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ひじきに含まれる栄養素とは?はたらきや健康への影響を徹底解説

「ひじきにはどんな栄養素が含まれているのかな?」

このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

干しひじきにはさまざまな栄養素が含まれています

ただ、水で戻してゆでた干しひじきに含まれる栄養素は、干しひじきとは大きく異なります。

ひじきと一口にいっても、その状態によって含まれる栄養素は異なるのです。

本記事では、干しひじきと水で戻してゆでた干しひじき、そして最も一般的なひじきの食べ方だと考えられるひじきの炒め煮、それぞれに含まれる栄養素をご紹介します。

ひじきの調理方法や、食べ過ぎた際の体への影響なども解説します。

ぜひ最後までお読みくださいね。

1.ひじきとは

生ひじき

「ひじきって、そもそもどんな食品なんだろう……」

ひじきは、他の食材と組み合わせて調理されることが多く、さまざまなアレンジで楽しまれる食材の一つです。

ただ、そもそもどんな食品なのか詳しく知っている人は少ないかもしれませんね。

ひじきは北海道南部から南西諸島にかけて分布する多年生の海藻です。

一般的に流通している「干しひじき」はひじきを蒸し煮にした後、乾燥させたものです。

蒸し煮に使う釜にはステンレス製のものと鉄製のものがあり、1時間半から6時間ほど加熱します[1]。

このため釜の材質がひじきの栄養組成に影響を与えます。

鉄製の釜を使用した干しひじきは、ステンレス製の釜を使用した干しひじきよりも鉄の含有量がかなり多いとされています。

かつてひじきは鉄を非常に多く含む食品として知られていました。

しかしひじきに含まれる鉄は、かつて蒸し煮の際に広く使われていた鉄釜に由来するもので、元々多く含まれているわけではないのです。

なお現在では、ステンレス釜を用いたひじきの方が多く流通しているといわれています。

このため、食品の栄養素含有量を収載する文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、鉄釜を使用したものと、ステンレス釜を使用したもので別々に掲載されています。

どちらの製造方法でも、鉄以外の栄養素含有量にはほとんど違いはありません

なお一般に流通しているひじきには、芽ひじきと長ひじきがあります。

茎の部分が長ひじきで、芽の部分が芽ひじきであり、これらが合わさった商品も販売されています。

[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

2.ひじきに含まれる栄養素

「干しひじきとゆでたひじきで、含まれる栄養素は何が違うんだろう?」

このような疑問を抱いている方もいらっしゃるでしょう。

ひじきの栄養素の含有量は、調理前後で大きく異なります。

ここでは干しひじきと、干しひじきを水で戻してゆでたもの、干しひじきを水で戻して炒め煮したもの、それぞれ含まれる栄養素をご紹介します。

メモ
この章でご紹介する栄養素は、100g当たりの含有量が食品表示基準にのっとって「摂取源となる」と表現できるものです[2]。

[2]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

2-1.干しひじきに含まれる栄養素

干しひじき

100g当たりの食品表示基準にのっとり、干しひじきに含まれる栄養素は以下のとおりです[3][4]。

【干しひじき100g当たりに含まれる栄養素】
栄養素 ステンレス釜の干しひじき 鉄釜の干しひじき
たんぱく質
9.2g
9.2g
食物繊維
51.8g
51.8g
ビタミンA
360μg
360μg
ビタミンE
5.0mg
5.0mg
ビタミンK
580μg
580μg
ビタミンB2
0.42mg
0.42mg
葉酸
93μg
93μg
ビオチン
17.0μg
17.0μg
カリウム
6400mg
6400mg
カルシウム
1000mg
1000mg
マグネシウム
640mg
640mg
6.2mg
58.0mg
0.14mg
0.14mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

これらのうち、たんぱく質と銅以外は豊富に含まれています [3][4]。

またヨウ素は食品表示基準が設定されていないものの、成人の1日当たりの摂取推奨量を大きく超える推奨量のため豊富に含まれているといえます[4][5]。

メモ
推奨量はほとんどの人にとって十分な量です。

なお、干しひじき100g当たりのカロリーは、以下のとおりです[4]。

【干しひじき100g当たりのカロリー】
種類 熱量
ステンレス釜の干しひじき
180kcal
鉄釜の干しひじき
186kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ただし干しひじきはそのまま食べるわけではありません。

ここでご紹介した栄養素やカロリーをそのまま摂取できるわけではないことに注意が必要です。

[3]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-2.ゆでた干しひじきに含まれる栄養素

ゆでたひじき

100g当たりの食品表示基準と照らして、ゆでた干しひじきに共通して含まれるといえる栄養素は、食物繊維とビタミンKです[6][7]。

これらの栄養素はステンレス釜と鉄釜の両者に含まれるといえます。

また、ヨウ素も多く含まれます[7][8]。

その他、鉄釜の干しひじきにはゆでた状態でも鉄が豊富に含まれています [6][7]。

100g当たりの食品表示基準にのっとり、ゆでた干しひじきに含まれる栄養素は以下のとおりです[6][7]。

【ゆでた干しひじき100g当たりに含まれる栄養素】
栄養素 ステンレス釜の干しひじき 鉄釜の干しひじき
たんぱく質
0.7g
0.7g
食物繊維
3.7g
3.7g
ビタミンA
28μg
28μg
ビタミンE
0.4mg
0.4mg
ビタミンK
40μg
40μg
ビタミンB2
0mg
0mg
葉酸
1μg
1μg
ビオチン
0.7μg
0.7μg
カリウム
160mg
160mg
カルシウム
96mg
96mg
マグネシウム
37mg
37mg
0.3mg
2.7mg
0.01mg
0.01mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

メモ
比較のため干しひじきには含まれているものの、ゆでた干しひじきには含まれない栄養素も表に掲載しています。

ゆでた干しひじき100g当たりのカロリーは、以下のとおりです[7]。

【ゆでた干しひじき100g当たりのカロリー】
種類 熱量
ステンレス釜の干しひじき
11kcal
鉄釜の干しひじき
13kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ゆでた干しひじきは、ほぼ水分が占めているためカロリーは非常に低くなります。

干しひじきはそのまま食べるわけではなく、一般的に水やお湯で戻して調理されます。

ゆでた干しひじきは重量の90%以上が水分となり[7]、ゆでる際に水溶性ビタミンやカリウムなどの水溶性の栄養素の流出も起こります

このため、ゆでた干しひじきに含まれる栄養素は、乾燥状態と比較してかなり少なくなります

例えばビタミンB2の含有量は、干しひじきで100g当たり0.42mgと豊富ですが、ゆでた干しひじきで0mgです[7]。

また葉酸も同様に、干しひじきでは93μgと豊富に含まれていますが、ゆでた干しひじきでは1μgとほとんど含まれなくなります[7]。

ビオチンも同様で、干しひじきでは17.0μgと豊富に含まれていますが、ゆでた干しひじきでは0.7μgとごくわずかになります[7]。

[6]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

2-3.ひじきの炒め煮に含まれる栄養素

ひじきの炒め煮

なお、ひじきを使った一般的なおかずは「炒め煮」と呼ばれ、干しひじきを水で戻した後にゆで、炒めて調理したものです。

一般的なひじきの炒め煮では、油揚げやにんじんなどを加えます。

ひじきの炒め煮にも食物繊維とビタミンKが含まれているといえます [9][10]。

またひじきの炒め煮には、ヨウ素も多く含まれています[10][11]。

【ひじきの炒め煮100g当たりに含まれる栄養素】
栄養素 含有量
たんぱく質
3.1g
食物繊維
3.4g
ビタミンA
84μg
ビタミンE
0.7mg
ビタミンK
40μg
ビタミンB2
0.02mg
葉酸
6μg
ビオチン
2.2μg
カリウム
180mg
カルシウム
100mg
マグネシウム
43mg
0.6mg
0.03mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ひじきの炒め煮の100g当たりのカロリーは75kcalです[11]。

[9]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3.ひじきに含まれる栄養素のはたらき

ひじきのおかず

「ひじきに含まれる栄養素にはどんなはたらきがあるのかな?」

ひじきを食べるのであれば、どんな栄養素を摂取できるのかも知りたいですよね。

この章では、干しひじきに豊富に含まれる栄養素のうち、ゆでた干しひじきも摂取源になるといえるものを取り上げ、その栄養素のはたらきについて解説します。

または干しひじきの含有量が成人の食事摂取基準を上回るほどに多く、ゆでた干しひじきも十分な摂取源になるとはいえなくとも、それなりの量が残存しているものをご紹介します。

食事摂取基準とは
厚生労働省が、健康の保持・増進や生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として設定された基準のことです。

ひじきを食べる際の参考にしてくださいね。

3-1.食物繊維

ひじきは食物繊維の摂取源となり、100g当たりの含有量は干しひじきで51.8g、ゆでた干しひじきで3.7g です[12][13]。

またひじきの炒め煮には100g当たり3.4gの食物繊維が含まれています[12]。

食物繊維とは炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素では消化できない食品成分のことです。

炭水化物はエネルギー産生栄養素の一種で、エネルギー源となる糖質と、ほとんどエネルギー源にならない食物繊維に分けられます。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトの体に欠かせない栄養素のうちエネルギー源となる物質のことで、炭水化物、たんぱく質、脂質が該当します。

食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、便の材料となったり善玉菌の餌となって増殖を促したりします。

メモ
ヒトの腸内には多様な腸内細菌が存在しており、ヒトに有用な善玉菌、有害な悪玉菌、どちらか優勢な方と同じはたらきをする日和見菌に分けられます。腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増殖すると腸内環境が悪化し、便秘をはじめとしたさまざまな不調が生じます。

このため便通を整え便秘を防ぐといった整腸効果があるといわれています。

また食物繊維は糖質や脂質、ナトリウムなどを吸着して体外に排出し、これらが原因となって起こる肥満や生活習慣病などを予防・改善する効果も期待できます

健康への利益を考えると成人は1日当たり25g以上の食物繊維を摂取すべきであると考えられています[14]。

しかし、日本人の摂取量はこの目標に遠く及んでいないのが現状です。

このため厚生労働省は実現可能な目標として目標量を設定しています。

目標量とは
生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として設定された基準です。

成人男性の目標量は18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[14]。

また成人女性の目標量は18〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[14]。

食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれないため、野菜類やきのこ類、海藻類、豆類、穀類などから積極的に摂取することが重要です。

食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

[12] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[13]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[14] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-2.ビタミンK

ひじきはビタミンKの摂取源となり、100g当たりの含有量は干しひじきで580μg、ゆでた干しひじきで40μgです[15][16]。

またひじきの炒め煮には100g当たり40μgのビタミンKが含まれています[15]。

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、出血した際に血を止めるはたらきに関わっています。

脂溶性ビタミンとは
油に溶ける性質のあるビタミンの総称です。ビタミンは脂溶性ビタミンと水に溶ける水溶性ビタミンに分けられます。脂溶性ビタミンにはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが該当します。

また骨をつくるはたらきにも欠かせない栄養素です。

成人のビタミンKの目安量は150μgです[17]。

メモ
目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分と考えられる量で、この量以上を摂取していれば不足の心配はないとされています。

食品中に天然に含まれるビタミンKには緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれるものと、腸内細菌や納豆菌などによって合成されるものがあります。

なかでも納豆は、特に多くのビタミンKを含む食品です。

ビタミンK についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介

[15] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[16]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[17] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-3.ヨウ素

ヨウ素には食品表示基準が設定されていませんが、ひじきのヨウ素含有量は成人の1日当たりの摂取すべき量と比較して非常に多いといえます[18][19]。

メモ
ヨウ素の1日当たりの摂取推奨量は成人男女で140μgです[20]。

干しひじきには100g当たり45,000μg、ゆでた干しひじきにも960μg含まれます[18]。

またひじきの炒め煮にも100g当たり750μgのヨウ素が含まれています[18]。

ヨウ素は必須ミネラルの一種で、ヨードと呼ばれることもあります。

メモ
ミネラルは生物の体を主に構成する酸素・炭素・水素・窒素の4種類以外の元素の総称です。このうち栄養素として欠かせない16種類を必須ミネラルと呼びます[21]。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどが該当します。

体内では多くが甲状腺という喉仏の下にある臓器に存在し、「甲状腺ホルモン」の成分としてはたらいています

甲状腺ホルモンとは
体の代謝や成長などに関わるホルモンです。脈拍や体温、自律神経のはたらきを調節し、エネルギーの消費を一定に保つ働きがあります。

ヨウ素は海藻類や魚類などの海産物に多く含まれることから、一般的な日本人の摂取量は必要量を大きく上回っています。

ヨウ素を過剰に摂取すると甲状腺に関する健康障害が起こる場合があるため、ひじきの食べ過ぎには注意が必要です。

ヨウ素についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

ヨウ素とは?はたらきや過不足による影響、多く含まれる食品を紹介

[18] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[19]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[20] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

[21]  国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識

3-4.カリウム

干しひじきは100g当たり6,400mgと、カリウムを非常に多く含みます [22][23]。

しかし、ゆでた干しひじきの含有量は100g当たり160mgとなり、十分な摂取源になるとはいえません[22][23]。

またひじきの炒め煮の含有量も100g当たり180mgで、こちらも摂取源になるとはいえません[22][23]。

カリウムは必須ミネラルの一種です。

体内では主に細胞内液の浸透圧を調節するはたらきや、神経の興奮や筋肉の収縮に関わったり、体内の酸性とアルカリ性のバランスを保ったりする作用があります。

またカリウムはナトリウムの排出を促し、血圧を下げるはたらきがあります

メモ
ナトリウムは食塩(塩化ナトリウム)の主成分の一種で、必須ミネラルの一種です。

ナトリウムは細胞外液の浸透圧を調節するはたらきをしますが、摂り過ぎるとむくみや高血圧、胃がん、食道がんなどを引き起こす恐れがあります

このためカリウムを十分摂取することが重要です。

成人のカリウム目標量は男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[24]。

ただし、WHOのガイドラインでは1日当たり3,510mg以上の摂取が推奨されています[24]。

日本人の摂取量はこれよりもかなり少ないため、前掲の目標量は実現可能性を考慮して設定されました。

カリウムは野菜類や果実類、いも類、豆類、海藻類などに多く含まれています。

カリウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介

[22] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[23]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[24] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-5.カルシウム

干しひじきはカルシウムを豊富に含んでおり、その含有量は100g当たり1,000mgです[25][26]。

ただしゆでた干しひじきのカルシウム含有量は100g当たり96mgで摂取源としては不十分です[25][26]。

またひじきの炒め煮の含有量も100mgで摂取源として十分とはいえません[25][26]。

カルシウムは必須ミネラルの一種で、体内ではほとんどが骨や歯に存在しています

また一部は血液や筋肉、神経に存在し、血液の凝固を促して出血を予防する、心筋の収縮作用を増す、筋肉の興奮を抑えるといったはたらきもしています。

成人のカルシウム推奨量は18〜29歳の男性で800mg、30歳以上の男性で750mgです[27]。

また、18〜74歳の女性で650mg、75歳以上の女性で600mgです[27]。

カルシウムは乳製品の他、魚介類や豆類、葉物野菜などに含まれています。

カルシウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

カルシウムとは?はたらきや過不足の影響、適切な摂取量について解説

[25] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[26]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[27] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

3-6.マグネシウム

干しひじきはマグネシウムを豊富に含み、その含有量は100g当たり640mgです[28][29]。

一方、ゆでた干しひじきのマグネシウム含有量は100g当たり37mgで、摂取源とするには不十分です[28][29]。

ひじきの炒め煮の含有量は43mgで、同様に摂取源にはなり難いといえます[28][29]。

マグネシウムは必須ミネラルの一種で、体内で起こるほとんど全ての代謝や生合成反応に関わっています

またカルシウムと共に骨の健康を維持するはたらきもしています

成人のマグネシウム推奨量は男性の場合、18〜29歳で340mg、30~49歳で380mg、50〜64歳で370mg、65〜74歳で350mg、75歳以上で330mgです[30]。

また女性の場合、18〜29歳で280mg、30〜64歳で290mg、65〜74歳で280mg、75歳以上で270mgです[30]。

マグネシウムは豆類やナッツ類、野菜類などの植物性食品からも、魚介類や肉類などの動物性食品からも摂取できます。

マグネシウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

マグネシウムとは?はたらきや食事摂取基準、摂取源となる食品を解説

[28] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[29]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[30] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

4.ひじきに関する疑問点を解説

ひじきごはん

「ひじきの調理法は、これで合っているのかな……」

「ひじきは食べ過ぎると体に良くないって聞いたことがあるけど、本当なのかな?」

ひじきに関してさまざまな疑問を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは、ひじきに関する疑問点を解説します。

Q1 ひじきの調理法は?

干しひじきは、10gに対し1L以上の水に30分間つけて戻すと良いとされています [31]。

その後、ざるに移し水で洗ってよく水気を切ります。

水温が低いと戻りにくいため、冬場などは水温やつけ時間を調節すると良いでしょう。

ひじきは炒め煮だけでなく、さまざまな料理に活用できます

例えばご飯にまぜ込んで炊いたり、サラダに入れたり、かき揚げにしたりといった活用法でひじきをおいしく食べられますよ。

[31]  日本ひじき協議会「ひじきの戻し方

Q2 ひじきには毒がある?

ひじきにはヒ素という有毒な成分が含まれていますが、健康への影響を心配する必要はないと考えられています

ヒ素は自然界に多く存在する元素で、全国の土や水の中にも存在しているため人は普段の食事を通じ微量のヒ素を経口摂取しています。

ヒ素を体内に取り込んだときの影響はその量と化合物の種類によって異なり、健康への悪影響が知られているのは無機ヒ素と呼ばれるものです。

無機ヒ素を短期間のうちに大量に摂取した場合、発熱、下痢、嘔吐(おうと)、興奮、脱毛などの症状が現れます。

また長期間、継続的かつ大量に無機ヒ素を摂取し続けた場合は、皮膚組織の変化やがんの発症などが見られるといわれています。

一方で、有機ヒ素による健康への影響は未だ詳しく解明されていません。

ひじきには無機ヒ素が多く含まれるといわれていますが、干しひじきは通常水で戻して摂取されます。

干しひじきを60分間水戻しすると、芽ひじきで75〜95%、長ひじきで55〜90%のヒ素が除去されることが分かっています [32]。

バランスの取れた食生活を送っていれば、ひじきに含まれるヒ素の毒性により健康を害する心配はありません

[32]  内閣府 食品安全委員会「ヒジキに含有されている無機ヒ素について

Q3 食べ過ぎは体に悪い?

ひじきを長期間にわたって多量に食べ続けることは勧められません

ひじきには非常に多くのヨウ素が含まれており、ゆでた干しひじきは15gで成人のヨウ素の摂取推奨量を満たします[33][34]。

ヨウ素を摂り過ぎると、甲状腺の機能に異常を来し、甲状腺機能低下症などを発症する恐れがあります。

甲状腺機能低下症では全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、無気力、記憶力の低下、皮膚の乾燥、声のかすれ、脱毛などの症状が現れます。

日本人は伝統的にヨウ素を多く摂取する食生活を送っているため、過剰摂取の影響を受けにくいといわれています。

しかし、国内でも過剰症は確認されているので摂取量には注意が必要です。

成人のヨウ素の耐容上限量は3,000μgで[35]、これを超えた量を習慣的に摂取していると健康障害のリスクが高まるとされています

メモ
耐容上限量とは、健康障害をもたらすリスクがないといわれる習慣的な摂取量の上限のことです。

ヨウ素に限らず栄養素のなかには過剰に摂取すると健康を害するものがあるので、バランスの良い食生活を送り、特定の栄養素を摂り過ぎないことが重要です。

[33] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[34]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック

[35] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

5.ひじきに含まれる栄養素についてのまとめ

干しひじきには食物繊維やビタミンK、ヨウ素、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど多くの栄養素が含まれます [36][37]。

一方、水で戻してゆでた干しひじきには食物繊維、ビタミンK、ヨウ素が含まれます [36][37]。

大幅に栄養素が減るのは、ゆでた干しひじきの重量の90%以上が水分であるためと[37]、ゆでる際に水溶性の栄養素が流出するためです。

また、干しひじきをつくる工程で鉄釜を使った場合はいずれの状態でも鉄を豊富に含みます。

ひじきには人体に有害な無機ヒ素が含まれていますが、水に戻すことでその量は健康に害がないレベルまで減少することが分かっているため、心配は要りません。

ただし、ひじきには非常に多くのヨウ素を含むため、日常的に多量に摂取すると過剰摂取に伴う健康障害が起こる恐れがあります

健康のためには、ひじきを始めさまざまな食材を取り入れて、バランスの良い食生活を送ることが重要です。

[36] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

[37]  東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック