さつまいもの炭水化物含有量は?ダイエット中の摂取のポイントを解説
「さつまいもにはどのくらいの炭水化物が含まれているんだろう?」
「ダイエット中はさつまいもを避けた方が良いのかな?」
炭水化物の摂取量を気遣う方やダイエット中の方は、このように悩まれるかもしれませんね。
確かにさつまいもは炭水化物を多く含みますが、その一部は食物繊維です。
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、それぞれはたらきが異なります。
このうち糖質はエネルギー源になるため、糖質を摂り過ぎると肥満を招きます。
この記事ではさつまいもに含まれる炭水化物の量や、炭水化物の性質、摂り方のポイントについてご紹介するので参考にしてくださいね。
1.さつまいもの炭水化物含有量
さつまいもに含まれる炭水化物の量は、皮付きと皮なしで若干異なります。
皮付きのさつまいも100g当たりの炭水化物含有量は33.1gで、このうち2.8gが食物繊維です[1]。
一方、皮なしのさつまいも100g当たりの炭水化物含有量は31.9gで、このうち2.2gは食物繊維です[1]。
それぞれのカロリーは皮付きが127kcal、皮なしは126kcalです[1]。
他にさつまいもに含まれる栄養素については以下の記事で詳しく解説しています。
さつまいもに含まれる栄養素とは?はたらきや効果的な食べ方を解説
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
2.炭水化物とは
さつまいもには炭水化物が含まれるため、体重管理のために摂取を控えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
炭水化物とはエネルギー産生栄養素の一種で、糖質と食物繊維に分けられます。
食事から摂取されたエネルギー(カロリー)は生命の維持や日常の活動、運動などに消費されます。
体重は摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリー(エネルギー消費量)のバランスで増減します。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると過剰分が体脂肪として蓄積し 、肥満につながります。
炭水化物は摂り過ぎると肥満を招くため、ダイエットの際に制限しなければならないものというイメージがあるかもしれません。
しかし、同じ炭水化物でも糖質と食物繊維では体内でのはたらきが異なります。
ここでは、それぞれのはたらきをご説明します。
2-1.糖質
糖質は炭水化物のうち、エネルギー源になるもののことです。
炭水化物が産生するエネルギーのほとんどが糖質由来のものです。
炭水化物は1g当たり約4kcalのエネルギーを生み出します[2]。
食事で摂取した糖質は分解され、そのうちのブドウ糖は血中に取り込まれます。
このようにして血糖値(血中ブドウ糖濃度)が上昇するとそれに反応して膵臓(すいぞう)からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンには血糖をエネルギーとして細胞に取り込ませる作用の他、消費し切れなかった血糖を脂肪などに変え体内に蓄えさせる作用があります。
このため、炭水化物の摂り過ぎは脂肪の蓄積や肥満につながるのです。
糖質については以下の記事で詳しく解説しています。
糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介
[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-2.食物繊維
食物繊維は炭水化物の一種です。
ヒトの消化酵素では消化できない物質(難消化性炭水化物)で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。
消化されずに大腸まで到達し、便通を整える作用を持つことで知られています。
食物繊維は腸内細菌による発酵分解でエネルギーを生み出しますが、その値は1g当たり0〜2kcalと一定ではありません[3]。
食物繊維の定義は国や機関によって異なります。
日本では厚生労働省が難消化性炭水化物を食物繊維、炭水化物から食物繊維を除いたものを糖質と定義しています。
[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3.ダイエットのための炭水化物摂取のポイント
ダイエットを成功させるためには、単に炭水化物を控えるのではなく炭水化物の摂取の仕方を工夫することが重要です。
ここではダイエットに有効な炭水化物摂取のポイントをご紹介します。
ポイント1 カロリー制限を適切に行う
ダイエットのためには、適切なカロリー制限が不可欠です。
体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで変動するため、ご自身の目標体重の推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)を目安に摂取カロリーを設定しましょう。
目標体重はBMIを参考にして決めることが勧められます。
ただし肥満は脂肪が多い状態を指すため、体重が多くとも脂肪が過剰に蓄積していない場合は肥満には当たりません。
厚生労働省の食事摂取基準では、年齢に応じて目標とするBMIの範囲を定めています。
これによると男女とも18〜49歳では18.5〜24.9、50〜64歳では20.0〜24.9、65歳以上では21.5〜24.9がBMIの目標値となっています[5]。
なお、BMIをベースとして目標体重を計算する場合は、[身長(m)の2乗]に目標とするBMIをかけることで求められます[4]。
求めた目標体重の推定必要カロリーを計算するためには、どのくらい体を動かすのかも考慮する必要があります。
これは、運動量によって消費カロリーが変動するためです。
このため推定必要カロリーの計算には身体活動レベルが用いられます。
「身体活動レベル」は日常生活の内容によって以下の3段階で表されます。
| 身体活動レベル | 日常生活の内容 |
|---|---|
| 低い | 生活の大部分を座って過ごしており、あまり動くことがない場合 |
| 普通 | 座って過ごすことが多いが、一部立ったり職場内で歩いたりする業務に従事している場合、通勤や買い物などで歩いたり家事やスポーツなどを行ったりする場合 |
| 高い | 立ったり歩いたりすることの多い仕事に就いている場合、あるいは余暇に活発に運動する習慣のある場合 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
それぞれの身体活動レベルごとの体重1kg当たりの推定必要カロリーは以下のとおりです。
| 性別 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
| 18〜29歳 | ||||||
| 30〜49歳 | ||||||
| 50〜64歳 | ||||||
| 65〜74歳 | ||||||
| 75歳以上 | ||||||
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
上記の表の該当するカロリーに目標体重を掛け合わせたものが、1日に摂取すべきカロリーの目安です。
ただし、この推定必要カロリーは参照体重を元に算出されているため、参照体重よりも軽い場合には実際の消費カロリーはより少なくなると考えられます。
必要カロリーを正しく算出することは難しく誤差が生じると考えられているため、摂取カロリーは実際の体重変化に応じて適宜調節する必要があります。
カロリーついては以下の記事で詳しく解説しています。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント2 糖質を適切に制限する
ダイエットのため炭水化物を控えている方もいらっしゃるかもしれませんが、炭水化物はむやみに減らすのではなく糖質を適切に制限することが重要です。
糖質を減らし過ぎると体のエネルギーが不足してしまい、それによって集中力の低下や疲労感などが生じる恐れがあります。
またブドウ糖は特別な状況を除き脳にとって唯一のエネルギー源であるため、不足すると意識障害を引き起こす恐れもあります。
このため、糖質の摂取量を極端に減らすことはおすすめではありません。
厚生労働省は各エネルギー産生栄養素の目標量を1日の総摂取カロリーに対する割合(単位:%エネルギー)で設定しています。
炭水化物の目標量は50〜65%エネルギーとされているため、糖質を制限する場合はこの範囲内で行うことが勧められます[6]。
また、他のエネルギー産生栄養素とのバランスも意識する必要があります。
脂質の目標量は20〜30%エネルギーです[6]。
たんぱく質の目標量は年代によってやや異なり、男女とも18〜49歳では13〜20%エネルギー、50〜64歳では14〜20%エネルギー、65歳以上では15〜20%エネルギーと定められています[6]。
必要なカロリーを確保した上で、脂質やたんぱく質とのバランスも考えながら糖質を制限する必要があるのですね。
脂質、たんぱく質についてはそれぞれ以下の記事で詳しく解説しています。
脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説
タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント3 食物繊維を積極的に摂取する
ダイエットを成功させるためには、食物繊維を十分に摂取することが重要です。
ダイエットのために食事量を減らすと、食物繊維などの栄養素が不足しやすくなります。
食物繊維は整腸作用を有するため、不足すると便秘を招く恐れがあります。
整腸作用の他にも、食物繊維には脂質や糖質を体外に排出したり肥満を予防・改善したりする効果が期待できます。
食物繊維はダイエット中にも欠かさずに摂取することが大切なのですね。
さらに食物繊維を含む食品は低カロリーで腹持ちが良いものが多く、この点もダイエットをする上ではメリットといえます。
1日の食物繊維摂取量は25g以上が理想的とされていますが、現代の日本人の摂取量はこれよりもかなり少ないのが現状です[7]。
そこで、実現可能性を考慮した目標量が設定されています。
男性の食物繊維の目標量は15〜17歳で19g以上、18〜29歳で20g以上、30〜64歳で22g以上、65〜74歳で21g以上、75歳以上で20g以上です[7]。
また女性の目標量は15〜74歳で18g以上、75歳以上で17g以上です[7]。
食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、野菜やきのこ、海藻類、豆類などの植物性食品に含まれています。
さつまいもは1食当たりで食物繊維を2〜3g摂取できる食品の一つです[8]。
他にブロッコリーや切り干し大根、ごぼう、たけのこ、モロヘイヤ、しいたけ、納豆、おからなどからも食物繊維を摂取できます。
また主食類をご飯や普通のパンから玄米や麦ご飯、全粒粉パン、そばなどに替えることも食物繊維摂取量を増やすためにおすすめの方法です。
このような食品を積極的に取り入れて食物繊維の摂取量を増やし、ダイエットの成功に役立ててくださいね。
食物繊維を含む食べ物については以下の記事で詳しく解説しています。
食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[8] 厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
ポイント4 GI値の低い食品を選ぶ
食後の血糖値を急激に上げないことも、ダイエット中に気を付けたいポイントの一つです。
血糖値の急上昇を繰り返していると肥満や糖尿病のリスクが高まるといわれています。
糖尿病については以下の記事で詳しく解説しています。
糖尿病を予防するには?食事や運動で気をつけたいポイントを紹介
このためダイエット中は「GI値(グリセミック・インデックス)」が低い食品を選ぶと良いでしょう。
GI値は、食品を摂取した後の血糖値の上昇度合いを表す指標のことです。
GI値の低い食品を選ぶことで血糖値の上昇を緩やかにし、肥満などのリスクを高めるインスリンの過剰分泌を防ぐことができると考えられます。
さつまいものGI値は51で低GI食品に分類されます[9]。
ただし血糖値が上がりやすいこと、つまりGI値が低いことは必ずしもカロリーが低いことを意味するわけではないため注意してくださいね
GI値については以下の記事で詳しく解説しています。
[9] Murakami Kentaro , Sasaki Satoshi, Takahashi Yoshiko, Okubo Hitomi , Hosoi Yoko , Horiguchi Hyogo , Oguma Etsuko , Kayama Fujio「Dietary glycemic index and load in relation to metabolic risk factors in Japanese female farmers with traditional dietary habits」
ポイント5 食物繊維やたんぱく質を先に摂取する
ダイエット中は糖質より先に、食物繊維やたんぱく質を摂りましょう。
食物繊維を多く含む野菜から食べ始める食事法「ベジファースト」は、血糖値の急上昇を抑えるのに有効とされています。
ごはんなどの糖質を多く含む食品を食べる前に食物繊維を先に摂取することで、糖質の分解や吸収を遅らせ血糖値の急上昇を抑えられます。
同様に、たんぱく質を多く含む食品から食べ始めることも食後血糖値の上昇抑制に効果があるといわれます。
たんぱく質を先に摂取するとインクレチンというホルモンが分泌され胃のはたらきが抑制されることで、食後の血糖値が上がりにくくなると考えられています。
ダイエットにおいては食べる順番も大切なのですね。
4.さつまいもの炭水化物含有量についてのまとめ
さつまいも100g当たりの炭水化物含有量は皮付きで33.1g、皮なしで31.9gです[10]。
炭水化物は糖質と食物繊維に分類されそれぞれ重要なはたらきをするため、ダイエットしたい場合でも単に摂取を制限すれば良いというものではありません。
ダイエットを成功させるためには、カロリー制限を適切に行った上で糖質を適度に制限することや食物繊維を積極的に摂取することが重要です。
さつまいもは食物繊維の摂取源となります。
また低GI食品の一つであるため、血糖値が上がりにくく肥満につながりにくいと考えられます。
このため、さつまいもは総摂取カロリーを意識していればダイエット中でも避けるべき食品ではないといえるでしょう。
この記事を参考に、栄養素やバランスを意識しながらダイエットを成功に導いてくださいね。
[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」