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基礎代謝とは?計算方法と平均値、上げる方法を分かりやすく解説!

2023年8月28日

ダイエット

「基礎代謝ってよく聞くけど、結局何のことなんだろう?」

「ダイエットを成功させるために、基礎代謝を上げたいな」

太りにくい体にするには基礎代謝が重要、という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

基礎代謝が上がるとエネルギーを消費しやすくなるため、ダイエットにおいては基礎代謝の影響を考えることが重要です。

しかし基礎代謝とはそもそも何なのか、どうやったら上がるのか分からないという方もいるかもしれませんね。

この記事では基礎代謝とは何なのか、計算方法と年齢・性別ごとの平均値、基礎代謝を上げる方法について詳しく解説します。

1.基礎代謝とは

「基礎代謝ってそもそも何なんだろう?」

このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

まずは基礎代謝とは何かについて解説しましょう。

1-1.基礎代謝の定義

基礎代謝とは生命を維持するために最低限必要なエネルギーのことで、目が覚めている状態で心身ともに安静にしているときに計測されるものです。

私たちはじっとしているときでも、心臓などの内臓や脳・神経のはたらきや、呼吸などを正常に保つためにエネルギーを必要とします。

基礎代謝は1日の消費エネルギーの約60%を占める *1とされていることからも、生きていくためにいかに多くのエネルギーが必要かということが分かりますね。

メモ
1日の消費エネルギーは基礎代謝のほかに、生活活動や運動による身体活動量(約30%)、食事後に消費エネルギーが増える食事誘発性熱産生(約10%)によって構成されます*1。食事誘発性熱産生は食事後に安静にしていても代謝量が増えることで、栄養素の一部が吸収・分解時に体熱として消費されるために起こります。

*1 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝

1-2.基礎代謝に影響を与える要素

基礎代謝は誰でも一定というわけではなく、さまざまな要素の影響を受けます。

基礎代謝に影響を与える要素としては、主に以下のものが挙げられます。

【基礎代謝に影響を与える要素】

  1. 皮膚の面積……皮膚の面積の広さに比例して、皮膚表面から放散される熱量が増えるため、基礎代謝が高くなる。
  2. 年齢……若い人ほど成長のために代謝が活発なため、基礎代謝が高い。
  3. 性別……男性の方が筋肉など活発に代謝を行う組織の量が多く、女性より基礎代謝が高い傾向にある。
  4. 体格……筋肉質の人は、肥満気味の人よりも基礎代謝が高い。
  5. 体温……体温が高くなると皮膚表面からの熱放散量が増えるため、基礎代謝が増える。体温が1℃上がると代謝量は13%上がるといわれる*2。
  6. ホルモン……甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌量が多いと、代謝が活発になって基礎代謝が増える。
  7. 月経周期……女性は月経周期によって女性ホルモン(エストロゲンなど)の分泌量が変動する。その影響で体温も変動し、基礎代謝は月経前2日〜3日が最高、月経中が最低となる。
  8. 季節……基礎代謝は夏に低く、冬に高くなる。

以上を踏まえると、性別・年齢が同じであっても体格などによって基礎代謝が異なったり、同じ人でも季節やホルモンバランスによって基礎代謝が変化したりすることが分かりますね。

*2 厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム

2.基礎代謝の平均値

基礎代謝は個々の条件によって変化しますが、厚生労働省は年齢・性別ごとの参照体重における基礎代謝量を公表しています。

【参照体重における1日あたりの基礎代謝量】

男性

年齢参照体重基礎代謝量
18歳〜29歳64.5kg1,530kcal
30歳~49歳68.1kg1,530kcal
50歳~64歳68.0kg1,480kcal
65歳~74歳65.0kg1,400kcal
75歳以上59.6kg1,280kcal

女性

年齢参照体重基礎代謝量
18歳〜29歳50.3kg1,110kcal
30歳~49歳53.0kg1,160kcal
50歳~64歳53.8kg1,110kcal
65歳~74歳52.1kg1,080kcal
75歳以上48.8kg1,010kcal

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

参照体重とは、日本人として平均的な身長・体重を想定した上で、健康の維持増進や病気の予防を考えるための参照値として提示されている体重のことです。

ご自身の体重が大きく外れていなければ、この値を参考にすると良いでしょう。

肥満の方や痩せている方などは、基礎代謝もずれる可能性があるため注意が必要です。

3.基礎代謝の計算方法

より正確にご自身の基礎代謝量を知りたいという場合は、計算式を使って計算してみると良いでしょう。

基礎代謝の計算式として医療機関などで多く用いられているのが「ハリス・ベネディクトの式」です。

また国立健康・栄養研究所は、日本人のデータをもとに開発した基礎代謝の計算式を公開しています。

両者の式は以下のとおりです。

【基礎代謝の計算式の代表例】

ハリス・ベネディクトの式

性別計算式
男性66.4730+13.7516×体重(kg)+5.0033×身長(cm)-6.7550×年齢(歳)
女性655.0955+9.5634×体重(kg)+1.8496×身長(cm)-4.6756×年齢(歳)

国立健康・栄養研究所の式 20歳〜74歳(18歳〜79歳)

性別計算式
男性(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-0.4235)×1,000/4.186
女性(0.0481×体重(kg)+0.0234×身長(cm)-0.0138×年齢(歳)-0.9708)×1,000/4.186

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

例えば、身長170cm、体重65kgの30歳男性の場合、ハリス・ベネディクトの式を用いて計算すると、基礎代謝は

66.4730+13.7516×65(kg)+5.0033×170(cm)-6.7550×30(歳)=1,608.238(kcal)

になります。

一方、国立健康・栄養研究所の式を用いた場合は

(0.0481×65(kg)+0.0234×170(cm)-0.0138×30(歳)-0.4235)×1,000/4.186=1,497.133301(kcal)

となります。

「どうしてそんなに差が出るの?」

と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれませんね。

ハリス・ベネディクトの式は日本人よりも骨格の大きい欧米人を基準として作られた式なので、日本人のデータをもとにした国立健康・栄養研究所の式と差が生じているのだと考えられます。

なお、いずれの数値もあくまで推定値であり、実際の基礎代謝とは少し異なる可能性があります。

どちらの計算式も、ご自身の体の状態を知る目安として利用してみるのが良いでしょう。

独立行政法人 国立健康・栄養研究所では「健康・栄養フォーラム 」というサイト内で、簡単に基礎代謝の推定ができるフォームを公開しています。計算が大変だという方は参考にしてみてくださいね。

4.基礎代謝が上がる・下がることによる影響

私たちが生きていくために必要なエネルギーである基礎代謝ですが、上がったり下がったりすると体にどのような影響があるのでしょうか。

ここからは、基礎代謝の増減による影響について詳しくみていきましょう。

4-1.基礎代謝が上がった場合

基礎代謝が上がった場合

「基礎代謝が上がると太りにくくなるんだよね」

このように基礎代謝は、ダイエットをする上で重要なポイントだと認識している方も多いのではないでしょうか。

基礎代謝が上がれば1日の消費カロリーも増えるため、太りにくく、ダイエット後もリバウンドしにくい体になります。

できる限り太りたくない、ダイエットを成功させたいという方は、食事を減らすだけではなく基礎代謝を上げることも考えた方が良いでしょう。

また基礎代謝が上がると、体温を維持しやすくなることもメリットとして挙げられます。

体温を適切に保つことは、病気の予防や認知機能・判断力の向上などに関わっています。

基礎代謝を上げることは、ダイエットだけでなく心身の健康を維持する上でも大切 なのですね。

4-2.基礎代謝が下がった場合

基礎代謝が下がった場合

「歳を重ねるにつれて痩せにくくなったな……」

このような体の変化を感じている方も、もしかしたらいるかもしれませんね。

年齢を重ねることで痩せにくくなった・太りやすくなったという変化も、実は基礎代謝が関係しています。

一般的に基礎代謝は加齢と共に下がっていく傾向にあり、基礎代謝が下がると1日の消費カロリーも減少します 。

そのため若い頃は太らなかった食事量でも、年齢を重ねると消費カロリーが摂取カロリーを下回って増量につながってしまうのですね。

さらに基礎代謝が下がると体温が維持しにくくなり、熱を逃さないために体が脂肪を蓄えようとします。

肥満を防ぐためには、基礎代謝を下げない工夫が重要だといえますね。

5.基礎代謝を上げる方法

「基礎代謝を上げることのメリットは分かったけれど、どうやったら上げられるの?」

基礎代謝は上げられるのかどうかが気になるポイントですよね。

基礎代謝を上げるための主な方法は、筋力トレーニングによって筋肉を増やすことです。

ヒトの体における基礎代謝の比率は以下のようになっています。

【ヒトの臓器・組織における安静時代謝比率】

臓器・組織代謝比率
骨格筋22%
脂肪組織4%
肝臓21%
20%
心臓9%
腎臓8%
その他16%

厚生労働省 e-ヘルスネット「加齢とエネルギー代謝」をもとに執筆者作成

これを見ると、筋肉は肝臓や脳と同じくらいの比率を占めていることが分かりますね。

筋肉は努力で増やすことができるものの、肝臓や脳などの組織は後天的に増やすことができません。

そのため基礎代謝を上げるためには筋肉が重要だといわれており、実際に筋肉量と基礎代謝は比例することが分かっています。

ダイエットに運動が必要なのは消費エネルギーを増やすためだけでなく、じっとしていてもカロリーを消費できる筋肉質な体を作るためでもあるのです 。

また加齢による基礎代謝の減少は、筋肉量の減少が主な理由だと考えられています。

基礎代謝をできる限り維持するためにも、筋トレをして筋肉量を保つことが大切なのですね。

メモ
加齢や運動不足で筋力が衰えると体をきちんと支えることができず、膝や腰に負担がかかりやすくなって活動量が減り、さらに運動不足になって太りやすくなります。筋肉量を増やすことは、基礎代謝を上げることはもちろん、自分の体をしっかりと支えるためにも大切です。

6.基礎代謝を上げるためにおすすめの筋トレ

基礎代謝を上げるためには筋肉が大切ですが、特に大きな筋肉を鍛えるとエネルギーが効率的に使われ、基礎代謝アップにつながりやすいとされています。

私たちの体の中で大きな筋肉といえるのは、太ももにある「大腿四頭筋」、お尻にある「大臀筋」などです。

ここからは基礎代謝を上げるためにおすすめの筋トレをご紹介しましょう。

6-1.スクワット

大腿四頭筋を鍛えるためにおすすめなのがスクワットです。

スクワットは大腿四頭筋を含む太もも全体やお尻など、下半身の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

スクワット

最初に足を肩幅程度に広げ、つま先を外側へ向けて立ちましょう。

膝はつま先と同じ方向に向けて、お尻に力を入れます。

おなかは軽く凹む程度に力を入れて胸を張り、目線は遠くの正面を見るようにします。

最初の姿勢が取れたら、お尻を後ろへ引きながら膝をゆっくりと曲げ、腰を落としていきましょう。

このとき、背中が丸くなったり反ったりしないように注意してください。

90度くらいの角度になるまで膝を曲げたら、元の姿勢へゆっくりと戻ります。

これを無理のない範囲で繰り返します。

スクワットは膝に負担がかかる筋トレなので、不安がある方は椅子の背もたれにつかまったまま行ったり、椅子から立ち上がる・椅子に座る動作を繰り返す「椅子スクワット」を行ったりしても良いでしょう。

6-2.ヒップ・リフト

大臀筋を鍛えるにはヒップ・リフトがおすすめです。

お尻や腰回り全体を鍛えることができ、体幹の強化にもつながります。

ヒップ・リフト

まずはあおむけになって両膝を90度くらいに曲げ、上半身は力を抜いておいてください。

体重を肩で支えながら、ゆっくりと腰を持ち上げていきましょう。

膝と腰、肩が一直線になるところまで腰を上げたら3秒ほどキープして、ゆっくりと腰を下ろします。

この動きを何度か繰り返します。

あまり反りすぎると腰の負担になるので、注意しましょう。

6-3.プランク

プランクは体幹トレーニングの一種として知られる筋トレで、腹部や背部、腰回りの筋肉を鍛えることができます。

プランク

四つんばいの姿勢になってから両肘を床につけ、両膝を伸ばして頭からかかとまで一直線になるようにします。

呼吸は自然な状態で続けながら、その姿勢を30秒キープしましょう。

この流れを2回〜3回繰り返します。

30秒続けるのがつらかったり、途中で姿勢が崩れてしまったりするようなら、時間を短くしても大丈夫です。

慣れるまで膝をつけて行っても構いませんので、無理のない範囲で続けましょう。

7.基礎代謝の計算方法・平均値・上げる方法について まとめ

基礎代謝は私たちが生きていくために最低限必要なエネルギーのことで、何もしていなくても無意識のうちに消費されていきます。

基礎代謝の比率をみると、肝臓や脳などの臓器が多くを占めており、筋肉は20%ほどです。

しかし筋肉は自力で増やせるものの、臓器の組織量は増やすことができません。

そのため基礎代謝を上げるには、筋トレをして筋肉量を増やすことが重要なポイントとなります。

基礎代謝が上がると1日の消費カロリーが増えるため、太りにくくリバウンドしにくい体になります。

ダイエットをしたい方や肥満を予防したい方は、今回ご紹介した筋トレを参考に、できるところから始めてみてくださいね。

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