水泳の種目別消費カロリーは?計算方法やカロリー消費のコツを紹介

水泳の種目別消費カロリーは?計算方法やカロリー消費のコツを紹介

2023年12月27日

2023年12月20日

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「水泳の消費カロリーってどれくらいなのかな?」

体重を減らすために、水泳でカロリーを消費したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

水泳は全身に水の抵抗を受けるため、運動を目的とした歩行よりも多くのカロリーを消費することが可能です。

また、体脂肪を燃やすのに適した運動でもあるので、高いダイエット効果が期待できますよ。

泳ぎ方にはいくつかバリエーションがあるので、自分に合った泳ぎ方が見つかれば無理なく取り組むことができますね。

この記事では種目ごとの消費カロリーと泳ぎ方のコツをご紹介します。

カロリー消費のコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

1.水泳で消費するカロリーの計算方法

「水泳の消費カロリーってどう計算すれば良いんだろう?」

運動でカロリーが消費できることは分かっていても、具体的な計算方法を知らないという方も多いかもしれませんね。

身体活動による消費カロリーは「[メッツ(METs)×時間]×体重(kg)×1.05」という式で求められます[1]。

メッツとは
身体活動の強さを安静時の何倍に当たるかで表す単位です。安静にしている状態が1メッツ、普通の速度での歩行が3メッツに当たります[1]。

試しに「有酸素運動」である水泳と歩行の消費カロリーを比べてみましょう。

有酸素運動とは
体内の糖や脂肪が酸素とともにエネルギーとして使われる運動のことです。脂肪の燃焼作用があるため、体脂肪の減少が期待できます。ウォーキング、ランニング、水泳、エアロビクスダンスなどがこれに該当します。

運動目的で速めのペース(時速5.6km)で歩行した場合のメッツは4.3です[2]。

仮に体重50kgの方がこの強度で30分間歩行を続けた場合、[4.3(METs)×0.5(時間)]×50(kg)×1.05」となり、消費カロリーは約112kcalとなります。

対してクロールでゆっくり泳いだ場合のメッツは5.8です [2]。

体重50kgの方が30分間泳ぎ続けた場合、[5.8(METs)×0.5(時間)]×50(kg)×1.05」となり、消費カロリーは約152kcalとなります。

速く歩いた場合とゆっくり泳いだ場合を比べても、水泳の方が消費カロリーが高いことが分かりますね。

種目を変えたり強度を上げたりすれば、消費できるカロリーはさらに増えます。

運動による消費カロリーが計算できれば体重をうまくコントロールすることができるかもしれません。

カロリーについてさらに詳しいことを知りたい方は以下の記事をご覧ください。

カロリーとは何?ダイエットを始める前に知っておきたい基礎知識

次の章では水泳の種目別の消費カロリーを詳しくみていきます。

[1] 厚生労働省「 健康づくりのための運動指針 2006 ~生活習慣病予防のために~

[2] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

2.水泳の種目別消費カロリー

「種目によって消費カロリーは違うのかな?」

水泳は種目によって泳ぎ方が異なるため、消費カロリーも変わります。

ここでは基本の「四泳法」と水中ウォーキングの消費カロリーをご紹介します。

四泳法とは
競泳の主な四つの種目のことで、クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライを指します。

体力・体重には個人差があるため、今回は体重40〜90kgの方がそれぞれ15分間、30分間、60分間泳いだ場合の消費カロリーをまとめました

それぞれの泳ぎ方のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.クロール

クロール

普通の速さ(分速45.7m)でクロールを泳いだ場合のメッツは8.3です[3]。

体重40〜90kgの方が15分間、30分間、60分間泳いだ場合の消費カロリーは以下のようになります。

【普通の速さ(分速45.7m)でクロールを泳いだ場合の消費カロリー】

体重 実施時間
15分間 30分間 60分間
40kg 約87kcal 約174kcal 約348kcal
50kg 約108kcal 約217kcal 約435kcal
60k 約130kcal 約261kcal 約522kcal
70kg 約152kcal 約305kcal 約610kcal
80kg 約174kcal 約348kcal 約697kcal
90kg 約196kcal 約392kcal 約784kcal

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

クロールは基本の四泳法のなかで最もスピードが出せる泳ぎ方です。

そのため自由形ではほとんどの選手がクロールを選びます。

クロールのポイントは以下のとおりです。

【クロールのポイント】

  • 泳ぐときは水面に対して体が水平になるように意識する。
  • 脚の付け根から脚全体を動かすようにバタ足を行う。
  • 肩を起点に大きく腕を回し、体をひねりながら水を後ろに押し出す。
  • 体をひねる動作に合わせて顔を動かし、横を向いたときに息継ぎをする。

[3] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」

2-2.平泳ぎ

平泳ぎ

レクリエーションで泳ぐ際の平泳ぎのメッツは5.3です[4]。

体重40〜90kgの方が15分間、30分間、60分間泳いだ場合の消費カロリーは以下のようになります。

【レクリエーションで平泳ぎを泳いだ場合の消費カロリー】

実施時間
体重 15分間 30分間 60分間
40kg 約55kcal 約111kcal 約222kcal
50kg 約69kcal 約139kcal 約278kcal
60kg 約83kcal 約166kcal 約333kcal
70kg 約97kcal 約194kcal 約389kcal
80kg 約111kcal 約222kcal 約445kcal
90kg 約125kcal 約250kcal 約500kcal

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

平泳ぎはクロールほどの速度は出ないものの、長い距離を泳ぐのに適しています

ただし手足の動かし方が他の泳ぎ方とは若干異なるため、習得するのが難しい泳ぎ方でもあります。

平泳ぎのポイントは以下のとおりです。

【平泳ぎのポイント】

  • 水の抵抗を受けやすい泳ぎ方であるため、水面に対して体が水平になるように意識する。
  • 足で水をキックするときは膝を開き過ぎず、かかとの方が外側にくるようにする。
  • 手で水をかいている最中に前を向くと自然と上半身が上がるため、そのタイミングで息継ぎをする。
  • 手足を同時に動かしてしまうと推進力を得にくいので注意する。

[4] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

2-3.背泳ぎ

背泳ぎ

レクリエーションで泳ぐ際の背泳ぎのメッツは4.8です[5]。

体重40〜90kgの方が15分間、30分間、60分間泳いだ場合の消費カロリーは以下のようになります。

【レクリエーションで背泳ぎを泳いだ場合の消費カロリー】

実施時間
体重 15分間 30分間 60分間
40kg 約50kcal 約100kcal 約201kcal
50kg 約63kcal 約126kcal 約252kcal
60kg 約75kcal 約151kcal 約302kcal
70kg 約88kcal 約176kcal 約352kcal
80kg 約100kcal 約201kcal 約403kcal
90kg 約113kcal 約226kcal 約453kcal

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

背泳ぎは四泳法のなかで唯一、上を向いて泳ぎます。

背泳ぎはクロールを逆向きにしたような泳ぎ方で、足の動きなどはほぼ同じです。

そんな背泳ぎのポイントは以下のとおりです。

【背泳ぎのポイント】

  • 頭から爪先までが一直線になるように意識し、全身の力を抜く。
  • 手足の力で無理やり泳ぐのではなく、体を左右にひねることで推進力を生む。
  • 水をキックする際は膝から先を動かし、水面に向けて足を落とす。

[5] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

2-4.バタフライ

バタフライ

バタフライのメッツは13.8です[6]。

体重40〜90kgの方が15分間、30分間、60分間泳いだ場合の消費カロリーは以下のようになります。

【バタフライを泳いだ場合の消費カロリー】

実施時間
体重 15分間 30分間 60分間
40kg 約144kcal 約289kcal 約579kcal
50kg 約181kcal 約362kcal 約724kcal
60kg 約217kcal 約434kcal 約869kcal
70kg 約253kcal 約507kcal 約1014kcal
80kg 約289kcal 約579kcal 約1159kcal
90kg 約326kcal 約652kcal 約1304kcal

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

バタフライは四泳法のなかで最も習得が難しいとされています。

しかしクロールの次に速く泳ぐことができ、メッツも四泳法のなかでは一番高い値となっています。

運動強度が高いので長時間行うのは難しいかもしれませんが、習得すれば短時間で多くのカロリーを消費できる泳ぎ方といえますね。

以下にバタフライのポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。

【バタフライのポイント】

  • 腕は肩幅かそれより少し狭く開き、手のひらを外側に向けるように両手を水面に振り下ろす。
  • 手が水中に入るのと同じほぼタイミングで第一キック、手で水をかく際に第二キックを行う。
  • 第一キックは体全体を使って前進し、第二キックは第一キックにつなげる準備行動として行う。

[6] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

2-5.水中ウォーキング

プールと足

ほどほどの速さで行う水中ウォーキングのメッツは4.5です[7]。

体重40〜90kgの方が15分間、30分間、60分間、水中を歩いた場合の消費カロリーは以下のようになります。

【水中ウォーキングの消費カロリー】

実施時間
体重 15分間 30分間 60分間
40kg 約47kcal 約94kcal 約189kcal
50kg 約59kcal 約118kcal 約236kcal
60kg 約70kcal 約141kcal 約283kcal
70kg 約82kcal 約165kcal 約330kcal
80kg 約94kcal 約189kcal 約378kcal
90kg 約106kcal 約212kcal 約425kcal

独立行政法人 国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成

水中ウォーキングは水の中を歩く運動です。

水の浮力がはたらくため腰や膝への負担が少なく、体力がない方や普段運動をしていない方でも気軽に取り組むことができます

また水の抵抗に逆らって歩くことで、ペースが遅くても筋力と心肺機能の強化が期待できます。

そんな水中ウォーキングのポイントは以下のとおりです。

【水中ウォーキングのポイント】

  • 背すじは真っすぐに伸ばし、しっかり前を向く。
  • 両手を広げてバランスをとりながら1歩ずつ進む。
  • 足は爪先で蹴り出すようにして歩く。

[7] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

3.水泳におけるカロリー消費のコツ

「より効率的に水泳でカロリーを消費する方法はあるのかな?」

ちょっとした工夫で消費カロリーを増やせるなら、それに越したことはありませんよね。

そのため、ここでは水泳におけるカロリー消費のコツを三つご紹介します。

コツ1 泳ぐ前にストレッチを行う

泳ぐ前には必ずストレッチを行いましょう。

ストレッチは2.3メッツの強度を持つ運動です[8]。

ストレッチをすると体が温まり筋肉や関節の柔軟性が高まるため、運動に向けて体の状態を整えることができます

逆に体が温まっていないのに急に冷たい水の中で運動をすると、足をつってしまうこともあるため注意が必要です。

同じ強度でも運動する時間が長いほど、消費カロリーは増やすことができます。

けがをするとその時点で運動を中止せざるを得なくなり、結果として消費カロリーが減るばかりか、療養のために休む必要が出てくることもあります。

カロリーをしっかり消費し、けがをしないためにも、ストレッチを行って体の調子を整えておきましょう。

[8] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

コツ2 筋トレも併せて行う

水泳による消費カロリーを増やしたいなら、筋トレも併せて行うと良いでしょう。

これは筋肉をはじめとする脂肪以外の組織の方が「基礎代謝」が活発なためです。

基礎代謝とは
生命を維持するのに最低限必要なエネルギーのことです。1日のエネルギー消費の約60%を占めるとされています[9]。

基礎代謝が活発だと安静時のエネルギー消費量が増えるため、体に脂肪がたまりにくくなります。

また筋トレをすることで分泌される成長ホルモンには、中性脂肪の分解を促すはたらきがあることが分かっています。

そして水泳は脂肪を燃料とする有酸素運動です。

そのため筋トレをして中性脂肪の分解が進んだ状態で水泳をすると、より効果的に脂肪を燃焼させられます。

つまり筋トレを行うことは脂肪がたまりにくい体をつくり、脂肪の燃焼効率を高めることにつながるのです。

[9] 厚生労働省 e-ヘルスネット「 身体活動とエネルギー代謝

コツ3 バランスの良い食事を心掛ける

水泳で痩せた体のリバウンドを防ぐには、バランスの良い食事を心掛けることも大切です。

摂取カロリーを抑えるために、たんぱく質や糖質の制限を考えている方も多いのではないでしょうか。

食事制限をしてたんぱく質の摂取量が減ると筋肉は徐々に痩せていきます。

またたんぱく質はしっかり摂れていても、糖質が不足していると、体は筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。

そして筋肉が減ると基礎代謝量が減るので、結果的にリバウンドしやすい体質になってしまうのです。

健康的にカロリーを消費して痩せるには、バランスの取れた食生活を送りつつ、運動をすることが重要なのですね。

4.水泳を安全に行うための注意点

運動をした経験がほとんどない方が水泳を始めるときは、あらかじめ医師によるメディカルチェックを受けることをおすすめします

可能であれば運動前に脈拍や血圧を測定し、異常がみられる場合は運動を中止してください。

睡眠不足のときや疲れているときにも無理な運動は避けましょう。

運動中に体に異常を感じたらすぐに水から上がって休んでください

またこまめに水分を摂ることも大切です。

水の中だと汗をかいているという実感が湧きにくく、水分補給を怠ってしまいがちですが、体は水の抵抗を受けてかなり発汗しています。

体の状態に気をつけて安全に水泳を楽しんでくださいね。

5.水泳の消費カロリーについてのまとめ

速く歩くよりもゆっくり泳ぐ方が運動強度が高いことから、水泳はカロリーを消費するのに向いている運動といえます。

運動による消費カロリーは「[メッツ(METs)×時間]×体重(kg)×1.05という式で求めることができます[10]。

メッツとは安静時を1としたとき、その何倍に当たるかで運動の強度を表す単位です[10]。

種目別ではクロールが8.3メッツ、平泳ぎが5.3メッツ、背泳ぎが4.8メッツ、バタフライが13.8メッツ、水中ウォーキングは4.5メッツとなっています[11]。

仮に体重50kgの方が30分間クロールを泳いだ場合、計算式は「[8.3(メッツ)×0.5(時間)]×50(kg)×1.05となり、消費カロリーは約217kcalとなります。

このように種目別ごとのメッツと実施時間、体重が分かれば、消費カロリーの目安を知ることができるわけですね。

泳ぐ前にストレッチを行う、筋トレを併せて行う、バランスの良い食事を心掛けることが水泳におけるカロリー消費のコツです。

普段運動をしていない方が水泳をする際は事前にメディカルチェックを受けましょう。

また水の中では汗をかいている実感が湧きにくく、水分補給をおろそかにしがちなので注意が必要です。

この記事を参考に楽しく安全に水泳を楽しんでくださいね。

[10] 厚生労働省 「健康づくりのための運動指針 2006 ~生活習慣病予防のために~

[11] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所 「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』

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