アミノ酸スコアとは?たんぱく質を効率良く吸収・利用するポイント

2024年10月22日

2024年11月11日

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「アミノ酸スコアってどんなものなんだろう?」

「身近な食品のアミノ酸スコアが知りたい……」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アミノ酸スコアは、食品に含まれるたんぱく質を構成する必須アミノ酸の含有バランスを評価する指標です。

この数値が高いほど体内でのたんぱく質の利用効率が高くなります。

なおアミノ酸スコアが高くたんぱく質含有量の多い食品は「良質なたんぱく質」食品と呼ばれます。

体づくりには良質なたんぱく質食品を多く摂ることが重要だといえるでしょう。

この記事ではアミノ酸スコアがどのようなものであるか解説した上で、身近な食品のアミノ酸スコアや、たんぱく質を体内で効率良く吸収・利用するために押さえておきたいポイントをご紹介します。

1.アミノ酸スコアとは

「アミノ酸スコアってどういうものなんだろう?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃることでしょう。

アミノ酸スコアは、食品に含まれているたんぱく質の利用効率を表す数値といえます。

具体的にどのようなものであるかご説明するためには、まずはたんぱく質というものの構造について簡単に知っていただく必要があります。

たんぱく質とは
炭水化物や脂質と並び、体のエネルギーとなる栄養素(エネルギー産生栄養素)の一種です。また筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの体の器官を構成したり、ホルモンや酵素、抗体といった体の機能を調節する成分の材料となったりもしています。

たんぱく質は20種類の「アミノ酸」と呼ばれる物質が約50〜1,000結合することでできています[1]。

20種類のアミノ酸のうち1種類でも欠けているとたんぱく質を構成することはできないのです[2]。

これら20種類のアミノ酸は、ヒトの体内でつくることができず食品から摂取する必要のある9種類の「必須アミノ酸」と、体内で合成が可能な11種類の「非必須アミノ酸」に分けられます[2]。

たんぱく質を構成するアミノ酸

アミノ酸スコアは食品中のたんぱく質を構成する必須アミノ酸のバランスを評価するための指標です。

必須アミノ酸がヒトの体にとって望ましい量に対し、どれくらいの割合で含まれているかを計算することで導き出されます。

アミノ酸スコアは100を上限としており、その数値が高いほど体内でのたんぱく質の利用効率が高いといえます[3]。

なお、たんぱく質含有量が多く、アミノ酸スコアの高い食品は「良質なたんぱく質」食品と呼ばれます。

体づくりのためには良質なたんぱく質を摂取することが重要だといえるでしょう。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アミノ酸

[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「良質なたんぱく質

【関連情報】 「アミノ酸とは?期待できる効果や食品、摂取する上でのポイントも解説」についての記事はこちら

2.代表的な食品のアミノ酸スコア

「効率良くたんぱく質を利用するために身近な食品のアミノ酸スコアが知りたいな……」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アミノ酸スコアの高い食品は、肉類や魚介類、卵類などのたんぱく質を豊富に含む動物性食品に多くあります。

また植物性食品のなかではたんぱく質の多い大豆もアミノ酸スコアの高い食品です。

この章では、代表的な食品のアミノ酸スコアをご紹介しましょう。

メモ
本記事でご紹介している食品はスーパーなどで比較的入手しやすい食品、知名度が高い食品のうち、アミノ酸スコアの計算に必要な「たんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量」が文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に収載されているものです。

日本食品標準成分表2020年版(八訂)

2-1.肉類

いろんな種類生肉

まずは代表的な肉類のアミノ酸スコアをご紹介しましょう。

併せて各食品のエネルギー量(カロリー)とたんぱく質含有量もご紹介するので参考にしてくださいね。

【肉類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
くじら
赤肉、生
100
24.1g
100kcal
鶏ささみ
100
23.9g
98kcal
鶏むね肉
皮なし、生
100
23.3g
105kcal
豚ヒレ
赤肉、生
100
22.2g
118kcal
ローストビーフ
-
100
21.7g
190kcal
豚レバー
100
20.4g
114kcal
牛リブロース
脂身付き、生
100
20.1g
212kcal
馬肉
赤肉、生
100
20.1g
102kcal
牛もも肉
皮下脂肪なし、生
100
20.0g
133kcal
牛レバー
100
19.6g
119kcal
豚ロース
脂身付き、生
100
19.3g
248kcal
鶏もも肉
皮なし、生
100
19.0g
113kcal
鶏レバー
100
18.9g
100kcal
ロースハム
-
100
18.6g
211kcal
すなぎも
100
18.3g
86kcal
鶏手羽元
皮付き、生
100
18.2g
175kcal
豚ひき肉
100
17.7g
209kcal
鶏ひき肉
100
17.5g
171kcal
鶏手羽先
皮付き、生
100
17.4g
207kcal
牛ひき肉
100
17.1g
251kcal
牛ハツ(心臓)
100
16.5g
128kcal
豚ハツ(心臓)
100
16.2g
118kcal
豚タン(舌)
100
15.9g
205kcal
ラムロース
脂身付き、生
100
15.6g
287kcal
豚ばらベーコン
-
100
15.4g
244kcal
牛ハラミ
100
14.8g
288kcal
鶏ハツ(心臓)
100
14.5g
186kcal
豚ばら肉
脂身付き、生
100
14.4g
366kcal
牛タン(舌)
100
13.3g
318kcal
ウインナーソーセージ
-
100
11.5g
319kcal
鶏皮(むね)
100
9.4g
466kcal
鶏皮(もも)
100
6.6g
474kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

ここでご紹介する肉類は全てアミノ酸スコアが100であることが分かります。

たんぱく質含有量も多く、いずれも良質なたんぱく質食品だと考えられますね。

ただし肉類は脂質も多く含んでいる傾向にあります。

脂質の多い食品を食べ過ぎるとカロリー(エネルギー摂取量)過多となり、肥満や生活習慣病を招いてしまう恐れがあるので注意しておきましょう。

メモ
炭水化物(糖質)およびたんぱく質は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcalのエネルギーを産生します[4]。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

2-2.魚介類

新鮮なお刺身

続いて代表的な魚介類のアミノ酸スコアとたんぱく質含有量、カロリーをご紹介しましょう。

【魚介類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
かつお(春獲り)
100
25.8g
108kcal
かつお(秋獲り)
100
25.0g
150kcal
たらこ(すけとうだら)
100
24.0g
131kcal
しろさけ
100
22.3g
124kcal
みなみまぐろ
赤身、生
100
21.6g
88kcal
ぶり
100
21.4g
222kcal
まさば
100
20.6g
211kcal
まだい(天然)
100
20.6g
129kcal
ほっけ
開き干し、生
100
20.6g
161kcal
あまえび
100
19.8g
85kcal
まあじ
皮付き、生
100
19.7g
112kcal
まがれい
100
19.6g
89kcal
バナメイえび(養殖)
100
19.6g
82kcal
まいわし
100
19.2g
156kcal
まだこ
皮付き、生
100
16.1g
70kcal
こういか
100
14.9g
64kcal
ずわいがに
100
13.9g
59kcal
ほたて
100
13.5g
66kcal
たらばがに
100
13.0g
56kcal
蒸しかまぼこ
-
100
12.0g
93kcal
ほたるいか
100
11.8g
74kcal
しじみ
100
7.5g
54kcal
はまぐり
100
6.1g
35kcal
あさり
100
5.7g
29kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

魚介類には肉に比べてカロリーが低いものが多い傾向にあります。

たんぱく源といえば肉というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでご紹介している食品はいずれもアミノ酸スコアが100です。

普段、肉を食べる機会が多いという方は魚をたんぱく源として利用することも検討してみてくださいね。

2-3.卵類

紙パックのたまご

卵、なかでも鶏卵は代表的なたんぱく源の一つです。

卵類のアミノ酸スコアとたんぱく質含有量、カロリーは以下のとおりです。

【卵類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
鶏卵
卵黄、生
100
16.5g
336kcal
うずら卵
全卵、生
100
12.6g
157kcal
鶏卵
全卵、生
100
12.2g
142kcal
鶏卵
卵白、生
100
10.1g
44kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

卵もアミノ酸スコアの高い食品であることが分かりますね。

2-4.乳製品

ヨーグルト

乳製品のアミノ酸スコアとたんぱく質含有量、カロリーを確認してみましょう。

【乳製品のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
プロセスチーズ
-
100
22.7g
313kcal
カマンベールチーズ
-
100
19.1g
291kcal
カッテージチーズ
-
100
13.3g
99kcal
クリームチーズ
-
100
8.2g
313kcal
マスカルポーネ
-
100
4.4g
273kcal
ヨーグルト(無脂肪無糖)
-
100
4.0g
37kcal
加工乳(低脂肪)
-
100
3.8g
42kcal
ヨーグルト(低脂肪無糖)
-
100
3.7g
40kcal
ヨーグルト(全脂無糖)
-
100
3.6g
56kcal
加工乳(濃厚)
-
100
3.4g
70kcal
普通牛乳
-
100
3.3g
61kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

ご紹介する乳製品は全てアミノ酸スコアが100であることが分かりますね。

なお、牛乳や乳製品に含まれるたんぱく質は「ホエイ」と「カゼイン」の2種類に分けられます

たんぱく質の摂取源となるサプリメント「プロテイン」の種類として見聞きしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

ホエイプロテインとカゼインプロテインは牛乳由来の製品です。

牛乳も重要なたんぱく源だと考えられるでしょう。

2-5.豆類・大豆加工品

薬味ののったお豆腐

一般的に植物性食品より動物性食品の方が、アミノ酸スコアが高いものは多いといわれています。

しかし大豆などの豆製品は、植物性食品のなかでもアミノ酸スコアが高い傾向にあります

豆類や大豆加工食品のアミノ酸スコアとたんぱく質含有量、カロリーをご紹介します。

【豆類・大豆加工品のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
いり大豆(黄大豆)
-
100
37.5g
429kcal
きな粉(黄大豆、全粒)
-
100
36.7g
451kcal
黄大豆(米国産)
乾燥
100
33.0g
402kcal
そらまめ(全粒)
乾燥
100
26.0g
323kcal
油揚げ
100
23.4g
377kcal
いんげんまめ(全粒)
乾燥
100
22.1g
280kcal
湯葉
100
21.8g
218kcal
青えんどう(全粒)
乾燥
100
21.7g
310kcal
あずき(全粒)
乾燥
100
20.8g
304kcal
ひきわり納豆
-
100
16.6g
185kcal
納豆
-
100
16.5g
184kcal
干し湯葉
湯戻し
100
15.7g
151kcal
黄大豆
水煮缶詰
100
12.9g
124kcal
こしあん(あずき)
100
9.8g
147kcal
あずき(全粒)
ゆで
100
8.6g
124kcal
焼き豆腐
-
100
7.8g
82kcal
木綿豆腐 -
100
7.0g
73kcal
おから
100
6.1g
88kcal
つぶあん
-
100
5.6g
239kcal
絹ごし豆腐
-
100
5.3g
56kcal
豆乳
-
100
3.6g
43kcal
調製豆乳
-
100
3.2g
61kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

多くの豆類・大豆製品のアミノ酸スコアは100であることが分かります。

肉や魚は脂質を多く含む傾向にあるので、植物性食品からもたんぱく質を摂取するよう心掛けましょう。

2-6.野菜・いも類

野菜

一般的に植物性食品は動物性食品に比べアミノ酸スコアが低い傾向にあります。

代表的な野菜・いも類のアミノ酸スコアとたんぱく質含有量、カロリーをご紹介しましょう。

【野菜・いも類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
えだまめ
100
11.7g
125kcal
グリンピース
100
6.9g
76kcal
にんにく
93
6.4g
129kcal
ブロッコリー
100
5.4g
37kcal
たけのこ
100
3.6g
27kcal
とうもろこし(スイートコーン)
100
3.6g
89kcal
アスパラガス
100
2.6g
21kcal
ほうれん草
100
2.2g
18kcal
オクラ
100
2.1g
26kcal
西洋かぼちゃ
100
1.9g
78kcal
ししとう
100
1.9g
24kcal
れんこん
64
1.9g
66kcal
じゃがいも
皮なし、生
100
1.8g
59kcal
さやいんげん(若ざや)
100
1.8g
23kcal
ごぼう
78
1.8g
58kcal
りょくとうもやし
73
1.8g
15kcal
にら
100
1.7g
18kcal
さといも
100
1.5g
53kcal
ねぎ(根深ねぎ)
100
1.4g
35kcal
キャベツ
95
1.2g
23kcal
さつまいも
皮なし、生
100
1.2g
126kcal
なす
100
1.1g
18kcal
きゅうり
100
1.0g
13kcal
たまねぎ
64
1.0g
33kcal
しょうが
皮なし、生
64
0.9g
28kcal
ピーマン
100
0.9g
20kcal
にんじん
皮なし、生
100
0.7g
32kcal
はくさい
100
0.8g
13kcal
トマト
83
0.7g
20kcal
レタス(土耕栽培)
100
0.6g
11kcal
だいこん
皮なし、生
93
0.4g
15kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

野菜類やいも類のなかにはアミノ酸スコアが100を切っているものがあることが分かります。

またアミノ酸スコアが100のものも、たんぱく質含有量は少なく、摂取源としては十分でないと考えられるものがほとんどです。

体に必要なたんぱく質を摂取するためには野菜やいも類以外のたんぱく質を多く含む食品も積極的に摂取するように心掛けましょう。

2-7.きのこ類

ざるにのったきのこ類

続いて代表的なきのこ類のアミノ酸スコアおよびたんぱく質含有量、カロリーをお伝えします。

【きのこ類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
干ししいたけ
乾燥
100
21.2g
258kcal
ブラウンマッシュルーム
100
3.2g
18kcal
しいたけ(菌床栽培)
100
3.1g
25kcal
マッシュルーム
100
2.9g
15kcal
エリンギ
100
2.8g
31kcal
えのきたけ
100
2.7g
34kcal
ぶなしめじ
100
2.7g
26kcal
まいたけ
97
2.0g
22kcal
まつたけ
100
2.0g
32kcal
なめこ(株採り)
100
1.8g
21kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

きのこには意外とアミノ酸スコアが高いものがあるのだと驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

ただし野菜と同様、きのこ類はたんぱく源として十分なほどたんぱく質を含んでいるとはいえません

他の食材と組み合わせて摂取するようにしましょう。

2-8.海藻類

海苔

海藻類のアミノ酸スコアが気になるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

代表的な海藻類のアミノ酸スコアおよびたんぱく質含有量、カロリーをご紹介しましょう。

【海藻類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
焼きのり(あまのり)
-
100
41.4g
297kcal
あおのり
素干し
100
29.4g
249kcal
あおさ
素干し
100
22.1g
201kcal
カットわかめ
乾燥
100
17.9g
186kcal
ほしひじき
ステンレス釜使用、乾燥
93
9.2g
180kcal
こんぶつくだ煮
-
100
6.0g
150kcal
まこんぶ
素干し
100
5.8g
170kcal
まこんぶ
素干し、水煮
100
1.1g
28kcal
めかぶわかめ
100
0.9g
14kcal
ほしひじき
ステンレス釜使用、油炒め
98
0.8g
51kcal
もずく
塩蔵、塩抜き
100
0.2g
4kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

意外にもアミノ酸スコアを計算できる代表的な海藻類のほとんどはアミノ酸スコアが100であり、そうでないものも高いことが分かります。

しかし海藻類の1食当たりの摂取量はあまり多くないため、たんぱく源としては不十分であると考えられます。

動物性食品や豆類などと合わせて十分なたんぱく質量を確保しましょう。

2-9.主食類

白米やパンなどの主食

「主食になるものにもたんぱく質は含まれているのかな?」

「ご飯のアミノ酸スコアはどれくらいなんだろう?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここでは代表的な主食類のアミノ酸スコアおよびたんぱく質含有量、カロリーをご紹介しましょう。

【主食類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
そば
乾麺
76
14.0g
344kcal
マカロニ、スパゲッティ
乾麺
47
12.9g
347kcal
ロールパン
-
56
10.1g
309kcal
そば
生麺
84
9.8g
271kcal
ベーグル
-
47
9.6g
270kcal
そうめん、ひやむぎ
乾麺
49
9.5g
333kcal
フランスパン
-
47
9.4g
289kcal
食パン
-
51
8.9g
248kcal
中華めん
生麺
53
8.6g
249kcal
うどん
乾麺
51
8.5g
333kcal
うどん
51
6.1g
249kcal
マカロニ、スパゲッティ
ゆで
49
5.8g
150kcal
そうめん、ひやむぎ
ゆで
49
3.5g
114kcal
玄米ご飯
炊飯
100
2.8g
152kcal
うどん
ゆで
51
2.6g
95kcal
白ご飯
炊飯
91
2.5g
156kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

玄米ご飯を除き、ここでご紹介する主食類は全てアミノ酸スコアが100を切ってしまっていることが分かります。

なお、アミノ酸スコアが低くなっている原因は、いずれの食品においてもたんぱく質1g当たりのリシン(リジン)の含有量が少ないことにあります。

また主食類はたんぱく質含有量も多くありません。

きちんとおかずなどからたんぱく質を摂取するよう心掛けましょう

2-10.果実類・ナッツ類

ナッツとブルーベリー

最後に代表的な果物類・ナッツ類のアミノ酸スコアおよびたんぱく質含有量、カロリーをご紹介しましょう。

【果実類・ナッツ類のアミノ酸スコアと100g当たりのたんぱく質含有量およびカロリー】
※横にスクロールできます
食品名 加工状態など アミノ酸スコア たんぱく質含有量 カロリー
らっかせい
いり
87
25.0g
613kcal
カシューナッツ
フライ、味付け
100
19.8g
591kcal
ピスタチオ
いり、味付け
100
17.4g
617kcal
マカダミアナッツ
いり、味付け
100
8.3g
751kcal
アボカド
100
2.1g
176kcal
バナナ
100
1.1g
93kcal
キウイフルーツ(緑肉種)
100
1.0g
51kcal
メロン(露地栽培、緑肉種)
63
1.0g
45kcal
いちご
100
0.9g
31kcal
ネーブルオレンジ
90
0.9g
48kcal
グレープフルーツ
63
0.9g
40kcal
うんしゅうみかん
100
0.7g
49kcal
パインアップル
100
0.6g
54kcal
すいか
90
0.6g
41kcal
もも(白肉種)
68
0.6g
38kcal
かき(甘がき)
100
0.4g
63kcal
ぶどう
生、皮なし
81
0.4g
58kcal
日本なし
64
0.3g
38kcal
りんご
生、皮なし
100
0.1g
53kcal

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

野菜類と同様に果物類・ナッツ類はアミノ酸スコアが100を切るものが目立ちます。

またアミノ酸スコアが高くても、たんぱく質が少なくほとんど含まれていないといえるものもあります。

他の食品からしっかりとたんぱく質を摂取しておく必要がありますね。

3.アミノ酸スコアの計算方法

「アミノ酸スコアは自分で計算できるのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アミノ酸スコアは食品のたんぱく質1g当たりに含まれている必須アミノ酸の量が分かれば算出できます

ここではアミノ酸スコアの計算方法をご紹介しましょう。

アミノ酸スコアは必須アミノ酸がヒトの体にとって望ましい量に対し、どれくらいの割合で含まれているかを表す指標であることはすでにお伝えしましたよね。

ここでいう「ヒトの体にとって望ましい量」とは、たんぱく質1g当たりの理想的な必須アミノ酸含有量のことで、「アミノ酸評点パターン」とも呼ばれます。

世界保健機関(WHO)が発表する成人のアミノ酸評点パターンのうち、アミノ酸スコアの計算に用いられるものは以下のとおりです。

【成人のアミノ酸必要量(mg/gたんぱく質)】
アミノ酸 必要量
ヒスチジン
15
イソロイシン
30
ロイシン
59
リシン
45
メチオニン+システイン
22
フェニルアラニン+チロシン
38
トレオニン(スレオニン)
23
トリプトファン
6
バリン
39

WHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

アミノ酸スコアを計算するためには、前掲の必要量でたんぱく質1g当たりの当該アミノ酸含有量を割り、100をかけます

アミノ酸スコアの計算に用いられるアミノ酸評点パターンは9種類あるので、9回計算が必要だということですね。

なお食品のたんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量は文部科学省 食品成分データベースで確認できます。

文部科学省 食品成分データベース

確認したい食品のページにアクセスし、左側の「成分表選択」から「04.アミノ酸-たんぱく質1g」を選びましょう

参考までに、まずは牛リブロースのたんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量と、それをアミノ酸評点パターンで割って100をかけた計算結果を参照してみましょう。

【牛リブロースのアミノ酸スコア計算結果】
アミノ酸 含有量(たんぱく質1g当たり) 必要量 計算結果
ヒスチジン
45
15
300
イソロイシン
53
30
177
ロイシン
93
59
158
リシン
100
45
222
メチオニン+システイン
43
22
195
フェニルアラニン+チロシン
88
38
232
トレオニン
55
23
239
トリプトファン
14
6
233
バリン
57
39
146

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

メモ
輸入牛肉の脂身付きリブロース、生の状態の数値を参照しています。

このように計算結果の全ての数値が100を超えている場合、その食品のアミノ酸スコアは100となります。

つまり、牛リブロースのアミノ酸スコアは100だということが分かります。

では、計算結果が100を切るアミノ酸がある場合にはどうでしょうか。

れんこんのたんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量と、アミノ酸評点パターンで割った計算結果をみてみましょう。

【れんこんのアミノ酸スコア計算結果】
アミノ酸 含有量(たんぱく質1g当たり) 必要量 計算結果
ヒスチジン
24
15
160
イソロイシン
25
30
83
ロイシン
38
59
64
リシン
38
45
84
メチオニン+システイン
32
22
145
フェニルアラニン+チロシン
61
38
161
トレオニン
38
23
165
トリプトファン
13
6
217
バリン
34
39
87

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」およびWHO「Protein and amino acid requirements in human nutrition : report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation」をもとに執筆者作成

たんぱく質1g当たりのアミノ酸含有量が望ましい量に対し少ないアミノ酸があることが分かりますね。

このとき、最も低い数値がその食品のアミノ酸スコアとなります。

つまりこの場合、れんこんのアミノ酸スコアは64です。

これは、特定のアミノ酸の含有量が少ない場合、たんぱく質の利用効率がそれに伴って下がってしまうためです。

おけに水をためようとするとき、そのおけを構成する板に背の低いものがあればその板の高さまでしか水はたまりませんよね。

このようにたんぱく質の利用効率は含有量の少ないアミノ酸に合わせて低くなってしまうため、理想の含有量(アミノ酸評点パターン)に対する実際の含有量の割合が最も低いものがその食品のアミノ酸スコアとなるのです。

たんぱく質の利用効率

なお、アミノ酸評点パターンに対し、実際の含有量の割合が最も低いアミノ酸のことを「第一制限アミノ酸」と呼びます

れんこんの場合、第一制限アミノ酸はロイシンであることが分かりますね。

このためアミノ酸スコアは「第一制限アミノ酸含有量」÷「アミノ酸評点パターンの当該アミノ酸量」×100という式で表されますが、どれが第一制限アミノ酸であるかということは9種類のアミノ酸評点パターンについて計算しなければ分からない点に注意が必要です。

4.たんぱく質を効率良く摂取・利用するポイント

「たんぱく質を効率良く摂るにはどうしたら良いんだろう……?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

たんぱく質の含有量や利用効率は食品によって異なるため、たんぱく質を効率良く摂取・利用するためには意識しておきたいいくつかのポイントがあるといえます。

ここでは、たんぱく質を効率良く摂取し、体内で利用するためのポイントをお伝えしましょう。

たんぱく質を効率良く摂取・利用するポイント

ポイント1 たんぱく質含有量の多い食品を選ぶ

たんぱく質を効率良く摂取するためには、まずたんぱく質が多い食品を選ぶことが重要です。

一般的にたんぱく質は動物性食品に多く含まれていますが、肉や魚は脂質も多い傾向にあります。

カロリーオーバーには注意し、適宜植物性食品も取り入れるよう心掛けましょう。

運動の習慣がある場合、たんぱく質を補給する「プロテイン」サプリメントを利用するのも良いかもしれませんね。

ポイント2 アミノ酸スコアの高い食品を選ぶ

アミノ酸スコアが高い食品を選ぶことも、たんぱく質を効率良く摂取・利用する上では意識しておきたいところです。

せっかくたんぱく質をたくさん摂っても、たんぱく質を構成するアミノ酸が偏っていると体内での利用効率が落ちてしまいます

そこでアミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質を摂ることが重要なのですね。

ポイント3 さまざまな食品を組み合わせて食べる

「アミノ酸スコアの低い食品のたんぱく質の利用効率を高める方法はないのかな?」

このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はアミノ酸スコアが低い食品だからといって避ける必要はありません。

食べ合わせにより、アミノ酸スコアが低い食品に含まれているたんぱく質の利用効率も高めることができます

例えば主食類に含まれるたんぱく質にはリシンがあまり含まれておらず、これがアミノ酸スコアの低い原因となっています。

しかし他の食品でリシンを補えば、主食のたんぱく質を最大限活用できるようになると考えられるのです。

多様な食品を食べることが質の高いたんぱく質を摂取することにつながると考えられるでしょう。

日頃同じものばかり食べているという方は、他の食品も取り入れるよう心掛けてみてくださいね。

5.アミノ酸スコアに関するまとめ

アミノ酸スコアは食品中のたんぱく質が体内でどれだけ有効に利用されるかを表す数値です。

100を最大値として、この数値が高いほど「良質なたんぱく質」であるといわれます。

一般的にアミノ酸スコアが100の食品は肉や魚、卵、乳製品などの動物性食品に多い傾向にあります。

また植物性食品のなかでも豆類はアミノ酸スコアが高く、たんぱく質含有量も多いといえるでしょう。

たんぱく質を摂取する際には食品のたんぱく質含有量だけでなく、アミノ酸スコアも意識してみるのが良いかもしれませんね。

ただしアミノ酸スコアが低い食品を避ける必要はなく、さまざまな食べ物を組み合わせて食べることでたんぱく質の利用効率を高めることができると考えられます。

肉や魚は脂質も多く含む傾向にあるので、カロリーオーバーにならないよう、植物性食品も組み合わせてバランスの取れた食事を心掛けましょう。

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