「走る」とは?ジョギング・ランニング・短距離走の違いと効果を解説
「走る運動にはいろんなものがあるけど、どう違うんだろう?」
「走る」と一言で言っても、ジョギングやランニング、短距離走などさまざまな運動があります。
「これらの運動には、それぞれどんな効果があるのかな……」
と気になっている方もいらっしゃることでしょう。
走ることで脂肪燃焼や瞬発力の向上、筋力の強化などが期待できますが、得られる主な効果は走る種類によって異なります。
このためご自身の目的に合わせて走る種類を選ぶことが重要です。
この記事では、「走る」とはそもそもどういった運動なのか、その語句の意味から詳しく解説します。
また、健康やダイエットのために走る際のポイントもご紹介します。
ぜひ最後までお読みくださいね。
1.「走る」とは?
「走る」という語は、足を素早く動かし移動する行為を意味します。
「歩く」とは足を動かして前に進むという意味であるため、歩くという行為のスピードを速めたものが走るという行為であるといえるでしょう。
しかし、歩く動きと走る動きには違いがあります。
歩くときには、左右いずれかの足裏が常に地面に接しています。
一方、走る動きには両足が地面から離れる瞬間があることが特徴です。
このため、走るときは着地時に衝撃が加わり、歩くときよりも体に負荷が大きくかかります。
通常の運動は有酸素運動と無酸素運動が組み合わさっており、走る運動も例外ではありません。
有酸素運動は筋肉にかかる負荷が比較的小さい運動で、体内の糖や脂肪と共に酸素を消費して筋肉を動かすことからこのように呼ばれます。
一方、無酸素運動は短時間に大きな力を発揮する必要がある強度の高い運動で、エネルギーを生み出す際に酸素を消費しないことからこのように呼ばれます。
運動強度が低いほど有酸素運動の割合が高くなり、逆に運動強度が高いほど無酸素運動の割合が高くなります。
このためウォーキングのような歩く運動よりも、運動強度の高い走る運動の方が無酸素運動の割合が高くなります。
また、短距離走は無酸素運動の代表的な例といえるでしょう。
有酸素運動についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
有酸素運動とは?効果や無酸素運動との違い、おすすめの運動を紹介
無酸素運動についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
無酸素運動とはどんな運動?種類や効果、有酸素運動との違いを解説
2.走る運動の種類と違い、効果
「ジョギングもランニングも走る運動だけど違いはあるのかな?」
と気になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
この章ではジョギング、ランニング、短距離走という3種類の走る運動について、違いと効果を解説します。
ジョギングとランニングについては消費カロリーもご紹介するので、目的に合った運動を見つけるための参考にしてくださいね。
カロリーについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
カロリーとは?体重との関係や摂取カロリーの目安、栄養について解説
運動による消費カロリー(エネルギー消費量)は、運動強度(メッツ)×継続時間(h)×体重(kg)という式で計算できます[1]。
同じ時間運動を行った場合には、運動強度が激しいほど消費カロリーが大きくなるので、速く走ればその分消費カロリーは増大することになります。
ただし運動強度の高い無酸素運動は短時間しか継続できず、強度が低い有酸素運動を長時間続けた方が体脂肪は消費されやすいため、ダイエットを目的とする場合は、スピードを抑えて長時間走る方が効果的だといえます。
どのように走るかは目的に合わせて変えると良いでしょう。
それぞれの運動や身体活動のメッツは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」で確認できます。
[1] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
[2] 厚生労働省 健康づくりサポートネット「メッツ / METs」
2-1.ジョギング
ジョギングとは、息が切れない程度で隣の人と会話ができるペースで走る運動を指します。
一般的にジョギングは、健康維持や体力向上、気分転換を目的に行われます。
有酸素運動の割合が高いジョギングには、体の脂肪を燃焼させるダイエット効果が期待できます。
これは、有酸素運動が体内の脂質をエネルギー源として消費するためです。
また運動強度が低いため、ジョギングは他の走る運動よりも長時間続けやすいという特徴があります。
時速4.2〜6.0kmのジョギングの場合、メッツは3.3です[3]。
体重60kgの人が1時間ジョギングを行った場合、消費カロリーは3.3×1×60で198kcalになります。
また、ジョギングのように有酸素運動の割合が高い運動には、持久力の向上や生活習慣病の予防・改善効果が期待できます。
体重は摂取カロリー(エネルギー摂取量)と消費カロリーのバランスで増減します。
このためダイエットを成功させるには、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態を維持することが不可欠です。
ジョギングを日々の習慣にすることで、無理なく減量を目指せるといえるでしょう。
またジョギングのように有酸素運動の割合が高い運動には、持久力向上や生活習慣病の予防・改善効果も期待できます。
有酸素運動の効果についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
有酸素運動の8つの効果とは?おすすめの運動や効果を高めるコツ
[3] 国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」
2-2.ランニング
ランニングは、一般的にスポーツ競技のパフォーマンス向上やマラソン大会への出場を目的としたトレーニングを指します。
ジョギングよりも負荷が大きく、心拍数の上昇が見られることが特徴です。
ランニングには、瞬発力を高める効果があるとされています。
ランニングのメッツは以下のように走るスピードによって大きく異なります。
| 速さ | メッツ |
|---|---|
| 6.5〜6.8km/時 (107〜113m/分) |
|
| 7.0〜7.8km/時 (115〜129m/分) |
|
| 8.1〜8.4km/時 (134〜139m/分) |
|
| 8.9〜9.4km/時 (147〜155m/分) |
|
| 9.7〜10.2km/時 (161〜169m/分) |
|
| 10.9km/時 (180m/分) |
|
| 11.3km/時 (188m/分) |
|
| 12.2km/時 (201m/分) |
|
| 13.0km/時 (214m/分) |
|
| 13.9km/時 (231m/分) |
|
| 14.6km/時 (241m/分) |
国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」をもとに執筆者作成
体重60kgの人が時速6.5〜6.8kmで1時間ランニングを行った場合、消費カロリーは6.5×1×60で390kcalです[4]。
一方、時速14.6kmでランニングを行った場合、消費カロリーは13.0×1×60で780kcalになります[4]。
ランニングを行う上では、自分の走るペースを知ることが重要だといわれています。
1分当たり、あるいは1時間当たりにどれくらいの距離を走っているのか、1kmをどれくらいの時間で走っているのかを確認しましょう。
いきなりハイペースでのランニングを行えば体に負担がかかってしまうため、自分のペースを把握し、無理のない範囲で徐々にスピードを上げていくことが勧められます。
自分のペースで少しずつ速く走ることを目指してみましょう。
[4] 国立研究開発法人 産業技術総合研究所「改訂第2版『身体活動のメッツ(METs)表』成人版」
2-3.短距離走
短距離走は、パワーとスピードを発揮する必要がある運動です。
競技として行われる短距離走には、100m、200m、400mがあります[5]。
短距離走は、スタート・加速疾走・中間疾走・フィニッシュの四つの場面に分けられます。
スタート後に加速し、最大速度に達した後、緩やかに減速してフィニッシュに至ります。
そのため短距離走の記録を向上させるには、最大速度を高め、後半の減速をできるだけ抑えることが重要です。
またパワーとスピードを発揮するためには速筋線維のはたらきも欠かせません。
筋肉は筋繊維で構成されており、筋繊維は筋力やパワー発揮に優れる速筋線維と持久性に優れる遅筋線維に分けられます。
一般の人では両者の割合はおよそ半分ずつですが、短距離選手では速筋線維の割合が平均で60%に及ぶといわれています[6]。
なお速筋線維の割合が多いほど、安静時に糖や脂肪をエネルギーとして消費するたんぱく質「UCP-3」が増加するため、痩せやすくなります。
また短距離走のトレーニングを行うことで、脚の筋力や瞬発力の他、肺活量などの心肺能力を高めることもできます。
[5] 日本陸上競技連盟「中学校部活動における陸上競技指導の手引き」
[6] 横浜市スポーツ医科学センター「肥満と減量(理論編) 知っておきたい肥満と減量の基礎知識【理論3】減量 に筋力トレーニングが必要な理由」
3.健康やダイエットのために走る際のポイント
「健康のために走りたいけど気をつけることはあるのかな?」
「ダイエットの効果を上げる走り方を知りたい!」
このようにお考えの方もいらっしゃるかもしれませんね。
この章では、健康やダイエットのために走る方に向けてポイントをご紹介します。
ポイント1 まずは軽いジョギングから始める
走ることに慣れていない初心者の方は、軽いジョギングから始めるのがおすすめです。
まずは隣の人と楽しく会話ができるくらいのスピードで始め、徐々にペースを上げていきます。
日頃運動不足で軽いジョギングでも息が切れる人は、無理に走ろうとせずウォーキングから始めてくださいね。
最初は走ることに慣れ、楽しむことが重要です。
体が慣れてきたら、ランニングに挑戦するのも良いでしょう。
ジョギングのメリットについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ジョギングとは?メリットや安全・効果的に走るためのポイントを解説
ポイント2 正しいフォームで走る
正しいフォームを意識して体を動かすことで、けがを防ぎながら効率的に走ることができます。
走るときは、うつむかずに視線を数メートル先の路面に向け、頭を真っすぐ保つことがポイントです。
また、おなかに力を入れて胴体を真っすぐに保つよう意識しましょう。
このとき、体幹を意識することも重要です。
姿勢が悪いまま走ると、筋肉の動きが制限され、首や肩、背中に負担がかかる恐れがあります。
肩は後ろに引き、体が前傾しないように注意しましょう。
前傾や後傾の姿勢は腰を痛める原因になります。
腕は体の横で左右に振らず、前後に振るよう意識して足とは反対方向に振ってください。
肘を曲げて振ることで体のバランスが保たれ、足や腰への負担を軽減できます。
手は軽く握り、力を入れ過ぎないことが肝心です。
また膝は少し上げるようにして力を入れずに動かすと、脚の動きがスムーズになって着地時の衝撃が和らぎます。
足運びは、親指の付け根で地面を蹴り出し、土踏まずの内側で着地するようにしましょう。
歩幅を小さくすると足が体の真下で着地できるため、バランスを取りやすくなりますよ。
ポイント3 適切なシューズや服装を選ぶ
走ると思ったよりも汗をかいたり足腰に負担がかかったりするため、適切なシューズや服装を選ぶことが重要です。
一般的なスニーカーは長時間の走行に適しておらず疲れやすくなるため、専用のシューズを用意することが勧められます。
ジョギング用のシューズはクッション性が高く、足腰への負荷を軽減するように設計されています。
スピードを出すことが目的でなければ、軽さよりも安定感やクッション性を重視して選ぶと良いでしょう。
一方、走ることに慣れてスピードを上げたい場合は、反発性やグリップ力が高く軽いシューズを選ぶことが勧められます。
ブランドによってシューズの形状が異なるため、できるだけ試し履きをして自分の足に合ったものを選びましょう。
爪先に適度な余裕があり、かかと部分がしっかりフィットし、圧迫感がないこともポイントです。
シューズに加えて、スポーツやランニング専用の靴下も一緒に用意すると良いでしょう。
さらに、ジョギングを行う際には、通気性や吸汗性、速乾性に優れたウェアを選ぶことが重要です。
ボトムスにはショートパンツ、ハーフパンツ、ロングパンツなどがあり、季節や好みに応じたものを選びましょう。
着圧機能付きのスポーツタイツは、膝や太ももの筋肉をサポートし、負担を軽減する効果があります。
防寒にも役立つため、持っておくと便利ですよ。
また帽子やサングラスで日差しを防ぐことで、より快適に走ることができます。
水分補給用のペットボトルなどを収納できるポーチを携帯するのも便利です。
ポイント4 十分に水分を補給する
走ると汗をかいて水分が失われるため、十分に補給することが重要です。
水分はヒトの体重の約60%を占め、生命維持に欠かせません[7]。
水分が過度に失われると、集中力や運動技術が低下したり、心拍数や体温が上昇し過ぎたりする危険があります。
水分補給は、運動開始前から少量ずつこまめに行うことが理想とされています。
運動中は喉の渇きを感じにくいため、意識的に水分を摂るようにしてくださいね。
水分補給の適切量についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
水分補給は1日にどれくらい必要?理想的な量や摂取のポイントを解説
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
ポイント5 距離や速度、頻度を適切に調整する
普段運動をしない人は、まずは短い距離をゆっくり走ることから始めましょう。
走ることに慣れてから距離を伸ばしたりスピードを上げたりしてください。
厚生労働省は1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上続けている人を「運動習慣のある人」と定義しています[8]。
そのため、走る頻度はこれを参考にすると良いでしょう。
[8] 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
ポイント6 適度にエネルギーを補給する
走る際は、適度にエネルギーを補給しましょう。
走ると体内の糖や脂肪がエネルギー源として消費されます 。
長距離を走ってエネルギーが不足し、糖や脂肪が枯渇すると筋肉がエネルギー源として分解される恐れがあります。
筋肉量は基礎代謝量に影響するため、走る前に適度にエネルギーを補給することが重要です。
この際、エネルギーになりやすい糖質を多く含むバナナなどの果物や、あめ、スポーツドリンクなどを摂取すると良いでしょう。
基礎代謝についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
基礎代謝量とは?年齢別の目安や計算方法、代謝を上げる方法を解説
ポイント7 前後にストレッチを行う
走る前と走った後には、ストレッチを行いましょう。
ストレッチは柔軟運動とも呼ばれます。
ストレッチは「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」に分けられます。
動的ストレッチは関節を一定方向に動かしながら筋肉を伸び縮みさせるストレッチで、ウォーミングアップに適しています。
ウォーミングアップとしてのストレッチには、筋肉の柔軟性を高め、けがを予防する効果が期待されます。
静的ストレッチは筋肉をゆっくり一定方向に伸ばして静止するストレッチで、クーリングダウンに適しています。
クーリングダウンとしてストレッチを行うことで、筋肉の疲労回復を促進できると考えられています。
ポイント8 体調に留意し無理をしない
体調が悪いときに、無理をして走ってはいけません。
以下のような体の不調が出ている場合は無理をせず安静にしておきましょう。
【走るのを避けるべき体の不調】
- 足腰の痛みが強い
- 熱がある
- 体がだるい
- 吐き気がする
- 気分が悪い
- 頭痛や目まいがする
- 耳鳴りがする
- 過労や睡眠不足で体調が悪い
- 食欲がない
- 二日酔いで体調が優れない
- 下痢や便秘があり腹痛がある
- 少し動くだけで息切れや動悸(どうき)がする
- 咳やたんの症状があり風邪気味である
- 胸が痛い
また夏季に熱中症警戒アラートが出ている場合は、走るのを控えてください。
走っている途中で具合が悪くなった場合も同様です。
糖尿病や高血圧などの持病がある人は、必ず事前に医師に相談してから運動を行ってください。
過度な運動はかえって体に負担をかける恐れがあるため、しっかりとメディカルチェックを受けることが重要です。
ポイント9 適度に筋トレを取り入れる
ダイエットを目的とする場合には、筋トレも併せて行うことが推奨されます。
筋トレは、トレーニングによる筋線維の破断と超回復を繰り返すことで筋線維を太くし、筋肉量を増やす無酸素運動です。
有酸素運動だけを長期にわたって行っていると、体が適応してエネルギーの浪費を防ごうとするため、脂肪が蓄えられやすくなるといわれています。
筋トレによって筋肉量が増加すると基礎代謝量が増えるため、安静時の消費カロリーが増加します。
筋トレで筋肉が増えることで痩せやすい体になるといえるでしょう。
ダイエットのためには走るだけでなく筋トレも重要なのですね。
なお、筋トレと有酸素運動を同日に行う場合、筋トレを先にする方が脂肪燃焼の効果が高いといわれています。
これは筋トレのような激しい運動を行うと「成長ホルモン」が分泌されるためです。
成長ホルモンには筋肉の発達を促したり、回復を早めたりする他、脂肪の分解を促すはたらきもあります。
このため先に筋トレを行うことで、有酸素運動による脂肪燃焼の効果を高めることができるのです。
反対に、有酸素運動を先に行うと筋トレによる成長ホルモンの分泌が抑制されることが分かっています。
このため先に筋トレを行うことが重要なのです。
筋トレについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
筋トレ開始前に知っておきたいコツとは?基本的なメニューも紹介
4.走ることについてのまとめ
「走る」とは、足を素早く動かして移動する行為です。
走る運動にはジョギング、ランニング、短距離走があり、それぞれ目的や効果が異なります。
ジョギングは息が切れない程度のペースで行う有酸素運動で、体力向上や脂肪燃焼効果が期待できます。
ランニングは競技志向の高い運動で、心拍数が上がり、瞬発力向上に効果的です。
短距離走は100mから400mを走る競技種目で、脚の筋肉や瞬発力、心肺能力などを高められます。
健康やダイエットのために走ろうと考える人は、まず軽いジョギングから始めましょう。
走る際は正しいフォームを意識し、距離や速度、頻度を適切に調整してください。
適切なシューズや服装を選び、エネルギーや水分を補給することも重要です。
また安全のために走る前後にストレッチを行い、調子の悪いときは無理せず休みましょう。
自分の体調に留意しながら、無理のないよう走ることを楽しんでくださいね。