「脊柱起立筋の具体的な働きについて知りたい」
「脊柱起立筋を効率的に筋トレ・ストレッチできる方法を知りたい」
このように、脊柱起立筋について気になる方もいるのではないでしょうか。
脊柱起立筋は背骨に沿って走っている筋肉で、上半身を支えて姿勢を維持する役割があります。
脊柱起立筋を鍛えることで、姿勢改善や肩こり・腰痛の解消、運動のパフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
この記事では、脊柱起立筋の概要と筋トレ・ストレッチを行う方法についてご紹介します。
姿勢を良くしたい方や体の不調を改善したい方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
1.脊柱起立筋とは
「脊柱起立筋とはどんな筋肉なのだろう?」 脊柱起立筋は背骨に沿って縦方向についている大きい筋肉であり、体幹を支える重要な役割があります。
ここでは、脊柱起立筋の具体的な働きや筋肉の構造について解説します。
1-1.脊柱起立筋は姿勢の維持に関わっている
脊柱起立筋には、姿勢が崩れないように維持する役割があります。 人は体の構造上、上半身が前に倒れやすくなっています。このときに脊柱起立筋が働くことで、上半身が前に倒れないようにしているのです。
また、骨盤や背骨のゆがみを防ぎ、きれいな姿勢を維持する役割もあります。脊柱起立筋は、寝ているとき以外は基本的に姿勢維持のために働き続けています。
このように、脊柱起立筋は普段の生活で姿勢が崩れないようにしている重要な筋肉です。
1-2.脊柱起立筋は三つの筋肉からできている
姿勢の維持に重要な脊柱起立筋はおもに以下の三つの筋肉からできています。
- 腸肋筋(ちょうろくきん)
- 最長筋(さいちょうきん)
- 棘筋(きょくきん)
これらの筋肉は首から腰、骨盤などについており、背骨の両側を走行しているのが特徴です。
どの筋肉も共通して、姿勢の維持や体を後ろに反らす働きがあります。
また、背骨の筋肉は脊柱起立筋以外にもさまざまな種類があり、連動して姿勢の維持をサポートしているものもあります。
1-3.脊柱起立筋が弱るとどうなる?
脊柱起立筋が弱ることで、体にさまざまな悪影響が現れます。
本来、背骨は「S字」のように緩やかにカーブしています。このS字カーブによって筋肉のバランスを整え、姿勢を維持しやすくしているのです。
しかし、筋力低下によってS字カーブが乱れると、猫背や反り腰などの姿勢のゆがみにつながります。
姿勢がゆがむと背中の筋肉にかかる負担が強くなり、以下のような体の不調をきたす恐れがあります。
- 肩こり
- 背中の張り
- 腰痛
また、脊柱起立筋の衰えによる影響は上半身だけではありません。
姿勢をうまく維持できないことでバランス能力が低下して、ふらつきや転倒を引き起こしやすくなります。
このように、脊柱起立筋が弱ると上半身だけでなく、全身にも影響をおよぼしてしまうのです。
体の不調や転倒などを予防するためには、脊柱起立筋がうまく働くように鍛えることが大切です。
2.脊柱起立筋を鍛えるメリット
「脊柱起立筋を鍛えるとどんなメリットがあるのか知りたい」
このように気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは脊柱管狭窄症を鍛えることで得られるメリットについて解説します。
2-1.メリット1 姿勢が改善される
脊柱起立筋を鍛えることで、姿勢の改善につながります。
脊柱起立筋はきれいな姿勢を維持する役割があります。
猫背や反り腰をはじめとした姿勢のゆがみに悩んでいる方は、ぜひ脊柱起立筋のトレーニングをしてみましょう。
また、背中を引き締めることで背筋が伸び、美しいボディラインを作れます。
このように、脊柱起立筋を鍛えることで姿勢崩れを改善するだけでなく、見た目の印象を良好にする効果も期待できます。
2-2.メリット2 背中のこりや張りが解消する
背中や肩のこりや張りを解消できるメリットもあります。
脊柱起立筋が衰えて姿勢がゆがむと、背中の筋肉に負担がかかりやすくなり、肩こりや背中の張りが生じやすくなるとされています[1] 。
脊柱起立筋を鍛えてきれいな姿勢を維持できれば、筋肉にかかる負担も軽減され、体の不調改善につながるでしょう。
肩や背中のこり・張りが解消されれば、普段の生活も快適に過ごせるようになります。
2-3.メリット3 腰痛が改善する
脊柱起立筋を鍛えると肩や背中のこり・張りだけでなく、腰痛の改善も期待できます。
脊柱起立筋の衰えによる姿勢のゆがみは背骨全体に影響するため、腰にも負担がかかりやすくなります。
腰痛をそのままにすると、さらに痛みの悪化や痺れなどの症状をともなう可能性もゼロではありません。
脊柱起立筋のトレーニングできれいな姿勢を維持できれば、腰にかかる負担もやわらぐでしょう。
腰は負担がかかりやすい部位でもあるため、なるべく不調をきたさないように気をつけることが大切です。
2-4.メリット4 身体能力が上がる
脊柱起立筋のトレーニングは、身体能力の向上にも関係しています。
脊柱起立筋を鍛えて強い体幹を作り、姿勢がブレないようになれば、普段の日常動作も楽になります。
バランスが良くなることで、ふらつきや転倒予防にもなるでしょう。
また日常動作だけでなく、運動時のパフォーマンスを上げるきっかけにもなります。
このように、高齢者や体に不調のある方以外にも、運動をする方にとっても脊柱起立筋は重要な筋肉といえます。
3.脊柱起立筋の鍛え方
「脊柱起立筋を鍛えるにはどのような方法があるのだろう?」
どのようにして脊柱起立筋を鍛えれば良いのか、よくわからない方もいるでしょう。
ここでは脊柱起立筋を効率的に鍛えられる方法をご紹介します。
3-1.キャット・カウ
キャット・カウは、骨盤を動かすことで脊柱起立筋と腹筋を鍛えるトレーニングです。
体幹全体を鍛えたい方におすすめです。
【キャット・カウの方法】
- 四つ這いの姿勢になる
- 背中を丸めるようなイメージで骨盤を後ろに倒して、腹筋に力を入れる
- 3〜5秒間キープしたら力を抜く
- 背中を反らすイメージで骨盤を前に倒し、背筋に力を入れる
- 3〜5秒間キープしたら力を抜く
- 手順2〜6を計5セット行う
骨盤と背骨を柔軟に動かせれば、腰にかかる負担も軽減できます。
骨盤の動きを意識しながら行ってみましょう。
3-2.バックエクステンション
バックエクステンションは、うつぶせで行う脊柱起立筋のトレーニングです。
【バックエクステンションの方法】
- うつぶせになり、両手を頭の後ろに添える
- 上半身を反らして、可能な範囲まで上げる
- 10回×3セット行う
バックエクステンションを行う際は、勢い良く腰を反らすと腰痛の原因になるので注意してください。
腰を反らすのが難しい場合は、足を固定すると行いやすくなります。
3-3.ドローイン
ドローインは脊柱起立筋の他に、「インナーマッスル」を鍛えられるトレーニングです。
インナーマッスルには体幹を安定させる役割があります。
【ドローインの方法】
- あお向けになって両膝を立てる
- 腰にタオルまたは両手を入れる
- タオルまたは両手を押し付けるイメージで、息を吐きながらおなかに力を入れる
- 3秒間キープしたら力を抜く
- 手順3〜4を10回×2セット行う
ドローインは、上半身を大きく動かすことなく脊柱起立筋を鍛えられるメリットがあります。
動くときに腰が痛む方や、気軽にトレーニングしたい方はぜひ行ってみましょう。
4.脊柱起立筋のストレッチ方法
「脊柱起立筋はどのようにストレッチをしたら良いの?」
腰痛や肩こりを感じている方は、脊柱起立筋が緊張して硬くなっている可能性があります。
そのような方は脊柱起立筋のストレッチがおすすめです。
ストレッチすることで筋肉の柔軟性が改善し、きれいな姿勢の維持につながります。
ここでは脊柱起立筋のストレッチ方法についてご紹介します。
4-1.背中のストレッチ
背中のストレッチ方法は以下のとおりです。
【背中のストレッチの方法】
- 足を肩幅よりもやや広めに開き、左右の膝の上に手を乗せて中腰になる
- 片方の肩を前にゆっくりと突き出す
- 5〜10秒キープしたら元に戻る
- 反対の肩も同じように行う
- 手順2〜4を3セット行う
ストレッチをしているときに腰を深く落とし過ぎないように注意してください。
4-2.太もものストレッチ
脊柱起立筋だけでなく、下半身のストレッチも重要です。
太ももの筋肉は足を動かす役割があるだけでなく、骨盤や背骨の動きにも関係しています。
そのため、太ももの筋肉が硬くなると背骨・骨盤の動きが制限されて、腰や肩にかかる負担が大きくなる恐れがあります。
【太もものストレッチの方法】
- 横向きに寝る
- 上側の足首を手で持ち、踵をお尻に近づける
- 20秒キープしたら元に戻る
- 体の向きを変えて反対の足も同じように行う
- 手順2〜4を2セット行う
ストレッチ中は、股関節が曲がらないように注意しましょう。
5.脊柱起立筋についてのまとめ
背骨についている脊柱起立筋は、きれいな姿勢を維持するのに欠かせない筋肉です。
脊柱起立筋はおもに3種類の筋肉に分かれており、それぞれが体幹を安定させるための働きがあります。
脊柱起立筋を鍛えることで、姿勢の改善はもちろん、腰痛や肩こりの解消にもつながります。
また、体幹が安定することによってスポーツのパフォーマンス向上も期待できるでしょう。
継続的に脊柱起立筋の筋トレやストレッチをして、体の不調の予防とともにきれいな姿勢を目指してみましょう。
この記事の監修者
理学療法士
Webライター
【経歴】
理学療法士として回復期病院と訪問看護サービスに従事し、脳血管疾患や運動器疾患などの幅広い症例を経験する。リハビリで患者をサポートするとともに、全国規模の学会発表にも参加。 新しい業界にチャレンジしたいと決意し、2021年に独立。現在はWebライターとして活動中。これまでの理学療法士の経験を活かして、医療や健康分野で多くの執筆・監修に携わっている。
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