タンパク質の1日当たりの適切な摂取量とは?摂取源となる食品も紹介

2024年10月08日

2024年10月09日

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「タンパク質は1日にどれくらい摂取すべきなんだろう?」

「タンパク質を効率的に摂るには何を食べれば良いんだろう?」

タンパク質はヒトの体に必要なエネルギー源となる栄養素の一つです。

それだけでなく、筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体の組織の材料にもなります。

このためタンパク質が不足すると、筋力の低下やそれに伴う消費カロリーの低下など、さまざまな悪影響が起こります

この記事ではタンパク質の1日当たりの適切な摂取量や平均摂取量について紹介します。

タンパク質の摂取源となる食品についても紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。

1.タンパク質とは

木綿豆腐

タンパク質とはヒトの体にとって必要な栄養素で、エネルギー源となる「エネルギー産生栄養素」の一つです。

エネルギー産生栄養素とは
ヒトの体に必要不可欠なエネルギー源となる栄養素のうち、タンパク質・脂質・炭水化物の総称のことです。

タンパク質は1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[1]。

またタンパク質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの材料となる他、ホルモンや酵素、抗体などを構成する成分でもあります。

タンパク質は20種類の「アミノ酸」によって構成されています[2]。

アミノ酸とは
タンパク質を構成する有機化合物のことです。ヒトや動物が体内でつくることができない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」、糖質や脂質から体内でつくりだせる11種類のアミノ酸を「非必須アミノ酸」といいます[3]。

必須アミノ酸をバランス良く含んでいる食品を「良質なタンパク質」と呼びます。

どれくらい必須アミノ酸が含まれているかは「アミノ酸スコア」という値によって示されます。

アミノ酸スコアとは
食べ物に含まれる必須アミノ酸の割合を数字で評価したものです。最大値を100として、数値が高ければ高いほど良質なタンパク質であるといわれています[4]。

動物性食品では肉類や魚類、卵、牛乳など、植物性食品では豆類などが良質なタンパク質に該当します。

動物性食品は植物性食品よりもアミノ酸スコアが高い食品が多く見られます。

タンパク質が不足するとさまざまな悪影響を及ぼします。

タンパク質は筋肉を構成する成分であるため、不足すると筋肉量が低下します。

それに伴い「基礎代謝量」も低くなるため、太りやすくなる恐れがあります。

メモ
ヒトが安静状態で心拍や体温維持など生命活動を維持するために消費するエネルギーを「基礎代謝」といいます。基礎代謝によって消費したエネルギー量(カロリー)が基礎代謝量です。
メモ
カロリーとはヒトが食べ物などから摂取し、生命機能の維持や身体活動のために消費するエネルギーの量を表す単位です。1cal(カロリー)は非常に小さい値のため、通常はその1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として使われます。

また高齢者のタンパク質不足は「フレイル」や「サルコペニア」の原因にもなります。

メモ
フレイルとは加齢によって疲れやすくなったり、外出が億劫になったりと心身のはたらきが弱まってきた状態のことです。サルコペニアとは加齢に伴って筋肉量が低下し、筋力や身体機能が低下した状態をいいます。

一方でタンパク質を過剰摂取した場合には腎機能へ悪影響があると考えられていますが、摂取量の上限は定められていません。

タンパク質についてより詳しく知りたい方は以下をチェックしてみてくださいね。

タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質

2.タンパク質の1日当たりの適切な摂取量

「タンパク質は1日にどれくらい摂取するべきなのかな?」

このようにタンパク質を摂取するに当たっての目安が気になっている方もいらっしゃるでしょう。

この章ではタンパク質の1日当たりの適切な摂取量を紹介します。

成人と未成年者、運動習慣がある人について、それぞれ見ていきましょう。

2-1.成人の1日当たりの適切な摂取量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人のタンパク質の「推定平均必要量」「推奨量」「目標量」が設定されています

メモ
推定平均必要量は摂取不足の回避を目的として設定されたもので、対象の半数の人が摂取している量です。一方の推奨量は対象となるほとんどの人にとって十分な量です[5]。目標量とは日本人が生活習慣病を予防するために目標とすべき摂取量です[5]。

なお、タンパク質の摂取目標量は具体的なグラムではなく、1日の総摂取カロリーのうちタンパク質から摂取すべきカロリーの割合(%エネルギー)で設定されています。

成人におけるタンパク質の1日当たりの食事摂取基準は以下のとおりです。

【成人のタンパク質の適切な摂取量】
※横にスクロールできます
性別 男性 女性
年齢 推定平均必要量 推奨量 目標量 (%エネルギー) 推定平均必要量 推奨量 目標量 (%エネルギー)
18~29歳
50g
65g
13~20
40g
50g
13~20
30~49歳
50g
65g
13~20
40g
50g
13~20
50~64歳
50g
65g
14~20
40g
50g
14~20
65~74歳
50g
60g
15~20
40g
50g
15~20
75歳以上
50g
60g
15~20
40g
50g
15~20

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また妊婦や授乳婦には付加量が設定されています。

【妊婦・授乳婦の付加量】
推定平均必要量 推奨量 目標量 (%エネルギー)
妊婦(付加量)
初期
中期
後期
+0g
+5g
+20g
+0g
+5g
+20g
-
授乳婦(付加量)
+15g
+20g
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

高齢者の目標量は、フレイルの回避を目的とした量を設定するために、他の年代よりも高くなっています。

[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-2.未成年者の1日当たりの適切な摂取量

未成年者のタンパク質の1日当たりの適切な摂取量はどれくらいなのでしょうか。

未成年者の場合、生後0~11カ月の乳児には目安量が設定されています。

メモ
目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分と考えられる量で、この量以上を摂取していればほぼ不足の心配はないとされています。

未成年者の1日当たりの適切な摂取量は以下のとおりです。

【未成年者のタンパク質の適切な摂取量】
※横にスクロールできます
年齢等 男性 女性
年齢等 推定平均必要量 推奨量 目安量 目標量 (%エネルギー) 推定平均必要量 推奨量 目安量 目標量 (%エネルギー)
0~5カ月
-
-
10g
-
-
-
10g
-
6~8カ月
-
-
15g
-
-
-
15g
-
9~11カ月
-
-
25g
-
-
-
25g
-
1~2歳
15g
20g
-
13~20
15g
20g
-
13~20
3~5歳
20g
25g
-
13~20
20g
25g
-
13~20
6~7歳
25g
30g
-
13~20
25g
30g
-
13~20
8~9歳
30g
40g
-
13~20
30g
40g
-
13~20
10~11歳
40g
45g
-
13~20
40g
50g
-
13~20
12~14歳
50g
60g
-
13~20
45g
55g
-
13~20
15~17歳
50g
65g
-
13~20
45g
55g
-
13~20

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

成長期であるこの時期にはタンパク質をしっかり摂りたいですね。

2-3.運動習慣がある人の1日当たりの適切な摂取量

運動習慣がある人は運動習慣のない人よりも多くのタンパク質が必要であるといわれています。

成人の方の場合、健康的な生活を送るには体重1kg当たり1gのタンパク質が必要とされています[6]。

しかし、筋肉をつけたい人や運動習慣がある人、アスリートの場合には体重1kg当たり2gのタンパク質が必要といわれています[6]。

例えば体重60kgの方が日常的に運動をしている場合、1日に120gものタンパク質が必要ということになります。

ささみのタンパク質含有量が100g当たり23.9gなので[7]、約500gものささみを食べなければ適切な量のタンパク質を摂取できないのです。

このように食事から適切な量のタンパク質を摂取するのは難しいことが分かります。

1日に必要なタンパク質を摂取するためにも、「プロテインパウダー」を活用するのもおすすめです。

プロテインとは
「protein」はタンパク質のことを指した英語です。日本語でプロテインという言葉を使う際には、一般的に栄養補助食品やサプリメントのプロテインを指します。

運動量によって摂取すべきタンパク質の量は異なりますが、摂取量が不足しているとせっかく筋肉をつけようと運動をしていても筋肉がつかないどころかむしろ減ってしまう恐れもあるのです。

運動をする方は日々のトレーニングの効果を実感するためにも意識的にタンパク質を摂取するようにしてくださいね。

[6] 一般社団法人 日本プロテイン協会「プロテイン=タンパク質

[7] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

3.タンパク質の1日当たりの平均摂取量

「日本人は1日にどれくらいの量のタンパク質を摂っているのかな?」

厚生労働省が公表する「令和元年 国民健康・栄養調査」ではタンパク質の平均摂取量を確認することができます。

【タンパク質の1日当たりの平均摂取量】
性別 男性 女性
年齢等
1~6歳
47.2g
42.5g
7~14歳
74.3g
68.1g
15~19歳
88.7g
71.8g
20~29歳
80.1g
61.1g
30~39歳
74.8g
61.6g
40~49歳
79.2g
65.9g
50~59歳
77.5g
64.1g
60~69歳
80.6g
70.2g
70~79歳
81.6g
71.4g
80歳以上
71.8g
61.8g

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

この結果から、年代を問わず推奨量を上回っていることが分かりますね。

4.タンパク質の摂取源となる食品

「タンパク質を摂取するには何を食べたら良いのかな?」

タンパク質がどんな食品に含まれているのか知りたい方もいらっしゃるでしょう。

この章ではタンパク質の摂取源となる食品を紹介します。

4-1.肉類

ささみ

タンパク質の摂取源となる食品の一つに肉類があります。

以下のような肉類にはタンパク質が多く含まれています。

【肉類の可食部100g当たりのタンパク質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
くじら肉
24.1g
ささみ
23.9g
鶏むね肉(皮なし)
23.3g
豚ロース(赤肉)
22.7g
豚ヒレ(赤肉)
22.2g
牛サーロイン(赤肉)
22.0g
牛リブロース(赤肉)
21.7g
ローストビーフ
-
21.7g
牛もも肉(赤肉)
21.2g
豚ロース(皮下脂肪なし)
21.1g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

タンパク質の含有量が多いことで知られる鶏ささみでも、成人の1日の推奨量を満たすには200~300g食べる必要がありことが分かります。

また肉類はタンパク質と同時に脂質も多く含んでいるため、食べ過ぎには注意が必要です。

肉類からタンパク質を摂取する場合には、皮つきのものを控えるようにしたり、赤身肉を食べたりするようにしましょう。

4-2.魚介類

お刺身

タンパク質の摂取源となる魚介類には以下のようなものがあります。

【魚介類の可食部100g当たりのタンパク質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
まぐろ(赤身)
26.4g
かつお(春獲り)
25.8g
くろまぐろ(赤身)
24.8g
さけ
22.3g
びんながまぐろ
26.0g
さば水煮缶
-
20.9g
いわし水煮缶
-
20.7g
まさば
20.6g
まだい
20.6g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

肉類と同じように魚類も良質なタンパク質とされる食品の一つです。

魚に含まれるタンパク質は肉類に含まれるものに比べて消化しやすいという特徴があります。

さけやまぐろなど身近な魚にもタンパク質が多く含まれているのはうれしいことですね。

さらにまぐろは脂質の含有量も低いため、タンパク質の摂取源としてうってつけの食品といえるでしょう。

4-3.卵類

かごにはいったたまご

卵類もタンパク質の摂取源として優秀な食品の一つです。

タンパク質の摂取源となる卵類は以下のとおりです。

【卵類の可食部100g当たりのタンパク質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
鶏卵(卵黄)
16.5g
うずら卵(全卵)
12.6g
鶏卵(全卵)
12.2g
鶏卵(卵白)
10.1g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

特に卵のアミノ酸スコアは100と高く理想的なタンパク質の摂取源といえます[8]。

卵かけご飯や目玉焼き、卵焼きなど卵は調理のバリエーションが多く、普段の食事に取り込みやすい食品といえるでしょう。

[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質

4-4.乳類

チーズ各種

乳類はタンパク質の摂取源の一つです。

タンパク質を含む乳類には次のようなものがあります。

【乳類の可食部100g当たりのタンパク質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
パルメザンチーズ
-
44.0g
エメンタールチーズ
-
27.3g
ゴーダチーズ
-
25.8g
チェダーチーズ
-
25.7g
プロセスチーズ
-
22.7g
カマンベールチーズ
-
19.1g
モッツァレラチーズ
-
18.4g
カッテージチーズ
-
13.3g
ホイップクリーム
-
6.3g
ヨーグルト
-
4.3g
ソフトクリーム
-
3.8g
普通牛乳
-
3.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

4-5.豆類

お皿に盛った豆類の水煮

豆類はタンパク質の摂取源となる食品の一つです。

タンパク質の摂取源となる豆類は以下のとおりです。

【豆類の可食部100g当たりのタンパク質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
高野豆腐(凍り豆腐)
50.5g
いり大豆
-
37.5g
きな粉
-
37.0g
油揚げ
23.4g
湯葉
21.8g
ひきわり納豆
-
16.6g
糸引き納豆
-
16.5g
がんもどき
-
15.3g
大豆水煮缶
-
12.9g
ひよこまめ
ゆで
9.5g
いんげんまめ
ゆで
9.3g
あずき
ゆで
8.6g
木綿豆腐
-
7.0g
絹ごし豆腐
-
5.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べてアミノ酸スコアが低い傾向にありますが、そのなかでも豆類は良質なタンパク質に該当します。

豆類のなかでも大豆は特にタンパク質を豊富に含んでおり、「畑の肉」とも呼ばれています。

その他にも小豆やいんげん豆などもタンパク質を含むため、タンパク質の摂取源としておすすめです。

米に豆をまぜた赤飯や豆ごはんを作ったり、豆料理を添えたりすることで植物性タンパク質を摂取できるようになるでしょう。

また動物性タンパク質には脂質も多く含まれているため、脂質を摂り過ぎないためにも植物性タンパク質からもバランス良くタンパク質を摂取してくださいね。

5.タンパク質の1日当たりの摂取量についてのまとめ

タンパク質は重要なエネルギー源となる栄養素で、脂質や糖質と共にエネルギー産生栄養素と呼ばれています。

また筋肉や臓器、皮膚、毛髪や、ホルモン・酵素・抗体といった体調節機能成分などの材料としても重要です。

タンパク質の摂り過ぎは腎機能に悪影響を及ぼすとされていますが、害を及ぼす量については明確になっていないのが現状です。

一方で、タンパク質が不足すると筋力の低下を招き、高齢者ではフレイルやサルコペニアなどになることがあります

タンパク質の1日当たりの摂取推奨量は18~64歳の男性で65g、65歳以上で60g、18歳以上の女性で50gと定められています[9]。

全年代で推奨量を上回る量のタンパク質を摂取できているため、不足することはあまりないといえるでしょう。

運動習慣がある人や筋肉をつけたい人の場合には、体重1kg当たり2gのタンパク質を摂取するのが望ましいでしょう[10]。

タンパク質の主な摂取源とされる食品には肉類や魚介類、卵類、乳類、豆類があります。

これらはいずれも体内で合成できない必須アミノ酸を豊富に含む良質なタンパク質です。

動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランス良く摂り、必要な量のタンパク質を確保してくださいね。

[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[10] 一般社団法人 日本プロテイン協会「プロテイン=タンパク質」                       

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