Medi Palette

ランキング

マグネシウムを多く含む食べ物は?1日の摂取推奨量やはたらきを解説

2023年8月1日

ダイエット

「マグネシウムってどんな食べ物に含まれているの?」

「マグネシウムが体に必要なのはなんとなく知っているけど、一日にどれくらい摂ればいいんだろう?」

マグネシウムがどんな食べ物に含まれていて、体内でどんなはたらきをするのか、詳しくは知らないという方も多いでしょう。

マグネシウムはリンやカルシウムとともに骨の形成にかかわるほか、生命維持に必要な多くの代謝に関わる成分です。

通常の食事をしていれば過不足の心配はあまりないといわれています。

しかし、サプリメントによる過剰摂取や、アルコール中毒などが原因となり不足してしまうこともあります。

この記事では、マグネシウムがどのような栄養素なのか、推奨される摂取量や多く含む食べ物などについて解説します。

1.マグネシウムはどんな栄養素?

マグネシウムは「必須ミネラル」の一種です

必須ミネラルとは
人体にとって必要なことが明らかになっているミネラルです。必須ミネラルにはマグネシウムのほかナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンなど16種類があります。

マグネシウムは300種類以上の「酵素」を活性化する性質を持っています*1。

酵素とは、摂取した食べ物を消化したり吸収したり、そこからエネルギーや身体に必要な物質をつくり出したりといった、身体の中で起こる化学反応になくてはならない物質です。

メモ
体内に吸収された栄養素からエネルギーや身体に必要な物質をつくることを「代謝」といいます。

酵素は数多くの酵素を活性化するマグネシウムは、体内の重要なはたらきの多くに関わっているといえます。

また体内のマグネシウムの約6割は骨や歯に存在し、リンやカルシウムとともに骨を形成するという役割も担っています。*1

残りは筋肉や脳、神経などにあり、筋肉収縮や神経伝達、血圧や体温の調節などに関わっています。

マグネシウムは通常の食事をしている限り過不足はほとんどないといわれている栄養成分ですが、さまざまな要因により過剰になったり不足したりすることもあります。

*1 厚生労働省e-ヘルスネット「マグネシウム

2.マグネシウムの過不足による影響

体内のほとんどの代謝に関わるというマグネシウムを適切に摂取できなかった場合、健康にどのような影響があるのか気になってしまいますよね。

マグネシウムはサプリメントなどからの過剰摂取に注意する必要があります

また、病気などの影響でマグネシウムが不足してしまう例もあるといわれています。

ここでは、マグネシウムを摂り過ぎてしまったり不足してしまったりした場合には、体にどのような影響があるのかについて詳しくご説明します。

影響1 マグネシウムを摂り過ぎてしまった場合

一般的な食生活を送っていればマグネシウムを摂り過ぎてしまう心配はありません

もし過剰摂取してしまった場合でも、健康な人であれば余分なマグネシウムは腎臓から排泄されます。

ただし、サプリメントや薬などでマグネシウムを摂り過ぎると下痢などの症状が出てしまう可能性があるため、注意が必要です

影響2 マグネシウムが不足してしまった場合

マグネシウムが不足してしまった場合は、骨の形成不全や骨粗しょう症、神経・精神疾患、不整脈や心疾患、筋肉のけいれんなどを引き起こすことが知られています。

マグネシウム不足は、摂取量が不足している場合のほか、腸から正常に吸収できない吸収不良や腎臓などからの排泄量が増加した際に起こります。

健康的な食生活を送っている方であれば心配する必要はあまりありませんが、お酒を大量に飲んだり、下痢が続いたりしている方などは注意が必要といえますね。

3.マグネシウムはどのくらい摂取したら良い?

「健康に過ごすためにマグネシウムは毎日どれくらい摂ればいいんだろう?」

「自分が十分にマグネシウムを摂れているのか気になる……」

と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。

通常の食生活を送っていれば過不足はあまりないというマグネシウムですが、厚生労働省で定めた基準に比べると、実は不足傾向にあるということが分かっています。

ここでは、マグネシウムの推奨される摂取量や実際の平均摂取量について、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」や「国民健康・栄養調査」の結果をもとにお伝えしていきます。

3-1.1日当たりの摂取推奨量

一般的な食生活を送っていれば過不足は心配ないとはいえ、どのくらいの摂取量が適当なのかは知っておいた方が良いでしょう。

厚生労働省は1日当たりのマグネシウムの食事摂取基準を以下のように定めています。

【マグネシウムの1日当たりの食事摂取基準】

<男性>推定平均必要量推奨量
18歳~29歳280mg340mg
30歳~49歳310mg370mg
50歳~64歳310mg370mg
65歳~74歳290mg350mg
75歳以上270mg320mg
<女性>推定平均必要量推奨量
18歳~29歳230mg270mg
30歳~49歳240mg290mg
50歳~64歳240mg290mg
65歳~74歳230mg280mg
75歳以上220mg260mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
「推定平均必要量」は、特定の年齢層や性別に属する人々の平均値を推定したものです。「推奨量」は推定必要量をもとにして算出された、ほとんどの人が満たすと推定される1日の摂取量です。

妊娠中の方に対しては上記に以下の量を付加した摂取が推奨されています。

【妊婦の付加量】

推定平均必要量推奨量
妊婦30mg40mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また、サプリメントなど通常の食品以外から摂取するマグネシウムに対しては「耐容上限量」が設けられています

耐容上限量とは
習慣的に摂取しても、過剰摂取による健康被害のリスクがないとみなされる上限量のことです。サプリメントなどの利用により、過剰摂取の可能性がある栄養成分に設定されています。

通常の食品以外から摂取するマグネシウムの耐容上限量は、成人の場合で1日当たり350mgです。

なお、一般的な食生活においてはマグネシウムの過剰摂取は考えにくく、健康被害も報告されていないため、通常の食品からの摂取に耐容上限量は設定されていません。

【関連情報】 「必須ミネラル」についてもっと知りたい方はこちら

3-2.1日当たりの平均摂取量

マグネシウムの1日当たりの平均摂取量は、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」で確認できます。

【マグネシウムの1日当たりの平均摂取量】

男性女性
20歳~29歳227mg192mg
30歳~39歳236mg205mg
40歳~49歳251mg219mg
50歳~59歳265mg233mg
60歳~69歳286mg269mg
70歳~79歳298mg275mg
80歳以上269mg236mg

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

食事摂取基準の推奨量と比較してみると、すべての世代において下回っていることが分かります。

大幅に下回っているというほどではありませんが、現代の日本人の食生活において、マグネシウムは基準量には達していないというのが現状のようです。

4.マグネシウムを多く含む食品は?

「マグネシウムはどんな食べ物に多く含まれているの?」

一番気になるのは、何を食べたらマグネシウムが摂れるのかということですよね。

マグネシウムは、魚介類、海藻類、穀類、ナッツ類などに多く含まれています

ここでは、日々の食事に取り入れやすい食べ物を中心に、マグネシウムを多く含むものをご紹介します。

4-1.魚介類・藻類

魚介類・藻類

マグネシウムは、肉類よりも魚介類に多く含まれています

日本人は食の欧米化が進んでいることや価格が高いこと、たんぱく質の摂取量そのものの減少、調理やゴミ処理の手間などさまざまな理由から、魚より肉を食べる機会が増えています。

マグネシウムを摂取するためには、今よりも魚介類を食べる頻度を増やしてみるのも良いでしょう。

比較的摂取しやすいわかめやのりなどの海藻類にも多いので、意識して取り入れてみてくださいね。

【マグネシウムを多く含む食品と可食部100g当たりの含有量(魚介類・藻類)】

食品名加工状態など含有量
かつお42mg
くろまぐろ赤身・生45mg
きんめだい73mg
まいわし30mg
あさり100mg
サバ缶水煮31mg
カットわかめ460mg
焼きのり300mg

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに執筆者作成

4-2.穀類・野菜類

穀類・野菜類

マグネシウムは、米を精白する際に取り除かれる「ぬか」の部分に多く含まれています。

そのため、玄米や精白度の低い米のほうがマグネシウムを多く含んでいるといえるでしょう。

また、雑穀もマグネシウムが豊富です。

代表的な雑穀である「あわ」や「きび」がどんなものか知らない方もいらっしゃると思いますが、雑穀米なら食べたことがあるという方は多いかもしれません。

健康のために雑穀米を取り入れている方は、マグネシウムを比較的摂取できていると考えて良さそうですね。

野菜類は利用しやすいものでいうと、ほうれんそう、枝豆などにマグネシウムが多く含まれています。

【マグネシウムを多く含む食品と可食部100g当たりの含有量(穀類・野菜類)】

食品名加工状態など含有量
はいが精米水稲穀粒51mg
玄米水稲穀粒110mg
あわ精白粒110mg
きび精白粒84mg
全粒粉パン51mg
そば65mg
ごぼう54mg
ほうれんそう69mg
切り干しだいこん160mg
落花生未熟豆・生100mg
枝豆62mg

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに執筆者作成

4-3.豆類・ナッツ類

豆類・ナッツ類

マグネシウムを多く含む食品の代表的なものといえば、アーモンドなどのナッツ類です。

売られている状態のまま食べられるため、間食などで摂取してみるのも良いでしょう。

また、マグネシウムは納豆や豆腐など普段使いしやすい大豆製品にも多く含まれています。

積極的に食卓に登場させて、マグネシウムを摂取しましょう。

【マグネシウムを多く含む食品と可食部100g当たりの含有量(豆類・種実類)】

食品名加工状態など含有量
木綿豆腐57mg
がんもどき98mg
油揚げ150mg
糸引き納豆100mg
アーモンドフライ・味付け270mg
カシューナッツフライ・味付け240mg
くるみいり150mg
ごまいり360mg

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに執筆者作成

【関連情報】 「骨を丈夫すること」についてもっと知りたい方はこちら

5.マグネシウムの1日の摂取量やはたらき まとめ

必須ミネラルの一つであるマグネシウムは、体内で多くの代謝に関与する成分です。

主にカルシウムとともに骨を形成するはたらきをするマグネシウムですが、ほかにもさまざまな役割を担っています。

通常の食事ができていれば大きく不足することはないといわれていますが、一方で「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、平均摂取量は厚生労働省の推奨量には達していないという現状があります。

マグネシウムは不足すると骨の形成不全や骨粗しょう症、神経・精神疾患、不整脈や心疾患、筋肉のけいれんなどを引き起こすといわれています。

一方で過剰摂取の心配は少なく、たとえ摂り過ぎてしまっても、健康な人であれば余分なマグネシウムは腎臓から排泄されます。

マグネシウムは手軽に使える食材にも意外と豊富に含まれているので、これを機に意識して摂取してみてくださいね。

next

ダイエット

健やかな体を目指して

ダイエットについて、食事や運動など基礎知識から実践方法まで幅広く解説を行っています。スリムな体を保ちたい人に。

最新記事
New
最新記事
40代女性のダイエットを成功させるには?年齢に合ったやり方を紹介

40代女性のダイエットを成功させるには?年齢に合ったやり方を紹介

2023年12月1日

食物繊維が豊富な飲み物は?1日24g以上の摂取を目指そう

食物繊維が豊富な飲み物は?1日24g以上の摂取を目指そう

2023年11月9日

中性脂肪を下げる飲み物3選!役立つ成分も紹介

中性脂肪を下げる飲み物3選!役立つ成分も紹介

2023年11月9日

コンビニで購入できる。糖質制限におすすめな商品を紹介

コンビニで購入できる。糖質制限におすすめな商品を紹介

2023年10月26日

糖質制限中の外食のルールとは?注意すべき4つのこと

糖質制限中の外食のルールとは?注意すべき4つのこと

2023年10月19日

脂質制限ダイエットの効果とやり方!おすすめレシピ5選

脂質制限ダイエットの効果とやり方!おすすめレシピ5選

2023年10月12日

女性の平均的な腹囲とは?年代別の統計と健康的な痩せ方を紹介!

女性の平均的な腹囲とは?年代別の統計と健康的な痩せ方を紹介!

2023年10月9日

シットアップとは?正しいやり方やメリット、バリエーションを紹介

シットアップとは?正しいやり方やメリット、バリエーションを紹介

2023年10月5日

脂質異常症に症状はある?放置した場合の健康への影響や改善策も解説

脂質異常症に症状はある?放置した場合の健康への影響や改善策も解説

2023年9月14日

オーバートレーニング症候群とは?症状やチェック方法、予防策を解説

オーバートレーニング症候群とは?症状やチェック方法、予防策を解説

2023年9月7日

デイリーランキング
Daily Ranking
デイリーランキング
ダイエットを成功させる食事とは?今すぐ始められるコツ10選を解説

ダイエットを成功させる食事とは?今すぐ始められるコツ10選を解説

2023年11月30日

1

痩せる運動とは?効率良く脂肪を燃焼するための有酸素運動と筋トレ

痩せる運動とは?効率良く脂肪を燃焼するための有酸素運動と筋トレ

2023年8月17日

2

体脂肪率を減らす方法は?食事や運動のポイント、注意点も詳しく解説

体脂肪率を減らす方法は?食事や運動のポイント、注意点も詳しく解説

2023年12月1日

3

成人女性に必要なカロリーとは?計算方法と健康的に痩せるための工夫

成人女性に必要なカロリーとは?計算方法と健康的に痩せるための工夫

2023年9月28日

4

簡単ダイエット!日々の生活で実践できる8つの工夫

簡単ダイエット!日々の生活で実践できる8つの工夫

2023年11月24日

5

成人男性が1日に必要なカロリーとは?健康に過ごすための秘訣も解説

成人男性が1日に必要なカロリーとは?健康に過ごすための秘訣も解説

2023年8月23日

6

コレステロール値を下げるための食べ物の選び方と調理のポイント

コレステロール値を下げるための食べ物の選び方と調理のポイント

2023年9月1日

7

ダイエットに効果的な運動は?有酸素運動と筋トレについて徹底解説

ダイエットに効果的な運動は?有酸素運動と筋トレについて徹底解説

2023年9月28日

8

手軽で効果的なダイエット方法とは?無理なく痩せるコツを詳しく解説

手軽で効果的なダイエット方法とは?無理なく痩せるコツを詳しく解説

2023年9月28日

9

ダイエット中の朝ごはんにおすすめの食品を紹介!朝食抜きはNG?

ダイエット中の朝ごはんにおすすめの食品を紹介!朝食抜きはNG?

2023年9月1日

10

Medi Palette
症例、症状から探す
ジャンルから探す
next

ダイエット

健やかな体を目指して

next

ボディコンディション

ちょっと気になる体の知識

next

メンタル

ストレスとうまく付き合うために

next

アンチエイジング

いつまでも健やかに

next

ビューティー

美しく心と体を保つ

next

その他

その他の健康関連情報

株式会社ロッテ

© LOTTE Co.,Ltd. All rights reserved.