ケールは栄養たっぷり!?「野菜の王様」の含有栄養素について解説
「青汁に入っているケールは、やっぱり栄養素が豊富なのかな?」
「ケールにはどんな栄養素が含まれているのか詳しく知りたい」
青汁の原料で知られているケールですが、含まれる栄養素をよく知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事ではケールの基礎知識をはじめ、ケールに含まれる栄養素や食べる際のポイントを詳しく解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
1.ケールは「野菜の王様」?
ケールは野生キャベツの仲間です。
栄養価が高いことから「野菜の王様」と呼ばれ、海外ではスーパーフードとして人気を集めています。
ケールは地中海沿岸が原産地で、温暖な気候での栽培に適しており、国内でも四国や九州などで栽培されています。
ケールにはいくつかの品種があり、葉が縮れてカールしているものと、あまりしわがないものなどがあります。
ケールは主に青汁に使われる他、サラダなどに使用して生食することもできます。
独特の苦みがあって硬いのが特徴です。
しかし、なかには苦みが少ないものや食感が柔らかい品種もあります。
また、ケールは「緑黄色野菜」の一種です。
緑黄色野菜は一般的に緑色や赤色、黄色などの色の濃い野菜と捉えられています。
しかし厚生労働省による定義では、原則として100g当たりのカロテン含有量が600μg以上の野菜とされています。
ケール100g当たりにはβ-カロテンが2,900μg含まれます [1]。
カロテンは脂溶性の色素カロテノイドの一種で、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、リコピンなどがあります。
このうちのα-カロテン、β-カロテン、γ-カロテンなどは体内でビタミンAとしてはたらく「プロビタミンA」という物質に変換されます。
β-カロテンには活性酸素のはたらきを抑える「抗酸化作用」があります。
ケールを摂取することで、体内の酸化を抑える効果が期待できるのですね。
緑黄色野菜についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
緑黄色野菜とは?含まれる成分や摂取目標量、調理する際のポイント
[1] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
2.ケールに含まれる栄養素とそのはたらき
ケールは、食物繊維、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カリウム、カルシウムの摂取源になるといえます。
このうちビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カルシウムは豊富です。
ケールに含まれる栄養素は以下のとおりです。
| 栄養素 | 含有量 |
|---|---|
| 食物繊維 | |
| ビタミンA | |
| ビタミンE | |
| ビタミンK | |
| 葉酸 | |
| ビタミンC | |
| カリウム | |
| カルシウム |
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成
ケールのカロリー(エネルギー量)は100g当たり26kcalです[3]。
この章ではケールに含まれる栄養素のはたらきを成人の食事摂取基準(栄養素の1日当たりの摂取量の基準)と共にご紹介します。
未成年や妊婦・授乳婦の食事摂取基準は割愛しているため、未成年の方、妊婦・授乳婦の方は以下を参照してくださいね。
[2] 東京都保健医療局「栄養成分表示ハンドブック 」
[3] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
2-1.食物繊維
ケールには食物繊維が100g当たり3.7g含まれています[4]。
食物繊維は炭水化物の一種で、ヒトの消化酵素では消化できない食品成分の総称です。
食物繊維は消化されずに大腸まで到達し、腸内環境を整えます。
腸で善玉菌の繁殖を助けたり便の材料になったりして、便通が整えられるのです。
また食物繊維には糖質や脂質、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する作用があります。
このためこれらの栄養素の摂り過ぎが原因で起こる肥満や脂質異常症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病の予防・改善に役立つといわれています。
成人における食物繊維摂取の「目標量」は以下のとおりです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | ||
| 30~64歳 | ||
| 65~74歳 | ||
| 75歳以上 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成
ただし健康への利益を考えた場合、1日25g以上の食物繊維を摂取した方が良いとされています[5]。
前掲の目標量は、日本人の食物繊維摂取量が理想に遠く及ばないために実現可能性を考慮して設定されたものです。
食物繊維は魚や肉などの動物性食品にはほとんど含まれず、野菜やきのこ、海藻類、豆類などの植物性食品に含まれています。
ケールをはじめ、食物繊維を含む食品は日頃から積極的に摂取するようにしてくださいね。
食物繊維についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説
[4] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[5] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-2.ビタミンA
ケールにはビタミンAが豊富に含まれます。
100g当たりの含有量(レチノール活性当量)は240μgです[6]。
ビタミンAは、水に溶けにくく油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一種で、主に動物性食品に含まれます。
目の機能や皮膚、粘膜を正常に維持したり、細胞の成長や分化に関わったりします。
またビタミンAは活性酸素のはたらきを抑える「抗酸化ビタミン」の一つです。
成人男性のビタミンA推奨量は18〜29歳で850μg、30〜64歳で900μg、65〜74歳で850μg、75歳以上で800μgです[7]。
また成人女性のビタミンA推奨量は18〜29歳で650μg、30〜74歳で700μg、75歳以上で650μgです[7]。
ビタミンAはレバーや卵などの動物性食品に含まれています。
またプロビタミンAのなかでも変換効率の高いβ-カロテンは緑黄色野菜や果物などの植物性食品に多く含まれます。
ビタミンAについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンAとは?はたらきや適切な摂取量、摂取源となる食品を紹介
[6] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[7] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-3.ビタミンE
ケールにはビタミンEが豊富に含まれます。
100g当たりの含有量(α-トコフェロール)は2.4mgです[8]。
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、抗酸化ビタミンの一種でもあります。
体内では細胞膜や脂質に存在し、それ自体が酸化されることで体内の脂質の酸化を防ぐ役割をしています。
成人男性のビタミンE目安量は18〜64歳で6.5mg、65〜74歳で7.5mg、75歳以上で7.0mgです[9]。
また、成人女性のビタミンE目安量は18〜29歳で5.0mg、30〜64歳で6.0mg、65〜74歳で7.0mg、75歳以上で6.0mgです[9]。
ビタミンEはアーモンドやアボカドなどの植物性食品や、植物性油脂、魚介類などに含まれています。
ビタミンEについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介
[8] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[9] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-4.ビタミンK
ケールはビタミンKを豊富に含みます。
100g当たり210μg含まれ[10]、成人の1日の目安量を上回っています。
ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種です。
出血した際に血を止めるはたらきに関わる他、骨をつくるはたらきにも欠かせません。
成人のビタミンKの目安量は男女共に150μgです[11]。
ビタミンKは緑黄色野菜や海藻類、緑茶、植物油などに含まれる他、腸内細菌や納豆菌などによっても合成されます。
納豆は特に多くのビタミンKを含む食品です。
ビタミンKについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンKにはどんな効果がある?摂取目安量とおすすめの食材を紹介
[10] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[11] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-5.葉酸
ケールには葉酸が豊富に含まれます。
100g当たりの含有量は120μgです[12]。
葉酸は水に溶けやすい性質を持つ「水溶性ビタミン」で、ビタミンB群の一種です。
アミノ酸やたんぱく質の代謝に関わる他、 赤血球の形成を助けるはたらきもあります。
またDNAやRNAの合成、細胞の増殖とも深い関係があり、胎児の正常な発育に欠かせない栄養素でもあります。
このため受胎前後から妊娠初期まで母体が葉酸を十分に摂取すると、胎児の「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができるといわれています。
神経管閉鎖障害は脳や脊髄の元となる神経管がうまく形成されずに生じる先天性異常です。
症状は程度により異なりますが、運動や排せつに障害が起こったり、脳が十分に形成されず死に至ったりすることがあります。
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性はサプリメントからの摂取が勧められています。
成人の葉酸の摂取推奨量は男女ともに240μgです[13]。
ただし、妊婦や授乳婦は付加量が設けられているため注意しましょう。
葉酸はほうれん草から発見されましたが、植物性食品だけでなくレバーなどの動物性食品にも多く含まれます。
葉酸についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
葉酸とは?はたらきや食事摂取基準、多く含まれる食品などを紹介
[12] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[13] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-6.ビタミンC
ケールにはビタミンCが豊富に含まれます。
100g当たりの含有量は81mgです[14]。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、抗酸化ビタミンでもあります。
皮膚や腱(けん)、軟骨などを構成するたんぱく質である「コラーゲン」を合成するために欠かせません。
このためビタミンCが不足すると血管がもろくなり、出血しやすくなるとされています。
成人のビタミンC推奨量は男女共に100mgです[15]。
ビタミンCは主に野菜や果物に含まれています。
ビタミンCについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
ビタミンCとは?体内でのはたらきや適切な摂取量、摂取源を紹介
[14] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[15] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-7.カリウム
ケールにはカリウムが含まれます。
100g当たりの含有量は420mgです[16]。
カリウムは、ヒトの体に必要なミネラルである「必須ミネラル」の一種です。
カリウムは、体内で主に細胞内液の浸透圧を調節するはたらきをしています。
この他カリウムには神経の興奮や筋肉の収縮に関わったり、体内の酸性とアルカリ性のバランスを保ったりする作用もあります。
またカリウムは「ナトリウム」の排出を促し、血圧を下げるはたらきがあることで知られています。
ナトリウムは細胞外液の浸透圧を調節するはたらきをしますが、摂り過ぎるとむくみや高血圧、胃がん、食道がんなどを引き起こします。
このためカリウムを十分摂取することが重要です。
成人のカリウム目標量は男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上です[18]。
ただし、WHOのガイドラインでは1日当たり3,510mg以上の摂取が推奨されています[18]。
日本人のカリウムの摂取量はこれよりもかなり少ないため、前掲の目標量は実現可能性を考慮して設定されたものです。
カリウムは野菜類や果実類、いも類、豆類、海藻類などに多く含まれています。
カリウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
カリウムとは?はたらきや摂取すべき量、摂取源となる食品を紹介
[16] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[17] 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「栄養に関する基礎知識」
[18] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
2-8.カルシウム
ケールにはカルシウムが豊富に含まれます。
100g当たりの含有量は220mgです[19]。
カルシウムは必須ミネラルの一種で、体内ではほとんどが骨や歯に存在しています。
骨は、カルシウムを骨に取り込んで新しい骨をつくる「骨形成」と、古い骨を壊してカルシウムが骨から溶け出す「骨破壊」を繰り返すことで、強度が保たれています。
成人でカルシウムが不足すると、カルシウムが骨から取り出される量が多くなるため、骨がもろく骨折しやすい状態の「骨粗しょう症」を発症する恐れがあります。
またカルシウムは血液や筋肉、神経に存在し、血液の凝固を促して出血を予防する、心筋の収縮作用を増す、筋肉の興奮を抑えるといったはたらきもしています。
成人のカルシウム推奨量は男性の場合、18〜29歳で800mg、30歳以上で750mgです[20]。
また女性の場合、18〜74歳で650mg、75歳以上で600mgです[20]。
カルシウムは乳製品の他、魚介類や豆類、葉物野菜などに含まれています。
カルシウムについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
カルシウムとは?はたらきや過不足の影響、適切な摂取量について解説
[19] 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 」
[20] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
3.ケールを食べる際のポイント
「ケールをおいしく食べるコツはあるのかな?」
このように気になっている方もいらっしゃるでしょう。
この章では、おいしいケールの選び方や栄養素を無駄なく摂るための調理方法、保存方法をご紹介します。
栄養価の高いケールを日々の食生活に取り入れるための参考にしてくださいね。
ポイント1 緑が鮮やかなものを選ぶ
ケールを選ぶ際には、緑が鮮やかなものを選びましょう。
葉の緑色が鮮やかで、表面に斑点がないものは新鮮なケールの証拠です。
またケールをサラダや炒め物などに使う場合、葉が小ぶりで柔らかく、みずみずしくてハリがあるものを選びましょう。
これは、葉が大きいものは固かったり筋張っていたりする可能性があるためです。
ただし葉が大きくて色が濃いケールは、青汁やスムージーにおすすめですよ。
多くの野菜は収穫後に時間がたつにつれ水分や栄養素が減少し、鮮度やおいしさも低下してしまいます。
ケールを買う際には、新鮮でメニューに合ったものを選んでくださいね。
ポイント2 調理方法を工夫する
ケールの栄養素を無駄なく摂るためには調理方法を工夫しましょう。
ケールに含まれる水溶性ビタミンは、ゆでたり煮たりする調理によって水に流出して減少してしまうことが分かっています。
特にビタミンCや葉酸は調理によって大きく減少するビタミンです。
加えて、カリウムも水に溶けやすいため、ゆでたり煮たりすることでゆで汁や煮汁に流出してしまいます。
このため栄養素の摂取を目的とする場合には生での摂取が効率的だと考えられます。
ケールの苦みは下ゆですることで軽減できるといわれていますが、こうしたビタミンやミネラルが流出してしまわないよう、下ゆではさっと済ませることが勧められます。
なお、調理の際はよく洗い、葉と茎を分けて使用してくださいね。
ポイント3 早めに食べ切る
ケールを購入したら、早めに食べ切るようにしましょう。
ケールは数日日持ちするといわれていますが、日がたつほど苦みが増していくため、早めに使い切ることが勧められます。
長く保存したい場合は葉を切り分け、ゆでたものを冷凍保存袋に入れて冷凍してくださいね。
4.ケールに含まれる栄養素についてのまとめ
ケールは野生キャベツの仲間で主に青汁の材料に使われ、独特の苦みがあるのが特徴です。
栄養価が高いことから「野菜の王様」と呼ばれ、海外ではスーパーフードとして人気を集めています。
ケールは、食物繊維、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カリウム、カルシウムの摂取源になるといえます。
このうちビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カルシウムは豊富に含まれます。
ケールを選ぶ際には、葉の緑色が鮮やかで、表面に斑点がない新鮮なものを選ぶと良いでしょう。
ケールの栄養素を無駄なく摂るためには、生での摂取が効率的だと考えられます。
ただし苦みが気になる場合は、さっと下ゆですることで苦みを軽減し、栄養素の減少をなるべく抑えることもできますよ。
ケールは日がたつほど苦みが増していくため、早めに使い切ることが勧められます。
長く保存したい場合は葉を切り分け、ゆでたものを冷凍保存袋に入れて冷凍しましょう。
栄養価の高いケールを日々の食卓に取り入れられるよう、この記事を参考にしてくださいね。