「腹筋運動の効果を上げたい」
「腹筋を鍛えるとどんな効果があるのかな」
ダイエットや健康づくりのためによく行われている腹筋運動ですが、何となくやっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一般的におなかの筋肉は「腹筋」とひとくくりに呼ばれていますが、複数の部位から構成されており、鍛えることで得られる効果も部位によって変わってきます。
そこでこの記事では、腹筋運動の効果や部位の基本的な解説、トレーニング方法に加えて効果を上げるポイントをご紹介します。
ぜひ腹筋を鍛える際の参考にしてくださいね。
1.腹筋を鍛えることによる効果
「腹筋を鍛えるとどんな効果があるのかな」
「腹筋トレーニングはダイエットにも効果があるのかな」
腹筋を鍛える効果について、このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
腹筋を鍛えることには、内臓の位置を維持させたり基礎代謝を向上させたりするなどさまざまな効果があります。
まずは腹筋を鍛えると得られる効果を四つご紹介します。
1-1.内臓が正しい位置に維持される
腹筋を鍛えると、内臓を正しい位置に維持することができます。
内臓を支えている筋肉である腹筋は、日常生活であまり使われないため加齢とともに衰えていきます。
筋肉が衰えてしまうと、内臓を支える力が弱まって内臓の位置が下がってしまいます。
それにより、おなかが出ているように見えてしまう場合もあります。
また、内臓が下がってしまうとおなかをへこませる筋肉のはたらき自体も弱くなってしまいます。
内臓を取り囲む筋肉である腹筋を鍛えることで、おなかを引き締めることにもつながるかもしれませんよ。
内臓脂肪の蓄積が不安な方は以下の記事をご覧ください。
内臓脂肪とは?健康への影響や皮下脂肪との違い、落とし方を徹底解説
1-2.基礎代謝が上がる
腹筋を鍛えると基礎代謝が上がると考えられます。
基礎代謝は筋肉量に比例して上がり、基礎代謝が上がると消費カロリーが増えて太りにくくなります。
つまり腹筋を鍛えておなか周りの筋肉量を増やすことは、太りにくい体づくりの助けになるのですね。
また、基礎代謝を上げおくとダイエットが成功した後、リバウンドを予防することにもつながります。
1-3.姿勢がきれいになる
腹筋は体幹の一部であるため鍛えると、きれいな姿勢を保つことができます。
正しい姿勢では、首からお尻にかけて背骨が緩いS字カーブを描きます。
このS字カーブの状態を保つ上で重要なのが体幹を鍛えることです。
腹筋も体幹にある筋肉であるため、腹筋を鍛えるときれいな姿勢を保つことにつながります。
1-4.便通が良くなる
腹筋を鍛えると腹筋を鍛えると便通が良くなることも期待できます。
腹筋の一部は内臓を囲んでいるため、その部位を鍛えると内臓に圧をかける力が増し排せつを助けます。
また、腹筋を鍛えることで血行が良くなるため、内臓自体のはたらきが活発になることも期待できます。
便通を良くするための方法といえば食生活の改善や水分補給などを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、腹筋を鍛えることも便通の改善につながるのですね。
2.腹筋の部位
「腹筋にはどんな筋肉があるんだろう?」
腹筋は知っていても、どんな筋肉で構成されているかまでは知らない方も多いでしょう。
腹筋には「シックスパック」でという通称で知られる腹直筋に加え、腹斜筋、腹横筋という筋肉があります。
この章では、腹筋の部位ごとに特徴や役割についてご紹介します。
部位ごとの役割を理解すると、自分に合ったトレーニングメニューを選ぶことができますよ。
2-1.腹直筋
腹直筋はおなかの前面にある筋肉です。
背中を丸める動作や正しい姿勢の維持に使われています。
この腹直筋は元々6つ(人によっては8つ)に分かれていますが、皮下脂肪が厚いと外からは分からなくなります。
一見して腹直筋が割れているように見えるいわゆる「シックスパック」と呼ばれる状態にするためには皮下脂肪を減らし、腹直筋の厚みを増やすことが必要です。
2-2.腹斜筋
腹斜筋は脇腹にある筋肉です。
腹斜筋はさらに、表層にある「外腹斜筋」と内側にある「内腹斜筋」に分けられます。
腹斜筋はひねる動作と体幹の固定に関わる筋肉で、野球のバッティングや、ゴルフのスイングのような動きに使われます。
腹斜筋は鍛えることでくびれをつくる効果があるため、引き締まったおなかを目指すならば必ずトレーニングしておきたい筋肉です。
2-3.腹横筋
腹横筋は脇腹の深部にある筋肉です。
腹横筋は内臓を囲んでいる筋肉で「天然のコルセット」とも呼ばれています。
内臓の位置や便通に影響を与え、おなかを引き締める役割があります。
腹式呼吸で息を吐くときや排せつをするときに、内臓に圧をかけるようはたらきます。
3.腹筋を鍛えるおすすめのメニュー
「腹筋を鍛えるにはどんなメニューが良いのだろう」
「部位ごとにおすすめのメニューを知りたい」
腹筋運動は種類が多くて、何から始めたら良いか悩みますよね。
ここでは部位別のおすすめメニューをご紹介します。
特別な器具を必要とせず、自宅で簡単に行えるものをご紹介していますので、ポイントを押さえた上で、ぜひ効果的にトレーニングを行ってくださいね。
3-1.シット・アップ
シット・アップは腹直筋全体を鍛えることができるトレーニングです。
一般的に腹筋運動と呼ばれていて、学校の体力テストや部活動の際に行ったことがあるという方も多いでしょう。
まずはあおむけの状態になり、膝を直角に曲げましょう。
両手を後頭部に添え、みぞおち辺りを軸にして頭、肩、背中、腰という順番で上体が床に垂直になるまで起き上がります。
この動作を繰り返しましょう。
3-2.ツイスティング・クランチ
ツイスティング・クランチは外腹斜筋を鍛えることができるトレーニングです。
まずはあおむけの状態になり、膝を曲げて両手は後頭部に添えます。
一方の肘を反対側の膝にくっつけるように上体を丸め、ひねりましょう。
上体を完全に起こすと負荷が減ってしまうため、起こし過ぎないように意識してください。
左右交互に繰り返すか、きつい場合は同じ側で続けてひねっても大丈夫ですよ。
3-3.サイド・プランク
サイド・プランクは外腹斜筋と内腹斜筋を鍛えることができるトレーニングです。
床に横たわり、片側の肘を肩の下に垂直について視線は前方に向けましょう。
腰を床から離し、頭から股関節、脚が一直線になる高さまで上げてください。
このとき、上にくる脚を床に近い方の脚の前に出しておきます。
一定時間キープしたら降ろし、その後反対側も行います。
3-4.プランク
プランクは腹筋を含めた体幹全体を鍛えることができるトレーニングです。
肘を肩の真下になるようセットし、脚は腰幅より少し狭いくらいで腹ばいの姿勢をとってください。
おなかを持ち上げて、頭からかかとまでの関節が一直線になる高さでキープしましょう。
自然な呼吸を維持して行うことが重要です。
呼吸を止めがちな方は、秒数をカウントしながら行うと自然な呼吸を維持することができますよ。
4.腹筋トレーニングの効果を上げるポイント
「腹筋トレーニングの効果を上げるポイントを知りたい」
せっかく取り組むなら、より効果的にトレーニングが行えるポイントを押さえておきたいですよね。
この章では効果を上げるポイントを四つご紹介します。
トレーニング中に押さえるべきポイントに加え、有酸素運動との併用や必要な栄養素についても触れています。
有意義なトレーニングのために、どうぞ役立ててくださいね。
ポイント1 目的の箇所を意識して行う
筋肉トレーニングは意識の持ち方によって効果が変わります。
漫然と行うのではなくトレーニングの内容や目的、意義を理解した上で積極的にトレーニングすることが重要です。
これを「意識性の原則」と呼びます。
例えば、外腹斜筋を鍛えるツイスティング・クランチを行う際は、トレーニングの手順を頭に入れた上で外腹斜筋が鍛えられているイメージを持つと良いでしょう。
そして「外腹斜筋を鍛えてくびれをつくりたい」といった目的を意識します。
トレーニングの内容やトレーニングで鍛えられる部位をイメージすることでより効果を上げることができますよ。
ポイント2 有酸素運動と合わせて行う
腹筋を鍛えるトレーニングを減量のために行う場合は、有酸素運動と併せて行うとより高い効果を期待できます。
筋トレは「運動後に脂肪が燃えやすい体をつくる」、有酸素運動は「運動中に脂肪を燃やす」という役割があります。
このため同日に筋トレと有酸素運動を行う場合は、筋トレを先に行うようにしましょう。
筋トレのような激しい運動を行うと、「脳下垂体」という部位から成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンは骨や筋肉の発育を促すものとして知られていますが、実は中性脂肪の分解を促す強い作用があります。
そのため先に筋トレを行うことで、脂肪を燃焼する効果を高められるといえるのですね。
また、有酸素運動を行うことで、腹筋が割れて見える状態をつくりやすくなります。
有酸素運動には皮下脂肪を燃焼する効果が期待できます。
おなかの皮下脂肪の層が薄くなると腹直筋の分かれ目が見やすくなるため、腹筋のトレーニングだけでなく有酸素運動を行うことで「シックスパック」に近づくことができるかもしれませんよ。
ポイント3 必要な栄養素を摂る
トレーニングの効果を上げるためにはたんぱく質など体に必要な栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
筋肉をつくるためにはたんぱく質の摂取が欠かせません。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1たんぱく質の1日当たりの摂取推奨量は18~64歳の男性で65g、65歳以上で60g、18歳以上の女性で50gです[2]。
一般的に筋肉をつけたい方は体重1kg当たり2gのたんぱく質を摂ると良いともいわれています[3]。
たんぱく質を効率良く摂取するための補助食品としてプロテインを利用することもおすすめです。
また健康的な体をつくるためにはたんぱく質だけでなく、体に必要な栄養素をバランス良く摂ることも重要です。
ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群、マグネシウム、カリウムは筋肉と深い関わりがあります。
ビタミンB群は、エネルギー代謝を円滑に行うためのサポート、筋肉の分解を止めるといったはたらきがあります。
また、ミネラルであるカリウムとマグネシウムは筋肉の痙攣を予防することができます。
特定の栄養素や食品ばかりを摂取するのは避け、バランスの良い食事を摂ることを心掛けてくださいね。
ポイント4 適切な頻度で行う
筋肉トレーニングは、休息を挟みながら適切な頻度で行った方がより高い効果が期待できるといわれています。
筋トレを行うと筋肉を構成する「筋線維」の一部が傷つけられます。
筋線維は回復する際に元より太い状態になり、この現象を「超回復」といい、筋トレではこの「超回復」を利用して筋肉量の増強を目指します。
筋肉が修復されるまでには時間がかかるため、トレーニング後は2~3日の休息が必要とされているため適切な頻度で行うことが重要なのです[4]。
十分に休みながらトレーニングを繰り返すことで、筋力は上がっていきますよ。
5.腹筋を鍛える効果についてのまとめ
腹筋を鍛えると、内臓が正しい位置に維持される、基礎代謝が上がる、姿勢がきれいになる、便通改善につながるといったうれしい効果が期待できます。
基礎代謝が上がれば消費カロリーが増え、肥満の予防・改善につながります。
腹筋は、腹直筋、腹斜筋、腹横筋に分けられ、部位ごとに異なる役割があります。
腹筋を鍛えるトレーニングにはシット・アップなどがあり、それぞれ鍛えられる筋肉が違うため目的を明確にして取り組むと良いでしょう。
トレーニングの効果を上げるには、目的の箇所を意識する、有酸素運動を取り入れる、必要な栄養素を摂る、適切な頻度で行うといったことが重要です。
今回ご紹介した腹筋トレーニングは、特別な器具を使わずに自宅で鍛えることができるため、ぜひ自分のペースでトレーニング始めてみてくださいね。