脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説

2024年11月14日

2024年11月14日

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「脂質を摂ると太りそうだな……」

「そもそも脂質って体に必要なのかな?」

脂質と聞いて、このような疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

脂質は、生命を維持するためのエネルギーを産生する他、細胞膜やホルモンの材料としても不可欠な成分です。

ただし摂り過ぎや摂取する脂質の種類の偏りは肥満を招き、生活習慣病の原因となることもあるため、注意が必要です。

この記事では、脂質の種類やはたらき、食事摂取基準や摂り方のポイントなどを詳しくご説明します。

1.脂質とは

ガラスの器にはいっているオイル

脂質は体内でエネルギー(カロリー)源となる栄養素で、同じはたらきをするたんぱく質や炭水化物とともに「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます

また、細胞膜や「生理活性物質」の成分として重要な役割を担います。

生理活性物質とは
体内で起こるさまざまな代謝を調節する物質のことで、酵素やホルモン、神経伝達物質などが該当します。代謝とは体内へ取り込んだ食物などを分解したり、そこから別のものを産生したりするはたらきを意味します。

また、脂質は体の機能を調節する「ステロイドホルモン」やビタミンDを生成する材料としての役割も担います。

ステロイドホルモンとは
女性ホルモン・男性ホルモンなどの性ホルモンや、副腎の外側部分の副腎皮質で産生される糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドなどの総称です。体のさまざまな機能を維持するために重要なはたらきをします。

脂質には中性脂肪やリン脂質、コレステロールなどさまざまな種類があります。

多くの脂質は大部分が脂肪酸で構成されており、構造の違いなどによってはたらきが異なります。

なお、私たちが食事から摂取している脂質のほとんどが中性脂肪(トリグリセリド)です。

食物から摂取した脂質の大部分は小腸で消化され、血中に溶け込み全身へ運ばれます。

血中の脂質量は通常一定に保たれていますが、過剰になったり不足したりすると体にさまざまな影響を及ぼすため注意が必要です。

2.脂質のはたらき

サラダにオイルをかけているところ

脂質はエネルギー産生栄養素として重要ですが、他にもさまざまなはたらきをしています。

ここでは脂質のはたらきについて詳しくみていきましょう。

2-1.エネルギー源となる

脂質は体内でエネルギーを産み出す重要な栄養素です。

エネルギー源として使われる脂肪酸には、たんぱく質や炭水化物の倍以上のエネルギー量があります。

メモ
糖質とたんぱく質は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを生み出します[1]。

このため、効率の良いエネルギーとして使われるだけでなく、エネルギー蓄積物質としても優先的に蓄えられます。

食べ過ぎたときに体に脂肪が付くのにはこのような理由があったのですね。

[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-2.細胞膜やホルモンの材料となる

脂質の一種であるリン脂質やコレステロールは細胞膜を構成する主成分です。

このため、不足すると細胞膜の正常なはたらきに支障が生じます。

また、コレステロールはステロイドホルモンやビタミンD、胆汁酸の材料となります。

いずれも生命の維持に欠かせない役割といえるでしょう。

2-3.ビタミンの吸収を助ける

脂質には脂溶性ビタミンの吸収を良くするはたらきがあります

脂溶性ビタミンとは
水に溶けにくく、油脂やアルコールに溶ける性質を持つビタミンの総称です。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが脂溶性ビタミンに該当します。

食事での調理の際に油を使って炒めたり、油が入ったドレッシングなどを使ったりすることで、脂溶性ビタミンの吸収率を高めることができます。

3.脂肪酸の種類

霜降り肉のアップ

私たちが日常口にする脂肪には、バターや肉のように常温で固体のものと、サラダ油や魚油のDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸 )のように液体のものが存在します。

メモ
EPAはIPA(イコサペンタエン酸)とも呼ばれます。

これらの脂肪の主成分はいずれも中性脂肪ですが、なぜ形状が違うのでしょうか。

その理由は、中性脂肪の大部分を占める脂肪酸の種類によって脂肪の形状が変わるためです。

脂肪酸は炭素、水素、酸素から構成されており、炭素の数やつながり方によってさまざまな種類が存在します

分子の構造の違いから、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。

さらに多価不飽和脂肪酸にはn-6系とn-3系に分けられます。

この章ではそれぞれの特徴やはたらきについて解説します。

脂肪酸の種類

3-1.不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、植物や魚の油に多く含まれる常温で液状の脂肪酸で、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます

このうち多価不飽和脂肪酸は健康維持に重要ですが、ヒトの体内では合成できないもしくは十分に合成できないため、食物からの摂取が必要です。

メモ
ヒトの生命維持に欠かせない脂肪酸のうち、体内で合成できないまたは十分に合成できないため食物からの摂取が必要なものを「必須脂肪酸」といいます。必須脂肪酸はいずれも多価不飽和脂肪酸で、「リノール酸」や「αーリノレン酸」などが該当します。

不飽和脂肪酸にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らすはたらきがあるといわれています

メモ
LDLコレステロールには肝臓で生成されたコレステロールを全身へ運ぶはたらきがありますが、増え過ぎると動脈硬化を進行させます。 一方HDLコレステロール(善玉コレステロール)は増え過ぎたコレステロールを回収して肝臓へ戻し、動脈硬化を抑制します。

それでは、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸についてさらに詳しくみていきましょう。

3-1-1.一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は植物油に多く含まれ、「ミリストオレイン酸」「パルミトオレイン酸」「オレイン酸」「エルカ酸」などの種類があります。

このなかでオレイン酸が一価不飽和脂肪酸の大部分を占めています。

オレイン酸は特にオリーブオイルに多く含まれることが知られています。

オレイン酸はLDLコレステロールを増加させないといわれていますが、生活習慣病に対する予防効果は明らかになっていません。

3-1-2.多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸はn-6系とn-3系に分類されます

n-6系の脂肪酸にはリノール酸、γ─リノレン酸、アラキドン酸などの種類があります。

このうち、日本人が摂取しているもののほとんどがリノール酸です。

リノール酸はサフラワー油やとうもろこし油、大豆油、ごま油といった植物油やくるみなどのナッツ類に多く含まれます。

n-6系脂肪酸の摂取と生活習慣病予防についての相関は現段階では明らかではありません。

ただし、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合に冠動脈疾患や心筋梗塞の発症が有意に減少することは認められています。

n-3系脂肪酸にはα-リノレン酸、EPA、DHAがあります。

α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変化します。

α-リノレン酸は大豆油、なたね油、えごま油、亜麻仁油などの植物油やくるみなどのナッツ類に多く含まれます。

EPAやDHAは魚類に多く含まれる脂肪酸です。

n-3系脂肪酸摂取による循環器疾患の予防や認知症の予防・治療への有効性が期待されていますが、今のところは認められていません。

ただしHDLコレステロールをわずかに上昇させ、中性脂肪を下げる効果については明らかになっています

3-2.飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、乳製品や肉類など主に動物性食品に多く含まれる固形の脂質のことです。

肉の脂身やラード、バター、生クリーム、パーム油、カカオの油脂などに多く含まれています。

またインスタントラーメンなどの加工食品にも多く使われています。

体内でつくることができるため必須脂肪酸には該当しません。

飽和脂肪酸は脂質異常症の一つである「高LDLコレステロール血症」の代表的な要因といわれます

脂質異常症とは
血液中の脂質の値が基準から外れた状態のことです。LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の値が異常な状態の診断基準です。

心筋梗塞など循環器系の疾患や肥満の危険因子として注意が必要な栄養素です。

4.脂質の過不足による影響

健康診断の結果票に蛍光ペンで丸をつけているところ

脂質はヒトが生きていく上で不可欠ですが、摂り過ぎると体にとってさまざまなリスクをもたらします。

ここでは脂質の過剰摂取や摂取不足による影響についてみていきましょう。

4-1.脂質の過剰摂取による影響

脂質の摂り過ぎは肥満の原因になります

脂質を摂り過ぎると、消費しきれず余った脂質が中性脂肪として蓄えられ、結果的に肥満を招きます。

肥満は糖尿病や高血圧症、心血管疾患、脂質異常症などの生活習慣病や、大腸がん、前立腺がん、乳がんなどを引き起こす要因となるため、予防や対策が必要です。

脂質の過剰摂取には注意が必要ですね。

4-2.脂質の摂取不足による影響

脂質が不足するとエネルギーの不足が生じる他、体力の低下やホルモンバランスの乱れ、脳出血などを起こす恐れがあります。

必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸や n-3系脂肪酸が欠乏すると、皮膚炎などの原因となります

現代の一般的な食生活では不足することは少ないといわれますが、ダイエットで極端な脂質制限を行った場合には髪や肌の乾燥、肌荒れ、シワなどが生じる恐れがあります。

5.脂質の食事摂取基準

体重計の上にのったポテトチップス

「脂質ってどのくらい摂ったら良いのかな?」

というのが気になりますよね。

この章では厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められている「脂質の目標量」「飽和脂肪酸の目標量」「必須脂肪酸の目安量」についてみていきましょう。

5-1.脂質の目標量

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、脂質の目標量は同じくエネルギー産生栄養素であるたんぱく質や炭水化物の摂取量とのバランスを考慮して設定されています。

目標量とは
「日本人の食事摂取基準」において、生活習慣病の発症予防のために日本人が当面目標とすべき摂取量として設定されたものです。総エネルギー摂取量に占める割合、すなわちエネルギー比率(%エネルギー)という単位で示されています。

18歳以上の1日当たりの脂質の摂取目標量は、男女共に摂取するエネルギー量全体の20~30%です[2]。

実際に何gに相当するのか、計算してみましょう。

1日当たりに必要とされるカロリー(推定エネルギー必要量)は年齢や性別、身体活動レベル(どれだけ体を動かすかという指標)により変わります。

まずはご自身の身体活動レベルを下の表で確認してみてください。

【身体活動レベル】
レベルⅠ(低い) 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
レベルⅡ(普通) 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客など、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合
レベルⅢ(高い) 移動や立位の多い仕事の従事者、あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

次に、ご自身の推定エネルギー必要量を確認します。

【1日当たりの推定エネルギー必要量(kcal)】
※横にスクロールできます
男性 女性
身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い) Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳
2,300
2,650
3,050
1,700
2,000
2,300
30〜49歳
2,300
2,700
3,050
1,700
2,050
2,350
50〜64歳
2,200
2,600
2,950
1,650
1,950
2,250
65〜74歳
2,050
2,400
2,750
1,550
1,850
2,100
75歳以上
1,800
2,100
-
1,400
1,650
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

例えば、身体活動レベルⅡの30代の女性の場合、1日当たりの推定エネルギー必要量は2,050kcalですね。

脂質の摂取目標量はこのうちの20~30%エネルギーなので[2]、410~615 kcalです。

脂質1g当たりのカロリーは9kcal なので[3]、46~68gが1日の摂取目標量になります 。

[2] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

5-2.飽和脂肪酸の目標量

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病予防を考慮して飽和脂肪酸の目標量が定められています。

18歳以上の1日当たりの飽和脂肪酸の摂取目標量は、男女共に7%エネルギー以下です[4]。

身体活動レベルⅡの30代の女性では、1日当たりの推定エネルギー必要量2,050 kcal の7%エネルギーなので144kcal以下です[4]。

重量換算すると16g以下ということになりますね。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

5-3.必須脂肪酸の目安量

厚生労働省」の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸について重量(g)で目安量が定められています

目安量とは
一定の栄養状態を維持するのに十分と考えられる量です。この量以上を摂取していれば不足の心配はほとんどないとされています。

1日当たりのn-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸の摂取目標量は次のとおりです。

【1日当たりのn-6系脂肪酸の摂取目安量(g)】
年齢など 男性 女性
0~5カ月
4
4
6~11カ月
4
4
1~2歳
4
4
3~5歳
6
6
6~7歳
8
7
8~9歳
8
7
10~11歳
10
8
12~14歳
11
9
15~17歳
13
9
18~29歳
11
8
30~49歳
10
8
50~64歳
10
8
65~74歳
9
8
75歳以上
8
7
妊婦
-
9
授乳婦
-
10

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

【1日当たりのn-3系脂肪酸の摂取目安量(g)】
年齢など 男性 女性
0~5カ月
0.9
0.9
6~11カ月
0.8
0.8
1~2歳
0.7
0.8
3~5歳
1.1
1.0
6~7歳
1.5
1.3
8~9歳
1.5
1.3
10~11歳
1.6
1.6
12~14歳
1.9
1.6
15~17歳
2.1
1.6
18~29歳
2.0
1.6
30~49歳
2.0
1.6
50~64歳
2.2
1.9
65~74歳
2.2
2.0
75歳以上
2.1
1.8
妊婦
-
1.6
授乳婦
-
1.8

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

6.脂質を摂取する際のポイント

かつおのたたき

脂質は摂り過ぎないように注意すると同時に、摂取する脂肪酸の種類への配慮も重要です。

国が定める「食生活指針」のなかでも、かつては「脂肪は控えめに」といわれていましたが現在は「脂肪は質と量を考えて」と改定されています

メモ
「食生活指針」が2000年に策定されたのち、「食」に関する大きな動き(「食育基本法」の制定や「健康日本21(第二次)」「第3次食育推進基本計画」のスタート、「和食:日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産への登録)がありました。これを踏まえ食生活指針の内容が2016年に改定されています。

この章では脂質を摂取する際のポイントをご紹介します。

ポイント1 必須脂肪酸を十分に摂取する

必須脂肪酸である多価不飽和脂肪酸(n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸)は体内で合成できないか、合成できても十分な量ではないため、食事から摂り入れる必要があります

必須脂肪酸はさまざまな食品に含まれており、特に魚や植物油から多く摂取することができます。

以下に、必須脂肪酸を多く含む食品をご紹介しますので参考にしてくださいね。

【n-6系脂肪酸を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
サフラワー油
-
69.97g
ぶどう油
-
63.10g
ひまわり油
-
57.51g
綿実油
-
53.51g
とうもろこし油
-
50.82g
大豆油
-
49.67g
ラー油
-
42.75g
くるみ
いり
41.32g
ごま油
-
40.88g
らっかせい
いり
16.72g
きなこ(黄大豆)
-
12.05g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

【n-3系脂肪酸を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
えごま油
-
58.31g
亜麻仁油
-
56.63g
チアシード
乾燥
19.43g
くるみ
いり
8.96g
なたね油
-
7.52g
みなみまぐろ(脂身)
6.77g
たいせいようさば
6.56g
すじこ(しろさけ)
-
5.83g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ポイント2 飽和脂肪酸の摂り過ぎに注意する

飽和脂肪酸の摂り過ぎは肥満の原因となる他、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるLDLコレステロール濃度を上げる要因ともなります。

健康な人のみならず脂質異常症の患者においても、飽和脂肪酸の摂取量を制限することでLDLコレステロール濃度が下がることが報告されています

また飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合、冠動脈疾患の発症率や心筋梗塞の発症率および死亡率を有意に減少させるということも報告されています

摂り過ぎないように普段から食事には気を付けたいですね。

以下に、飽和脂肪酸を多く含む食品をご紹介しますので参考にしてください。

【飽和脂肪酸を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 加工状態など 含有量
バター(有塩)
-
50.45g
牛脂
-
41.05g
ラード
-
39.29g
マーガリン
-
23.04g
牛肉/かた(脂身)
27.32g
豚肉/ロース(脂身)
32.03g
クリーム(乳脂肪)
-
26.28g
ホワイトチョコレート
-
22.87g
チェダーチーズ
-
20.52g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

7.脂質についてのまとめ

脂質は体内でエネルギー源となる「エネルギー産生栄養素」の一種です。

細胞膜やステロイドホルモンの材料となる他、脂溶性ビタミンの吸収を良くするはたらきがあります。

脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別できます。

不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸、さらに多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられます。

不飽和脂肪酸は植物や魚の油に多く含まれる脂肪酸で、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを減らすはたらきがあるとされています

不和脂肪酸のうち一価不飽和脂肪酸は植物油に多く含まれ、代表的なのがオリーブオイルに含まれるオレイン酸です。

また、多価不飽和脂肪酸は大豆油などの植物油に含まれるn-6系と植物や魚に含まれるn-3系とに分類され、いずれも体内で合成できないもしくは十分に合成できない必須脂肪酸です。

特にn-3系脂肪酸には、HDLコレステロールをわずかに上昇させ中性脂肪を下げる効果が認められています。

脂質の摂り過ぎは肥満を招き、糖尿病や脂質異常症、高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病や、大腸がん、前立腺がん、乳がんなどを引き起こす要因となります

一方、脂質の摂取不足により体力の低下やホルモンバランスの乱れ、脳出血、皮膚炎などが起こるとされますが、ダイエットなどで極端な脂質制限を行わない限り不足の心配はほとんどありません。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、脂質の目標量、飽和脂肪酸の目標量、必須脂肪酸の目安量が設定されています。

必須脂肪酸である多価不飽和脂肪酸を十分に摂取し、肥満や脂質異常症の原因となる飽和脂肪酸を摂り過ぎないように注意しましょう

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