たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品

たんぱく質は1日どれくらい必要?効率良く摂取できるおすすめの食品

2021年07月30日

2024年04月18日

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「たんぱく質が体作りに大切な栄養素であることは知っているけど、1日にどれくらい摂取したら良いんだろう?」

「どんな食べ物から摂るのが効率的なのかな?」

たんぱく質は体を動かすエネルギー源となったり、筋肉や皮膚のもとになったりするということをご存じの方は多いでしょう。

そのほかにも体内でさまざまなはたらきを果たしており、人間に欠かせない重要な栄養素の一つです。

この記事では、そんなたんぱく質の1日の摂取目安量や効率的な摂取できる食べ物を詳しく解説していきます。

健康な体作りのために積極的に摂取したいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.たんぱく質とは

「たんぱく質ってよく聞くけど、どんなものかよくは知らないな……」

このような方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは人体で果たす役割、種類についてお伝えします。

たんぱく質は糖質や脂質と並んで生命維持や体を動かしたりする必要なエネルギーの源となる栄養素です。

メモ
たんぱく質・糖質・脂質を合わせて「エネルギー産生栄養素」といい、以前は「三大栄養素」と呼ばれていました。

また、たんぱく質は内臓や筋肉、爪や髪など体の各部を形作る成分です。

体の機能を調節する役割を果たすホルモンや体内の化学反応に不可欠な「酵素」などもたんぱく質から構成されており、生命活動の中心を担っているといえます。

「それだけ大切な栄養素なら、足りないとどうなっちゃうの?」

と疑問に感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

たんぱく質が不足すると、筋力が衰えたり、髪や爪がボロボロになったり、免疫力が低下して病気になりやすくなったりといったさまざまな症状が出てしまう可能性があります。

たんぱく質は人体に欠かせない重要な栄養素なのです。

たんぱく質は肉や魚、卵や乳製品に含まれる動物性たんぱく質と、豆や穀類に含まれる植物性たんぱく質の2種類に分けられます。

たんぱく質は20種類のアミノ酸が結合してできた物質です。

種類によってアミノ酸の数や種類、結合の順序が異なります。

アミノ酸とは
たんぱく質を構成する物質のことで、一つでも欠けるとたんぱく質を合成することができません。アミノ酸はヒトや動物が体内で作り出すことのできない「必須アミノ酸」と、糖質や脂質から作り出せる「非必須アミノ酸」に大別されます。

一口に「たんぱく質」といっても、実際にはさまざまな違いがあるのですね。

2.たんぱく質の1日に摂取すべき量

「たんぱく質は1日にどれくらい摂取すべきなんだろう?」

たんぱく質はその名前を見聞きする機会の多い栄養素ですが、1日にどれだけ摂取すべきなのかは知らないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

厚生労働省は国民の健康の保持・増進や生活習慣病の予防を目的として、健康な方を対象とした栄養素の摂取量の基準「日本人の食事摂取基準」を策定しています。

ここでは、たんぱく質の推奨量と目標量、一般的にいわれている筋肉をつけたい場合のたんぱく質の摂取量の目安をご紹介しましょう。

2-1.たんぱく質の摂取推奨量

まずは厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より推奨量をご紹介しましょう。

推奨量は推定平均必要量を満たす目的で設定された基準で、ほとんどの方がその量を摂れば十分であると考えられます。

たんぱく質の摂取推奨量は男女別に以下のとおりです。

【たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 65g 50g
30~49歳 65g 50g
50~64歳 65g 50g
65~74歳 60g 50g
75歳以上 60g 50g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中・授乳中の方は以下の量を加えて摂取することが推奨されています。

【妊婦・授乳婦の付加量】

時期 付加量
妊娠期 初期 0g
中期 5g
後期 25g
授乳期 20g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

体に必要なたんぱく質をしっかりと摂取しましょう。

2-2.たんぱく質の摂取目標量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」においては、たんぱく質に対し目標量も設定されています。

目標量とは生活習慣病の発症などを予防する目的で設定された基準です。

たんぱく質の摂取目標量は、1日の総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)に対し、たんぱく質から摂取するカロリー(エネルギー)が占める割合という形で設定されており、その単位は「%エネルギー」です。

たんぱく質の摂取目標量は以下のとおりです。

【たんぱく質の摂取目標量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 13〜20%エネルギー 13〜20%エネルギー
30〜49歳 13〜20%エネルギー 13〜20%エネルギー
50〜64歳 14〜20%エネルギー 14〜20%エネルギー
65〜74歳 15〜20%エネルギー 15〜20%エネルギー
75歳以上 15〜20%エネルギー 15〜20%エネルギー

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

65歳を超えるとたんぱく質から摂取するカロリーが占める割合を少し増やした方が良いということが分かりますね。

1日に摂取すべきカロリーについては以下の記事でご紹介しています。

1日に必要なカロリーって?計算方法と健康を保つポイントを解説!

なお、体のエネルギーとなる栄養素(エネルギー産生栄養素)には他に炭水化物や脂質があります。

たんぱく質の摂取量を意識するだけでなく、これらとのバランス(エネルギー産生栄養素バランス)を取ることも重要です。

メモ
%エネルギーでの目標量はたんぱく質と同じく「エネルギー産生栄養素」である炭水化物(糖質)と脂質にも設定されており、炭水化物の目標量は男女共に全年代で50〜65%エネルギーです[1]。また脂質の目標量は男女共に全年代で20〜30%エネルギーです[1]。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 」

3.たんぱく質の平均摂取量

「たんぱく質の摂取すべき量は分かったけど、実際普段はどれくらいの量を摂取しているんだろう?」

このように疑問に思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

厚生労働省の調査結果によると、多くの方が推奨量以上のたんぱく質を摂取できていると考えられます。

たんぱく質の平均摂取量は以下のとおりです。

【たんぱく質の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
20〜29歳 80.1g 61.1g
30〜39歳 74.8g 61.6g
40〜49歳 79.2g 65.9g
50〜59歳 77.5g 64.1g
60〜69歳 80.6g 70.2g
70〜79歳 81.6g 71.4g
80歳以上 71.8g 61.8g

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査 」をもとに執筆者作成

20歳以上の全年代で平均摂取量が摂取推奨量を上回っていることが分かりますね。

たんぱく質はあまり不足の心配がない栄養素だといえるでしょう。

4.たんぱく質を含む食品

「たんぱく質を多く含む食品にはどんなものがあるんだろう?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

たんぱく質は主に肉や魚、卵などの動物性食品に多く含まれます。

また植物性食品では豆類に比較的多く含まれているといえるでしょう。

なおたんぱく質を摂取する際には含有量だけでなく、その質にも留意しておくと良いでしょう。

食品のたんぱく質はそれを構成する必須アミノ酸の組成により体内での利用効率が変わります

この利用効率を表すのが「アミノ酸スコア」です。

アミノ酸スコアは食品中のたんぱく質に必須アミノ酸がヒトの体にとって望ましい量に対しどれだけの割合で含まれているかを表す指標で、100を上限としています[2]。

この数値が高い食品は必須アミノ酸をバランス良く含み、体内で効率良く利用される「良質なたんぱく質」であるといわれます。

たんぱく質を豊富に含むだけでなく、アミノ酸スコアの高い食品を選ぶことでより効率的にたんぱく質を補給できると考えられますね。

この章ではたんぱく質を豊富に含む食品とそのたんぱく質含有量、およびアミノ酸スコアをご紹介しましょう。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質」

4-1.たんぱく質を含む動物性食品

まずはたんぱく質を含む動物性食品をご紹介しましょう。

【動物性食品の100g当たりのたんぱく質含有量とアミノ酸スコア】

食品名 加工状態など たんぱく質含有量 アミノ酸スコア
くろまぐろ(赤身) 26.4g 100
生ハム(長期熟成) - 25.7g 100
かつお(秋獲り) 25.0g 100
くじら(赤肉) 24.1g 100
たらこ(すけとうだら) 24.0g 100
鶏ささみ 23.9g 100
鶏むね肉 皮なし、生 23.3g 100
豚ロース(赤肉) 22.7g 100
プロセスチーズ - 22.7g 100
しろさけ 22.3g 100
ラムロース 皮下脂肪なし、生 22.3g 100
ローストビーフ - 21.7g 100
まさば 20.6g 100
牛リブロース(輸入) 脂身付き、生 20.1g 100
バナメイえび 19.6g 100
カマンベールチーズ - 19.1g 100
鶏もも肉 皮なし、生 19.0g 100
まだら 17.6g 100
こういか 14.9g 100
牛ばら肉 脂身付き、生 14.4g 不明
豚ばら肉 脂身付き、生 14.4g 100
鴨肉(合鴨) 皮付き、生 14.2g 不明
卵(全卵) 12.2g 100
ヨーグルト(全脂無糖) - 3.6g 100
普通牛乳 - 3.3g 100

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

メモ
アミノ酸スコアの計算に必要なたんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量が文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に収載されていない食品に関してはアミノ酸スコアを「不明」としています。

動物性食品は比較的たんぱく質含有量が多い傾向にあります。

またアミノ酸スコアを計算できる動物性食品はいずれもアミノ酸スコアが高いことが分かりますね。

ただし肉や魚などには脂質も多く含まれていることが多いのでカロリーオーバーには注意が必要です。

4-2.たんぱく質を含む植物性食品

続いてたんぱく質を含む植物性食品をご紹介しましょう。

【植物性食品の100g当たりのたんぱく質含有量とアミノ酸スコア】

食品名 加工状態など たんぱく質含有量 アミノ酸スコア
きな粉(黄大豆) - 36.7g 100
黄大豆(米国産) 33.0g 100
らっかせい(ピーナッツ) いり 25.0g 87
油揚げ 23.4g 100
アーモンド いり、無塩 20.3g 不明
カシューナッツ フライ、味付け 19.8g 100
納豆 - 16.5g 100
えだまめ 11.7g 100
そらまめ 10.9g 100
木綿豆腐 - 7.0g 100
グリンピース 6.9g 100
ブロッコリー 5.4g 100
絹ごし豆腐 - 5.3g 100
大豆もやし 3.7g 100
しいたけ(菌床栽培) 3.1g 100

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

メモ
アミノ酸スコアの計算に必要なたんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量が文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に収載されていない食品に関してはアミノ酸スコアを「不明」としています。

きな粉や乾燥大豆などは非常に多くのたんぱく質を含みますが、これは水分が少ないためです。

1食当たりの摂取量で考えると動物性食品の方がたんぱく質を摂取しやすいといえるでしょう。

また植物性食品のなかにはアミノ酸スコアが100ではないものもあることが分かりますね。

ただしアミノ酸スコアの低い食品をあえて避ける必要はありません

たんぱく質の利用率は、そのたんぱく質を構成する必須アミノ酸のいずれかが十分に含まれていないとそれに伴って低下してしまいます。

例えばらっかせいのアミノ酸スコアが低いのはたんぱく質1g当たりの「リシン」の含有量が少ないためです。

しかしリシンを十分に含む食べ物と一緒に摂れば、らっかせいのたんぱく質も有効に利用することができます。

さまざまな食品をバランス良く摂取することがたんぱく質の有効利用につながると考えられるでしょう。

5.たんぱく質の1日の摂取量についてのまとめ

男性の1日当たりのたんぱく質の摂取推奨量は18〜64歳で65g、65歳以上で60gです[3]。

また18歳以上の女性の摂取推奨量は50gです[3]。

さらに厚生労働省は18〜49歳の男女に対し、1日の総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)の13〜20%エネルギーに当たるカロリー(エネルギー)をたんぱく質から摂取するという目標量を設定しています[3]。

この目標量は50〜64歳では14〜20%エネルギー、65歳以上では15〜20%エネルギーになり、少し増加します[3]。

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」の結果では20歳以上の全年代の平均摂取量が摂取推奨量を超えていることが分かりますが[4]、重要な栄養素なので偏った食生活を送りがちな方は不足してしまわないよう注意しましょう

たんぱく質は肉や魚、卵、豆類などの食品に豊富に含まれている傾向にあります。

またたんぱく質の質だけでなく量も意識すると良いでしょう。

この記事を参考にたんぱく質を毎日しっかり摂取するよう心掛けてくださいね。

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

[4] 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」

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