カロリーとは何?ダイエットを始める前に知っておきたい基礎知識

2020年12月17日

2024年08月21日

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体型維持やダイエット、健康のためにカロリーの摂取量を気にしているという方は多いでしょう。

しかし、

「カロリーって当たり前のように使う言葉だけど、そういえば何のことなんだろう?」

そんな疑問を抱いてこの記事をご覧になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、近年「カロリーオフ」「カロリーゼロ」とうたう商品が多く発売されていますが、両者の違いや正確な意味までは知る機会があまりないですよね。

この記事では、ダイエットを始める前に知っておきたいカロリーの基礎知識やカロリーとダイエットの関係をご説明していきます。

「カロリーオフ」と「カロリーゼロ」の違いもあわせて解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.そもそもカロリーとは?

「カロリー」は日常的にも見聞きする機会の多い言葉ですよね。

しかし実際にカロリーがどのようなものなのか説明しようと思うと、案外難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、まずはカロリーがどのようなものなのか、分かりやすくご説明していきましょう。

1-1.カロリーとは人が生きるために必要なエネルギー

私たちの体は、ご飯を食べて消化したり、考えるときに脳を動かしたり、運動をしたりするときなどにエネルギーを必要とします。

この人間が活動をするために必要なエネルギーの量が「カロリー」と呼ばれているものです。

メモ
エネルギー量を表す単位としてのカロリーは「cal」と表記し、本来は熱量を表す単位です。人が食品から摂取したエネルギーは最終的にほとんどが熱として体外に排出されるため、熱量を表す単位が用いられています。 また、一般的には「1kcal(=1,000cal)」を単位として用います。

1-2.健康的のために必要な1日のカロリー

「健康に生活するために必要なカロリーはどれくらいなんだろう?」

というのが気になるところですよね。

厚生労働省や公益社団法人 日本医師会は18歳以上の成人が1日に必要とする推定カロリーを「基礎代謝量」×「身体活動レベル」で求めています。

メモ
1日に必要とされる推定カロリーは一般的に「どれくらいのカロリーを消費するか」という観点から計算されます。

基礎代謝量とは、何もせずにじっとしているときに消費される、呼吸や心拍、体温の維持など生命を保つために必要な最小限のカロリーのことです。

もう一方の身体活動レベルは日常的に体をどれくらい動かしているかによって3段階に分けられます。

【身体活動レベルの基準】

レベル 定義
レベルⅠ(低い) 生活の大部分を座って過ごし、
あまり体を動かすことがない場合
レベルⅡ(普通) 座っていることが多いが、職場内での
移動や立っての作業、通勤・買い物・
家事・軽いスポーツなどのいずれかを行う場合
レベルⅢ(高い) 移動や立っての作業が多い仕事に
従事している、または頻繁に運動を
行う習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

この説明だけでは何が何だか分からないですよね。

そこで、厚生労働省が発表している「基礎代謝量」×「身体活動レベル」という式で求められた男女別・年齢別の推定必要カロリーの一覧表を見てみましょう。

【1日の推定必要カロリー】

<男性>

身体活動レベル
18〜29歳 2,300kcal 2,650kcal 3,050kcal
30〜49歳 2,300kcal 2,700kcal 3,050kcal
50〜64歳 2,200kcal 2,600kcal 2,950kcal
65〜74歳 2,050kcal 2,400kcal 2,750kcal
75歳以上 1,800kcal 2,100kcal -

<女性>

身体活動レベル
18〜29歳 1,700kcal 2,000kcal 2,300kcal
30〜49歳 1,750kcal 2,050kcal 2,350kcal
50〜64歳 1,650kcal 1,950kcal 2,250kcal
65〜74歳 1,550kcal 1,850kcal 2,100kcal
75歳以上 1,450kcal 1,650kcal -

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
乳児・小児の場合や妊娠中・授乳中の場合などは状況に応じて必要なカロリーが加算されます。詳しくは公益社団法人 日本医師会のサイト「健康になる! 1日に必要なカロリー「推定エネルギー必要量」」をご確認ください。

健康になる! 1日に必要なカロリー「推定エネルギー必要量」

ただし上記の表は年代別の参照体重(平均的な体重)の基礎代謝量を用いて定められた値です。

基礎代謝量は体重や筋肉と脂肪の比率によって異なるため、1日に必要なカロリーも人によって異なるといえます。

「それじゃあ、自分の体型で必要なカロリーはどうやって知ればいいの?」

という疑問を抱いてしまいますよね。

やや複雑な計算になってしまいますが、ご自身の身体に必要なカロリーを知りたい場合は「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所」の作成した基礎代謝量の推定式を使って計算をしてみると良いでしょう。

基礎代謝量の推定式にはいくつかの種類がありますが、以下の計算式はBMIが30程度までなら大きな誤差は生じないと考えられているものです。

【基礎代謝量の推定式(18〜79歳)】

男性 (0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)
 -0.0138×年齢(歳)-0.4235)×1,000÷4.186
女性 (0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)
 -0.0138×年齢(歳)-0.9708)×1,000÷4.186

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ここで求めた基礎代謝量に、以下の年齢別の身体活動レベルを掛け合わせてみましょう。

【年齢別の身体活動レベルの群分け(男女共通)】

年齢 Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳 1.50 1.75 2.00
30〜49歳 1.50 1.75 2.00
50〜69歳 1.50 1.75 2.00
70歳以上 1.45 1.70 2.00

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ただし、この式で求められるのは現在の体格で必要となる推定カロリーです。

この計算式で算出したカロリーを摂り続けていると、体重を変えることは難しいといえるでしょう。

また、いずれの推定式を用いるにせよ、1日に必要なカロリーは個人差が大きいため、厳密な値を算出することは困難とされています。

メモ
例えば基礎代謝量は筋肉と脂肪の比率に影響を受ける部分が大きく、筋肉量が多ければ基礎代謝量も大きくなるため、同じ体重でも体脂肪率によって消費カロリーは異なると考えられます。

さらに現在の体格で消費するカロリーを摂り続けていても体重に変化はないため、痩せ状態にある方や肥満状態にある方は適切なカロリーを摂取できるよう調節する必要があります。

健康のためには、最も病気になりにくい「標準体重」であった場合に消費される推定必要カロリーを参考に、適宜摂取するカロリーを調節するのが良いと考えられるでしょう。

標準体重とは、BMIが22となる体重のことです。

BMIとは
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される、肥満度を表す国際的な指標です。日本ではBMI18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、BMI25以上が「肥満」と定義づけられています。

自分の身長に対する標準体重は[身長(m)の二乗]×22という式で求められます。

日々の食事から摂取するカロリーを調節する際は、「自分が標準体重になるために必要なカロリー」を意識するのも一つの手だといえるでしょう。

標準体重に近づくためにどれくらいカロリーが必要なのかは、生活習慣病の食事指導において用いられる体重1㎏当たりに必要な推定カロリー表から簡単に計算することができますよ。

【体重1kg当たりの推定必要カロリー】

男性

身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳 35.5kcal 41.5kcal 47.4kcal
30〜49歳 33.7kcal 39.3kcal 44.9kcal
50〜64歳 32.7kcal 38.2kcal 43.6kcal
65〜74歳 31.3kcal 36.7kcal 42.1kcal
75歳以上 30.1kcal 35.5kcal -

女性

身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
18〜29歳 33.2kcal 38.7kcal 44.2kcal
30〜49歳 32.9kcal 38.4kcal 43.9kcal
50〜64歳 31.1kcal 36.2kcal 41.4kcal
65〜74歳 30.3kcal 35.2kcal 40.4kcal
75歳以上 29.0kcal 34.2kcal -

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

2.カロリーとダイエットの関係は?

摂取カロリーを減らすことは減量につながるといえますが、すでにご説明したとおり、極端なカロリー制限は健康にリスクを及ぼす可能性があります。

それだけでなく、単にカロリーを制限するだけのダイエットはかえって非効率にもなりかねません。

ここでは、カロリーとダイエットの関連性について解説していきましょう。

2-1.摂取カロリーが消費カロリーを下回れば痩せる

「摂取カロリーを抑えれば痩せる」ということは皆さんご存知でしょう。

しかし、単に摂取カロリーを減らしただけでは痩せるとは限りません。

摂取カロリーが消費カロリーを下回っていることが必要です。

「どういうこと? カロリーを減らしただけじゃ痩せないの?」

と、混乱する方もいらっしゃるかもしれませんね。

肥満の主な原因は、消費しきれなかったカロリーが脂肪として体内に蓄えられてしまうことにあります。

カロリーと体重の関係は蛇口から出てくる水と水槽、水槽から出ていく水で表すことができます。

上の蛇口から出て水槽に入る水が摂取カロリー、水槽の下の蛇口から出ていく水が消費カロリー、水かさが体重です。

カロリーと体重の関係

水槽に入ってくる水で表される摂取カロリーよりも出ていく水で表される消費カロリーの方が多ければ体重は減る、ということですね。

【関連情報】 「ウォーキングで消費するカロリー」についてもっと知りたい方はこちら

2-2.カロリー制限をしても痩せない場合もある

「摂取カロリーを減らしているのに、なかなか体重が減らない……」

そんな経験をされたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

カロリー制限をしても痩せなかったり、すぐに減量が止まってしまったりする場合もあります。

体型にはカロリーのほかにもいくつかの重要な要素が関係しています。

単にカロリーを減らすだけではなく、適切な知識に基づいた食事制限を行うようにしましょう。

ここでは、カロリー制限をしても痩せない場合とその原因、対処法についてお伝えします。

2-2-1.筋肉が減ると消費カロリーが減る

女性ダンベル

脂肪を落とすだけではなく、筋肉量を維持したり増やしたりすることもダイエットには重要です。

人間の体はじっとしていても生命維持にカロリーを消費します(=基礎代謝)。

しかしこの基礎代謝量は体格によって異なり、筋肉の少ない方はそれに伴って低くなります。

適度な運動をせずカロリー制限だけで急激な減量を行うと、脂肪だけでなく筋肉も減ってしまう可能性があります。

基礎代謝量が低下すると消費カロリーが減って減量しづらくなってしまうため、適度な運動を心掛けるようにしましょう。

2-2-2.カロリーが同じでも脂肪になりやすい食べ物もある

カロリードーナッツ

実はカロリーは同等でも、食品によって脂肪になりやすいものとそうではないものがあります。

カロリーだけを指標とした食事制限は必ずしも効率的ではないといえるでしょう。

近年の研究では、どんな栄養を摂るかということもダイエットには重要だということが分かってきています[1]。

カロリーのみに基づいて食べるものを選ぶのではなく、健康的な食品を選ぶべきだといわれているのです。

具体的には野菜や果物、良質なたんぱく質などがおすすめされています。

一方、脂質の一種である「飽和脂肪酸」を多く含む食品や血糖値が上がりやすい食品は避けるべきだと考えられています。

飽和脂肪酸とは
肉や乳製品などに多く含まれる脂質の一種です。肥満の原因の一つであり、摂りすぎるとさまざまな疾患を招く可能性もあります。

また、糖質を多く含み血糖値を急激に上げる食品も脂肪になりやすいため、摂り過ぎないように気を付けましょう。

カロリーだけでなく、どのような栄養素が含まれているかということも意識して何を食べるか選ぶようにするのが重要ですね。

メモ
食べたものが脂肪になってしまうのを防ぐためには食物繊維を積極的に摂取することがおすすめです。食物繊維には、脂質や糖の吸着や、血糖値に関わるはたらきがあります。

[1] ハーバード大学公衆衛生学部「The Best Diet: Quality Counts

3.カロリーゼロや低カロリー、カロリーオフとは?

近年、「カロリーゼロ」や「低カロリー」、「カロリーオフ」をうたった商品を目にする機会が増えていますよね。

ダイエットのために手に取ったことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

これらの商品にはどのような効果があるのか、どう違うのかご存知でしょうか。

ここではカロリーゼロや低カロリー、カロリーオフなどと示されている商品の効果や定義について詳しく解説します。

3-1.摂取カロリーを抑えられる

カロリーゼロや低カロリー、カロリーオフといった商品は「食品表示基準」に定められた食品表示の一つです。

その特徴は、ずばり摂取カロリーを抑えられることにあります。

摂取カロリーが消費カロリーを下回れば痩せられるということはすでにお伝えしましたよね。

元来カロリーが低い食品というものもありますが、カロリーゼロなどの食品表示は多くはお菓子やお酒など、カロリーが高いことが前提の商品に付けられています

例えば砂糖を「高甘味度甘味料」に置き換えるなどして、カロリーを抑えられるように開発された商品です。

高甘味度甘味料とは
甘味が強いため砂糖よりも少ない量で十分な甘味を添加することのできる甘味料のことです。

「カロリーはなるべく抑えたいけど、甘いものも食べたいなあ……」

というときに心強い味方になってくれるかもしれませんね。

3-2.カロリーゼロや低カロリー、カロリーオフの定義

「カロリーゼロって本当に0kcalなの?」

「低カロリーとカロリーオフって何が違うの?」

と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

カロリーゼロや低カロリー、カロリーオフといった表現にはそれぞれ基準が定められています

カロリーゼロおよび低カロリーといった表現はカロリーが基準値を下回っているかが基準です。

一方、カロリーオフは比較対象となる商品と特定の差以上のカロリーが低減できているかが基準となっています。

それぞれの定義を詳しく確認しましょう。

【カロリーゼロ、低カロリー、カロリーオフの定義】

条件 カロリーゼロ 低カロリー カロリーオフ
同義の表現 ノンカロリーなど 低カロリー、
カロリー控えめ、
カロリーライトなど
カロリー○%減、
カットなど
食品の場合 100g当たり5kcal以下 100g当たり40kcal以下 比較商品との差が
 100g当たり40kcal以上、
 低減割合が25%以上
飲料の場合 100ml当たり5kcal以下 100ml当たり20kcal以下 比較商品との差が
 100ml当たり20kcal以上、
 低減割合が25%以上

東京都「栄養成分表示ハンドブック」をもとに執筆者作成

「カロリーゼロって0kcalじゃないんだ!」

と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は「カロリーゼロ」は厳密に「0kcal」というわけではありません。

100g当たり5kcal以下であればカロリーゼロと表記できるとされているのです。

いくらカロリーゼロや低カロリー、カロリーオフの商品であっても、たくさん食べて摂取カロリーが多くなってしまっては意味がないので注意してくださいね。

【関連情報】 「糖質ゼロ」についてもっと知りたい方はこちら

4.カロリーについてのまとめ

カロリーとはヒトが食べ物から摂取し、生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位のことです。

一般的には1kcal(キロカロリー)が最小単位として用いられています。

厚生労働省が発表している1日に必要な推定必要カロリーは性別や年代、身体活動レベルよって異なり、例えば18〜29歳男性は2,300〜3,050kcalです。

また同年代の女性は1,700〜2,300kcalです。

ただしこれらは平均的な体格の方が健康に生活するために必要な1日のカロリーであるため、ご自身に合った推定必要カロリーが知りたい方は身長や体重などから計算してみましょう。

理論上は消費カロリーが摂取カロリーを上回っていれば減量につながりますが、筋肉が減ってしまうと消費カロリーもそれに伴って低下します。

またカロリーは同じであっても、糖質や脂質の一種である飽和脂肪酸などを多く含む食品を摂ると脂肪になりやすいと考えられています。

栄養バランスを考えながら、適切なカロリーを摂取することが健康や体型の維持につながると考えられるでしょう。

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