糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介

2024年12月02日

2024年12月24日

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「糖質ってどんな成分なんだろう?」

「糖質の不足や摂り過ぎは体にどう影響するのかな……」

糖質とは炭水化物の一種です。

たんぱく質や脂質と並ぶ、ヒトの体のエネルギー源となる栄養素です。

糖質はヒトにとって重要なエネルギー源であるため、不足すると疲労感や集中力の低下、意識障害などを引き起こす恐れがあります。

一方で過剰に摂取すると、消費し切れなかった分が中性脂肪として体に蓄積し、肥満や生活習慣病の原因となります

この記事では糖質とはどんな物質なのか、また過不足による悪影響や摂取目標量などを詳しく解説していきます。

糖質の摂取源となる食べ物や飲み物についてもご紹介するので、摂取量を守って食事をするために参考にしてくださいね。

1.糖質とは

「そもそも糖質はどんなはたらきをしているのかな?」

このように糖質のはたらきについてよく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは糖質のはたらきとその分類について詳しく解説します。

1-1.糖質のはたらき

糖質は炭水化物の一種です。

炭水化物には体内で消化されてエネルギー源になる糖質と、ヒトの消化酵素では消化できない「食物繊維」があります。

メモ
糖質のほかにエネルギー源となる栄養素としてたんぱく質や脂質があり、これらのエネルギー源を総称して「エネルギー産生栄養素」といいます。

炭水化物が産生するカロリーは1g当たり4kcalといわれています[1]。

メモ
カロリーとはヒトが食べ物などから摂取し、生命機能の維持や身体活動に消費されるエネルギーの量を表す単位のことです。一般的に1cal(カロリー)では単位が小さ過ぎるために、その1,000倍である1kcal(キロカロリー)が最小単位として使われています。

このうち食物繊維に由来するカロリーは1g当たり0~2kcalですが[2]、炭水化物のなかで占める割合がわずかであるため、食物繊維に由来するカロリーは無視できるほど少量です。

炭水化物が産生するカロリーはほぼ糖質由来といえるでしょう。

実際、糖質のカロリーは1g当たり約4kcalであるといわれています[2]。

糖質のなかでも「ブドウ糖」は、特別な場合を除いて脳の唯一のエネルギー源となる人体にとって重要な栄養素です。

ブドウ糖とは
ヒトのエネルギー源の一つである糖質のなかで、最も小さく基本的な「単糖類」の一種です。自然界に最も多く存在する単糖類で、動植物が活動するための重要なエネルギー源です。

食事などから摂取した糖質は、ブドウ糖などに消化されて吸収されます。

これにより血液中のブドウ糖の濃度である「血糖値」が上昇すると、膵臓(すいぞう)から「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリンはブドウ糖を細胞内に取り込ませ、エネルギーとして利用させます。

メモ
インスリンにはエネルギーとして使い切れなかったブドウ糖を中性脂肪や「グリコーゲン」に合成するはたらきもあります。これらのはたらきにより血糖値が低下します。
グリコーゲンとは
多数のブドウ糖が結びついた多糖類です。筋肉を動かすためのエネルギー源としての役割に加え、血糖値を一定に保つ役割を担っています。

このようにして糖質はヒトの体を維持したり動かしたりするためのエネルギーとなるのですね。

余ったブドウ糖を中性脂肪やグリコーゲンに合成したりすることで血糖値を下げるはたらきがあります。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

1-2.糖質の分類

糖質は単糖類、少糖類、多糖類の三つに分けることができます。

糖質の分類

糖質のなかでもそれ以上は分解されないものを単糖類と呼びます。

代表的な単糖類にはブドウ糖(グルコース)や「果糖(フルクトース)」、「ガラクトース」などがあります

また単糖類が2個結びついたものを二糖類と呼びます[3]。

二糖類にはブドウ糖と果糖が結びついた「ショ糖」やブドウ糖とブドウ糖が結びついた「麦芽糖」、ブドウ糖とガラクトースが結びついた「乳糖」などがあります。

さらに3〜9の糖が結びついたものは少糖類、またはオリゴ糖と呼ばれています[3]。

メモ
少糖類・オリゴ糖の定義はやや曖昧で、二糖類がここに分類される場合もあります。

食品表示などに用いられる「糖類」は、単糖類と二糖類です。

この他、10以上の単糖類が結びついたものは多糖類と呼ばれます[3]。

多糖類にはいも類や穀類に含まれる「デンプン」や動物性食品に含まれるグリコーゲンなどがあります。

食物繊維について詳しく知りたい方は以下をチェックしてみてくださいね。

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2.糖質の不足や過剰摂取による影響

「糖質が少な過ぎたり多過ぎたりすることで体に悪影響があるのかな……」

このような疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

重要なエネルギー源である糖質は、不足したり過剰に摂取したりするとさまざまな悪影響を及ぼします。

この章では糖質の不足や過剰摂取による影響について詳しく解説していきます。

2-1.糖質の不足による影響

肩をおさえる女性の後ろ姿

糖質が不足するとエネルギー不足による疲労感や集中力の減少といった悪影響が生じます。

糖質は摂取した後、最も素早くエネルギーに変換される栄養素です。

その一方で、脂質と比べて体内に蓄積できる量が少ないため適宜摂取する必要があるのです。

ブドウ糖が不足すると筋肉や肝臓に貯蔵されたグリコーゲンが分解され、エネルギー源として使われます。

しかし、グリコーゲンが不足していると筋肉などのたんぱく質がエネルギー源として分解されてしまいます。

これによって筋肉量が低下する恐れがあります。

また脳や神経のエネルギー源であるブドウ糖が不足すると、思考力が低下したり意識障害を起こしたりする恐れもあります

2-2.糖質の過剰摂取による影響

お腹のにくをつまんでいるところ

糖質の過剰摂取は肥満や生活習慣病を引き起こす恐れがあります

糖質を摂り過ぎると、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回り、余った分はインスリンのはたらきで中性脂肪として蓄積されてしまいます。

中性脂肪の蓄積は肥満を引き起こします

肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧といった生活習慣病を引き起こす他、心筋梗塞などの致命的な病気のリスクも高めます

肥満を予防し健康に過ごすために糖質の摂り過ぎには注意しましょう。

3.糖質の摂取目標量

「糖質ってどのくらい摂れば良いのかな?」

このように適切な糖質の摂取量が分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

厚生労働省は糖質ではなく、炭水化物全体に対する目標量を設定しています。

目標量とは
現在の日本人が生活習慣病を予防するために目標とすべき量として設定された摂取量です。

炭水化物の目標量は1日に摂取するカロリーに対し炭水化物から摂取するカロリーが占める割合として設定されており、その単位は%エネルギーです。

1歳以上の炭水化物の目標量は50〜65%エネルギーです[4]。

例えば1日の適切な摂取カロリーが2,000kcalの場合、炭水化物から摂取すべきカロリーは1,000〜1,300kcalということになります。

糖質は1g当たり約4kcalなので[4]、4kcalとして重量に換算すると250〜325gです。

このように適切な摂取量を意識するようにしましょう。

1日に摂取すべきカロリーについては以下の記事で紹介しています。

1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

4.糖質の摂取源となる食べ物・飲み物

「糖質を摂取するには何を食べたら良いのかな?」

糖質を含む食品を知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは糖質の摂取源となる食べ物・飲み物について紹介します。

メモ
この章で紹介している食べ物・飲み物の糖質含有量は「利用可能炭水化物(質量計)」の数値を引用し、「利用可能炭水化物(質量計)」の数値を糖質含有量として掲載しています。

4-1.主食類

生米

糖質の摂取源となる食べ物には主食類があります

糖質を含む主食類は以下のとおりです。

【主食類の可食部100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
フランスパン
-
58.2g
ライ麦パン
-
49.0g
食パン
-
44.2g
うるち米
ごはん
34.6g
玄米
ごはん
32.0g
マカロニ・スパゲティ
ゆで
28.5g
そば
ゆで
24.5g
そうめん・ひやむぎ
ゆで
22.2g
うどん
ゆで
19.5g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このようにパンやうどんに使われる小麦粉やご飯には糖質の含有量が多いことが分かります。

糖質の摂取量を抑えたいけどできるだけ食事を変えたくないという方は、糖質量の少ない麦入りご飯や玄米、アワやキビなどの入った雑穀米を摂るようにしましょう

4-2.いも類

皮のついたじゃがいも

いも類は糖質の摂取源となる食べ物の一つです。

糖質を含むいも類は以下のとおりです。

【いも類の可食部100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
タピオカパール
87.4g
くずきり
81.5g
はるさめ
80.4g
さつまいも(皮つき)
28.4g
むらさきいも(皮なし)
27.5g
長芋
24.5g
自然薯
23.4g
じゃがいも
15.5g
里芋
10.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

いも類はパンやうどんなどの主食類と比べて、糖質の含有量が少ない傾向にありますが、摂り過ぎには注意しましょう。

4-3.果物類

バナナ3本

果物類は糖質の摂取源となる食品の一つです。

糖質の摂取源となる果物類は以下のとおりです。

【果物類の可食部100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
バナナ
18.5g
さくらんぼ
13.7g
ライチ
14.9g
マンゴー
13.4g
かき
13.1g
りんご(皮付き)
12.7g
パイナップル
12.2g
キウイ(黄肉種)
11.9g
もも(黄肉種)
11.0g
いちじく
11.0g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

果物類にはブドウ糖や果糖、ショ糖といった糖質が含まれています。

そのため、摂り過ぎると糖質の過剰摂取につながり肥満の原因となることがあります。

4-4.砂糖・甘味料類

砂糖と角砂糖

砂糖・甘味料類は糖質の摂取源となる食べ物の一つです。

糖質を含む砂糖や甘味料類は以下のとおりです。

【砂糖・甘味料類100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
角砂糖
-
99.9g
ざらめ糖
-
99.9g
氷砂糖
-
99.9g
和三盆糖
-
99.6g
上白糖
-
99.3g
三温糖
-
99.0g
粉あめ
-
97.0g
黒砂糖
-
88.9g
はちみつ
-
75.2g
メープルシロップ
-
66.3g
黒蜜
-
49.7g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このように砂糖はそのほとんどが糖質です。

糖質が気になる人は糖質が少ない調味料に置き換えるのも有効です。

4-5.菓子類

カラフルな飴玉

菓子類も糖質の摂取源となる食品の一つです。

糖質を含む菓子類は以下のとおりです。

【菓子類100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
あめ玉
-
97.5g
八つ橋
-
93.0g
しょうゆせんべい
-
80.4g
キャラメル
-
79.8g
マシュマロ
-
79.3g
サブレ
-
71.7g
コーンスナック
-
66.4g
ミルクチョコレート
-
56.5g
メロンパン
-
56.2g
ジャムパン
-
52.5g
ポテトチップス
-
51.8g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

菓子類には多くの糖質が含まれているため、食べ過ぎないように注意しましょう。

4-6.飲み物類

グラスにはいった炭酸の飲み物

糖質の摂取源となる飲み物類は以下のとおりです。

【飲み物類100g当たりの糖質含有量】
食品名 加工状態など 含有量
ミルクココア
粉末
75.1g
昆布茶
粉末
33.4g
甘酒
-
16.9g
スイートワイン
-
12.2g
コーラ
-
12.0g
サイダー
-
9.0g
清酒
-
2.6g
ロゼワイン
-
2.5g
缶チューハイ
-
1.8g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

このようにミルクココアやコーラ、サイダーなどといった嗜好飲料は糖質の含有量が多いため、飲み過ぎるとエネルギーの過剰摂取やそれに伴う肥満を引き起こす恐れがあります。

また「ノンカロリー」「ノンシュガー」といった表示のある飲料は、必ずしも0kcal・砂糖0gとは限らないため注意が必要です[5]。

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「嗜好飲料(アルコール飲料を除く)

5.糖質についてのまとめ

糖質は炭水化物の一種で、重要なエネルギー源の一つです。

糖質は単糖類、少糖類、多糖類に分けられます。

糖質が不足するとエネルギー不足による疲労感や集中力の減少といった症状が見られます

一方で摂り過ぎると余った糖質が脂肪として蓄積し肥満を引き起こします

肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の原因となる他、心筋梗塞などの深刻な病気のリスクを高めます。

糖質を過不足なく摂取するためには、摂取目標量を把握するようにしましょう。

厚生労働省は糖質から摂取するカロリーは総摂取カロリーの50~65%に抑えるのが望ましいとしています[6]。

糖質が含まれる食べ物や飲み物を知り、過不足なく糖質を摂るようにしてくださいね。

[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

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