春雨の炭水化物含有量は?ダイエット中の炭水化物摂取のポイント
「春雨にはどれだけの炭水化物が含まれているんだろう?」
「ダイエット中は春雨を避けた方が良いのかな?」
春雨には炭水化物が含まれているため、春雨がダイエットに良いのか不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
食べ物に含まれる炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられます。
このうちの糖質は摂り過ぎると肥満を招く原因になるため、ダイエット中には炭水化物を含む食品を避けた方が良いと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし糖質や食物繊維は異なるはたらきを持ち、いずれも不足すると健康を害する恐れがあります。
この記事では春雨に含まれる炭水化物の量や、ダイエット中の炭水化物を摂取する際のポイントを解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
1.春雨の炭水化物含有量
春雨はマメ科リョクトウの種子の粉、またはそのでんぷんを原料とした中国が起源の食品です。
かつては豆麺、唐麵、凍麵(とうめん)などと呼ばれていましたが、20世紀になってから日本のメーカーが春雨と命名しました。
日本で流通している春雨には、じゃがいもやさつまいものでんぷんを原料とする「普通春雨」と、リョクトウの種子の粉からつくられる「緑豆春雨」があります。
それぞれのカロリー、炭水化物や食物繊維の含有量は以下のとおりです。
| 食品名 | 加工状態など | カロリー | 炭水化物含有量 | 食物繊維含有量 |
|---|---|---|---|---|
| 普通春雨 | ||||
| 緑豆春雨 | ||||
| 普通春雨 | ||||
| 緑豆春雨 |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
この表のうちゆでた緑豆春雨は食物繊維の摂取源になるといえます。
なお、リョクトウは広く普及しているもやしの品種の一つでもあります。
もやしは豆類の種子を暗いところで発芽させて育てたものです。
もやしに含まれる栄養素についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
もやしに栄養はある?含まれている栄養素とそのはたらきを解説!
[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[2] 東京都福祉保健局「栄養成分表示ハンドブック」
2.炭水化物とは
炭水化物は「エネルギー産生栄養素」の一種で、ごはんやパン、めん、パスタなどの主食が主な摂取源になります。
エネルギー産生栄養素とは、ヒトの体に欠かせない栄養素のうちエネルギー源になる、たんぱく質や脂質、炭水化物のことです。
こういった栄養素から取り込まれたエネルギーは、生命を維持したり体を動かしたりすることに消費されます。
しかし食べ過ぎや運動不足などにより、摂取したエネルギーが消費しきれないと、余った分が体脂肪として蓄積されてしまいます。
炭水化物は、摂り過ぎるとエネルギー過多になり肥満を招くため、ダイエットでは制限しなければならないものというイメージがあるかもしれません。
しかし、春雨にも含まれる炭水化物は糖質と食物繊維に分けられ、それぞれ異なるはたらきをします。
どちらも適切な摂取が勧められるため、炭水化物が含まれているからといってダイエット中に避けるべきとはいい切れないのです。
この章では、炭水化物である糖質や食物繊維について詳しく解説します。
2-1.糖質
糖質は炭水化物のうちエネルギー源になるもののことで、1g当たり約4kcalのエネルギーを生み出します [3]。
炭水化物からのエネルギーのほとんどは、糖質に由来するものです。
食事で摂取した糖質は胃や腸で分解され、そのうちのブドウ糖は血中に取り込まれます。
これにより血糖値(血中ブドウ糖濃度)が上昇すると、膵臓(すいぞう)から「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンには、ブドウ糖をエネルギーとして細胞に取り込ませる作用の他、消費し切れなかったブドウ糖を脂肪などに変え体内に蓄えさせる作用があります。
このため、糖質の摂り過ぎは脂肪の蓄積や肥満につながってしまうのです。
糖質についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
糖質とは?はたらきや過不足の悪影響、摂取の目標量と摂取源を紹介
[3] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-2.食物繊維
食物繊維は炭水化物の一種でヒトの消化酵素では消化できないもの(難消化性炭水化物)のことです。
食物繊維はさらに、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分けられます。
食物繊維の定義は国や機関によって異なり、厚生労働省は難消化性炭水化物を食物繊維、炭水化物から食物繊維を除いたものを糖質としています。
食物繊維は腸内細菌によって分解されるとエネルギーを生み出しますが、その値は1g当たり0〜2kcalと一定ではありません[4]。
消化されずに大腸まで到達し、便通を整える作用があることで知られています。
この他にも、食物繊維は脂質や糖質を体外に排出する作用があるため、肥満の予防や改善が期待できます。
食物繊維には、健康維持だけでなくダイエットにもうれしい作用があるのですね。
食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3.ダイエットのための炭水化物摂取のポイント
「ダイエット中に炭水化物はどのぐらい摂って良いの?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
ダイエットをする上では、春雨などの炭水化物を含む食品を避けるのではなく、食生活を工夫すると良いでしょう。
炭水化物を極端に減らすことによりエネルギー不足になったり、肥満を招いたりして健康を害する恐れがあるため注意が必要です。
この章では、炭水化物を摂る際のポイントをご紹介します。
ポイント1 カロリー制限を適切に行う
ダイエットのためには、カロリー制限が欠かせません。
体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで変動するため、食べる量が多過ぎてカロリーを消費しきれないと増加します。
「自分はどのぐらいのカロリーを摂っても良いんだろう?」
減量する際の摂取カロリーは、ご自身が目標とする体重における推定必要カロリー(推定エネルギー必要量)を目安にしましょう。
この際の目標体重は、BMIを参照して設定します。
ただし肥満は脂肪が多い状態を指すため、体重が多くても脂肪が過剰に蓄積していない場合は肥満に該当しません。
厚生労働省が年齢に応じて定めている、目標とするBMIの範囲は以下のとおりです。
| 年齢 | 目標とするBMI(kg/m2) |
|---|---|
| 18〜49歳 | |
| 50〜64歳 | |
| 65〜74歳 | |
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
この範囲のBMIに収まるよう目標体重を決定しましょう。
目標とするBMIに[身長(m)の2乗]を掛けると、目標とする体重が算出できます [5]。
例えば30歳で身長が170cmの方が、目標のBMIを22とした場合、22×1.7×1.7で63.58kgとなります。
次に、目標体重での推定必要カロリーを設定しましょう。
カロリーの消費量は身体活動量によって変動するため、「身体活動レベル」を参照します。
| 身体活動レベル | 日常生活の内容 |
|---|---|
| 低い | 生活の大部分を座って過ごしている場合 |
| 普通 | 座って過ごすことが多いが、立った状態での作業や徒歩移動、家事、軽いスポーツなどをしている場合 |
| 高い | 歩いたり立ったりしている時間が長い場合、あるいは活発な運動習慣がある場合 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ご自身の性別や身体活動レベルに合わせた、体重1kg当たりの推定必要カロリーは以下のとおりです。
| 性別 | 男性 | 女性 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 身体活動レベル | 低い | 普通 | 高い | 低い | 普通 | 高い |
| 18〜29歳 | ||||||
| 30〜49歳 | ||||||
| 50〜64歳 | ||||||
| 65〜74歳 | ||||||
| 75歳以上 | ||||||
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ご自身が該当する箇所の数値を、目標体重と掛け合わせると1日の摂取カロリーの目安を算出できます。
ただし必要カロリーを正しく算出することは難しく、誤差が生じると考えられているため、摂取カロリーは実際の体重変化に応じて適宜調節する必要があります。
カロリーについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
[5] 厚生労働省e-ヘルスネット「肥満と健康」
ポイント2 糖質を適切に制限する
ダイエットのためには炭水化物をむやみに減らすのではなく、糖質を適切に制限することが重要です。
糖質はヒトにとって重要なエネルギー源であるため、減らし過ぎると集中力の低下や疲労感などが生じる恐れがあります。
また、ブドウ糖は特別な状況を除いて脳や神経の唯一のエネルギー源でもあります。
このため糖質が極端に不足すると意識障害に至る危険性もあります。
このため、炭水化物の摂取量を必要以上に減らすことはおすすめできません。
厚生労働省は、それぞれのエネルギー産生栄養素の摂取目標量を、1日の総摂取カロリーに対する割合(%エネルギー)で設定しています。
炭水化物の目標量は50〜65%エネルギーです[6]。
糖質を制限する場合はこの範囲内で行うようにしてくださいね。
なお、この他のエネルギー産生栄養素もヒトの健康に大切なものであるため、脂質やたんぱく質のバランスも考慮しましょう。
脂質の目標量は20〜30%エネルギーです[6]。
たんぱく質の目標量は年代によってやや異なり、18〜49歳では13〜20%エネルギー、50〜64歳では14〜20%エネルギー、65歳以上では15〜20%エネルギーです[6]。
必要なカロリーを確保しながら、各エネルギー産生栄養素を適切な範囲でバランス良く摂ることで、健康的にダイエットができますよ。
脂質についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
脂質とは?はたらきや種類、1日に摂取すべき量の計算方法を解説
たんぱく質についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
[6] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント3 食物繊維を積極的に摂取する
ダイエットのためには食物繊維を十分に摂取することも大切です。
ダイエットをする際に食事量を減らそうと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際、食事量を減らすと一時的な体重減少が見込めます。
しかし、極端に食事量を減らす食生活ではさまざまな栄養素が不足しやすく、体の不調を招く恐れがあるため注意が必要です。
なかでも食物繊維が不足すると便秘を招いて健康を害するだけでなく、結果として痩せにくい体質になることがあるといわれています。
これは、腸内の有害物質が増えたり腸のはたらきが悪くなったりすることで、代謝が落ちることが原因です。
食物繊維には、腸で善玉菌を増やして腸内環境を整えたり、便のかさを増やしたりすることによって、便通を良くする効果があります。
また糖質や脂質を体外に排出する作用があり、肥満の予防・改善に効果があるとされています。
さらに食物繊維を含む食品は、低カロリーで腹持ちが良いものが多く、噛む回数が増えるため満腹感を得やすいのが特徴です。
食物繊維は、健康維持やダイエットの助けになる食品成分なのですね。
1日の食物繊維摂取量は25g以上が理想的です[7]。
しかし日本人の摂取量はこれよりもかなり少ないため、実現可能性を考慮した摂取目標量が設定されています。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | ||
| 30~64歳 | ||
| 65~74歳 | ||
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
食物繊維は動物性食品にはほとんど含まれず、野菜やきのこ、海藻類、豆類などの植物性食品に含まれています。
ゆでた緑豆春雨は1食(100g)を目安にすると、食物繊維を1.5g摂取できる食品です[8]。
他にブロッコリーや切り干し大根、ごぼう、たけのこ、モロヘイヤ、しいたけ、納豆、おからなどがからも食物繊維を摂取することができます。
食物繊維摂取量を増やすには、主食類をご飯や普通のパンから玄米や麦ご飯、全粒粉パン、そばなどに替えることもおすすめです。
このような食品を積極的に取り入れて食物繊維の摂取量を増やし、ダイエットの成功に役立ててくださいね。
食物繊維を含む食品についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維を含む食べ物は?摂取目標量と摂取量を増やすコツも解説
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[8] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
ポイント4 GI値の低い食品を選ぶ
ダイエット中は「GI(グリセミック・インデックス)値」が低い食品を選ぶことがおすすめです。
GI値が高い食品を食べると、食後に血糖値が急上昇してしまいます。
このため膵臓からは多くのインスリンが分泌され、血糖値を下げるようはたらきます。
インスリンの分泌が増えると、膵臓に負担がかかるため糖尿病のリスクが高まります。
またインスリンは余ったブドウ糖を体脂肪として蓄えるはたらきを持つため、高GIの食品を摂り過ぎるとインスリンの分泌量が増え、肥満を招きます。
肥満や糖尿病のリスクを抑えるには、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品を選びましょう。
ゆでた緑豆春雨のGI値は39と比較的低くなっています[9]。
一方、さつまいものでんぷんを原料とした普通春雨をゆでたもののGI値は60とやや高くなっています[9]。
ただし、コシヒカリの白ご飯はGI値が89であり、食品全体で見れば春雨の数値は高いわけではありません[9]。
このように食品によってGI値は異なるため、ダイエットや健康維持のためには低GI食品を選んでみてくださいね。
また同じ量の糖質を含む食品でも、食品ごとに血糖値の上昇が異なることが分かっています。
これは、食品に食物繊維などの食品成分が含まれていると、血糖値の上昇が緩やかになるためです。
食品選びの際には糖質の量だけでなく、血糖値を緩やかにする成分が含まれているかも確認すると良いでしょう。
ただし、GI値の低い食品が必ずしもカロリーが低いとはいえません。
また、低GI食品であっても食べる量が多過ぎると血糖値の上昇を招きやすく、肥満の原因にもなるため注意してください。
GI値についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
[9] THE UNIVERSITY OF SYDNEY Glycemic Index Research and GI News「GI Search」
ポイント5 食物繊維やたんぱく質を先に摂取する
ダイエットのためには、食べる順番も工夫することが大切です。
これは、食べる順番によって血糖値の上がり方が異なるためです。
糖質より先に食べると良いものには、食物繊維やたんぱく質があります。
食物繊維を多く含む野菜などから食べ始める食事法は「ベジファースト」と呼ばれます。
ごはんなどの糖質を多く含む食品を食べる前に、食物繊維を摂取することで糖質の分解や吸収を遅らせ血糖値の急上昇が抑えられます。
また、たんぱく質を多く含む食品から食べ始めることも食後血糖値の上昇抑制に効果があるといわれます。
たんぱく質を先に摂取すると「インクレチン」というホルモンが分泌され胃のはたらきが抑制されるため、食後の血糖値が上がりにくくなるのです。
血糖値の急上昇はインスリンの分泌量増加を招き、肥満や糖尿病のリスクを高めます。
食物繊維やたんぱく質を摂ってから糖質を摂ることで、脂肪の蓄積が抑えられるのですね。
4.春雨の炭水化物含有量についてのまとめ
100g当たりの炭水化物含有量はゆでた普通春雨で19.9g、ゆでた緑豆春雨で100g当たり20.6gです[10]。
また食物繊維含有量はそれぞれ0.8gと1.5gです[10]。
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられそれぞれ重要なはたらきをするため、ダイエットしたい場合でも単に制限すれば良いというものではありません。
ダイエットをする上での炭水化物の摂取のポイントは、カロリー制限を適切に行った上で糖質を適度に制限すること、食物繊維を積極的に摂取することです。
またGI値の低い食品は肥満の原因になりにくいと考えられており、緑豆春雨はその一つです。
このため春雨は炭水化物を含んでいるものの、総摂取カロリーを意識すれば、ダイエット中も避けるべき食品とはいえません。
この記事を参考にして、ダイエット中に摂る炭水化物として春雨も選択肢に入れてみてくださいね。
[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」