「プロテインってよく聞くけど、何のことなの?」
「筋トレに良いっていうけど、飲むだけで効果があるのかな?」
このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年はプロテイン配合のお菓子や飲み物なども多く販売されており、スーパーやコンビニなど身近なところで見かけるようになりましたよね。
この記事ではプロテインとはどのようなものなのか、種類や飲み方に至るまで詳しく解説します。
1.プロテインとは
「プロテインって、何でできているんだろう?」
「ダイエット中なんだけど、飲んで効果はあるのかな?」
このように気になっている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
まずはプロテインとはどのようなものなのか簡単にご説明しましょう。
1-1.食品由来のたんぱく質サプリメント
プロテインは「protein」と書き、英語でたんぱく質のことを指します。
ギリシャ語で「一番大切なもの」を意味する「proteios(プロティオス)」に由来する言葉です。
しかし日本語で「プロテイン」というときには、たんぱく質そのものは指しませんよね。
牛乳や水に溶かして飲む粉末状のサプリメントや、「プロテイン配合」などと書かれている飲み物やお菓子が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。
日本においては、プロテインは一般的にたんぱく質を摂取するためのサプリメントを指す言葉として使われています。
たんぱく質は炭水化物・脂質と並び私たちの体のエネルギーとなる栄養素です。
また筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの体の器官や、ホルモンなど体の機能を調節する物質を構成しており、ヒトの体から水分を除いた重量の約50%を占めています *1。
たんぱく質は20種類のアミノ酸が50〜1,000結合してできており*1、種類によって構造やはたらきが異なります。
たんぱく質は卵類、肉類、豆類などさまざまな食品に含まれていますが、プロテインとして販売されている代表的なものは牛乳由来のものと大豆由来のものです。
*1 厚生労働省 e-ヘルスネット「たんぱく質」
1-2.筋トレやダイエットの味方
「プロテインは何の役に立つの?」
と疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
端的にいえば、プロテインはたんぱく質の摂取量を効率的に高めるためのサプリメントであるといえます。
特に筋トレやダイエットを行っている方には、たんぱく質を効率的に摂取できるプロテインは心強い味方だといえます。
筋トレを行うと筋肉は一時的に傷つきますが、修復や回復を繰り返し、それによってより大きくなっていきます。
このとき、筋肉の材料となるたんぱく質は欠かせません。
またたんぱく質はダイエットの際にも不足しないよう気を付けたい栄養素です。
摂取カロリーを制限して減量を行うと、体脂肪と同時に筋肉も分解されてエネルギー源にされ、筋肉量が減りやすくなるといわれています。
筋肉が減るとそれに伴って基礎代謝が低下し、消費カロリーも減少してしまいます。
基礎代謝は私たちの消費するカロリーの約60%*2を占め、筋肉が多くなれば基礎代謝量もそれに伴って増加します。
ダイエットの基本は、摂取カロリーよりも消費カロリーを大きくすることにあります。
消費カロリーを増やすために、ダイエット中は脂肪を減らすだけでなく筋肉量を増やすことも重要だと考えられるのですね。
食品からたんぱく質を摂取する際はどうしても脂質やカロリーの摂り過ぎになってしまいがちですが、プロテインならば余計な脂質やカロリーを摂ることなく効率的にたんぱく質を摂取できるのもうれしいポイントだといえるでしょう。
*2 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
【関連情報】 「プロテインの基礎知識」についてもっと知りたい方はこちら
2.たんぱく質の1日の摂取量の目安
「実際、たんぱく質って1日にどれくらい摂ればいいの?」
このような疑問が浮かんだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
厚生労働省は「国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために」*3、各栄養素をどれくらい食事から摂取すべきなのかという基準を示しています。
18歳以上の男女のたんぱく質の食事摂取基準は以下のとおりです。
【たんぱく質の1日当たりの食事摂取基準(g)】
男性 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
---|---|---|
18〜29歳 | 50 | 65 |
30〜49歳 | 50 | 65 |
50〜64歳 | 50 | 65 |
65〜74歳 | 50 | 60 |
75歳以上 | 50 | 60 |
女性 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
---|---|---|
18〜29歳 | 40 | 50 |
30〜49歳 | 40 | 50 |
50〜64歳 | 40 | 50 |
65〜74歳 | 40 | 50 |
75歳以上 | 40 | 50 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
妊婦・授乳婦に対しては、以下の量を加えて摂取するように定められています。
【妊婦・授乳婦の付加量(g)】
状況 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
---|---|---|
妊娠初期 | +0 | +0 |
妊娠中期 | +5 | +5 |
妊娠後期 | +20 | +25 |
授乳婦 | +15 | +20 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
また食事摂取基準とは別に、一般的に運動をしている方や特に筋肉をつけたい方は体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂ると良い*4といわれています。
例えば筋トレを本格的に行っている体重60kgの方の場合、1日に120gものたんぱく質を摂るべきだということになります。
これはたんぱく質を多く含むことで知られる鶏のささみ約500g分のたんぱく質*5に当たります。
食事摂取基準の推奨量を満たす場合にも約270gのささみが必要です。
「意外とたんぱく質を十分に摂るのは大変なんだな……」
と驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食事だけではたんぱく質の摂取量が理想の量におよばないというときに、プロテインが活躍してくれると考えられるのですね。
*3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
*4 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識」
*5 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
【関連情報】 「効率よくたんぱく質を摂取できるおすすめ食品」についてもっと知りたい方はこちら
3.プロテインの種類
一口に「プロテイン」といってもいくつかの種類があることをご存じでしょうか。
代表的なものとしては牛乳由来のホエイプロテインとカゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテインが挙げられます。
たんぱく質は種類によって構造やはたらきが異なるため、目的に応じて使い分けた方が良いといえるでしょう。
ここでは3種類の代表的なプロテインについてご説明します。
3-1.ホエイプロテイン
筋トレ中の方に特におすすめしたいのがホエイプロテインです。
ホエイプロテインは牛乳に含まれるたんぱく質の約20%*6を占めています。
ヨーグルトの上にたまっている透明な液体がホエイ(乳清)です。
ホエイプロテインはもともと液体なので水に溶けやすい性質があり、体内での吸収が非常に早いのが特徴です。
約2時間で吸収される*6ため、筋トレ後の栄養補給にぴったりだといえます。
*6 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識」
3-2.カゼインプロテイン
カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく牛乳由来のたんぱく質の一種です。
カゼインプロテインは牛乳に含まれるたんぱく質の約80% *7を占める不溶性の物質です。
水に溶けにくく、体内での吸収もゆっくりという特徴があります。
吸収には約7〜8時間かかるため、腹持ちの良さがメリットとして挙げられます。*7
空腹感を我慢するのがつらいというダイエット中の方にはうれしいポイントですよね。
*7 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識」
3-3.ソイプロテイン
ソイプロテインは大豆に含まれるたんぱく質の一種です。
ソイプロテインには、女性ホルモンの「エストロゲン」に構造が似ている「大豆イソフラボン」が含まれています。
女性らしい美しさや若々しさを保ちたい方にぴったりの成分だといえるでしょう。
またソイプロテインは吸収速度がゆっくりで、約5〜6時間かけて吸収される*8ことが分かっています。
満腹感を持続させる効果が期待できますね。
ダイエット中の女性には特におすすめのプロテインだということができるでしょう。
*8 一般社団法人 日本プロテイン協会「誰でもわかるプロテインの基礎知識」
4.目的別・プロテインの飲み方
「プロテインはいつ飲めば良いの?」
と気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
プロテインの種類と同様、飲み方も目的に応じて変えると良いでしょう。
ここでは、プロテインの飲み方の例をご紹介します。
4-1.筋トレのお供に
筋肉量の増加を目指している方は、筋トレ後すぐのプロテイン摂取がおすすめです。
筋トレなどの激しい運動では筋肉をつくる筋繊維が傷つけられます。
筋繊維を修復し、より強い筋肉を育てるためにはたんぱく質が欠かせません。
筋トレ後すぐにプロテインを摂取すれば、効率良くたんぱく質を体内に吸収できるものと考えられます。
特に吸収の早いホエイプロテインがおすすめですよ。
4-2.食事のお供に
食事から摂るたんぱく質が不足していると考えられる場合、食事と一緒にプロテインを飲むのも一つの手です。
ただし筋力アップを目指している場合は特に、適度に糖質(炭水化物のうちエネルギーになる部分)を一緒に摂取するよう注意してください。
体内に糖質が不足していると、不足した分のエネルギーを補うためにたんぱく質が消費されてしまいます。
せっかくプロテインを摂取しても筋肉になりづらくなってしまうと考えられるのです。
ダイエット中の場合は特に糖質を抜きたくなるかもしれませんが、糖質が不足すると集中力の減退や疲労感にもつながります。
適度な糖質を摂取しつつ、健康的に筋力アップを目指しましょう。
4-3.おやつに
食事と食事の間が開くとおなかが空いてしまう、という方はおやつ代わりにプロテインを飲むのもおすすめです。
メーカーによってさまざまな味の商品がある他、プロテイン配合のお菓子なども売られていますよ。
特にカゼインプロテインやソイプロテインは吸収が遅いためその分腹持ちが良いと考えられます。
また運動前に間食代わりにプロテインを飲んでおけば、筋肉がエネルギーとして使われ分解されるのを防止する効果も期待できますよ。
4-4.就寝前に
就寝中は筋肉を増やす成長ホルモンが多く分泌されます。
寝る前にたんぱく質を補給しておくことで、吸収を高め、より成長ホルモンのはたらきを高められる可能性があります。
ただし就寝直前の飲食は胃腸の負担になりかねません。
眠る直前は避け、就寝の数時間前に飲むのが良いでしょう。
毎晩必ず飲むのではなく、体を動かしたりトレーニングをしたりした日の夜に飲むだけでも十分効果が期待できますよ。
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5.プロテインについて まとめ
プロテインは英語で「protein」と書き、たんぱく質のことを指します。
日本語でプロテインというときには単なるたんぱく質そのものではなく、たんぱく質を手軽に摂取するためのサプリメントを指していることが一般的です。
たんぱく質は筋肉をつくるもととなるため、プロテインは筋トレやダイエットの心強い味方であるといえます。
特に筋トレやスポーツを本格的に行っている方は体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂取することが理想的だといわれているため、食事のみから十分な量を摂取することは難しいものと考えられます。
そんなとき、プロテインは大きな助けとなってくれることでしょう。
ただし一口にプロテインといってもいくつかの種類があるため、ご自分の目的に応じて選ぶのがおすすめです。
特に筋肉量を増やしたいという方におすすめなのがホエイプロテインです。
またダイエット中で腹持ちの良さを求める方にはカゼインプロテインが向いているといえます。
他に、女性らしい美しさや若々しさを保ちたい方はソイプロテインを選ぶと良いでしょう。
プロテインは筋トレの直後はもちろん、食事のお供やおやつ、就寝前の栄養補給にもお飲みいただけます。
自分に合った種類のものを自分に合ったペースで飲みつつ、健康的な毎日を過ごすようにしてくださいね。