ビタミンEとは?はたらきや摂取目安量、摂取源となる食べ物を紹介

2024年01月08日

2024年11月11日

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「ビタミンEにはどんなはたらきがあるんだろう?」

「ビタミンEはどんな食べ物に多く含まれているのかな?」

このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ビタミンEの名前は聞いたことはあっても、具体的なはたらきや摂取するべき量について詳しく知らないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

ビタミンEには動脈効果やがんなどの原因の一つである活性酸素を抑制し、細胞を健康な状態に保つはたらきがあります。

この記事ではビタミンEのはたらきや1日当たりの摂取目安量、ビタミンEを豊富に含む食品などについて詳しく解説します。

1.ビタミンEとは

ビタミンEは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの一種です。

メモ
ビタミンは水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の二つに分けられます。

ビタミンEにはいくつかの種類が存在し、それらを総称したものがビタミンEと呼ばれています。

メモ
ビタミンEにはα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノールの8種類があります[1]。

ビタミンEには「活性酸素」のはたらきを抑える「抗酸化作用」があります

活性酸素とは
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が過剰に活性化された物質です。活性酸素が大量につくられると細胞を傷つけ、老化や免疫機能の低下、がんなどの原因となります。

ビタミンEは体内では細胞膜や脂質に多く存在し、それ自体が酸化されることによって活性酸素による悪影響を防いでくれます。

食品に一定量のビタミンEを含んでいれば、「抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける」という栄養機能表示を行うことができます[2]。

メモ
食品の1日当たりの摂取目安量に含まれるビタミンEの量が1.89〜150mgであれば、栄養機能の表示ができます[2]。

抗酸化作用を持つビタミンEは、健康のために積極的に摂取したい栄養素だといえるでしょう。

[1] 厚生労働省「 日本人の食事摂取基準(2020年版)

[2] 消費者庁「 栄養機能食品について

2.ビタミンEの食事摂取基準と平均摂取量

「ビタミンEが体に必要な栄養素だと分かったけど、1日にどれくらい摂取すれば良いのかな?」

「普段の食生活でビタミンEが十分に摂取できているのかな……」

このような疑問や不安を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ここではビタミンEをどれくらい摂取すべきなのか、日本人が平均でどれくらいの量を摂取しているのかをご紹介します。

2-1.1日当たりの食事摂取基準

厚生労働省はビタミンEの摂取目安量と耐容上限量を設定しています。

目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分な量で、この量以上を摂取していれば不足の心配はほとんどないとされています。

耐容上限量は過剰摂取による健康への悪影響を防ぐために設定された上限量のことです。

【ビタミンEの摂取目安量】

年齢 男性 女性
0〜5カ月 3.0mg 3.0mg
6〜11カ月 4.0mg 4.0mg
1〜2歳 3.0mg 3.0mg
3〜5歳 4.0mg 4.0mg
6〜7歳 5.0mg 5.0mg
8〜9歳 5.0mg 5.0mg
10〜11歳 5.5mg 5.5mg
12〜14歳 6.5mg 6.0mg
15〜17歳 7.0mg 5.5mg
18〜29歳 6.0mg 5.0mg
30〜49歳 6.0mg 5.5mg
50〜64歳 7.0mg 6.0mg
65〜74歳 7.0mg 6.5mg
75歳以上 6.5mg 6.5mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

また妊娠中や授乳中の方については以下の目安量が設定されています。

【妊婦・授乳婦のビタミンEの1日当たりの食事摂取基準】

妊婦・授乳婦 目安量
妊婦 6.5mg
授乳婦 7.0mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

妊娠・授乳していない女性よりも高い数値が定められているので該当の方はビタミンEを多く摂ることを意識しましょう。

また耐容上限量は以下のとおりです。

【ビタミンEの耐容上限量】

年齢 男性 女性
0〜5カ月 - -
6〜11カ月 - -
1〜2歳 150mg 150mg
3〜5歳 200mg 200mg
6〜7歳 300mg 300mg
8〜9歳 350mg 350mg
10〜11歳 450mg 450mg
12〜14歳 650mg 600mg
15〜17歳 750mg 650mg
18〜29歳 850mg 650mg
30〜49歳 900mg 700mg
50〜64歳 850mg 700mg
65〜74歳 850mg 650mg
75歳以上 750mg 650mg

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

2-2.1日当たりの平均摂取量

ビタミンEの摂取目安量が分かっても、普段の食生活で十分に摂取できているのかイメージしづらいですよね。

そこでビタミンEの食事摂取基準と日本人の平均摂取量を比較してみましょう。

厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」によると、ビタミンEの平均摂取量は以下のとおりです。

【ビタミンEの平均摂取量】

年齢 男性 女性
1〜6歳 4.2mg 3.8mg
7〜14歳 6.0mg 5.9mg
15〜19歳 7.3mg 6.6mg
20〜29歳 6.9mg 5.4mg
30〜39歳 6.6mg 6.1mg
40〜49歳 6.7mg 6.0mg
50〜59歳 7.1mg 6.6mg
60〜69歳 7.5mg 7.2mg
70〜79歳 7.8mg 7.4mg
80歳以上 6.8mg 6.3mg

厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査」をもとに執筆者作成

男女ともに、ビタミンEの摂取目安量を上回っています。

通常の食生活を送っていれば、必要な量のビタミンEを摂取できているといえるでしょう。

3.ビタミンEの過不足による影響

「ビタミンEを摂り過ぎるとどうなるんだろう?」

「ビタミンEが不足したら体にどんな影響があるのかな……」

ビタミンEを摂り過ぎたり、逆に不足したりするとどんな影響があるのか気になりますよね。

ここでは、ビタミンEの過不足による体への影響についてご説明します。

3-1.ビタミンEを過剰摂取した場合

通常の食品から摂取する分には、ビタミンEの摂り過ぎを心配する必要はありません

しかしビタミンEを過剰に摂取すると出血しやすくなるといわれています。

動物実験においては、ビタミンEの過剰摂取と骨粗しょう症に関連性があるという報告もされています[3]。

サプリメントを長期的かつ大量に摂取しないように注意しましょう。

[3] 厚生労働省「 日本人の食事摂取基準(2020年版)

3-2.ビタミンEが不足した場合

ビタミンEの不足についても、通常の食事を摂取していれば健康への悪影響はほとんどありません

ビタミンEが欠乏すると神経や筋肉に異常を来すことがありますが、成人ではほとんど見られないとされています。

日本人の平均的なビタミンEの血中濃度は健康上問題ない値であるという報告もあるため、不足による悪影響については過度に心配する必要がないといえるでしょう[4]。

[4] 厚生労働省「 日本人の食事摂取基準(2020年版)

4.ビタミンEを多く含む食品

ビタミンEはどんな食べ物に多く含まれているのか気になりますよね。

ビタミンEは魚類や野菜など、さまざまな食べ物に含まれています。

ここではビタミンEが含まれている食べ物について、「動物性食品」と「植物性食品」の二つに分けてご紹介します。

メモ
食事摂取基準はα-トコフェロールを指標としているため、ここではα-トコフェロールの含有量が多い食べ物を紹介しています。

4-1.動物性食品

開けた缶詰を上から見たところ

ビタミンEは以下のような動物性食品に含まれています。

【ビタミンE(α-トコフェロール)を多く含む動物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
あん肝 14.0mg
すじこ(しろさけ) - 11.0mg
イクラ(しろさけ) - 9.1mg
ツナ缶 油漬け 8.3mg
たらこ(すけとうだら) 7.1mg
うなぎ(養殖) かば焼 4.9mg
はまち(養殖) 皮付き、生 4.6mg
卵黄 4.5mg
サーモン 皮付き、生 3.8mg
さば缶詰 水煮 3.2mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ビタミンEは魚や魚卵に多く含まれていることが分かります。

ツナ缶やさば缶を常備しておけば、手軽にビタミンEが摂取できますね。

4-2.植物性食品

アーモンド

ビタミンEは以下のような植物性食品にも含まれています。

【ビタミンE(α-トコフェロール)を多く含む植物性食品と可食部100g当たりの含有量】

食品名 加工状態など 含有量
アーモンド いり、無塩 29.0mg
らっかせい(大粒種) いり 10.0mg
モロヘイヤ 6.5mg
赤ピーマン 4.3mg
西洋かぼちゃ 3.9mg
しそ(葉) 3.9mg
アボカド 3.3mg
ブロッコリー 3.0mg
キウイフルーツ(黄肉種) 2.5mg
にら 2.5mg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

ナッツ類や野菜など、さまざまな食品からビタミンEを摂取するようにしましょう。

5.ビタミンEについてのまとめ

ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種です。

強い抗酸化作用を持っており、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康を保つはたらきがあります

ビタミンEは魚類やナッツ類など、さまざまな食品に含まれています

通常の食生活を送って入れば、不足や過剰摂取になる心配はほとんどありません。

サプリメントなどによる過剰摂取に注意し、バランスの取れた食事を心掛けましょう。

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