鶏肉の部位別たんぱく質含有量は?摂取する際の注意点についても解説

鶏肉の部位別たんぱく質含有量は?摂取する際の注意点についても解説

2022年12月08日

2024年04月18日

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「鶏肉に含まれるたんぱく質の量ってどのくらいなのかな?」

「いろいろな部位があるけど、どの部位にたんぱく質が多いんだろう……」

たんぱく質を多く摂れる食材といえば鶏肉が思い浮かぶという方も多くいらっしゃるでしょう。

なかでもむね肉やささみは良質なたんぱく質が摂れる上に脂肪が少なく低カロリーであることから、筋トレやダイエット中の方に注目されている部位です。

また、鶏肉にはたんぱく質のほかにも健康維持に必要なビタミンなどが含まれています。

しかし、鶏肉ばかりを食べ過ぎたり十分に加熱しないで食べたりすると健康を害するリスクもあります

この記事では、鶏肉のたんぱく質含有量を部位別にご紹介するほか、鶏肉に含まれるたんぱく質以外の栄養素や摂取する際の注意点などについて解説します。

鶏肉を食べて健康や筋肉づくりに役立てようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.鶏肉の部位別たんぱく質量とカロリー

「むね肉とささみ、どっちがたんぱく質が多いのかな?」

鶏肉にたんぱく質が多く含まれているということは皆さんご存じでしょう。

しかし一口に鶏肉といっても部位によって含まれている栄養素は異なり、たんぱく質含有量にも大きな差があります

またカロリーが気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで鶏肉のたんぱく質含有量とカロリーをよく食べられている部位ごとに見てみましょう。

【鶏肉の部位別の100g当たりのたんぱく質含有量とカロリー】

部位 加工状態など たんぱく質 カロリー
ささみ 23.9g 98kcal
むね肉(皮なし) 23.3g 105kcal
むね肉(皮付き) 21.3g 133kcal
もも肉(皮なし) 19.0g 113kcal
レバー 18.9g 100kcal
砂肝 18.3g 86kcal
手羽元(皮付き) 18.2g 175kcal
手羽(皮付き) 17.8g 189kcal
手羽先(皮付き) 17.4g 207kcal
もも肉(皮付き) 16.6g 190kcal
ハツ 14.5g 186kcal
皮(むね) 9.4g 466kcal
皮(もも) 6.6g 474kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

100g当たりで比較すると、ささみやむね肉にたんぱく質がより多く含まれているのが分かります。

鶏肉からたんぱく質を摂取したいと考えている方は、ささみやむね肉を利用すると良いでしょう。

2.鶏肉に含まれるたんぱく質の特徴

鶏肉に含まれるたんぱく質は必須アミノ酸をバランス良く摂取できる「良質なたんぱく質」であるといえます。

たんぱく質はアミノ酸という20種類の物質で構成されています[1]。

アミノ酸のうち9種類は食べ物などから摂取する必要のある「必須アミノ酸」、残りの11種類は体内で合成することのできる「非必須アミノ酸」です[1]。

食品中のたんぱく質に必須アミノ酸がヒトの体にとって望ましい量に対しどれくらいの割合で含まれているかを表す指標として「アミノ酸スコア」というものがあり、100を上限として数値が高いほど良質なたんぱく質であるといわれます[2]。

鶏肉の部位別アミノ酸スコアは以下のとおりで、分かる範囲では全て100です。

【鶏肉の部位別アミノ酸スコア】

部位 加工状態など アミノ酸スコア
ささみ 100
むね肉(皮なし) 100
むね肉(皮付き) 100
もも肉(皮なし) 100
レバー 100
砂肝 100
手羽元(皮付き) 100
手羽(皮付き) 不明
手羽先(皮付き) 100
もも肉(皮付き) 100
ハツ 100
皮(むね) 100
皮(もも) 100

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation 」をもとに執筆者作成

手羽(皮付き)のアミノ酸スコアは計算に必要な数値が文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に収載されていない ため「不明」としています。

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

これは鶏肉のたんぱく質は体内でのたんぱく質合成に有効活用されやすいということを示しています。

筋肉をつけたい方などにぴったりの食材だといえますね。

メモ
体に必要な栄養素のうち、たんぱく質と炭水化物、脂質は私たちの体のエネルギーの源となるため「エネルギー産生栄養素」と呼ばれています。またたんぱく質はエネルギーをつくり出す他に、体内の機能を調節するホルモンや酵素、筋肉などの材料にもなります。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸 」

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質 」

筋トレをする男性

3.鶏肉に含まれるその他の栄養素や成分

「鶏肉にはたんぱく質以外にどんな栄養があるんだろう……」

たんぱく質が注目されがちな鶏肉ですが、それ以外にもさまざまな栄養成分が含まれています。

ここでは、鶏肉に含まれるたんぱく質以外の栄養成分について見ていきましょう。

3-1.脂質

低脂肪で知られる部位もありますが、鶏肉には少なからず脂質が含まれています。

脂質は摂り過ぎることで肥満や生活習慣病の原因になるため敬遠されがちな栄養素ですが、エネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンを構成したり、体温維持や内臓を保護したりするはたらきをしています。

鶏肉の脂質含有量とカロリーは以下のとおりです。

【鶏肉100g当たりの脂質含有量とカロリー(部位別)】

部位 加工状態など 脂質 カロリー
皮(もも) 51.6g 474kcal
皮(むね) 48.1g 466kcal
手羽先(皮付き) 16.2g 207kcal
ハツ 15.5g 186kcal
手羽(皮付き) 14.3g 189kcal
もも肉(皮付き) 14.2g 190kcal
手羽元(皮付き) 12.8g 175kcal
むね肉(皮付き) 5.9g 133kcal
もも肉(皮なし) 5.0g 113kcal
レバー 3.1g 100kcal
むね肉(皮なし) 1.9g 105kcal
砂肝 1.8g 86kcal
ささみ 0.8g 98kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

たんぱく質が1g当たり約4kcalであるのに対し、脂肪は1g当たり約9kcalと倍以上のカロリーがあるため[3]、脂肪の多い部位はカロリーが高くなっています。

特に皮は鶏の部位のなかでも脂質の多い部位です。

もも肉とむね肉は「皮付き」と「皮なし」をご紹介していますが、皮付きの方が脂質の量が多くカロリーも高いことが分かりますね。

摂取カロリーを抑えるためには、もも肉やむね肉を利用する際には脂質の多い皮を取り除くのがおすすめです。

メモ
カロリーはヒトが食べ物などから摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに使うエネルギーの量を表す単位です。1calは非常に小さな値であるため、一般的にはその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が用いられています[4]。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

3-2.ビタミンB6

鶏肉にはビタミンB群の一種であるビタミンB6が含まれています。

ビタミンB群とは
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類のビタミンの総称です。

ビタミンB6はたんぱく質や脂質、炭水化物の代謝に関わっています

代謝とは
食事から摂取した栄養素を、体内で使える物質に合成したり分解したりすることです。例えば、炭水化物や脂質などからエネルギーをつくり出す過程は「エネルギー代謝」と呼ばれます。

特にたんぱく質の代謝を助けるはたらきがあるため、たんぱく質の摂取量が多いとそれに伴って必要量が増え、不足すると湿疹や皮膚炎、口角炎、舌炎などの症状が現れるほか、貧血などを引き起こす場合もあります。

また通常の食生活による摂り過ぎの心配はありませんが、長期間にわたり過剰摂取した場合は健康障害を生じる恐れがあるため、食事摂取基準では1日当たりの摂取量に上限が設けられています。

鶏肉の部位ごとのビタミンB6含有量は以下のとおりです。

【鶏肉100g当たりのビタミンB6含有量(部位別)】

部位 加工状態など ビタミンB6
レバー 0.65mg
むね肉(皮なし) 0.64mg
ささみ 0.62mg
むね肉(皮付き) 0.57mg
手羽元(皮付き) 0.45mg
手羽(皮付き) 0.38mg
もも肉(皮なし) 0.31mg
手羽先(皮付き) 0.30mg
もも肉(皮付き) 0.25mg
ハツ 0.21mg
皮(むね) 0.11mg
砂肝 0.04mg
皮(もも) 0.04mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

部位によって含有量に差がありますが、100g当たり0.20mg含まれていれば、ビタミンB6の摂取源になるといえるでしょう[5]。

ビタミンB6を含む食べ物や摂取推奨量、不足したり過剰摂取したりした場合の健康への影響などについて、詳しく知りたいという方は以下の記事を参考にしてみてくださいね。

ビタミンB6を豊富に含む食べ物は?効果や食事摂取基準も解説

[5] 東京都「栄養成分表示ハンドブック」

3-3.ナイアシン

ナイアシンは「ビタミンB群」の一つで、エネルギー産生や糖質、脂質、たんぱく質の代謝をはじめ体内の多くの機能に関わっています

またナイアシンは植物性食品にニコチン酸として含まれ、動物性食品にはニコチン酸アミドとして存在し、食べ物から摂取できるほか体内で必須アミノ酸「トリプトファン」から生成されます。

メモ
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では食事から摂取するナイアシンに加え、体内でトリプトファンから生合成される量を考慮し「ナイアシン(mg)+1/60トリプトファン(mg)」の式で算出される「ナイアシン当量(mgNE)」で食事基準を設定しています[6]。

ナイアシンが欠乏すると皮膚炎や下痢、精神・神経障害を引き起こす「ぺラグラ」という病気を発症することが知られていますが、日本ではほとんど見られていません。

また過剰摂取による健康障害を防ぐため、ビタミンB6同様ナイアシンにも1日当たりの摂取量の上限が設けられています。

鶏肉に含まれるナイアシン当量は以下のとおりです。

【鶏肉100g当たりのナイアシン当量(部位別)】

部位 加工状態など ナイアシン当量
ささみ 17.0mg
むね肉(皮なし) 17.0mg
むね肉(皮付き) 15.0mg
手羽元(皮付き) 10.0mg
もも肉(皮なし) 9.5mg
手羽(皮付き) 9.4mg
ハツ 9.4mg
レバー 9.0mg
もも肉(皮付き) 8.5mg
手羽先(皮付き) 8.2mg
皮(むね) 7.6mg
砂肝 6.7mg
皮(もも) 3.5mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

部位によっても含有量は大きく異なりますが、100g当たり3.9mg含んでいればナイアシンが豊富な食材であるといえます[7]。

ナイアシンを含む食べ物や摂取推奨量などは以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

ビタミンB群を豊富に含む食べ物は?それぞれの食事基準や作用も解説

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

[7] 東京都「栄養成分表示ハンドブック」

3-4.パントテン酸

パントテン酸もビタミンB群の一つです。

体内のさまざまな化学反応に欠かせない酵素のはたらきを助けるほか、エネルギーの産生や脂質の代謝にも関わっています

また、ホルモンやHDLコレステロール(善玉コレステロール)の合成にも関与するなど、多くの生体内反応の手助けをしています。

幅広い食品に含まれるパントテン酸は、通常の食生活を送っていれば不足する心配はほとんどありません

また過剰摂取によって健康障害が生じたという例も報告されていないようです。

【鶏肉100g当たりのパントテン酸含有量(部位別)】

部位 加工状態など パントテン酸
レバー 10.00mg
ハツ 4.41mg
ささみ 2.07mg
むね肉(皮なし) 1.92mg
むね肉(皮付き) 1.74mg
砂肝 1.30mg
もも肉(皮なし) 1.06mg
手羽元(皮付き) 0.89mg
手羽(皮付き) 0.87mg
手羽先(皮付き) 0.84mg
もも肉(皮付き) 0.81mg
皮(むね) 0.64mg
皮(もも) 0.25mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

100g当たり0.72mg含まれている部位であればパントテン酸の摂取源になるといえます[8]。

パントテン酸の1日当たりの摂取目安量や含まれる食べ物については、以下の記事でもご紹介しています。

ビタミンB群にはどんなものがある?効果や含まれる食品を徹底解説!

[8] 東京都「栄養成分表示ハンドブック」

3-5.トリプトファン

鶏肉には必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが多く含まれています。

トリプトファンはビタミンB群に属するナイアシンの原料となるほか、精神の安定に関わる「セロトニン」の原料にもなります

セロトニンとは
脳内の神経伝達物質の一つです。快さを感じる神経を活性化させる「ドパミン」や、興奮やストレスを感じたときに放出される「ノルアドレナリン」などの神経伝達物質をコントロールし、精神を安定させるはたらきを持っています。

セロトニンが低下すると神経伝達物質のバランスが崩れ、不安感や攻撃性が高まったりうつ症状などを引き起こしたりすることが知られています。

また「睡眠ホルモン」とも呼ばれる「メラトニン」も生体内でトリプトファンから合成されます

メモ
メラトニンは睡眠・覚醒のほか、ホルモンの分泌など生体リズムの調節に関わる重要な役目を担っています。

鶏肉のトリプトファン含有量は以下のとおりです。

【鶏肉100g当たりのトリプトファン含有量(部位別)】

部位 加工状態など トリプトファン
ささみ 290mg
むね肉(皮なし) 290mg
レバー 270mg
むね肉(皮付き) 250mg
もも肉(皮なし) 240mg
もも肉(皮付き) 220mg
手羽元(皮付き) 210mg
ハツ 200mg
手羽(皮付き) 190mg
砂肝 170mg
手羽先(皮付き) 170mg
皮(むね) 58mg
皮(もも) 30mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

トリプトファンは鶏肉の他、かつおやまぐろ、豚肉、チーズなどに含まれています。

セロトニンやメラトニンの原料となるトリプトファンを豊富に含む鶏肉を摂取することで、精神の安定や良質な睡眠に対する効果が期待できそうですね。

メモ
2007年の国際機関(WHO/FAO/UNU)からの報告によると、18歳以上のトリプトファン必要量は1日体重1kg当たり4.0mgとされています[9]。 これによると、例えば体重60㎏の方は1日当たり240mgのトリプトファンが必要であるということになります。

[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

3-6.イミダゾールペプチド

鶏むね肉には「イミダゾールペプチド」が含まれています。

「イミダペプチド」や「イミダゾールジペプチド」とも呼ばれるイミダゾールペプチドは動物の骨格筋や脳に多く存在し、疲労の緩和や脳機能の維持・改善に役立つ成分として注目されています。

これらの効果は、イミダゾールペプチドの持つ「抗酸化作用」によるものです。

抗酸化作用とは「活性酸素」によるダメージから体を守るはたらきのことです。

活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素からつくられる物質のことです。免疫機能などに重要な役割を果たしていますが、増え過ぎると細胞を傷つけ、がんや生活習慣病、疲労や加齢による脳機能の低下にも関わるといわれています。活性酸素が増える原因としてはストレスやたばこ、紫外線、激しい運動、加齢などが挙げられます。

抗酸化作用のあるイミダゾールペプチドを豊富に含む鶏むね肉を1日100g摂取することで、体内の活性酸素を除去し日常生活で生じる疲労を予防できるとされています[10]。

鶏むね肉にはたんぱく質やビタミンのほか、抗酸化作用が期待できる成分も含まれているのですね。

[10] 独立行政法人農畜産業振興機構「【まめ知識】鶏むね肉ってすごい!」

4.鶏肉を摂取する際の注意点

鶏肉にはたんぱく質やビタミンB群などが豊富に含まれています。

しかし、鶏肉を健康づくりに活かすにはほかの食材とのバランスを考えることが必要です。

また安全に食べるために衛生面に配慮して取り扱うことも欠かせません

ここでは、鶏肉を摂取する際の注意点について解説します。

4-1.食べ過ぎない

お皿にもられたからあげ

鶏肉は良質なたんぱく質を含む食材の一つです。

筋肉づくりや健康づくりのためには意識して摂取したい食材ですが、食べ過ぎには注意しなければいけません。

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりのたんぱく質摂取推奨量は成人男性で60g~65g、成人女性で50g[11]としています。

さらに実際に摂取しているたんぱく質の摂取量を見てみると、成人男性で平均78.8g、成人女性で平均66.4gとなっており、食事摂取基準を十分満たしていることが分かります[12]。

そのため現在の食事に加えて鶏肉を摂取しようとする場合、たんぱく質の過剰摂取につながってしまうかもしれません。

たんぱく質はエネルギー産生栄養素でもあることから、摂り過ぎるとカロリーオーバーを招いたり内臓に負担がかかったりする可能性があります。

また、鶏肉をはじめとする動物性たんぱく質を摂り過ぎると「飽和脂肪酸」やコレステロールの摂り過ぎにつながります。

飽和脂肪酸とは
脂質を構成する成分「脂肪酸」の一種です。飽和脂肪酸は主に乳製品や肉類などの動物性脂肪などに含まれています。飽和脂肪酸を摂り過ぎると血中総コレステロールおよびLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇を来し、心臓の病気を発症するリスクが増加すると考えられています。

鶏肉は健康づくりに適した食材ですが、食べ過ぎには注意しましょう。

メモ
ただし、筋肉をつけたい方や運動をしている方は運動によって傷つけられた筋肉の回復にたんぱく質が使われるため、必要量が増えるといわれています。筋トレや運動をしている方のたんぱく質必要量は一般的に体重1kg当たり2gともいわれているため、必要に応じて摂取量をコントロールしましょう。

[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

[12] 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」

4-2.十分に加熱する

鶏肉料理の温度を測っている様子

鶏肉を摂取する際は、十分に加熱しなければいけません。

鶏肉を生もしくは加熱不十分な状態で摂取すると「カンピロバクター」による食中毒を引き起こす可能性があります

もともとは鶏などの家畜やさまざまな動物の腸管に存在する菌ですが、精肉の過程で肉の表面にも付着するため、スーパーなどで手に入る生の鶏肉からも検出されています。

カンピロバクター食中毒は、日本でも発生件数の多い食中毒です。

ほかの食中毒菌と比較しても少量で症状を引き起こすため、以下の点に注意してしっかりと対策しましょう。

【カンピロバクター食中毒の予防方法】

  1. 十分に加熱する(中心部を75℃以上1分間以上[13])
  2. 調理器具(包丁、まな板など)はしっかりと洗い、消毒する
  3. 生の鶏肉を触ったら十分に手洗いをする
  4. 調理中は生肉専用の箸やトングを使う(食べる箸と分ける)

[13] 厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」

5.鶏肉に含まれるたんぱく質についてのまとめ

鶏肉にはたんぱく質が豊富に含まれています

特にささみやむね肉といった部位はたんぱく質含有量が多く、ささみのたんぱく質含有量は100g当たり23.9gです[14]。

また皮を除いたむね肉のたんぱく質含有量は23.3gです[14]。

鶏肉に含まれるたんぱく質のアミノ酸スコアは計算に必要なデータのそろっている全ての部位において100です[14][15]。

鶏肉のたんぱく質は体内での利用効率の高い良質なたんぱく質であるといえます。

鶏肉は他にもエネルギー源などとなる脂質やたんぱく質の代謝に必要なビタミンB6、エネルギー産生などに関わるナイアシン、脂質の代謝などに関わるパントテン酸といったさまざまな栄養素を含んでいます

またむね肉には、疲労の予防に有効なイミダゾールペプチドが多く含まれています。

このように鶏肉は体に有用なさまざまな成分を含んでいるので、ぜひ食事に取り入れてみてくださいね。

ただし、たんぱく質や脂質の過剰摂取には注意が必要です。

いずれもエネルギー産生栄養素であり、摂り過ぎるとカロリーオーバーとなって肥満や内臓に負担がかかる事態を招く恐れがあります。

また鶏肉を加熱が不十分な状態で摂取するとカンピロバクターによる食中毒を引き起こす恐れがあるため、必ず十分に加熱してくださいね。

[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[15] WHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation

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