ビタミンAにはどんな効果がある?目標摂取量とおすすめの食品を紹介

ビタミンAにはどんな効果がある?目標摂取量とおすすめの食品を紹介

2021年07月30日

2024年04月18日

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「ビタミンAは目にいいって聞いたけど本当?」

「肌がきれいになるらしいから、意識して摂ってみようかな」

ビタミンAは目の機能や皮膚の健康に良いといわれているため、関心を持っている方も多いのではないでしょうか。

ビタミンAは体の機能を正常に保つために必要な栄養素の一つですが、不足した場合はもちろん、過剰になっても体に悪影響があるといわれています。

この記事では、ビタミンAの効果や摂取量の目標、含まれている食品、不足や過剰で生じる症状などをご説明します。

1.ビタミンAにはどんな効果がある?

ビタミンAは油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一つです。

体内ではレチノール、レチナール、レチノイン酸という3種類の形ではたらいています。

「ビタミンAを摂ると体にどんな効果があるんだろう?」

というのが一番気になるポイントですよね。

まずは、ビタミンAのはたらきについてわかりやすく解説していきましょう。

効果1 目の健康を維持する

目の健康を維持する

ビタミンAは目の健康に関わっている重要な栄養素の一つです。

ビタミンAが不足すると視覚障害を招いてしまう可能性があります。

ビタミンAが不足すると、角膜や目の粘膜が傷ついて視力が落ちたり、暗いところでものが見えない「夜盲症」になったりするリスクがあるのです。

そのため、目の正常なはたらきを維持するためにはビタミンAを適度に摂取するようにしましょう

効果2 皮膚・粘膜の健康を維持する

皮膚・粘膜の健康を維持する

ビタミンAには皮膚の健康を保つ効果が期待できます

ビタミンAが不足すると肌が乾燥してしまうため、「皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」として栄養機能食品に使われている場合もあるくらい重要なはたらきをしています。

健康的な肌を保つために欠かせない栄養素だと考えられますね。

また、ビタミンAには粘膜の健康を保ち、正常な免疫機能を維持するはたらきもあります。

メモ
そのほか、ビタミンAには胎児や乳幼児の成長を促進したり、細胞の分化やたんぱく質の合成に関わったりといった作用があるとされており、体の機能において重要な役割を果たしています。

【関連情報】 「皮膚の不調を予防する栄養素」についてもっと知りたい方はこちら

2.ビタミンAの1日の目標摂取量とは?

「体に良いのは分かったけど、じゃあどれくらいビタミンAを摂ればいいの?」

と気になっている方も多いでしょう。

実は統計データを見るとビタミンAは不足しがちな傾向にある栄養素であることが分かります。

まず、厚生労働省が定めているビタミンAの推奨量を見てみましょう。

【ビタミンAの食事摂取基準(μgRAE/日)】

推奨量 男性 女性
1〜2歳 400 350
3〜5歳 450 500
6〜7歳 400 400
8〜9歳 500 500
10〜11歳 600 600
12〜14歳 800 700
15〜17歳 900 650
18〜29歳 850 650
30〜49歳 900 700
50〜64歳 900 700
65〜74歳 850 700
75歳以上 800 650

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

メモ
ビタミンA(レチノール)は動物性食品に含まれているほか、植物性食品に含まれる「カロテノイド」などのプロビタミンAから体内で変換されて作られることもあります。そのため、食事摂取基準では体内でビタミンAとして利用することができるプロビタミンAも含んだ推定量「レチノール活性当量(μg RAE)」の基準が示されて用いられています。つまり、動物性食品に含まれるビタミンAと、植物性食品に含まれるプロビタミンAがビタミンAとしてはたらく場合の換算量を合計したものがレチノール活性当量です。

一方、厚生労働省の「平成30年国民健康・栄養調査」では、成人した日本人の1日当たりのビタミンA平均摂取量は男性で544μgRAE、女性で520μgRAEという結果[1]が出ています。

成人した男性の摂取推奨量が800〜900μgRAE、成人した女性の摂取推奨量が650~700μgRAEであることを踏まえると、摂取推奨量に達していない方も多いかもしれませんね。

[1] 厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査

3.ビタミンAを効率的に摂取できる食品を紹介!

「自分もビタミンAが足りていないのかも……ビタミンAを十分に摂るためには何を食べたら良いんだろう?」

という点が気になりますよね。

ビタミンAの主な供給源はレバーなどの動物性食品や緑黄色野菜などの植物性食品です。

ビタミンAは動物性食品に多く含まれていますが、体内でビタミンAと同じはたらきをする物質に変換される「プロビタミンA」の形でも摂取することができます。

プロビタミンAの「カロテノイド」は緑黄色野菜や果物などの植物性食品に多く含まれているのです。

ここからは、動物性食品と植物性食品に分けて、ビタミンAを効率的に摂取できる食品をご紹介していきますね。

メモ
プロビタミンAはビタミンAの「前駆体」とも呼ばれています。

3-1.動物性食品:レバーなど

動物性食品の場合、以下のような食品にビタミンAが多く含まれています。

【ビタミンAを含む食品と可食部100g当たりの含有量(レチノール活性当量)】

食品名 加工状態など ビタミンA含有量(レチノール活性当量)
鶏レバー 14,000μg
豚レバー 13,000μg
うなぎ 蒲焼き 1,500μg
牛レバー 1,100μg
しらす干し 半乾燥 240μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

普段の食事にはレバーが取り入れやすいかもしれませんね。

動物性食品:レバーなど

レバーにはビタミンAのほかにもビタミンB2やビタミンB12、パントテン酸、葉酸、ビオチンといったビタミンB群の栄養素が豊富に含まれています。

栄養バランスを整えるため、積極的に摂取したい食品だといえるでしょう。

また、手軽に付け加えられるおかずとしては海苔もおすすめですよ。

3-2.植物性食品:にんじんなど

ビタミンAは、体のなかでビタミンAと同じ効果を発揮するプロビタミンAの形で摂取することも可能です。

プロビタミンAにもさまざまな種類がありますが、主な成分はα-カロテンやβ-カロテン、β-クリプトキサンチンなどが挙げられます。

これらの成分は特に緑黄色野菜に多く含まれています

【ビタミンAを含む食品と可食部100g当たりの含有量(μg)】

食品名 加工状態など α–カロテン含有量 β–カロテン含有量 β-クリプトキサンチン レチノール活性当量
にんじん 皮なし、生 2,600 6,300 0 630
春菊 0 4,500 0 380
ほうれん草 0 4,200 34 350
豆苗 0 4,100 0 340
にら 0 3,500 32 290
小松菜 0 3,100 28 260
西洋かぼちゃ 17 2,500 90 210

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

β-カロテンは加熱調理を施すことで吸収率が高まるといわれています。

一手間かけて加熱した状態で摂取するのがおすすめですよ。

メモ
カロテン類を100g当たり600μg以上含むものを緑黄色野菜といいます。ただし、トマトやピーマンなどはその基準を下回るものの、食べる回数や量が多いため緑黄色野菜に分類されます。

植物性食品:にんじんなど

【関連情報】 「ビタミンAを多く含む食べ物」についてもっと知りたい方はこちら

4.ビタミンAを適切に摂取できないとどうなるの?

体にとって必要な栄養素であるビタミンAは、身近な食品から摂取できます。

しかし、ビタミンAが不足してしまったり、逆に過剰に摂ってしまったりした場合、体にとって悪影響があるのかどうかといった点も気になりますよね。

そこで、この章ではビタミンAの不足や過剰で生じる症状について、分かりやすく説明していきましょう。

4-1.ビタミンAが不足している場合

ビタミンAが不足している場合

ビタミンAが欠乏すると、視力の低下や、暗いところで物が見えにくくなる夜盲症を招いてしまいます。

症状がひどくなると角膜・結膜乾燥症になり、最終的には失明する恐れもあります。

また皮膚・粘膜の状態にも影響を与えるため、免疫機能が低下して感染症にかかりやすくなったり、骨や神経系の発達抑制がみられたりといったことも起こります。

しかしビタミンAは肝臓で十分に蓄えられているため食事からの摂取が減ったとしてもすぐに影響が見られるわけではありません

ビタミンAを含む食材を摂らない生活を長期にわたって続けない限りは過度に心配する必要はないようなので、安心してくださいね。

4-2.ビタミンAが過剰な場合

ビタミンAが過剰な場合

ビタミンAの摂り過ぎによって生じる症状は、一度に大量に摂取して発生する急性症状と長期にわたって多く摂り続けることで出る慢性症状の大きく二つに分けられます。

急性症状では、腹痛や吐き気、嘔吐、めまいなどが出現した後に、皮膚が鱗状に剥がれてしまう症状が見られます。

慢性の症状では、全身の関節や骨が痛んだり、脱毛や皮膚の乾燥、食欲不振や体重の減少が見られたりするほか、脳圧が亢進して頭痛が出現することもあります。

「そんな症状が出るなんて怖いな……」

と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、これらはいずれも稀なケースだといえるでしょう。

急性の症状はホッキョクグマの肝臓や魚の肝油を大量に摂取した場合などに見られるもので、慢性症状が発生するのは連日約7,500μgREのビタミンAを連日摂り続けた場合 [2]だといわれています。

成人した日本人の1日当たりのビタミンA平均摂取量は男性で544μgRAE、女性で520μgRAE[3]であることを考えると摂りすぎになる可能性は低いといえるでしょう。

メモ
μgREはビタミンA(レチノール)そのものの量を示す単位です。それに対しμgRAEはビタミンAそのものだけでなく、植物性食品に含まれるプロビタミンA(体内でビタミンAとしてはたらく成分)も含む単位です。現在の食事摂取基準ではμgRAEがビタミンAの摂取推奨量を表す単位として用いられていますが、以前はμgREが使用されていました。

ただし、妊娠中の方はビタミンAを摂りすぎないように注意する必要があります。

厚生労働省は妊娠3カ月以内もしくは妊娠を希望する女性に関して、ビタミンAの推奨量を超えた過剰摂取を長期にわたって行わないように注意喚起しています[4]。

「毎日大量のレバーを食べる」「適量を超えてサプリメントを摂取する」といったことは避けた方が良いと考えられますね。

なお、プロビタミンAからビタミンAへの変換は厳密に調節され必要に応じて行われています。

そのため、緑黄色野菜などのカロテン類の取りすぎによるビタミンA過剰症は生じないと考えられるのでご安心くださいね。

[2] 内閣府 食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響

[3] 厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査

[4] 内閣府 食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響

【関連情報】 「ビタミンAの食事摂取基準」についてもっと知りたい方はこちら

5.ビタミンAの効果やおすすめの食品について まとめ

ビタミンAは、目の機能や皮膚・粘膜の健康などに関わる大切な栄養素です。

妊娠中の方以外は、過剰摂取による症状を心配する必要はあまりないでしょう。

むしろ統計データを見るかぎり、厚生労働省の示したビタミンAの推奨量を摂れている方は多くないと考えられます。

ビタミンAはレバーなどの動物性食品や、ニンジンなどの植物性食品から手軽に摂取することができるのが、うれしいポイントですね。

日々の食事に取り入れやすい食材からビタミンAを摂取してみましょう。

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