「ダンベルで上腕三頭筋を鍛えるにはどうすれば良いんだろう?」
ダンベルで上腕三頭筋を鍛える方法には、立ったまま行うダンベル・フレンチ・プレスや座って行うダンベル・ショルダー・プレスなどがあります。
上腕三頭筋は腕のなかでも大きな筋肉のため、鍛えることで腕を太くしたり、二の腕を引き締めたりすることができます。
性別を問わず、めりはりのある体をつくりたいならぜひ鍛えたい部位ですね。
ダンベルでのトレーニングには、自分で負荷を調整でき、自宅でも気軽に取り組めるという強みがあります。
しかし、ダンベルトレーニングはやり方を間違えると狙った効果を得られないことがあるため注意が必要です。
この記事ではダンベルを使って上腕三頭筋を鍛えるトレーニングのやり方を五つご紹介します。
ダンベルの種類や上腕三頭筋をより効率良く鍛えるためのポイントも解説しているので、参考にしてくださいね。
1.上腕三頭筋とは
上腕三頭筋は二の腕の筋肉で、力こぶに当たる上腕二頭筋の裏側にあります。
上腕三頭筋は長頭と短頭に分けられます。
長頭は肩甲骨から肘にかけて付いている筋肉で、肩関節と肘関節の二つに接しています。
短頭はさらに外側頭と内側頭に分けられます。
外側頭は短頭の外側に付いていて、肘関節だけに接する筋肉です。
内側頭は短頭の内側にあり、こちらも肘関節だけに接しています。
これらの筋肉は互いに異なる動きをし、肘や肩関節の曲げ伸ばし、腕の回転などの動作をするときに使われます。
上腕三頭筋は腕のなかでも多くの面積を占めているため、鍛えることで腕を太く見せることができます。
二の腕を引き締めることもできるため、性別を問わず鍛えるメリットを感じられる筋肉といえますね。
2.上腕三頭筋を鍛える際にダンベルを使うメリット
上腕三頭筋を鍛える際にダンベルを使うメリットはどこにあるのでしょうか。
まずダンベルを使ったトレーニングは年齢・性別・能力などに応じて負荷を自由に設定できます。
腕立て伏せやスクワットなど、器具を使わない自重トレーニングの負荷は本人の体重に依存しますが、ダンベルは重量を変えるだけで負荷を調整することが可能です。
ダンベルトレーニングは自重トレーニングと比べると、狙った筋肉をより効率良く鍛えることができます。
またマシントレーニングと比べてメニューの幅が広がることも魅力です。
体を固定して行うマシントレーニングと違い大きくて自由な動きができるため、体を支えるための筋肉も強化されます。
ダンベルさえ用意してしまえば自宅でも行える気軽さも、ダンベルトレーニングの強みですね。
自由度が高く、しかも気軽に取り組めるダンベルトレーニングは筋トレ初心者の方から、しっかり体を鍛えたい方に至るまで幅広いニーズに応えられる筋トレといえます。
ただし体が自由になる分、バランスを取るのが難しかったり、正しいフォームで行わないと狙った効果が得られなかったりすることがあります。
場合によってはけがにつながる恐れもあるため注意が必要です。
次の章では安全かつ効果的に上腕三頭筋を鍛えられるダンベルトレーニングについて解説します。
3.上腕三頭筋のダンベルトレーニング5選
ここでは上腕三頭筋を使ったダンベルトレーニングを五つご紹介します。
それぞれのトレーニングのコツも解説しているので、参考にしてください。
3-1.ダンベル・フレンチ・プレス
ダンベル・フレンチ・プレスは上腕三頭筋のなかでも長頭に負荷をかけられるトレーニングです。
まず両手でダンベルを持ち、肘を伸ばして頭の上で構えます。
次に肘が90度になるまでダンベルを頭の後ろ側に下ろします。
肘の位置を変えないように注意しながら、最初の位置までダンベルを引き上げます。
このとき肘をしっかり固定すること、背中を曲げないことがポイントです。
肘が動いてしまったり、背中が曲がったりすると、上腕三頭筋にうまく負荷がかかりません。
フレンチ・ダンベル・プレスをするときは腕を上下させるのではなく、肘を使ってダンベルを持ち上げるイメージを持つと良いでしょう。
3-2.ライイング・フレンチ・プレス
ライイング・フレンチ・プレスはダンベル・フレンチ・プレスの応用トレーニングです。
ダンベル・フレンチ・プレスよりも上腕三頭筋を動かす範囲が広がるので、その分強い負荷をかけることができます。
また背中が曲がることがないため、正しいフォームを取りやすいという利点もあります。
まず両手にダンベルを持ち、ベンチか床にあおむけになります。
両手を床から垂直方向に真っすぐ伸ばし、肘を固定したまま頭の横までダンベルを下ろします。
肘の位置は変えないようにしながら、最初の位置まで腕を戻します。
このとき弧を描くようにダンベルを上下させることがポイントです。
ダンベル・フレンチ・プレスと同様、肘をしっかり固定することを意識すると良いでしょう。
3-3.ダンベル・トライセプス・プレス
ダンベル・トライセプス・プレスは上腕三頭筋のなかでも特に外側頭と内側頭に効果があるトレーニングです。
まずはベンチにあおむけになり、ダンベルを逆手に持ちます。
肘が開かないように腰の横で構えたら、ダンベルを上に押し上げます。
このとき肘を外に張り出すと上腕三頭筋に負荷がかからない上に、肩関節を痛めるリスクがあるので注意しましょう。
3-4.トライセプス・プッシュ・アウェイ
トライセプス・プッシュ・アウェイも上腕三頭筋を鍛えられるトレーニングです。
脚は肩幅くらいに開き、両手にダンベルを持ちます。
上体を床と平行になるくらいまで倒し、肘を曲げてダンベルを肩くらいの場所で構えます。
肩の位置はそのままで、肘だけをゆっくり後ろに伸ばしていきます。
このときダンベルを背中より高く上げないことがポイントです。
肘が伸び切ったら元の姿勢に戻します。
3-5.ダンベル・ショルダー・プレス
ダンベル・ショルダー・プレスでは主に肩についている三角筋が鍛えられますが、正しいフォームで行えば上腕三頭筋も鍛えることができます。
両手にダンベルを持って椅子に座り、ダンベルを太ももの上に置きます。
その後、太ももで蹴り上げるようにしながら、脚の力も使って耳の高さまでダンベルを持ち上げます。
床に対して垂直にダンベルを持ち上げたら、ゆっくり下ろします。
このとき首や肩をすくめないこと、ダンベルを床に対して垂直に保つことが重要です。
疲れてくると首や肩がすくみ、僧帽筋の力に頼りがちになります。
ダンベルが傾いてしまうと肩や肘に痛みが生じることがあるため、姿勢を維持することを意識しましょう。
4.ダンベルの種類
「ダンベルにはどんな種類があるのかな?」
「自分に合うダンベルを見つけるにはどうしたら良いんだろう?」
ダンベルトレーニングを始めるにはまず自分に合ったダンベルを選ばなくてはいけません。
この章ではダンベル選びの参考になるように、その種類を「タイプ」と「素材」という二つの観点からご紹介します。
4-1.タイプ
ダンベルは大きく「固定式」と「可変式」の二つのタイプに分けられます。
それでは早速それぞれの特徴をみていきましょう。
4-1-1.固定式
固定式は重量が固定されているタイプのダンベルです。
重しを付け替える必要がなく、メンテナンスにも手間がかかりません。
リーズナブルな価格のものが多いのも特徴です。
しかしトレーニングごとにかけたい負荷が異なる場合、必要な重さを各種そろえなければいけないというデメリットがあります。
そのためエクササイズやダイエット目的で軽いものを使用したい方や、鍛えたい箇所が決まっている方などに向いているといえます。
4-1-2.可変式
可変式は重量を変更できるタイプのダンベルです。
細かく重さを調整することができるため、鍛える箇所や目的に合った負荷を設定することが可能です。
しかし、固定式と比べるとセッティングに手間がかかったり、メンテナンスが面倒だったりといったデメリットがあります。
なかにはダイヤル方式などで比較的楽に重しの切り替えができる「アジャスタブルダンベル」というものも存在します。
セッティングの手間を少しでも減らしたい方は、こちらを検討してみるのも良いかもしれませんね。
可変式には他にも、水や砂を重りとして利用するタイプがあります。
これらは入れる水や砂の量を調整することで重さを変える仕組みです。
可変式のダンベルは重量を幅広く設定できるため、本格的なトレーニングを行いたい方や鍛えたい箇所が多い方におすすめです。
4-2.素材
自分に合ったダンベルを選ぶには素材の特徴を把握することも重要です。
ここではダンベルによく使われる素材を三つご紹介します。
4-2-1.アイアン
アイアンとはその名のとおり、鉄がむき出しのダンベルです。
アイアンの主なメリットは安価なことです。
デメリットとしてはさびやすくお手入れが面倒なこと、他の素材と比べて床を傷つけやすいこと、取り扱う際に音が出やすいことなどが挙げられます。
使用する際は床を傷つけないようにトレーニングマットを敷き、汗や水滴が付いたときはきれいに拭き取りましょう。
4-2-2.クロームメッキ
クロームメッキはダンベルの表面にメッキ加工を施すことでさびにくくし、耐久性を上げたものです。
そのためアイアンよりもお手入れの手間が要らず、頑丈なものが欲しい方に向いています。
またデザインがおしゃれで高級感があり、見た目を重視する方にもおすすめです。
ただし、アイアンと同じように落とすと床に傷が付いてしまうので注意しましょう。
4-2-3.ラバーコーティング
ラバーコーティングとは、ダンベルの表面にラバーをかけて保護したものです。
トレーニング時に音が出にくいこと、落としても床を傷つけにくいことがラバーコーティングの強みです。
また持ちやすく滑りにくいため、トレーニングがしやすい点も魅力として挙げられます。
同じ効果を狙い、ラバーの代わりにポリエチレンを使ったものもあります。
この素材はマンションやアパートなど、音に配慮しなければならない環境での使用に適しています。
5.上腕三頭筋を効率良く鍛えるためのポイント
筋肉はどうせなら効率良く鍛えたいものですよね。
ちょっとしたポイントを押さえることで上腕三頭筋のトレーニング効率は上がります。
この章ではそんなポイントを四つご紹介します。
ポイント1 ダンベルの重量は徐々に上げる
ダンベルの重量は少しずつ上げていきましょう。
初心者がいきなり重量の大きいダンベルを使ってもうまくコントロールできず、フォームが崩れてしまいがちです。
けがにつながる恐れもあるので、初めのうちは無理なく扱える重量を選びましょう。
焦らずじっくり重量を上げていくことがダンベルトレーニングを続けるコツです。
ポイント2 バランス良く鍛える
均整の取れたきれいな肉体を手に入れるには、メインで鍛える筋肉に加えて対になる筋肉を鍛える必要があります。
多くの場合、ヒトは骨や関節をまたいで存在する二つの筋肉をペアにして動かしています。
筋トレではメインで鍛えたい筋肉を主導筋と呼び、その反対の動きを担う筋肉を拮抗筋と呼びます。
主導筋と拮抗筋のどちらか片方だけを鍛えてしまうと、アンバランスな体つきになってしまうこともあるかもしれません。
上腕三頭筋を鍛えるときは、その対となる上腕二頭筋も並行して鍛えると良いでしょう。
上腕二頭筋の鍛え方は以下の記事で詳しく解説しています。
上腕二頭筋を鍛える筋トレ!自重やダンベルを使うトレーニングを紹介
ただし上腕三頭筋は大胸筋のトレーニングをするときにも使われることがあります。
疲れが残ったままでは筋トレの効果も落ちてしまうため、大胸筋と上腕三頭筋のトレーニングは続けて行わない方が良いといえます。
上腕三頭筋と上腕二頭筋、両方の筋肉を適切なスケジュールでバランス良く鍛えるよう心掛けましょう。
大胸筋の鍛え方は以下の記事で詳しく解説しています。
大胸筋を効率良く鍛える筋トレを紹介!コツや食事のポイントも解説
ポイント3 トレーニングの頻度や負荷を調整する
ダンベルで上腕三頭筋を鍛えるには、頻度や負荷を適切に調整することも重要です。
過度なトレーニングを行うと上腕三頭筋が炎症を起こし、「上腕三頭筋腱炎」になることがあります。
上腕三頭筋腱炎になるとものを持ち上げたり、腕を使ったりしたときに痛みを感じるようになる上、悪化すると腱が断裂する恐れもあるので注意が必要です。
また筋肉痛があるにもかかわらず、思うように筋肉が付かない場合は「オーバートレーニング症候群」の可能性があります。
そのままでは思うような結果が得られないことがあるため、トレーニングの回数を減らしましょう。
筋トレを行うと筋繊維の一部が断裂しますが、傷ついた筋肉は筋肉痛を経て修復される過程でより太くなります。
筋肉の修復には2〜3日ほどかかるため、その間は同じ部位を鍛えない方が良いでしょう[1]。
逆に筋肉痛がまったく起こらないようであれば、トレーニングの頻度や負荷が足りていないことも考えられます。
そういった際はダンベルの重量を上げてみるか、セット数を増やしてみることをおすすめします。
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」
ポイント4 たんぱく質を十分に摂取する
筋肉を大きくしたいなら、たんぱく質を十分に摂取することも重要です。
たんぱく質は食品中に含まれている栄養素で、筋肉の材料になります。
たんぱく質を含む食品としては豆や卵、肉、魚などが挙げられます。
より効率良くたんぱく質を摂取したい方は、プロテインパウダーを活用すると良いでしょう。
プロテインパウダーを摂取するタイミングは筋トレ直後が良いとされています。
プロテインの効果については以下の記事で詳しく解説しています。
プロテインの効果とは?効率的な筋トレやダイエットのポイントも解説
6.ダンベルを使った上腕三頭筋の筋トレのまとめ
上腕三頭筋は二の腕の筋肉で、力こぶに当たる上腕二頭筋の裏側にあります。
上腕三頭筋を鍛えることで腕を太くしたり、二の腕を引き締めたりすることが可能です。
トレーニング時にダンベルを使うメリットとしては、年齢・性別・能力に応じて自由に負荷を調整できること、トレーニングメニューの幅が広がること、自宅でも気軽に取り組めることなどが挙げられます。
ダンベルは大きく固定式と可変式に分けられ、主な素材としてはアイアン、クロームメッキ、ラバーコーティングなどがあります。
トレーニングを行う目的やダンベルを使用する環境を考え、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ダンベルを使った上腕三頭筋のトレーニングとしては、ダンベル・フレンチ・プレス、ダンベル・トライセプス・プレス、ダンベル・ショルダー・プレスなどがあります。
ダンベルの重量は焦らずじっくり上げる、対となる筋肉もバランス良く鍛える、といったポイントを押さえることで効率良く上腕三頭筋を鍛えることができますよ。
ダンベルを使って上腕三頭筋を鍛える際には、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。