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離乳食後期(9〜11カ月)の進め方は?献立づくりのポイントも紹介

2023年8月1日

ボディコンディション

「そろそろ離乳食後期に入るけど、どうやって進めたら良いのかな?」

「食事の量や食材の固さってどれくらいがちょうど良いんだろう」

このように離乳食後期の進め方について疑問や心配をお持ちではないでしょうか。

離乳食後期を迎えるにあたって中期からどのくらいステップアップするのか、どんな食材が使えるのかなど知りたいことも多いですよね。

離乳食後期は食べられる食材の幅が増え、子どもの食べる能力もさらに育っていく時期です。

この記事では、離乳食後期の進め方や献立をつくる際のポイントなどを詳しく解説します。

1.離乳食後期ってどんな時期?

離乳食を食べる赤ちゃん

生後9〜11カ月頃が目安となる離乳食後期は歯や歯ぐきで食べ物をつぶせるようになる時期*1で、「かみかみ期」とも呼ばれます。

前歯が少しずつ生えてきて、「まんま」などの言葉を発するようにもなります。

この時期はだんだんと自分で食べたいという欲求が出てくる頃でもあります。

後期の始めである9カ月ごろには手づかみ食べをするようになり*1、直接食べ物に触れることで食べ物への関心が生まれます。

中期では食事の回数は1日2回でしたが、後期からは大人と同じ1日3回へと回数が増えます*1。

家族と同じタイミングで食事が取れるようになるので、一緒に食べる楽しさを知ることもできるでしょう。

*1 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド

2.離乳食後期の進め方

少しずつ固いものが食べられるようになり、食材の種類も増えてくるのが離乳食後期です。

ここからは、進めていくときの具体的なポイントについて解説します。

いずれも内容はあくまで目安なので、子どもの発達や好みに合わせながら進めてみてくださいね。

2-1.食品の固さ

離乳食

離乳食後期に与える食品は、歯ぐきでつぶせるくらいの固さにします。

具体的には、熟したバナナくらいの固さを目安にして調理すると良いでしょう。

やわらか過ぎても固過ぎてもうまくつぶすことができず、丸飲みの原因になってしまうので注意が必要です。

食材の種類などに合わせて、必要に応じてとろみをつけたりあんかけにしたりすると食べやすくなりますよ。

2-2.食事の量

1回当たりの食事の量は下記を目安に、子どもの食欲や発達状況に合わせて調整しながら準備してみてください。

穀類全がゆ90g〜軟飯80g
野菜・果物30g〜40g
たんぱく質(右記のうちいずれか)・魚 15g
・肉 15g
・豆腐 45g
・卵 全卵2分の1個
・乳製品 80g

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに執筆者作成

上記の量は、1回につき一つの食品のみを使用した場合の目安量です。

1回の食事に肉と豆腐を入れるなら、それぞれ2分の1ずつにするなどして調整するようにしてください。

2-3.食べられる食材

離乳食後期になると、中期までに食べていた食材に加えて以下を追加できるようになります。

【離乳食後期で追加できる食材例】

  1. 牛肉
  2. 豚肉
  3. 牛乳(調理用)
  4. きのこ
  5. いわしやさんまなどの青魚
  6. 貝(牡蠣のやわらかい部分など)
  7. マヨネーズ、ケチャップなどの調味料
  8. にんにく、しょうが

野菜や果物は食物繊維(不溶性)が多いもの以外はほとんどのものが食べられるようになるので、食べやすい固さになるようやわらかく煮てから与えてみてください。

食物繊維とは
食べ物に含まれている、ヒトの消化酵素では消化できない物質のことです。水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類に分けられます。不溶性食物繊維を多く含む野菜類には、切り干し大根やごぼうなどがあります。

マヨネーズなどの調味料は、少量を調理に使う程度なら大丈夫です。

にんにくやしょうがも風味づけ程度に使用するようにしましょう。

2-4.1日のスケジュール例

1日の食事回数は、離乳食3回+母乳を欲しがるだけ、またはミルク2回程度 *2が目安です。

下記の例を参考に、各家庭の生活リズムに合わせたスケジュールで離乳食を進めましょう。

離乳食の一日のスケジュール表

授乳間隔は3時間〜4時間くらいのリズムにすると、おなかが空いて離乳食が食べやすくなります*3。

3食のリズムが付くようにできるだけ同じ時間にあげられると理想的です。

しっかりと食べられるように、体を動かして遊ぶ時間を取ることも意識してみてくださいね。

*2 福岡市保育士会 給食検討委員会「離乳食おたすけBOOK

*3 川崎市「離乳食のすすめ方(7~18か月頃)

3.離乳食後期の子どもへの食べさせ方

とうもろこしを食べる乳幼児

離乳食後期は、食べ物を噛むことを覚えていく時期です。

舌や顎を上下に動かすだけでなく、だんだんと左右にも動かせるようになります。

右の歯ぐきで噛みつぶしているときは右側の口元が、左のときは左側の口元が伸び縮みしている様子が確認できるようになるでしょう。

食べさせるときは子どもが食べている様子を確認し、それに合わせて食べ物の固さや大きさを調整してみてください。

子どもの食べる能力だけでなく、食材の種類によっても食べられる大きさや固さが違うことがあります。

もしうまく口を動かせていなかったり吐き出したりするときは、まだ噛むことが難しいのかもしれません。

そのときは固さや大きさを元に戻して、舌でつぶして食べる練習をするようにしてみましょう。

4.離乳食後期の献立づくりのポイント

「離乳食後期は食材が増えて毎日の食事を作るのが大変そうだな……」

「どんなことに気を付けて食事を準備したら良いんだろう?」

このように離乳食の進め方は分かっても、実際に食事を作るときにどうしたら良いか迷ってしまうこともあるかもしれませんね。

ここからは、離乳食後期で献立づくりをする際のポイントをご紹介しましょう。

ポイント1 手づかみ食べができるものを取り入れる

離乳食セット

離乳食後期は自分で食べたいという意欲が現れ始める時期です。

その意欲を伸ばし食べ物に対する関心へとつなげていくために、積極的に手づかみ食べができるものを取り入れていきましょう

まずはやわらかめにゆでた野菜スティックから始めてみましょう。

歯ぐきで噛みつぶすことに慣れたら、ハンバーグや魚のつみれ団子、果物、ホットケーキや蒸しパンなどメニューを増やしてみてください。

上手に噛むことができるようになったら、おにぎりやサンドイッチなどもおすすめです。

手づかみ食べをすると衣類や床が汚れたり、食事に時間がかかったりと大変なことも増えるでしょう。

しかし手づかみ食べは子どもの成長に必要なステップで、こぼしたり汚したりしながら覚えていくものです。

床にシートを敷く、エプロンを着けさせるなど片付けしやすい工夫をしながら取り組んでみましょう。

メモ
後期になったらコップ飲みの練習も始めてみましょう。持ち手が付いた小さめの割れにくいコップを使い、お茶などを入れて大人が支えながら飲ませてみてください。またスプーンは大人用と子ども用の2本準備しておくと、だんだんと興味を持って使うようになります。

ポイント2 栄養バランスを考慮する

食事の量が増える離乳食後期では、母乳やミルクの量が減って1日に必要な栄養の多くを食事から摂るようになります。

必要な栄養素がきちんと摂れるよう、栄養バランスの取れた食事内容を意識することが大切です。

食材の種類など細かな管理をすると大変なので、まずは主食・主菜・副菜がそろうようにすると栄養バランスが整いやすくなりますよ

また後期は鉄が不足しやすい時期でもあります。

赤身の肉や魚、レバー、小松菜やほうれん草、ひじきなど鉄が多く含まれた食材を意識して取り入れましょう。

母乳は子どもにとって最適な栄養源といわれているものの、鉄はあまり多く含まれていません。

育児用ミルクには十分な鉄が含まれているので、母乳育児中の方はミルクを調理に使うのも良いでしょう。

メモ
フォローアップミルクは母乳や育児用ミルクの代替となるものではないため、特に摂取する必要はありません。しかし離乳食がうまく進まず鉄不足の心配がある場合や体重の増え方が適切でない場合などは、医師に相談しながら活用を検討すると良いでしょう。

ポイント3 大人の食事から取り分けてみる

グラタンとペンネ

食べられる食材が増えてくると、大人の食事からの取り分けもしやすくなります。

調理の手間が省けて離乳食作りが楽になったり、大人と同じメニューを食べられることで子どもが喜んだりするので、ぜひ取り入れてみてください。

取り分けしやすいメニューとしては、うどんやミートソーススパゲティ、肉じゃが、みそ汁などがあります。

大人と同じ味の濃さはまだ食べられないので味付けをする前に取り出すか、できあがった後に薄めるなどして味の調整をしましょう。

子どもが食べられない食材を使用する場合は、子どもの分を取り分けた後から加えるようにします。

さらに熱を加えてやわらかくしたり、できあがったものをつぶしたり刻んだりして、食べやすい固さや大きさにしてから食べさせてあげてくださいね。

ポイント4 ベビーフードを上手に活用してみる

さまざまな食材が使われているベビーフードは、離乳食初期や中期の頃から使用している方も多いのではないでしょうか。

多様な食材や調理方法を使うことが理想ではありますが、すべてを手作りするのは大変です。

後期でも必要に応じて上手にベビーフードを活用しましょう。

忙しくて調理する時間がないときや外出時はもちろん、食材や調理方法の幅を広げたいときに役立ちます。

鉄の補給に取り入れたいレバーなど、下処理が面倒な食材を使いたいときにも便利です。

ベビーフードを使用するときは食べたことのない食材が含まれていないか、ベビーフードを含む食事全体に栄養の偏りがないかなどをチェックするようにしましょう。

5.困ったときは一人で悩まず相談を

離乳食を嫌がる乳幼児

「頑張って離乳食を準備しているけど、なかなか食べてくれない……」

「普段あげているメニューで栄養は足りているのかな?」

このように離乳食を進める中で悩みや心配、困りごとを抱えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

離乳食がなかなか進まず、周りと比べて焦ってしまうこともあるかもしれません。

よくある悩み事については自治体や行政のホームページなどで解説されています。

管理栄養士や保健師、医師などの専門家が回答しているので、まずはそのような情報を確認してみると良いでしょう。

また各自治体の保健センターや保健福祉センターでは、管理栄養士などに離乳食の相談ができる窓口も開設されています。

パートナーや親などの家族、友人などまわりの人に話してみるのも良いでしょう。

困ったときは一人で抱え込まずに、誰かに話してみてくださいね。

メモ
生後9カ月過ぎになっても母乳やミルク以外の食べ物を食べないときは、発育・発達の状況や鉄不足の有無などの栄養状態をチェックする必要があります。かかりつけの小児科医に相談してみましょう。

6.離乳食後期のまとめ

離乳食後期は生後9〜11カ月ごろで、食べ物を噛みつぶすことができるようになる時期です。

子どもが食べている様子を観察しながら、食べやすい固さや大きさに調整してあげましょう。

食事の回数は大人と同じ1日3回になり、食事のリズムをつけることも大切なポイントです。

栄養バランスや食材の幅を広げることを意識するだけでなく、家族一緒に食卓を囲む機会を設けて食事を楽しむことも心掛けましょう

毎日の食事を準備したり、子どもが食べ汚したものを片付けたりするのを負担に感じることもあるかもしれません。

そんなときは無理はせず、ベビーフードを取り入れて負担を軽くしたり周りの人に相談したりしながら、焦らずに子どものペースで離乳食を進めていきましょう

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