緑黄色野菜とは?含まれる成分や摂取目標量、調理する際のポイント

2022年07月07日

2024年11月11日

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「緑黄色野菜ってどの野菜のことなんだろう?」

「緑黄色野菜って健康にどんな効果があるの?」

このように疑問に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。

緑黄色野菜と聞くとかぼちゃやほうれん草などが思い当たるかもしれませんが、具体的な定義や体に良いとされている理由などはご存じないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

緑黄色野菜にはさまざまなものがあり、健康に欠かせない成分が豊富に含まれています

しかしどうしたら普段の食生活に多くの野菜を取り入れることができるのか分からないという方もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では緑黄色野菜の種類や含まれる成分、摂取目標量、調理する上でのポイントを詳しく解説します。

健康的な食生活を実践したいという方はぜひ参考にしてくださいね。

1.緑黄色野菜とは?

「どの野菜が緑黄色野菜なの?」

「緑黄色野菜ってどんな成分が入っているんだろう?」

と疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

そこでここでは緑黄色野菜の定義や成分を解説していきます。

1-1.緑黄色野菜の定義

緑黄色野菜というと一般的には赤色や緑色など色の濃い野菜というイメージがあるかもしれません。

しかし実は緑黄色野菜は色で決まるというわけではありません。

厚生労働省では緑黄色野菜は原則として可食部100g当たりに含まれるβ-カロテンが600μg以上のもの [1]と定義しています。

β-カロテンとは
植物の色素で、体内でビタミンAに変わる物質「プロビタミンA」に該当する「カロテン」のうち、代表的なものの一つです。

またピーマンやトマトなど可食部100g当たりのβ-カロテンが600μg以下の一部の野菜も、食べる頻度が高いことから緑黄色野菜に分類されています。

メモ
カロテンは動植物に存在する黄色または赤色の色素成分「カロテノイド」の一部です。カロテノイドはカロテン類とキサントフィル類に分けられます。

[1] 厚生労働省「日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)」の取扱いについて

1-2.緑黄色野菜に含まれる成分とそのはたらき

「β-カロテンってなんの役に立つ成分なの?」

「緑黄色野菜には他にも体に良い成分が含まれているのかな?」

というのが気になるところですよね。

緑黄色野菜にはβ-カロテンの他、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているといわれています。

ここからは緑黄色野菜に含まれる成分とそのはたらきについて順にご説明しましょう。

β-カロテンなどのカロテノイドには「抗酸化作用」という「活性酸素」のはたらきを抑える作用があるといわれています。

活性酸素とは
呼吸によって取り込まれた酸素が活性化されて生じたものです。免疫機能としてはたらくなど重要なはたらきをする一方で、増え過ぎると健康な細胞も傷つけ、老化や免疫機能の低下などを引き起こしたり、がんや動脈硬化などのさまざまな病気の発症を招いたりします。
メモ
動脈硬化は心臓に血液を送る動脈が硬くなって弾力が失われる状態です。心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。

人間の身体にはもともと活性酸素を抑える「酵素」を作る機能が備わっていますが、年齢を重ねるとともに衰えてしまいます。

酵素とは
体内で生じるさまざまな化学反応を起こすために必須の触媒となるたんぱく質の一種です。食べたものを消化するほか体の成長やウイルスなどから体を守る免疫反応など多くの化学反応に関わっています。

抗酸化作用を持つ成分を摂取することで酵素によって処理し切れない活性酸素に対抗することができるのです。

そのため抗酸化作用を持つ物質はエイジングケアにも欠かせないといわれています。

またβ-カロテンは体内でビタミンAと同じはたらきをする物質に変換されます。

ビタミンAは目の機能や皮膚、粘膜を正常に保つはたらきや成長に関与しています。

またビタミンAも抗酸化作用を持つとされる物質の一つです。

メモ
ビタミンAとしてはたらく「プロビタミンA」に該当する物質は約50種類ほど存在しますが、β-カロテンはそのなかでも効率良く変換されます。

他にも緑黄色野菜にはビタミンCやビタミンK、葉酸などのビタミンが含まれています

ビタミンCにはしみや日焼けを防ぐ効果や体内でコラーゲンを作り出すのに重要な役割があります

またカロテンと同様ビタミンCにも抗酸化作用が期待できる といわれています。

ビタミンKは出血したときに血液が固まって流血を止めるはたらきに関わる「血液凝固因子」を生成するのを助けるはたらきや骨の形成、動脈が硬くなるのを防ぐ役割などがあります。

また葉酸はビタミンB群に属する成分で、赤血球の生成を促したり細胞の生成を助けたりするはたらきがあります。

葉酸は細胞の成長に大きく関与するため特に胎児に重要な成分といわれています。

さらに緑黄色野菜にはミネラルも多く含まれています

体を構成する酸素、窒素、炭素および水素以外の成分の総称で、「無機質」とも呼ばれます。カルシウム、カリウム、リンなどが代表的です。ミネラルは体内で作ることができないため食事から摂取する必要があり、体に必要なことが分かっているものを「必須ミネラル」といいます。

ミネラルにはさまざまな種類がありますが、主に歯や骨の材料となったり、体液に溶けて生体機能の調節に関わったり、たんぱく質などと結合して酵素の材料となったりといった役割を担っています。

緑黄色野菜には体にとって重要な成分が豊富に含まれているのですね。

2.代表的な緑黄色野菜

「結局、緑黄色野菜はどの野菜なの?」

というのが気になるところですよね。

緑黄色野菜にはたくさんの種類があります。

以下に代表的な緑黄色野菜をの一覧を紹介しましょう。

代表的な緑黄色野菜

【代表的な緑黄色野菜と可食部100g当たりのβ-カロテン含有量】

食品名 加工状態など 含有量
モロヘイヤ 10,000μg
にんじん 皮付き、生 6,900μg
にんじん 皮なし、生 6,300μg
春菊 4,500μg
ほうれん草 4,200μg
トウミョウ 4,100μg
だいこん(葉) 3,900μg
サンチュ 3,800μg
ルッコラ 3,600μg
にら 3,500μg
小松菜 3,100μg
かぶ(葉) 2,800μg
クレソン 2,700μg
西洋かぼちゃ 2,500μg
リーフレタス 2,300μg
サラダ菜 2,200μg
チンゲンサイ 2,000μg
サニーレタス 2,000μg
かいわれだいこん 1,900μg
水菜 1,300μg
ミニトマト 960μg
赤ピーマン(パプリカ) 940μg
ブロッコリー 900μg
さやえんどう 560μg
トマト 540μg
オクラ 520μg
さやいんげん 520μg
ピーマン 400μg
アスパラガス 370μg

文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」をもとに執筆者作成

「これも緑黄色野菜に入るんだ!」

と驚くような野菜もあったのではないでしょうか。

たくさんの種類があるのでバランスよく食事に取り入れるよう工夫してみましょう。

【関連情報】 「抗酸化作用のあるアーモンド」についてもっと知りたい方はこちら

3.緑黄色野菜の摂取目標量

「緑黄色野菜って一日にどれくらい食べればいいの?」

と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

厚生労働省では成人の1日当たりの緑黄色野菜の摂取目標量を120g[2]としています。

これは生野菜で両手いっぱい、ゆでた野菜では片手いっぱいくらいの量に相当します。

また野菜全体の摂取目標量は成人で1日当たり350g以上 [2]としています。

緑黄色野菜だけをたくさん食べればいいというわけではなく、ほかの野菜もしっかり食べる必要がある のですね。

しかし日本人は平均的に野菜の摂取量が不足しているといわれています。

メモ
「令和元年国民健康・栄養調査」では日本人の1日当たりの平均的な野菜摂取量は280.5g[3]で、特に20~40歳代で野菜摂取量が少ない[3]ということが分かっています。

野菜の摂取量が不足すると、さまざまな病気を発症するリスクも高まるといわれています。

摂取目標量を目指して野菜不足を解消できるようにしましょう。

[2] 厚生労働省 健康日本21「栄養・食生活

[3] 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査の概要

【関連情報】 「抗酸化作用による疾病予防効果」についてもっと知りたい方はこちら

4.緑黄色野菜を摂取する上でのポイント

「野菜を食べないといけないのは分かるけど、なかなかそんなに食べられないな……」

野菜不足を解消しようとしても、調理や献立を工夫するのは難しいと感じるかもしれませんね。

そこでここでは効率的に緑黄色野菜を摂取できるよう5つのポイントを紹介しましょう。

ポイント1 加熱してかさを少なくする

「毎日たくさんの野菜を摂取するのは大変そう」

と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合には野菜を加熱調理することがおすすめです。

野菜は加熱することでかさが減るため生の状態よりも多く摂取できます

特にほうれん草やチンゲンサイなどの葉物野菜はゆでたり炒めたりすることで大幅にかさが減り食べやすくなりますよ。

加熱してかさを少なくする

ポイント2 油と一緒に調理する

緑黄色野菜を調理する際は油を使用することをおすすめします。

緑黄色野菜に豊富に含まれるカロテンは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで成分が吸収されやすくなるとされています。

カロテンには高い抗酸化作用が期待できるため健康的な食生活を目指す場合には積極的に取り入れたいところですよね。

油で調理する際にはオリーブオイルを使用することでコレステロールにも配慮することができますよ。

炒めたりドレッシングを活用したりして油と一緒に摂取してみましょう。

ポイント3 淡色野菜とバランスよく食べる

野菜には緑黄色野菜のほか色の薄い「淡色野菜」があります

淡色野菜とは
緑黄色野菜以外の野菜を指します。切ったときに中が白っぽいことが特徴で、ほかにも白菜やキャベツ、なす、きゅうりなどが該当します。

淡色野菜とバランスよく食べる

淡色野菜は緑黄色野菜に比べカロテン含有量は少ないものの、食物繊維や水分を豊富に含んでいます

メモ
食物繊維には整腸作用のほか血糖値の上昇を防ぐ効果や血液中のコレステロール値を低下させる効果などが期待できます。

そのため緑黄色野菜以外の野菜も積極的に摂取したいところです。

厚生労働省は成人の1日の野菜摂取量を350g以上にするよう推奨しています。

緑黄色野菜は1日に120g以上摂取することが推奨されているので、淡色野菜は230g以上摂取できるようにしたいですね

230gと聞くと多いような印象もあるかもしれませんが、緑黄色野菜と同様に加熱調理してかさを少なくしてみるのも良いでしょう。

ポイント4 冷凍野菜やカット野菜を活用する

「毎日たくさんの野菜を用意するのは大変そう……」

と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。

確かに調理する前に野菜の皮をむいたり切ったりするのは手間がかかりますよね。

そのような場合には冷凍野菜やカット野菜を活用することもおすすめです

あらかじめ時間のあるときに用途に合わせて野菜を切っておき冷凍しておきましょう。

冷凍しておいた野菜は簡単に炒めて献立の一品として取り入れたりみそ汁に加えたりすることができます。

生のまま冷凍するのに適しているのはキャベツや大根、玉ねぎ、にんじん、ピーマンなどがあります。

かぼちゃやもやし、ブロッコリーなどはゆでてから冷凍すると良いでしょう。

より簡単に済ませたい場合には市販の冷凍野菜やカット野菜を常備しておくのもおすすめです。

ポイント5 野菜ジュースは塩分や糖分に注意

「野菜ジュースで野菜不足を補おう」

とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

確かに野菜ジュースでも野菜の栄養を摂取できることもあります。

しかし市販の野菜ジュースには塩分や糖分が含まれていることがあるため注意が必要です

塩分や糖分を過剰に摂取してしまうと高血圧や肥満の原因になってしまうこともあります。

野菜ジュースを購入する際には無添加のものを購入すると良いでしょう

自宅で野菜ジュースを作る場合にもなるべく砂糖や塩などを使わずに作ってみましょう。

【関連情報】 「「塩分」の過剰摂取は高血圧になる最大の原因」についてもっと知りたい方はこちら

5.緑黄色野菜について まとめ

緑黄色野菜はカロテン含有量が多いものを指し、かぼちゃやほうれん草のほか多くのものが該当します。

緑黄色野菜にはカロテンやビタミン、ミネラルなどの成分が豊富に含まれています

カロテンやビタミン、ミネラルなどの成分は健康な体をつくるうえで重要なはたらきがあるため、積極的に摂取したい成分といえます。

厚生労働省でも成人の1日の緑黄色野菜摂取の目標量は120gと設定されていますが、日本人は全体的に野菜の摂取量が不足しており、緑黄色野菜の摂取量も十分ではないと考えられます。

毎日野菜をたくさん摂取するのは難しいと感じることもあるかもしれませんが、目標量の野菜を食べられるよう調理方法を工夫してみましょう。

さまざまな効果が期待できる緑黄色野菜を積極的に取り入れ、健康的な毎日を目指してみませんか。

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