「僧帽筋を鍛えるためにはどんなトレーニングが効果的なんだろう?」
「僧帽筋を鍛えて得られるメリットって何かな?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
僧帽筋は首から肩や背中の上部につながっている筋肉で、主に肩甲骨の動作に関わっています。
僧帽筋の筋トレをすることで、背中がたくましくなったり姿勢や肩こりが改善したりする効果が期待できます。
しかし、無理をしたり誤った方法でトレーニングをしたりするとけがをするリスクなどもあるため、正しいトレーニング方法を知っておく必要があります。
そこでこの記事では、僧帽筋を鍛える筋トレメニューや筋トレの効果を上げるためのポイントをご紹介します。
1.僧帽筋について
僧帽筋がどのような筋肉なのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
僧帽筋とは、背中の表面にあり首から肩や背中の上部にかけてつながっている筋肉のことです。
僧帽筋は上部、中部、下部の三つの部分に分かれており、それぞれ異なるはたらきをします。
上部は首のつけ根から肩の上部あたりまで位置する部分で、下から腕を上げたり肩をすくめたりするほか、首を動かす際に使われます。
中部は肩の上部から脇辺りまで位置する部分で、ドアノブを引くような肩甲骨を引き寄せる動作に関わっています。
下部は僧帽筋の中部の下から背中の真ん中まで位置する部分で、落としたものを拾うといった肩甲骨を下げる動作をするのに使われます。
つまり、僧帽筋は主に首や肩甲骨を動かす際にはたらく重要な筋肉といえるのですね。
2.僧帽筋を鍛えるメリット
「僧帽筋を鍛えるとどんなメリットがあるのかな?」
僧帽筋をトレーニングする前に、具体的な効果を知っておきたいところですよね。
僧帽筋を鍛えると、見た目が整うだけではなく日常生活にもうれしい変化があるかもしれません。
この章では、僧帽筋を鍛えるメリットをご紹介します。
メリット1 背中に厚みが出てたくましくなる
僧帽筋を鍛えると、背中に厚みが出て上半身がたくましいプロポーションを目指すことができます。
背中の筋肉のなかでは逆三角形の体型をつくる「広背筋」が特に注目されていますが、僧帽筋は背中全体の厚みを出すために重要な筋肉であるといわれています。
広背筋について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してくださいね。
背中の筋肉を鍛える! 3つのメリットと具体的なトレーニング方法
逆三角形の体型をつくるだけではなく厚みを出して迫力のある背中にしたい場合は、僧帽筋の筋トレに取り組んでみると良いでしょう。
メリット2 姿勢が改善される
僧帽筋を鍛えることで姿勢の改善も期待できます。
僧帽筋は首や肩甲骨、背中につながっているため、姿勢にも大きく関係しています。
僧帽筋の筋力が弱いと背中を真っすぐ維持することが難しくなり、姿勢が崩れてしまいます。
反対に僧帽筋を鍛えれば、猫背を改善したり姿勢を維持したりするのに役立つと考えられるのです。
メリット3 肩こりの予防や改善となる
僧帽筋を鍛えることで、肩こりの予防や改善に役立ちます。
「僧帽筋と肩こりにどのような関係があるの?」
と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
肩こりの原因は運動不足やストレス、なで肩などといわれていますが、実は肩周りの筋肉も関係しています。
僧帽筋も肩こりを引き起こす原因となる筋肉の一つです。
頭を支えるはたらきを持つ僧帽筋の筋力が弱いと頭の重みが負荷となって肩こりが起こりやすくなります。
さらに長時間同じ姿勢で過ごしていると、首や肩あたりの血流が悪くなり肩こりが起こる恐れがあります。
僧帽筋の筋トレをすることで、首や肩周りの血流を良くし頭を支えられるようになるため肩こりの予防・改善に役立つのです。
肩こりについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
3.自重を使った僧帽筋を鍛える筋トレ
「自宅でもできる僧帽筋の筋トレメニューってあるのかな?」
ジムに行く余裕がなかったり器具を持っていなかったりする場合は、自宅で簡単にできるトレーニングを行いたいものですよね。
この章では、自宅でできる僧帽筋を鍛える筋トレをご紹介します。
3-1.バック・エクステンション
「バック・エクステンション」は床にうつぶせになった状態で行うトレーニングです。
僧帽筋だけではなく、背中の筋肉全体を鍛えることができますよ。
まず、うつぶせになり、手は横または前に伸ばして構えます。
顎は上げた状態でゆっくりと上半身を起こしていきます。
このとき、反動をつけないようにしましょう。
上半身を起こしたら、ゆっくりと元の体勢に戻ります。
バック・エクステンションは、体が左右に動かないように維持することがポイントです。
3-2.タオル・ラットプルダウン
「タオル・ラットプルダウン」はタオルを使用して腕を上下させるトレーニングです。
僧帽筋だけではなく、広背筋も鍛えることができますよ。
タオル・ラットプルダウンは腕を引く際に肩甲骨を寄せる意識で行ってくださいね。
まず、タオルの両端を持ち、内側にひねります。
タオルを握った状態で両腕を上げていきましょう。
このときタオルを左右均等の力で引っ張るようにします。
腕を伸ばし切ったら、タオルを引っ張ったまま両腕を下ろしていきます。
この動作を繰り返し行いましょう。
トレーニングに慣れてより負荷の高いトレーニングをしたい場合は、ジムのマシンを使用してみるのも良いでしょう。
4.器具を使った僧帽筋を鍛える筋トレ
「器具を使った僧帽筋のトレーニングメニューも知りたいな。」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
僧帽筋を鍛える筋トレには、主にダンベルやバーベルを使用するトレーニングがあります。
ダンベルはスポーツショップやインターネットで購入できるため、自宅でもトレーニングすることができますよ。
ここからは、器具を使った僧帽筋を鍛える筋トレをご紹介します。
4-1.フロント・レイズ
「フロント・レイズ」はダンベルを使って下から前方に向かって持ち上げるトレーニングです。
また、フロント・レイズは肩の筋肉の一つである三角筋を鍛えることにも役立ちます。
まず、手の甲が正面を向くように片手でダンベルを握ります。
肘を伸ばした状態で、ゆっくりとダンベルを持ち上げましょう。
肩の高さまで持ち上げたら、ゆっくりと下ろしていきます。
もう片方の手の方も同様に行ってください。
ダンベルを動かす際は体の反動を使わずにゆっくり行うようにしましょう。
4-2.サイド・レイズ
「サイド・レイズ」はダンベルを使って左右横に持ち上げるトレーニングです。
フロント・レイズと同じく三角筋を鍛えることにも役立ちます。
まず、ダンベルを両手で持ち、肘を伸ばしたまま体の脇に下ろします。
ダンベルを真横にした状態で、両腕を左右に上げていきます。
このとき、肩よりも少し高く上げるようにしましょう。
肩よりも高い位置に上げたらゆっくり下ろしていきます。
ダンベルを動かしている間は肘を伸ばした状態を維持することが大切です。
胸を張って真っすぐな姿勢のまま動かすと効果的に鍛えることができますよ。
4-3.ダンベル・プレス
「ダンベル・プレス」はダンベルを持ち上げるトレーニングです。
フロント・レイズやサイド・レイズと同じく三角筋を鍛えることに役立ちます。
一方でダンベル・プレスではダンベルを持ち上げる高さが異なり、肩から上に持ち上げるのが特徴です。
まず、ダンベルを両手で持ち、肩の位置にくるように構えます。
このとき手の甲は体の方に向くようにしましょう。
ダンベルを持ち上げ、肘が伸び切ったらゆっくり下ろしていきます。
ダンベルを持ち上げるときは真っすぐに上げるようにしてくださいね。
4-4.アップライト・ロウ
「アップライト・ロウ」は、バーベルを下から上へ引き上げる筋トレです。
このトレーニングでは、僧帽筋だけではなく上腕筋という腕の筋肉も鍛えることができます。
今回はバーベルで紹介していますが、バーベルの代わりにダンベルでも同じようにトレーニングが可能ですよ。
まず両手の間隔は肩幅よりも狭くして、順手でバーベルを握ります。
このとき、肘は曲げずに腕を伸ばしましょう。
この状態でバーを肩の位置まで真っすぐに引き上げて、下ろします。
両肘は常にバーベルよりも高い位置を保ち、外に張り出すことがポイントです。
また、バーベルを動かすときは、反動で動かすのではなくゆっくり動かすように意識しましょう。
4-5.スタンディング・フロント・プレス
「スタンディング・フロント・プレス」は、バーベルを肩から上へ持ち上げる筋トレです。
このトレーニングでは、僧帽筋や三角筋だけではなく上腕三頭筋という腕の筋肉も鍛えることができます。
まず手の甲を上にして順手でバーベルを握り、鎖骨の上にバーを乗せます。
バーベルをゆっくり押し上げましょう。
肘が伸び切るまで上げたら、ゆっくり下ろします。
バーベルを握る際は肩幅より広めに握り、両肘はバーベルより前に出るように構えることがポイントです。
4-6.バック・プレス
バーベルを後ろに構えて持ち上げる筋トレが、「バック・プレス」です。
バック・プレスのやり方はスタンディング・フロント・プレスとほぼ同じですが、バーベルの構え方が異なるため理解しておきましょう。
まず手の甲を上にして順手でバーベルを握ります。
バーベルは体の前側ではなく、後ろ側にシャフト(持ち手)が通るように構えます。
このとき、両手の幅を肩幅よりも広くしましょう。
この状態でバーベルを真っすぐに上に押し上げます。
肘が伸び切るまで上げたら、ゆっくり下げましょう。
バーベルを握って構えた際は、肘をしっかり曲げてバーの真下になるように意識することが大切です。
また、バーベルを押し上げる際は顎を引いて前を真っすぐ見るようにしてくださいね。
4-7.ラタラル・プローン・レイズ
「ラタラル・プローン・レイズ」は、ベンチの上でうつぶせになった状態でダンベルを持ち上げる筋トレです。
三角筋などの肩の筋肉を鍛えることができます。
まず、両肩と頭がベンチから出るようにうつぶせになります。
このとき肘を曲げてダンベルを向かい合わせに持ちます。
肘を伸ばして、ダンベルを天井方向へ持ち上げましょう。
ダンベルを動かしている間は、顔を上げた状態で行うことがポイントです。
また、ダンベルを上げる高さは背中と同じかそれ以上に上げるとより効果的に鍛えられます。
4-8.ベント・ダンベル・ロウ
「ベント・ダンベル・ロウ」もベンチとダンベルを使用する筋トレです。
僧帽筋だけではなく、三角筋や菱形筋といった肩の筋肉を鍛えることができますよ。
まず、ベンチに片手と同じ側の膝をつき、もう片方の手にダンベルを持ちます。
このときダンベルと背中は床と平行になるようにしましょう。
肩関節だけで動かすようにダンベルを引き上げて戻します。
ダンベルを引き上げる際に、上体は動かさないように意識することがポイントです。
5.筋トレの効果を上げるためのポイント
「筋トレの効果を上げるためにはどんなことに気をつければ良いのかな?」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筋トレは無理に行うとけがにつながったり、効果を下げてしまったりする恐れがあります。
そのため、筋トレを実施する際にはこれからご紹介するポイントを意識するようにしましょう。
ポイント1 同じ部位の筋トレは毎日行わない
特定の筋肉を鍛えたいからといって、毎日同じ部位のトレーニングを行うことは勧められません。
筋トレを行うと筋繊維が一時的に傷つけられ、回復の際に元の状態よりも少し太くなります。
この損傷と修復を繰り返すことで筋肉量が増え、筋力がつきます。
筋肉の修復は数日間の休息が必要となるため、僧帽筋を鍛えるにはトレーニングをするだけではなく筋肉を休ませることも重要なのです。
また、筋トレをすると疲労がたまるため、疲労回復に十分な休息がないと逆効果となる恐れがあります。
筋トレは毎日ではなく2〜3日に1回程度、週に2〜3回程度のペースにして無理なく継続できる範囲で行うと良いでしょう。[1]
ポイント2 自分に合った負荷で行う
ダンベルやバーベルなどの器具を使用したトレーニングは、無理をして高い負荷をかけるとけがにつながる恐れがあります。
筋力測定などを行い自分に合った負荷で筋トレすることも重要です。
筋力測定することが難しい場合は、低い負荷から始めて少しずつ負荷を上げながら調節してくださいね。
ポイント3 ストレッチを行う
筋トレ前後にストレッチを行うことも筋トレの効果を上げるポイントです。
ストレッチとは筋肉や関節を伸ばす運動のことをいいます。
ストレッチには体の柔軟性を高めてけがを予防したり運動後の疲労回復のサポートをしたりする効果があります。
安全に効果的に筋トレするためには、筋トレ前後にストレッチを行うことが大切なのです。
「でも、僧帽筋をストレッチするにはどんな方法が良いんだろう……?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、以下に僧帽筋をストレッチする簡単な方法をご紹介します。
【僧帽筋のストレッチ法】
- 右手を頭の上に置く
- 手の重さで首を右に傾け、左腕は下に伸ばすようにする
- 左の首・肩に痛みを感じない程度に維持する
- 反対側も同様に行う
僧帽筋を鍛えるためには、筋トレとストレッチをセットにして行うことが重要なのですね。
ポイント4 筋肉に必要な栄養をバランス良く摂る
筋肉に必要な栄養をバランス良く摂ることも、筋トレの効果を上げるのに役立ちます。
特にたんぱく質は筋肉の材料となるため、筋トレをする方にとっては特に重要な栄養素です。
食事ではたんぱく質が多く含まれている肉・魚・卵・大豆などの食品を積極的に摂るようにしましょう。
栄養バランスが偏らないよう、いろいろな食品を組み合わせて摂ることがおすすめです。
ただし、一度にたんぱく質を吸収して利用できる量は限られているため、1日3食に分けてこまめに摂ると良いでしょう。
たんぱく質について詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しているためチェックしてみてくださいね。
たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品
また、たんぱく質だけではなくエネルギー源となる糖質を摂取することも必要です。
筋肉は何もしていない状態でもエネルギーを消費しているため、エネルギーが不足すると筋トレの効果が十分に得られなくなる恐れがあります。
エネルギー源となる糖質も十分に摂取することが重要なのです。
その他にも、エネルギーをつくりだすのに必要なビタミンB1やたんぱく質から筋肉に合成されるのに関わるビタミンB6などのビタミン類を摂取することもポイントです。
筋肉に必要な栄養が不足しないように食事でバランス良く摂り、筋トレの効果を高めてくださいね。
筋トレの食事について詳しく知りたい方は、以下の記事に詳しく解説していますのでチェックしてくださいね。
筋トレの効果を高める食事とは?おすすめのタイミングや必要な栄養素
6.僧帽筋の筋トレについてのまとめ
僧帽筋は首から肩、背中の上部にかけて存在する筋肉です。
上部、中部、下部の三つの部分に分かれており、主に首や肩甲骨を動かすはたらきをしています。
僧帽筋を鍛えることで背中に厚みが出てたくましくなるといわれています。
また姿勢の改善や肩こりの予防・改善にもつながるといわれていますよ。
僧帽筋の筋トレには、自重で行うものと専用の器具を用いて行うものがあります。
自重でできるトレーニングの代表例としてはうつぶせになって上体を反らすバック・エクステンションや、タオルを使って行うタオル・ラットプルダウンが挙げられます。
またダンベルやバーベルなどの器具を用いたトレーニングにはフロント・レイズやサイド・レイズ、ダンベル・プレス、アップライト・ロウ、バック・プレスなどがあります。
僧帽筋の筋トレ種目は自重トレーニングよりも器具を用いるトレーニングの方が豊富なので、トレーニングの幅を広げたい方は器具を導入してみると良いでしょう。
筋トレの効果を上げるためには同じ部位を毎日鍛えないことがポイントです。
またダンベルやバーベルを利用する場合は無理せず適切な負荷をかけるようにしましょう。
筋トレの前後にストレッチを行ったり、筋肉に必要な栄養素をバランス良く摂取したりすることも重要です。
この記事を参考に理想の僧帽筋を目指してくださいね。