「腹筋を効果的に鍛えるためには、どんなトレーニングをしたらいいんだろう?」
「実際にどんなトレーニングから始めたらいいのか分からない……。」
腹筋のトレーニングを始めようと思っても、正しいやり方が分からないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
腹筋はいくつかの部位に分かれているため、バランスよく鍛えるには部位ごとに適切なトレーニングを行うことが重要です。
また効率的に腹筋を鍛える上では、トレーニングだけでなく食事についても配慮する必要があります。
そこでこの記事では、腹筋の各部位の紹介や効果的に腹筋を鍛えるトレーニング方法、腹筋を鍛えるために意識したい食事のポイントについて詳しく解説します。
効率的に腹筋を鍛えたいという方は必見ですよ。
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1.腹筋の部位について
「そもそも腹筋ってどんな筋肉なんだろう?」
「腹筋にはどんな種類があるの?」
このように気になっている方もいらっしゃることでしょう。
ここでは、腹筋を構成する部位について解説します。
1-1.腹直筋
腹直筋とは、肋骨(あばら骨)の下側から恥骨までのおなかの前面に位置する筋肉です。
寝ている体を起こす動作や揺れに対してバランスを取る動作など姿勢を保つときに使うほか、内臓を守るという重要な役割もあります。
腹直筋はもともと六つ(人によっては八つ)に割れており、鍛えることでそれがはっきりと見えいわゆる「シックスパック」になります。
その一方で、体脂肪が多い場合にはシックスパックは見えなくなります。
シックスパックを目指す場合には、筋トレだけでなく食事によって体脂肪を適正範囲に保つことも重要といえるでしょう。
1-2. 腹斜筋
腹斜筋は、おなかの脇にある筋肉です。
表面にあるものを「外腹斜筋」、その内側にあるものを「内腹斜筋」と呼びます。
体をひねったりバランスを取ったりするのに使われる筋肉で、多くのスポーツで重要な役割を果たしています。
バッティングやゴルフスイングなどがその代表例です。
このほか、腹斜筋を鍛えることで引き締まった理想的なくびれをつくることも可能です。
引き締まった体を目指したいという場合には積極的に鍛えたい筋肉の一つです。
1-2-1.外腹斜筋
外腹斜筋は、腹斜筋の外側にある筋肉を指します。
あばら骨の外側から骨盤の一番上辺りについており、体を前に曲げたり左右にひねったりする動きに使われます。
1-2-2.内腹斜筋
内腹斜筋は腹斜筋の内側にある筋肉です。
肋骨から骨盤にかけてついており、体を前や横に曲げたり、回したりする動きに使われます。
腹筋をするときには外腹斜筋と連動して動きます。
1-3.腹横筋
腹横筋は内腹斜筋の深い部分に存在し、内臓を覆う筋肉です。
内側の深いところに存在しているため、「インナーマッスル」とも呼ばれます。
呼吸をするときおなかが膨らんだりへこんだりするのは、腹横筋の働きによるものです。
おなかの周りに巻きつくように存在することから、「天然のコルセット」とも呼ばれます。
腹横筋を鍛えることでおなかに力を入れやすくなり、便秘の解消にも効果が期待できます。
2.腹筋を鍛える筋トレ
腹筋を鍛えるためには、どのような筋トレをすれば良いかも気になるところですよね。
ここでは腹筋の各部位を鍛えるためのトレーニング方法を紹介しましょう。
*1 厚生労働省 e-ヘルスネット「レジスタンス運動」
2-1.シット・アップ
最初に紹介する筋トレはシット・アップです。
シット・アップでは腹直筋や腹斜筋が鍛えられます。
まず床に寝転がってあおむけになり、膝を曲げた姿勢を取ります。
次に、両手で頭を支えた状態で、上体を頭から肩、背中の上部、腰の順番に曲げて起こします。
上体が直角になるまで起こしたら、今度は逆に腰からゆっくりと元の姿勢に戻していきましょう。
きついと感じたら、足先をバーベルや椅子などに引っ掛けたり、腕を胸の前で組んだりしておくことで負担を軽くすることができます。
2-2.ツイスティング・シット・アップ
続いてツイスティング・シット・アップを紹介します。
ツイスティング・シット・アップでは腹直筋と内外腹斜筋を鍛えることができます。
最初にあおむけになり、膝を曲げましょう。
次に後頭部を両手で支え、体をひねりながらゆっくりと上半身を左右のどちらかに起こしていきます。
体を起こしにくいときはシット・アップと同様に椅子などに足先を引っ掛けたり、両手を胸の前で組んだりしてみましょう。
右に上体をひねるときには左肘が右の膝の上にくるまでひねり、左に上体をひねるときには右肘が左膝の上にくるまでひねるのがポイントです。
2-3.ベンチ・クランチ
続いてベンチ・クランチを紹介します。
ベンチ・クランチは腹直筋と内外腹斜筋が鍛えられる筋トレです。
低めの椅子や踏み台などを用意してあおむけに寝そべり、膝を直角に曲げてかかとを乗せます。
このとき、両手は頭の後ろで組んでおきましょう。
次に腹筋の上部に力を込めるよう意識して、背中を丸めるように上体の上部を起こしていきます。
腕の力に頼らずに、腹筋を使うようにして行いましょう。
2-4.Vシット
次に紹介するのはVシットです。
Vシットでは腹直筋や外腹斜筋が鍛えられます。
まず両腕を頭側に伸ばし、膝を伸ばした状態であおむけに寝ます。
次に伸ばした両腕を前に突き出し体を起こしながら、つま先を上げてV字の姿勢を保ちます。
その際、膝は曲げないよう伸ばしておきましょう。
上半身と下半身を同時に上げるのがポイントです。
2-5.レッグ・レイズ
続いてレッグ・レイズを紹介しましょう。
レッグ・レイズでは腹直筋や外腹斜筋が鍛えられます。
まずはあおむけになり、両腕を体の脇に伸ばして手のひらを床につけます。
次に手のひらを床につけたまま、両足を膝が曲がらないよう可能な限り高く上げます。
可能であれば、頭の上の方の床につま先がつくまで足を上げましょう。
最後に元の姿勢に戻ります。
2-6.サイド・ベント
次に紹介するのはサイド・ベントです。
サイド・ベントは外腹斜筋と内腹斜筋が鍛えられる筋トレです。
まず両手に軽めのダンベルを握って両腕を下げ、両足は肩幅より少し広めに立ちます。
両腕を伸ばしたまま上体を左右のどちらかに限界まで倒します。
限界まで体を倒したら元の体勢に戻り、反対側も行いましょう。
2-7.サイドライ・シット・アップ
続いてサイドライ・シット・アップをご紹介しましょう。
腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋が鍛えられる筋トレです。
まず、脇腹が床につくように横向きになりましょう。
次に床に触れている方の足はそのままにし、反対の足は前に出して床につけます。
このとき、両手は頭の後ろで組んでおきましょう。
脇腹に肘を近づけるイメージで、上半身をゆっくりと上に起こしていきます。
これを何度か繰り返し、左右を入れ替えて同様に行います。
可能であれば、誰か他の人に足を押さえてもらって行いましょう。
2-8.リバース・トランク・ツイスト
次に紹介するのはリバース・トランク・ツイストです。
この筋トレでは外腹斜筋と内腹斜筋を鍛えることができます。
まずあおむけになり、膝を伸ばして両足を直角に上げましょう。
次に両腕を左右に開き、手のひらで床を押さえるようにします。
手のひらは床につけたまま、伸ばした両足を左右どちらかにゆっくりと倒していきます。
可能なかぎり倒したら元の姿勢に戻り、今度は反対側に足を倒すことを繰り返しましょう。
3.効果的に腹筋を鍛える上でのポイント
「できれば効果的に腹筋を鍛えられる方法も知りたいな。」
せっかく筋トレを行うなら、より効果的な方法で実践したいところですよね。
そこでここでは効果的に腹筋を鍛えるためのポイントを紹介しましょう。
ポイント1 筋トレは食後に行う
筋トレは食後に行った方が良いとされています。
筋肉は何もしていなくても多くのエネルギーを消費しますが、運動によって筋肉を使えばその分エネルギーの必要量も増加します。
食後に筋トレを行うことで全身に十分なエネルギーを供給でき、運動によって傷ついた筋肉組織にも素早く栄養が行き渡ります。
ただし食後間もない時間に筋トレを行うと消化不良を起こし、腹痛を引き起こす恐れもあるため注意が必要です。
そのため食後数時間たってから筋トレを行うことがベストなタイミングといえるでしょう。
「じゃあ、食前は筋トレをしちゃいけないの?」
このように疑問に感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
食前の筋トレは「交感神経」が活発になりやすく、筋肉の繊維が傷ついて鍛えやすいといったメリットがあるとされています。
しかしその一方で、栄養が足りていない状態で筋トレを行うと筋肉がつくどころか分解されてしまうこともあるのです。
食前に筋トレを行う場合には、エネルギー源となる糖質を含むものとしておにぎりやジュースなどを摂取してから行うと良いでしょう。
ポイント2 筋トレを行う際はアミノ酸を摂取する
筋トレの前後にはアミノ酸を摂取することも有効です。
筋肉量を増やすためにはたんぱく質の摂取が重要であることはご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
たんぱく質は体内でアミノ酸に分解されます。
アミノ酸のなかでも筋肉の維持や増量に効果が期待できるものが必須アミノ酸の「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」です。
運動の前や運動中にBCAAを摂取することで、体内でエネルギーとして利用され筋肉の分解を防ぎつつ持久力を維持して運動することができます。
さらに運動後に摂取すると運動によって傷ついた筋肉組織を素早く回復させ、筋肉疲労を軽減するほか筋力を高める効果も期待できるのです。
筋トレを行う際には手軽に摂取できるよう、BCAAの含まれたサプリメントやスポーツ飲料を活用すると良いでしょう。
ポイント3 筋トレだけでなく有酸素運動も行う
効果的に腹筋を鍛える上では、筋トレだけでなく有酸素運動を行うことも重要です。
これは筋トレで筋力を鍛えられるのに対し、有酸素運動では体脂肪を燃焼させる効果が期待できるためです。
筋トレは筋肉量を増やし「基礎代謝」を上げる効果は期待できますが、脂肪を減らす直接的な効果はあまりないといえます。
シックスパックを目指す場合など、腹筋を際立たせたい場合にはその上にある体脂肪を減らさなければなりません。
そのため有酸素運動も合わせて行う必要があるのですね。
*2 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
ポイント4 筋トレ後の飲酒は避ける
筋トレ後は飲酒を避けた方が良いとされています。
これは飲酒することにより筋肉量を低下させる作用のあるホルモンが分泌されたり、反対に筋肉を増やす作用のあるホルモンの分泌が減少したりするほか、体脂肪の増加につながることもあるためです。
飲酒後は、体内でストレスホルモンの一種である「コルチゾール」が増加します。
コルチゾールは心身にストレスが加わることで分泌され、ストレスから身を守り、その状態に適応できるよう心身を調整するはたらきがある一方、筋肉量を低下させる作用もあるのです。
また飲酒後は筋肉を増量させる作用がある「テストステロン」という男性ホルモンの分泌が抑えられることも分かっています。
加えて、せっかく筋トレを行っても飲酒してしまうことで本来筋肉の修復のために使われるたんぱく質がアルコールの分解に使われてしまうのです。
それだけでなく、ビールや日本酒などのアルコールには糖質が多く含まれるため、体脂肪の増加にもつながることが考えられます。
筋トレ直後は飲酒を避けるほか、飲酒する際にはなるべく糖質の少ないお酒を選んだりおつまみを食べ過ぎたりしないようにして調整しましょう。
4.腹筋を鍛える上で意識したい食事のポイント
腹筋を鍛える上では食事のポイントを押さえることも重要です。
ここでは腹筋を鍛えるために意識したい食事のポイントを紹介しましょう。
ポイント1 過食や糖質、脂質の摂り過ぎに注意する
腹筋をつけたいのであれば、過食や糖質、脂質の摂り過ぎには注意が必要です。
腹筋を鍛える上では体脂肪を適正範囲に保つことが重要ですが、過食や糖質、脂質の摂り過ぎは体脂肪を蓄積させてしまいます。
私たちは摂取した食事をエネルギーに変え、それを消費することで活動しています。
しかし、消費するエネルギーより摂取するエネルギーの方が多くなれば、その分は体脂肪として蓄えられてしまいます。
摂取カロリーを減らしたい場合には、まずは食事以外になんとなく口にしているものがないか確認してみましょう。
口寂しいからとついお菓子を食べてしまうという場合には、ドライフルーツやナッツなど、なるべくヘルシーなものを少量食べることで置き換えてみるのもおすすめです。
また、食事を残すのがもったいないと感じ無理に食べてしまうという場合には、調理段階で少なめに作るなどして調整しましょう。
無理な食事制限をしなくても、このような取り組みだけでも摂取カロリーを減らすことができますよ。
ポイント2 たんぱく質や食物繊維を摂取する
腹筋を鍛える上ではたんぱく質や食物繊維を摂取することも重要です。
早く腹筋をつけたいからと食事を抜いたり食事の量を減らしたりしているとエネルギーが不足し、かえって太りやすくなってしまいます。
そのため、筋肉づくりに重要な栄養素をしっかりと補い、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
たんぱく質は筋肉の維持や増量に重要な栄養素で肉類や魚類、豆類などに多く含まれます。
厚生労働省では、1日当たりのたんぱく質を18歳〜64歳までの男性で65g、65歳以上の男性で60g、女性では50g摂取するよう推奨しています*3。
また食物繊維も欠かせない栄養素の一つです。
便秘予防だけでなく糖や脂肪を吸着して排出する作用などがあり、肥満の予防に効果的とされています。
食物繊維は野菜や海藻、果物、キノコ類、豆類などのほか、穀物にも豊富に含まれます。
野菜などが苦手という場合には、おひたしやスープなどにするとかさを減らすことができ、効率的に食物繊維を摂取できるでしょう。
また1日のうち一食の主食を玄米や麦ご飯、そば、ライ麦パンなどに置き換えると手軽に食物繊維を摂取できますよ。
たんぱく質と食物繊維に関してはこちら
*3 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」
5.腹筋の筋トレについてのまとめ
腹筋は腹直筋と腹斜筋、腹横筋に分けられます。
腹直筋はおなかの前面に位置し、鍛えることでいわゆるシックスパックとなる筋肉です。
腹斜筋はおなかの脇にある筋肉で表面にあるものを外腹斜筋、内側にあるものを内腹斜筋といいます。
引き締まった体を目指したい場合に鍛えたい筋肉です。
腹横筋は内腹斜筋よりも深い部分に位置する内臓を覆う筋肉です。
インナーマッスルとも呼ばれており、腹横筋を鍛えることで便秘の解消も期待できます。
一口に腹筋の筋トレといっても種目によって鍛えられる筋肉が異なるので、鍛えたい筋肉を意識して種目を選びましょう。
代表的な腹筋の筋トレ種目には基本的なシット・アップやそれに状態をひねる動きを加えたツイスティング・シット・アップ、低めの椅子や踏み台を利用したベンチ・クランチ、上体と両脚でV字の姿勢を保つVシット、あおむけの状態で脚を高く上げるレッグ・レイズなどがあります。
また立った状態でダンベルを持って行うサイド・ベントや、横向きに寝て上半身を上に起こすサイドライ・シット・アップ、仰向けに寝て上げた脚を左右に倒すリバース・トランク・ツイストもあります。
自分に合ったトレーニングを無理のない範囲で継続しましょう。
また筋トレはきっちりと栄養を補給してから行い、有酸素運動も併せて行うことが勧められます。
有酸素運動で体脂肪を落とすことで鍛えた腹筋をより際立たせることができますよ。
糖質や脂質の摂り過ぎ、過食に注意し、たんぱく質や食物繊維は十分に摂取することも心掛けましょう。
この記事を参考に効率的に腹筋を鍛えてくださいね。
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