タンパク質を多く含む食べ物は?摂取量の目安やおすすめの食材を解説

2022年09月12日

2024年10月09日

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「タンパク質を多く摂りたいけど、どんな食べ物を選んだら良いのかな?」

「そもそもタンパク質ってどれくらい摂るべきなんだろう?」

日々の生活に必要なエネルギー源や筋肉などを構成する要素として、タンパク質は重要であるとご存じの方も多いのではないでしょうか。

筋トレなど体づくりのために多く摂取したい、と考えている方もいるかもしれませんね。

この記事では、タンパク質を多く含む食べ物の種類や、摂取量の目安などについて詳しく解説します

毎日の食事内容を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

1.タンパク質とは

ダンベルを持つ筋肉量の多い男性

タンパク質は「エネルギー産生栄養素」の一つで、炭水化物や脂質と並んで私たちが生きていくために必要なエネルギー源となる栄養素です。

エネルギー産生栄養素とは
人間に必要な栄養素のうち、エネルギー源となるタンパク質・脂質・炭水化物を総称したものです。以前は三大栄養素とも呼ばれていました。

タンパク質はエネルギー源となるだけでなく、筋肉や内臓などを構成したり、酵素やホルモン、免疫物質など体内で必要な物質に再合成されたりと、さまざまな役割を担っています

酵素とは
消化や吸収、代謝など、体内のさまざまな化学反応に欠かせないタンパク質の一種です。
ホルモンとは
消化吸収や血液の循環など、体内のさまざまな機能を調整するため脳(脳下垂体)や甲状腺、膵臓(すいぞう)などの臓器から分泌される物質です。

このように私たちの体に欠かせないタンパク質を構成しているのは、アミノ酸と呼ばれる物質です。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類ありますが、タンパク質の種類やはたらきによって、アミノ酸の種類や組み合わせなどが異なります[1]。

なかでも体内で合成することのできない「必須アミノ酸」は食事から摂取しなくてはなりません

必須アミノ酸とは
アミノ酸のうち、体内で合成できないため食事からの摂取が必要なバリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン(スレオニン)、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類のことです[1]。タンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類あり、必須アミノ酸と体内で合成可能な11種類の「非必須アミノ酸」に分けられます。

この必須アミノ酸をバランス良く含むタンパク質は「良質なタンパク質」と呼ばれます。

タンパク質を摂取するときは量だけでなく、アミノ酸のバランスが優れているかどうかを意識すると良いでしょう。

[1] 厚生労働省e-ヘルスネット「アミノ酸

【関連情報】 「タンパク質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介」についての記事はこちら

2.タンパク質を多く含むおすすめの食材

アミノ酸のバランスが優れた良質なタンパク質は、肉類や魚介類、卵、牛乳などの動物性食品に多く含まれます。

植物性食品の中では、大豆や大豆製品がおすすめです。

ここではタンパク質を多く含むおすすめの食材を紹介しましょう

2-1.肉類

タンパク質を多く含む肉類には、以下のような食べ物が挙げられます。

【タンパク質を多く含む肉類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
ささみ 23.9g
鴨肉 皮なし、生 23.6g
鶏むね肉 皮なし、生 23.3g
豚ロース肉(赤肉) 22.7g
豚ヒレ肉 (赤肉) 22.2g
豚もも肉 22.1g
牛サーロイン 22.0g
牛リブロース 21.7g
牛ランプ肉 21.6g
牛もも肉 21.2g
鶏もも肉 皮なし、生 19.0g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

肉類はタンパク質量が豊富で、献立にも取り入れやすい食品といえるでしょう。

しかし肉類には脂質が多く含まれるため摂取量には注意が必要です。

肉類に含まれる脂質は「飽和脂肪酸」と呼ばれ、血液中のコレステロールを増やす作用があります。

飽和脂肪酸は過剰に摂取すると「脂質異常症」の原因になることがあるのです。

脂質異常症とは
血液中の脂質の数値が基準値を外れた状態です。進行すると血管が弾力を失い、血液の塊ができて血管が詰まったり狭くなったりする「動脈硬化」を引き起こし、心臓や脳の病気を発症するリスクが高まります。

肉ばかりでなくいろんな食材をバランスよく取り入れることが大切です。

2-2.魚介類

お皿にのったお刺身の画像

続いてタンパク質が豊富な魚介類を紹介します。

【タンパク質を多く含む魚介類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
くろまぐろ(赤身) 26.4g
かつお(春獲り) 25.8g
めばちまぐろ(赤身) 25.4g
かずのこ 25.2g
かつお(秋獲り) 25.0g
きはだまぐろ 24.3g
たらこ 24.0g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

魚介類もタンパク質が豊富な食品です。

しかし肉類と同様に脂質の量には注意が必要です。

魚に含まれる脂質は「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、血液中のコレステロールを減らす作用がありますが、その一方で過剰に摂取すると血液が固まりにくくなり、出血を起こしやすくなることもあります

2-3.卵類

タンパク質が豊富な卵類は以下のとおりです。

【タンパク質を多く含む卵類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
卵黄 16.5g
うずら全卵 12.6g
全卵 12.2g
卵白 10.1g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

「卵はコレステロールが多い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに卵にはコレステロールが比較的多く含まれます

しかしコレステロールは体内でもつくられ、食品から多く摂取した場合には体内で合成されるコレステロール量が調整されるなど、体内で常に一定の量になるよう調整されています。

そのため食品中のコレステロールが血液中のコレステロールに影響する可能性は低いといわれています。

とはいえ血液中のコレステロールへの影響がないと断言することはできないため、1日一個程度に留めておいた方が良いでしょう

2-4.牛乳・乳製品

タンパク質は牛乳や乳製品にも多く含まれています。

【タンパク質を多く含む牛乳・乳製品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
パルメザンチーズ - 44.0g
チェダーチーズ - 25.7g
プロセスチーズ - 22.7g
カマンベールチーズ - 19.1g
モッツァレラチーズ - 18.4g
クリームチーズ - 8.2g
ヨーグルト(無糖・無脂肪) - 4.0g
普通牛乳 - 3.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

牛乳にも脂質が多く含まれ、チーズには塩分も含まれます。

脂質や塩分が気になるという場合には、無脂肪のものを選ぶなどして摂り過ぎないよう注意しましょう。

2-5.大豆・大豆製品

大豆

大豆や大豆製品にもタンパク質を豊富に含むものがあります。

【タンパク質を多く含む大豆・大豆製品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
凍り豆腐 - 50.5g
きな粉(黄大豆) - 36.7g
油揚げ 23.4g
おから 乾燥 23.1g
湯葉 21.8g
ひきわり納豆 - 16.6g
納豆 - 16.5g
がんもどき - 15.3g
生揚げ - 10.7g
焼き豆腐 - 7.8g
木綿豆腐 - 7.0g
おから 6.1g
絹ごし豆腐 - 5.3g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

大豆や大豆製品にもタンパク質は含まれますが、アミノ酸の配合量が少ないものがあります。

動物性食品を取り入れ、バランスよく摂取するようにしましょう

2-6.穀類

最後にタンパク質を多く含む穀類を紹介しましょう。

【タンパク質を多く含む穀類と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
オートミール - 13.7g
マカロニ、スパゲッティ 乾燥 12.9g
そば 9.8g
手延そうめん・手延ひやむぎ - 9.3g
食パン - 8.9g
中華麺 8.6g
ライ麦パン - 8.4g
黒米 - 7.8g
コーンフレーク - 7.8g

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

主食となる穀類にもタンパク質は含まれています。

しかし大豆などと同様に、動物性食品と比較してアミノ酸の配合バランスなどが劣ります。

肉や魚、卵類などとバランスよく献立に取り入れましょう

3.タンパク質の摂取量の目安と平均摂取量

「タンパク質って1日にどれくらい摂ったらいいの?」

というのも気になるところですよね。

ここではタンパク質の摂取量の目安と平均摂取量を紹介します。

3-1.タンパク質の摂取量の目安

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると1日に必要なタンパク質の摂取推奨量は以下のように設定されています。

【タンパク質の1日当たりの摂取推奨量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 65g 50g
30〜49歳 65g 50g
50〜64歳 65g 50g
65〜74歳 60g 50g
75歳以上 60g 50g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中や授乳中の方はこれとは別に摂取推奨量が設定されています

特に授乳中の方は母乳からタンパク質を失うため、追加でタンパク質を摂取する必要があるのです。

【妊婦・授乳婦のタンパク質の1日当たりの摂取推奨量】

妊婦 中期 55g
妊婦 後期 75g
授乳期 70g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

しかし、この数字だけ見ても1日のうちタンパク質をどんな食品からどのくらい摂取したら良いのかよく分かりませんよね。

厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」では、1日に何を食べたら良いかをイラストを用いて紹介しています。献立を考える際の参考にしてみてくださいね。

タンパク質はさまざまな食品に含まれ、それぞれアミノ酸の配合バランスなどが異なります。

そのためさまざまな食品をバランスよく摂取することも大切です。

3-2.タンパク質の平均摂取量

タンパク質を摂取する目安を数字で見ても、現在ご自身がどのくらいタンパク質を摂取できているのかよく分からないという方もいらっしゃるでしょう。

そこで実際に日本人がどれくらいタンパク質を摂取できているのかのデータを紹介しましょう。

【タンパク質の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
20〜29歳 80.1g 61.1g
30〜39歳 74.8g 61.6g
40〜49歳 79.2g 65.9g
50〜59歳 77.5g 64.1g
60〜69歳 80.6g 70.2g
70〜79歳 81.6g 71.4g
80歳以上 71.8g 61.8g

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

この統計を見ると、どの年代でもタンパク質の摂取量は足りていることが分かりますね。

しかし偏った食生活などでタンパク質が不足してしまうことのないよう注意しましょう

4.タンパク質の不足・過剰摂取による体への影響

「タンパク質が不足したり多過ぎたりすると、どんな影響があるの?」

このように気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここではタンパク質の不足・過剰摂取による体への影響について解説します。

4-1.タンパク質が不足した場合

タンパク質が不足すると、筋力が低下したり免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなったりすることがあります

これはタンパク質が筋肉や臓器などを構成するだけでなく、酵素やホルモンなど体内の重要な役割を担っているためです。

タンパク質不足による影響は特に食事摂取量の低下した高齢の方にみられることがあります。

口元を両手でおさえる高齢者

高齢になると飲み込む力が低下したり歯が弱くなったりして、肉や魚などの動物性食品の摂取量が少なくなる傾向にあるのです。

このような場合には、具材を柔らかく煮たりとろみをつけたりして食べやすくするほか、ひき肉を使うなどしてタンパク質が摂取できるよう工夫してみましょう

4-2.タンパク質を過剰摂取した場合

一般的に、タンパク質を過剰に摂取しても大きな影響はないとされており、摂取上限量なども設定されていません

一部では、腎臓病を発症している場合にはタンパク質を摂り過ぎると腎機能に悪影響を及ぼすと考えられていますが、腎臓病の治療におけるタンパク質の摂取量やその効果については未だはっきりとした結論が出ていないのが事実です。

しかし、過剰にタンパク質を摂取することで糖尿病や心臓病などの発症リスクを高めてしまうと考えられています

これは、タンパク質を多く含む食品には脂質も多く含むものもあり、タンパク質自体にもエネルギー量(カロリー)があるためです。

そのため長期間タンパク質を過剰に摂取することは控えたほうが良いでしょう。

体にとって良いものであっても、摂取推奨量を守ることが大切です。

注意事項
既に腎機能低下を指摘されている方や腎臓病で治療中の場合には、タンパク質の摂取量については主治医の指示に従ってください。

5.タンパク質と一緒に摂取したい栄養素

健康な体づくりには、タンパク質だけでなくビタミン類の摂取も重要です。

ここではタンパク質と一緒に摂取したい栄養素を四つ紹介しましょう

5-1.ビタミンB1

まな板にのっている豚肉ブロック

タンパク質と一緒に摂取したい栄養素の一つはビタミンB1です。

ビタミンB1はタンパク質を代謝する際の消化や吸収をサポートする「補酵素」としての役割を持ちます

水溶性ビタミンであるため摂取しても体外に排泄されてしまう量も多く、こまめに摂取することが大切です。

ビタミンB1は主に以下の食品に多く含まれています。

【ビタミンB1を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
豚ヒレ肉 1.32mg
豚もも肉 0.96mg
ごま 乾燥 0.95mg
青のり 素干し 0.92mg
パセリ 乾燥 0.89mg
豚ロース肉 0.80mg
豚肩ロース肉 0.72mg
たらこ 0.71mg
豚ひき肉 0.69mg
玄米 - 0.41mg
そば 乾燥 0.37mg
発芽玄米 - 0.35mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンB1の摂取量の目安は次のとおりです。

【ビタミンB1の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 1.4mg 1.1mg
30〜49歳 1.4mg 1.1mg
50〜69歳 1.3mg 1.1mg
70歳以上 1.2mg 0.9mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中は通常よりも代謝が盛んであるため、ビタミンB1も通常量に付加して摂取する必要があります

【妊婦・授乳婦のビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量】

妊婦 中期 1.2mg
妊婦 後期 1.3mg
授乳期 1.3mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

ビタミンB1は健康に欠かせない栄養素である一方、過剰に摂取すると頭痛や不眠、皮膚のかゆみなどを引き起こすことがあります

摂取上限量は設定されていませんが、サプリメントなどで摂り過ぎないよう注意しましょう。

5-2.ビタミンB2

二つ目に紹介するのはビタミンB2です。

ビタミンB2もビタミンB1と同様に補酵素としてはたらくことでタンパク質の代謝に関わっています

ビタミンB2がどんな食品に多く含まれるのか見ていきましょう。

【ビタミンB2を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
豚レバー 3.60mg
牛レバー 3.0mg
焼きのり - 2.33mg
パセリ 乾燥 2.02mg
しいたけ 乾燥 1.74mg
アーモンド いり、無塩 1.04mg
うなぎ 蒲焼き 0.74mg
うずら卵(全卵) 0.72mg
パルメザンチーズ - 0.68mg
魚肉ソーセージ - 0.60mg
ズワイガニ 0.60mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

続いて摂取量の目安も確認しておきましょう。

【ビタミンB2の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 1.6g 1.2g
30〜49歳 1.6g 1.2g
50〜69歳 1.5g 1.2g
70歳以上 1.3g 1.0g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中や授乳中の方は必要なエネルギー量が増えるだけでなく代謝が盛んになるためビタミンB2も追加で摂取する必要があります

【妊婦・授乳婦のビタミンB2の1日当たりの摂取推奨量】

妊婦 中期 1.4g
妊婦 後期 1.5g
授乳期 1.6g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

ビタミンB2は水溶性ビタミンで、過剰分は尿として排泄され体内に蓄積しにくいといわれています。

過剰摂取による健康への影響を起こす可能性は低いとされ上限量も設定されていません。

ビタミンB2が不足すると成長に遅れが生じたり口内炎や口角炎を発症したりすることがあるため、不足することのないよう摂取することが大切です。

5-3.ビタミンB6

切っていないお刺身

ビタミンB6はタンパク質の元となるアミノ酸を代謝する上で重要なビタミンです。

食事からタンパク質を摂取すると体内でアミノ酸に分解され、タンパク質に再合成されて細胞や筋肉などの材料として活用されます。

そこでビタミンB6はアミノ酸の分解・再合成の両方の過程で補酵素としてはたらくのです。

そのため、ビタミンB6を必要量摂取することは丈夫な体づくりに繋がるといえるでしょう。

ビタミンB6を多く含む食品には以下のものがあります。

【ビタミンB6を多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
ピスタチオ いり、味付け 1.22mg
ドライトマト - 0.95mg
牛レバー 0.89mg
くろまぐろ(赤身) 0.85mg
めばちまぐろ(赤身) 0.76mg
かつお 0.76mg
しろさけ 0.64mg
きはだまぐろ 0.64mg
鶏むね肉 皮なし、生 0.64mg
ささみ 0.62mg
まさば 0.59mg
さんま 皮なし、生 0.58mg
豚レバー 0.57mg
まだい 皮なし、生 0.56mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンB6の摂取目安量は次のとおりです。

【ビタミンB6の1日当たりの平均摂取量】

年齢 男性 女性
18〜29歳 1.4g 1.1g
30〜49歳 1.4g 1.1g
50〜69歳 1.4g 1.1g
70歳以上 1.4g 1.1g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

補酵素としてはたらくビタミンB6は妊娠中期から後期にかけて血中濃度が低下することがわかっており、胎盤や胎児の発育のため付加量が設定されています

【妊婦・授乳婦のビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量】

妊婦 1.9g
授乳期 1.4g

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」をもとに執筆者作成

ビタミンB6は不足した場合には貧血や口内炎、手足のしびれなどを生じる恐れがある一方、過剰に摂取すると感覚が鈍くなるなどの症状を来す「感覚性ニューロパチー」という健康障害を招く恐れがあります

通常の食事ではこのような心配はありませんが、サプリメントなどで摂り過ぎないよう注意しましょう。

5-4.ビタミンD

ビタミンDもタンパク質を摂取する上で重要なはたらきをするビタミンです。

食事からビタミンDを摂取すると体内で「活性型ビタミンD」という物質に変化します。

活性型ビタミンDは特定のタンパク質の作用を活性化させ、正常な骨格や歯の発育を促すほか血液中のカルシウム濃度を一定に保つなどし、筋肉の収縮や神経伝達を正常に行う作用があります

ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収が悪くなり、子どもでは成長障害を生じたり妊娠中や授乳中の場合には骨が柔らかくなる「骨軟化症」の原因になったりすることがあるため注意が必要です。

ビタミンDがどんな食品に多く含まれるのか見ていきましょう。

【ビタミンDを多く含む食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
あんこうのきも 110.0μg
しらす干し 半乾燥 61.0μg
すじこ - 47.0μg
いくら - 44.0μg
べにざけ 33.0μg
まいわし 32.0μg
しろさけ 32.0μg
うなぎ 蒲焼き 19.0μg
しまあじ(養殖) 18.0μg
しいたけ 乾燥 17.0μg
さんま 皮つき、生 16.0μg
たちうお 14.0μg
まがれい 13.0μg
鶏卵(卵黄) 12.0μg
さんま 皮なし、生 11.0μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンDは食事だけでなく日光(紫外線)を浴びることでも皮膚で多く産生されることが分かっています

そのため季節や屋外での活動量によっても必要量は異なります。

日照時間が短い季節や外出する機会が少ないという場合には、摂取量を多くするなどしてみましょう。

また、ビタミンDは妊娠中や授乳中の付加量は設定されていませんが、摂取目安量のほか耐容上限量が設定されています。

【ビタミンDの1日当たりの摂取目安量と耐容上限量】

男性

年齢 目安量 耐容上限量
18〜29歳 8.5μg 100μg
30~49歳 8.5μg 100μg
50〜69歳 8.5μg 100μg
70歳以上 8.5μg 100μg

女性

年齢 目安量 耐容上限量
18〜29歳 8.5μg 100μg
30~49歳 8.5μg 100μg
50〜69歳 8.5μg 100μg
70歳以上 8.5μg 100μg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

ビタミンDを摂り過ぎた場合には血管や心臓、腎臓などにカルシウムが沈着し、腎臓の機能の低下や食欲不信、嘔吐(おうと)などさまざまな不調を来す恐れがあるとされているのです。

日光を浴びることでも産生できることを踏まえ、食事やサプリメントでビタミンDを摂り過ぎないよう注意しましょう。

6.タンパク質を含む食べ物についてのまとめ

タンパク質はエネルギー産生栄養素の一つです。

また筋肉や内臓など体の組織を構成したり、酵素やホルモン、免疫物質といった体内で必要な物質の材料となったりしています

タンパク質は9種類の必須アミノ酸と11種類の非必須アミノ酸、合計20種類のアミノ酸によって構成されており、必須アミノ酸をバランス良く含むものは良質なタンパク質と呼ばれています[2]。

タンパク質が不足すると筋力や免疫機能が低下しやすくなります。

日本人のタンパク質の平均摂取量は摂取推奨量を上回っているため、通常の食生活を送っている分には不足する心配はありませんが、食の細くなりがちな高齢者は注意が必要です。

また通常の食生活でのタンパク質の過剰摂取による健康への悪影響もほとんど心配ありません。

タンパク質を摂取する際は、アミノ酸のバランスが優れている良質なタンパク質を含んだ食べ物がおすすめです。

良質なタンパク質は主に肉類や魚介類、卵、乳製品などの動物性食品に含まれています

ささみやまぐろなどは特に多くのタンパク質を含んでいます。

また卵は手軽なタンパク質の摂取源になりますよね。

チーズなどからもタンパク質を摂取できます。

また植物性食品のなかでは、大豆や大豆製品は良質なタンパク質を含むといわれています。

納豆や油揚げなどを食事に取り入れることでタンパク質の摂取量を増やすことができるでしょう。

またタンパク質を摂取する際は、タンパク質の代謝に関わるビタミンB1やビタミンB2、ビタミンB6、骨や筋肉の健康に重要なビタミンDを一緒に摂取するようにしましょう。

この記事を参考に良質なタンパク質を摂取してくださいね。

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

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