、パセリ、セロリなどがあります。

減塩食の味気なさを解消したいとお考えの場合には、このような食品を料理に取り入れてみると良いでしょう。

ポイント4 酸味のある食品や調味料を活用する

酸味のある食品や調味料を活用することもポイントです。

料理に酸味を活かすことで、塩分控えめでもおいしく食べることができます。

レモンやすだち、ゆずなどの柑橘(かんきつ)類やお酢にはナトリウムが含まれていない上、酸味や風味が料理のアクセントになりますよ

ポイント5 旬の食材を取り入れる

旬の食材を取り入れることもお勧めです。

そもそも「旬」とは自然のなかで育てた果物や野菜、魚が取れる季節のことです。

食材は旬の時期が一番おいしく、栄養も豊富であるといわれています。

代表的な旬の食材には、春にはいちごやあさり、たけのこ、菜の花、夏にはきゅうりやトマト、すいか、あじ、秋にはさつまいもやくり、さんま、柿、冬にはだいこんや白菜、みかん、ぶりなどが挙げられます。

旬の食材や新鮮な食材を用いることで、素材本来の味を楽しむことができ薄味でも物足りなさを軽減することができますよ。

ポイント6 漬物や汁物の摂取量を減らす

漬物や汁物の摂取量を減らすことも減塩につながります

特に漬物をたくさん食べる習慣のある方やみそ汁などの汁物を1日2杯以上飲むという方は、1回の摂取量を減らしましょう[4]。

しかし、漬物や汁物を毎日摂っていた場合には、摂取量を減らすことが難しく感じることもあるかもしれませんね。

そのような場合には、漬物を自家製の浅漬けにして少量にしたり、みそ汁は具だくさんにして量を減らしたりすることで減塩食を継続しやすくなるかもしれませんよ。

[4] 厚生労働省e-ヘルスネット「高血圧」

ポイント7 外食や加工食品の摂取を控える

外食や加工食品の摂取を控えることも重要です。

加工食品には冷凍食品やレトルト食品、菓子類、瓶詰食品、缶詰食品など、多数挙げられます。

外食のメニューや加工食品には、どのくらいナトリウムが含まれているのか分かりにくく、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあります。

外食したり加工食品を利用したりすることは手軽で費用を抑えられるなどのメリットもありますが、健康への影響を踏まえ食生活に上手に取り入れることが重要です。

ポイント8 カリウムや食物繊維を摂取する

カリウムや食物繊維を摂取することも有効です。

カリウムはナトリウムを排出する作用があるミネラルの一種です。

一方、食物繊維は消化吸収されずに大腸まで届く物質で、脂質や糖質の他、カリウムと同様にナトリウムを体外へと排出する作用があります。

カリウムや食物繊維を摂取することで減塩につながるわけではありませんが、ナトリウムの過剰摂取による高血圧を予防する効果が期待できます

カリウムは主に果実類や野菜類、芋類、海藻類、豆類、肉類、魚介類に多く、食物繊維も果実類や野菜類、豆類、海藻類のほか、きのこ類や穀類に多く含まれています。

減塩食に加え、カリウムや食物繊維を含む食品を積極的に取り入れましょう。

カリウムや食物繊維を多く含む食品、摂取目標量などについてはそれぞれ以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてくださいね。

カリウムを豊富に含む食べ物は?効果と摂取基準も解説

食物繊維は1日にどのくらい摂ればいい?期待できる効果や食材を紹介

4.減塩食についてのまとめ

ナトリウムを過剰に摂取すると高血圧や動脈硬化を招きます

また、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞など、重篤な病気を引き起こす原因になるのです。

高血圧や動脈硬化を予防するためにはナトリウムの摂取量を減らす減塩食を続けることが重要です。

減塩食を続ける上では、調味料を減塩のものにするほか、香辛料を活用することなどがポイントです。

料理に酸味を効かせたり旬の食材を取り入れたりすることでも減塩食の味気なさを解消することにつながります

無理のない範囲で減塩食を続け、高血圧や動脈硬化を予防しましょう。

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